許して悪魔様
非現実:作

■ 私はママ10

「そ、そっ、そのイベントって何?」
「イベントか?」

これはHな18禁ゲームなのだ、調教という過程もそうだがコレは要するに男性が喜ぶ為の物だ。
嫌な予感しかしないし聞くのもおぞましいが、聞かない訳にもゆかない。

「プレイヤーが調教内容を選択して、様々な手順を踏めば起こるもの、それがイベントだ。
簡単に言うとプレイヤーの為のエロ行為が展開されるのだ。」
「ぅ……あ……ぁぁ……」

サァァァッァ、と血の気が引いた。

「今ワシを操るプレイヤーは秀才だぞ、なんせ最短ルートを辿っているからな。
しかもかなりのエロい展開のイベントへと来ている時点で実に素晴らしい秀才さだ。」

眼の前が真っ黒になった。
もうアイツ(弟)の顔すら……いや同じ屋根の下にも居たくないそんな絶望感だった。
と、同時に悲しくもなった。

「この最初のイベントは魔界の種子を産む事だ。
いいか淫姫希美子、次のイベントまで心して掛かるがよい、薬は与える故母体を大事な。」

悔しくて。
噛みしだく下唇にはジワリと血の味がした……。
魔王ヴァインの声は耳に届かなかった。
   ・
   ・
   ・
   ・
あの日から、私は薄暗い光景が日常になった。
辛気臭くて無造作な造りの石の囲いには、もうとっ
くに馴れた。
あの日から、私の記憶は全て消去された。
あれ程進撃にそれでも両親の為に生きようという志は消し飛んだ。
あの日を境に、私は失踪したのだ。
突然姿を消した私を両親は、弟は、友達は……。
それももう、どうでもよくなってしまった。
私は絶対に見つからない所に居る、警察がどんなに懸命に捜しても絶対に見つからない見つかる訳がない。
常識を知る人間には到底調べてみるという事すら思いつかないからだ、これぞ史上最高の神隠し。
そしてその私はというと……。
ただ快楽に溺れて、日々PCの中で乱れはしたない姿を晒している。
プレイヤーである弟の選択のままにだ。
そぅ、あれから何匹の魔界の種子を宿して何度となく出産も味わった。
愛らしい子達はゲーム内の人間を襲い、村や街を破壊して旦那様の征服に貢献し、その活躍には目を細めるばかり。
……ゲーム……。
それは幻想なるゲームの世界。
いつ日か魔王ヴァインの事を旦那様と呼ぶようになり、それも今では普通に口から出る。
私はそのプレイヤーに操られる淫姫。
体力と気力が許される限り私は限りない責めを受ける。
今となってはそう、これっが当たり前になっていた。
…… ……。
疼く身体は面倒なシュチュエーションを嫌う。
早く私のアソコを突いてほしいから……。
だから私は言う。

「ゲームとか、そんぁのいいから」
「突いてぇぇぇっ、旦那様ぁっぁぁ〜〜」

シナリオとかシュチュとか……どうでもいいよぉ。
お互いが感じあえばさえ……魔王にも身体委ねられちゃうのだから。

〜完〜

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