優等生の秘密
アサト:作

■ 37

「うぁっ、あぁっ!! あっ、だ、めっ……あぁあんっ!!」
 ごりごりという擬音がしっくり来るほどに、聡子の中を擦り上げる。その度に、聡子の口から甘い声が漏れる。嫌と言いながらも微かに腰を揺らし、その身体は確実に快楽を貪ろうとしていた。
「っく……もう、出る……!!」
「嫌ぁあっ!! 中は……やめて……っ!!!」
 聡子が懇願するが、遅かった。貢太は聡子の最奥に亀頭を押し当てた状態で果てた。どくん、どくんと脈打つ度、熱い白濁が体内を満たしていく。
「嫌、いやぁあ……っ!」
 聡子の目から、涙が零れ落ちる。両手で顔を覆って泣き崩れるその姿は、先程までの妖艶な姿とは対照的に、幼子のようであった。
「次は、俺がやらせてもらおうかな……」
 俊樹は貢太を押し退けようとした。だが、貢太がそれを拒んだ。俊樹は一瞬顔をしかめたが、小さくため息をついて貢太から離れた。
「……まだ、元気なんだ。」
 貢太はそう言って、間髪入れずに腰を振り始めた。硬さも大きさも全く衰えていない怒張が、先ほどよりもずっとスムーズに聡子の襞を擦り上げる。
「あぁっ、あぅっ、はぁあっ……だめぇっ……いやぁあっ……あんっ!」
 聡子の甘い声と、濡れた音と、肉を打つ音が、教室に響き渡る。防音設備がしっかりした場所でなければ、その全てを外に居る人間に聞かれてしまうだろう。快楽でぼんやりとした頭の隅で、貢太はそんな事を考えていた。
「俺も、気持ちよくしてくれよ。」
 俊樹は言うなり聡子の口に自らをねじ込んだ。街でナンパした女との経験はあったが、聡子ほどのテクニックを持った女とは経験が無かったのだ。
「んっ、んふぅっ……んむっ……!!」
 口内を蹂躙される度に、聡子は無意識のうちに貢太をきつく締め付けていた。
「っ……!!」
 貢太はさっき果てたばかりだというのに、もう絶頂に導かれそうになっている事に気付いた。それほどに、聡子の蜜壺は心地よいものだった。
「貢太、もっと色々試せよ、な?」
「あ、ああ……」
 貢太は生返事を返すと、嫌がる聡子をうつ伏せにさせた。そして、獣のような体勢で、聡子を突き上げる。
「ひっ……ああぁあっ!!」
 背中を大きく仰け反らせて、聡子は悲鳴に近い声を上げた。その口を、再び俊樹の怒張が塞ぐ。喉の奥まで一気に突き上げて快楽を貪る。
「ん、んぐ……っ……んむぅ……」
 聡子が苦しげに呻き、俊樹から逃れようとする。だがそれにもかまわず、俊樹は聡子の髪を掴み、腰を振る。何度も何度も喉を突かれ、吐き気すら覚える。だが、逃れることは許してもらえない。貢太と俊樹に刺し貫かれ、身動き一つ自由に取れない。
「ん、んーっ!! んんっ!!」
 聡子の目から、とめどなく涙が溢れ出す。
 誰か、誰かこの部屋の異変に気付いて。心の中でそう叫びながら、いつしか聡子の身体は二人に従順に動き始めていた。
「聡子さん……エロいねぇ。自分から、腰振って……」
 聡子の舌技によって、絶頂が近いのだろう。途切れ途切れに言って、俊樹は少し眉間にしわを寄せた。
「んんーっ!! んっんーーー!!!」
 聡子は俊樹の言葉を否定するかのように、くぐもった悲鳴を上げた。尻に貢太の腰が叩きつけられる度、喉奥を俊樹にえぐられる度、今まで味わった事のない感覚が、身体の中をはしり抜ける。
(どうして、身体、勝手に反応するの……? 嫌、嫌……っ……京介……!!)
 必死で、京介の事を考えようとする。だが、二人の動きが、それすら許してはくれない。
「く……っ……出る!!」
「こっちも……っ!」
 二人がほぼ同時に、絶頂に達した。貢太は聡子の中に、俊樹は聡子の顔面に、それぞれ己を解き放つ。
「いやあぁああっ!!!」
 聡子は悲鳴を上げ、その場にうずくまった。精液と涙で顔はくしゃくしゃになっていたが、それはそれでなんともいえず魅力的なものだった。

 さらに、追い討ちをかけるように、携帯のカメラのシャッター音が響く。
「お、お願い……もう、もうやめて……!」
「あぁ? それが人にものを頼む態度かよ?」
 俊樹は聡子の髪を掴んで顔を上げさせた。聡子は悔しさと俊樹に対する恐怖で、泣きながら口を開いた。
「も、もうやめて下さい……仲原君の写真も、ちゃんと消します……」
「だとよ。どうする? 貢太?」
 俊樹の言葉に、貢太はぼんやりと顔を上げた。これまでの貢太なら、迷うことなく、もうやめるという言葉を口にしていただろう。だが、先程までの行為で、貢太は気付いてしまっていた。自分の中の、サディスティックな部分に……
 愛しいと思っていた聡子が泣けば泣くほど、聡子が苦しめば苦しむほど、貢太の中で快感が増すと言う事に気付いてしまったのだ。
「……調子、良すぎないか? 今まで散々、俺をコケにしてさ……」
 貢太の声に聡子はすくみ上がった。怯える聡子を乱暴に床へ押し倒すと、少しだけ柔らかくなった自身を聡子の口もとへ持ってきた。
「ほら、ちゃんと綺麗にしてくれよ。俺のザーメンと、アンタの汁で汚れてんだよ。」
「う……うぅっ……」
 震える繊細な指が、貢太に触れる。柔らかくなったそれを口に含み、ちゅるちゅると音を立てながら吸い上げると、精液特有の苦味とにおい、それに混じって、微かに自分の味とにおいが口内に広がった。
「いつも途中まででおあずけ喰らってたけど……こっちも『優等生』なんだな……」
 貢太はにやにやと笑いながら、聡子を見つめた。清楚な顔に飛び散った精液を拭いもせずに、必死で貢太のものにしゃぶりつく姿には、普段の物静かな優等生の面影は無い。
 いつも自分を上から見下していた女が、自分の言う事に屈辱を味わいながら従う。その事実に貢太は今まで味わったことの無い満足感を覚えていた。
「おい、貢太、俺にも楽しませろよ。」
「あぁ、分かってるよ。」
 貢太は、近くにあった椅子に腰を下ろすと、聡子を抱き起こし、膝立ちさせた。それから、聡子の顔を拭った。
「一回、やってみたかったんだ、パイズリってやつ。」
「なかなか、イイ趣味してんじゃねーか。まぁ、俺も人の事言えねーけど。」
 にやにやと下卑た笑みを浮かべながら、貢太は聡子の胸を自分の股間の上に乗せ、俊樹は聡子の尻に手を這わせた。
「お願い、もう、もう許して……許して下さい……」
 聡子の目は、ずっと泣いていたために赤く充血してしまっていた。その痛々しささえ覚える姿も、貢太にとっては魅力的なものの一つでしかなかった。

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