2010.04.28.

哀縄奇譚
01
MASAYO



■ 第一話 有希子1

私は一本の縄です。
本来なら荷造りをしたり、荷物を縛ったりと
日常の中でありきたりに使用するありきたりの縄でしかありません。
ただ、私の場合ご主人様に少しばかり風変わりな使われ方をされてます。
私のご主人様は今年四〇歳になる世間で言うところの売れない小説家です。
本人は一応直木賞を狙っているのらしいのですが未だ候補に挙がったこともありません。
ただ、ポルノって言うのですか、Hな小説を書いて収入を得てます。
私はそんなことに才能を浪費するより本来の小説に力を入れた方がいいと思うのですが、
人間は夢だけを食べては生きてられないらしくて…
それになんと言ってもご主人様って部類の女好き! 趣味と実益ってやつね、
もっともそれが奥様に逃げられた原因でもあるのだけど…
今日はそんなご主人様が出会った女性達を紹介させていただきます。

第一話 有希子

1 出逢い

有希子さんって人妻なのにとってもみだらで激しいの、はじめて見たときは上品な奥様って感じで「清楚」と言う言葉がぴったりだったんだけど、ベッドの上ではこれでもかって言うぐらい貪欲になるの、女って見かけだけじゃわからないわね、もっとも私も女だけど…あら、縄にも男と女があるのよロープとかワイヤーは男、麻縄とか組み紐は女、別に広辞苑に載ってるわけじゃないわ、でも女の私が言ってるんだから間違いないでしょ。
それはともかくその有希子さんのこと、人妻なのにとってもみだらで…あ、これは言ったわね、ご主人様が有希子さんと会ったのは昔流行ったダイヤルQ2の伝言ダイヤル、今で言う出会い系サイトってやつね、そこに登録したら有希子さんからメッセージがあったの、かなり警戒してたのは話し方でわかったわ、声も小さく、おずおずって感じで、それでこの人はQ2のヤラセじゃないって思ったの、その頃よくあったのよQ2のスポンサーが雇った人がいかにも素人に見せて電話をかけさせ利用料を稼ぐっての、有希子さんはそうじゃなかったわね、つまりご主人様「当たり」を引いたのよ。
何度かQ2を通じてメッセージのやりとりをしたの、たとえば今日買い物に行くとき下着はつけずに行きなさいとか、夜中の十二時に月を見ながらオナニーをしなさいとか、いわゆる「調教メッセージ」っての、そういうことを何度かした後自宅の電話番号をメッセージに残したの、すると三日ほどQ2にもメッセージが無く電話もかかってこなくなったの、ご主人様タイミングに失敗したかなってあきらめかけてたら四日目に自宅に電話があったの、あのおずおずとした口調で…、ご主人様ガッツポーズしてたわ、私笑っちゃった。
結局有希子さんの旦那様が来週の水曜日まで出張だということでその次の日曜日に会うことになったの、別に暇だから次の日でもよかったんだけど「原稿の締切が迫っているので」
なんて、もっともらしい理由を付けてもったい付けてるの、もう見栄っ張りなんだから。
そしてその日曜日の昼下がり秋の真っ青な空の下会ったの、もちろん私をバッグにしのばせてね、文字通り「昼下がりの情事」ってやつ?、あら、ごめんさいちょっと古かったわね。
有希子さんって顔立ちはどちらかと言えば美人じゃないわね、でも決してブスじゃないわよ、なんて言うのかしら「男好きのする」っていうのかな…鼻筋の通ったキリリっとしたというんじゃなく、そう! 癒し系! その言葉がぴったりね、一緒にいると相手をふんわりとした気分にさせるの、背はそうね一六〇センチちょっと切るぐらいかな、高級そうな鶯色をした丈の長い三釦のジャケットスーツに白いブラウスを着けた彼女は肉付きは良いけど決して太くはなくて、三〇歳代半ばにしたらかなり良い「からだ」をしてたわね、二十歳の張りつめたような身体も良いけど、ご主人様の好きなのはどちらかと言えば有希子さんのような肉感のある方が好みなのよね、ご主人様の舌なめずりが聞こえそうだったわ。
とにかくお茶でもと言うことで近くにあった喫茶店に入ったの、ガラス張りで外が見えるような明るいところを選んだのは相手の警戒心を解くためと相手をよく観察するためね、この探究心を小説に生かしたら直木賞も夢じゃないのにっていつも思うんだけど…。
ご主人様が有希子さんを気に入った理由の一つに声があるわね、すごく優しい声で話すの、まさに鈴を転がすと言う表現がぴったりね、
あと、人の話を聞くときに濡れたような目で見つめるように聞くので、「うっとりと聞いている」という風で、話す方からすればますます多弁になってしまうのよね
二人は最近見た映画の話とか、趣味の話、昔行った旅行の話と、とりとめのない話でうち解けた後ご主人様が買い物につき合ってと頼んだら有希子さんもついでがあるらしく銀座にある某有名デパートに行くことになったの、その頃には有希子さんの警戒心もかなり解かれてたわ。
買い物はご主人様は有希子さんにコーディネイトして貰ってカシミアのセーターとコーデュロイのスラックスを買い求め、有希子さんは修理に出していた時計を受け取りにいったの、ご主人様がめったに銀座に来ることもないので景色を見に屋上へ行こうってことになってエレベーターに乗ったの、私そろそろ口説きモードねって感じたわ。


