許して悪魔様
非現実:作

■ 私はママ8

薬を貰う代わりに……その代償を考えていた私としてはちょっと拍子抜けだった。
無償で薬貰えるとは思ってもみな……

「淫姫希美子よ、新たなる調教に着いてこられるのなら薬を進ぜよう」
「…… ……」
「……どうした、臆したか?」

(やっぱりだ、やっぱりそうなるんだ……)
少しでも期待していた私が馬鹿だった。
そうだ、これはHゲームだ、男性が心行くまま堪能できるように出来ているのだ。

「断れば?」
「ゲームオーバーだ」
「調教?」
「如何にも」

…… ……。
前にも教えられた通りだ。
魔王ヴァインはプレイヤーの意思や意図で左右されるらしい。
ゲームの中では絶対的最強の存在だが、それを操るのはゲーム外の人間。
ここでいうと、それはつまり…… ……。
密かに購入して楽しんでいる弟……。
つまり弟が選択するその陵辱は姉であり私が負うのだ。
(待って待って…… ……いゃ、それは……ちょっと)
青ざめる私を他所に、魔王ヴァインはゆっくりと間合いをつめつつ言った。

「さぁ淫姫希美子よ、更なる混沌とした快楽を……。
ククク、さぁ我に委ねよその身体を。!!」
「ぅぁぁああ!!」

ぎしぃぎしぎし……ぎりり……

耳障りな音である。
音と共に身体を締め付ける。
(ふっぅふぅう〜〜くぅううんっ!!)
声にならない言葉を発して、私は出来る限り身体を微動ださせない体制を保っている。
私は喋る事を許されていないのだった。
初めて聞く名前の……魔界ギャグ?。
魔王ヴァインが縛った私に妖しげな呪文を唱えた瞬間から、いきなり私の口内に現れた無数のブツブツ。
「おぇえっ」て吐き出しそうとしたのだが、その気持ち悪いブツブツは口内纏わり付き吐き出す事すら許されなかったのだ。
(ぁにコレッ!!?)
私は目線で魔王ヴァインを睨んだ。

「クックック心配無用だ淫姫希美子、それは人畜無害の魔界の拘束術である。
寧ろ男をたぶらかしては夜な夜な精を食い尽くす淫乱には最高の餌だったか?。」
「むくぐうっぅ!!?」

「何を馬鹿な冗談」と言いたかったのだが、口内のブヨブヨの無数の物が言葉を遮る。
派手に動いた成果は変わりに身体を締め付けられるという苦痛が待っていたのだ。

「っぅふぁぁむっぅ!!」
「無駄に動かば魔界の蔦はお前を締め付けるぞ?。
この魔界の蔦には意思があるからな、精々気をつける事だな。」
(ぅっふっぅ…… ……こんなっのって!!)
身体を揺らすと痛いのは理解出来たのだけど、この体制は酷く無茶がある。
魔界の蔦という拘束具(縄?)で両腕は背中越しで縛られ、右足は太股と足首で縛られて固定されてしまっているのだ。
そして形が自慢だった乳房をまるで絞るかのようにカップの外側を押さえつけるように蔦が締め付けている。
∞の形で括られた魔界の蔦は、両乳房の谷間から2本目の蔦が股間に伸びて私の大切な箇所をグイグイと締め上げ、お尻から背中へと後ろ手に結ばれた箇所で留められていた。
背中越しに縛られた魔界の蔦は天井から伸びており、今私は左足の爪先で体制を保っているしかない。
無駄に動けば魔界の蔦が余計に身体を締め付け、更に私を窮地に立たせる。
しかしどんなに屈強な人でも、こんな体制では数分と持たない筈だ。
……つまりコレは達成不可能な無理ゲーなのだろう。
ぷるぷると左足が痙攣し始める……またあの苦痛が待っているのだ。
だけどまた……また限界に近付いている。

「ぅうふうっぅ、ぅぅ〜〜むぅぐうぅ〜〜〜っ!」

私は叫び、訴える。

「むふふふふ、どうしたまだ時間はクリアできておらぬぞ」
「………………」

ふるふると弱々しく私は涙と涎を垂らしながら魔王ヴァインに許しを請うしかない。
…… ……温情を。
せめて……。

「プレイヤーはワシの意思だ」
「ぅっぁぐぅむぅんんんぅ〜〜〜」

がくがくがくがっくがくがく……ふるふるぷるぷるがくがく……

限界だ。
フッと身体が重力に逆らう事無く落ち、支えていた左足が崩れる。
その瞬間。

「っぁ、ぎいぁ、んんふぁっぁっぁっぁ……ぎぁ……うぁ……」

ギシギシギシシ
拘束していた魔界の蔦の……意思ある締め付けを全身に加えて下半身に通された魔界の蔦はクリ○リスを直に刺激したのだった。
その衝撃は…… ……もう……また……私をこれまで味わった事の無い昇天へと導かせるモノだった……。

がくがくがくがくぐぐぐく

まるで全身がマリオネットの様に操られ支えられつつ、震わせながら私はイッた。
   ・
   ・
   ・
首をガクリと下にして、快楽の余波と全身の脱力で私はその場に吊るされている。
爪先立ちよりも本当に吊るされて身体を起こしていた。

「全く……学ばぬなぁこの淫姫は」
「ぅふぅうぅ〜〜……ぅぅ〜〜〜〜」
「この魔界の蔦は意思があるのだと言うたであろう?。
お前が快楽への終着に達しようとした時、魔界の蔦は更なる絶頂へと締め付けるのだと。」

フルフルと、私は首を左右上下に弱々しく振る。
思考が混乱しているのだ。
(これは拷問だっ、こんなんで我慢できる女の人なんて……っ!)
ただただ、この責めを早い所打ち切って欲しい、そればかりを願うしかなかった。

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