2 邂逅

でも、そのデパートに屋上はなく、十三階が展望フロアになってたの、フロアの半分は食堂街になっていて残り半分のその中央に子供達が遊べるように滑り台や動物をあしらったイスがあり南側がガラス張りになっていて無料でみられる望遠鏡が備えてあるの、景色と言っても東京の真ん中では遠くレインボーブリッジが見えるぐらいでさほど見るものはないの、日曜日と言うことでかなりの人がそのフロアにいてまさかこんなところで口説いたりしないと思ってたらご主人様ったら有希子さんをいきなり抱き寄せたの、もちろん有希子さんは抵抗したわ、でも、周りに人がいっぱいいるもんだから大きな声も出せなくてホントに小さな声で「いや」って、
ご主人様そんな有希子さんのささやかな抵抗なんか無視して背中から脇に回した手でさらに強く抱き寄せるようにして身体を密着させその手を有希子さんのジャケットの前から差し入れてブラウスの上からオッパイを鷲掴みにしたの、有希子さん泣きそうな声で「止めて」って言ってるのだけどホント小さな声なの、そんな声じゃますますご主人様をその気にさせちゃうのよね。
次にご主人様はそのオッパイをわしづかみにしてた手で器用にブラウスのボタンをはずし始めたの、大きな抵抗もできないままブラウスのボタンを全てはずされてしまった有希子さんは今度は周りの人に見られないよう身体をご主人様に預けるしかないのよね、ほんとこんなところだけには知恵が回るんだからうちのご主人様。
はだけたブラウスの隙間から薄いピンクのブラジャーのカップに沿って手を滑り込ませ、掴み出すようにして剥き出しにし、あらわになった乳房を玩んで肌の温かさを楽しんだ後指先で乳首をつまんだの、少し褐色がかった乳輪と肌の白さが妙にエロチックでご主人様ったら目を輝かせてるの、そしてご主人様はしばらくの間有希子さんの乳房の感触を堪能したの、強く揉みしだいたり手のひらで優しく撫でるようにして乳首の先が手のひらにこすれるようにしたり、たまに乳首の先をぎゅっとつねって有希子さんの苦痛にゆがむ顔を楽しんだりね、でも有希子さんってそんなことされて嫌だって言いながらも、そのうち頬赤らめて息が乱れてきたの、驚いちゃった。
その時たまたま横に来た若いカップルが二人に気づいたの、男の子の方は興味津々って感じで見てたのだけど女の子の方が男の子の手を引っ張るようにして行ってしまったわ。
二人に見られたことに気づいた有希子さん見る見る真っ赤になって、でもご主人様ったらニヤニヤしちゃって、ホント悪い人。
しばらくはその状態を楽しんでたけど警備員にでもこられたら面倒だとご主人様その場を離れることにしたの、でも有希子さんはオッパイ丸出し状態でとても人前には出られない姿、ご主人様有希子さんに服をそのままにしてジャケットの前だけを強く合わせ肩を抱き寄せるようにしてフロアの隅にあるエレベーターに向かったの、そのエレベーターは上がってきた時とは違ってエレベーターガールの乗っていない小さな箱で一階と十三階のこの展望フロアを直通していたの、私、「ああご主人様この中で有希子さんの着衣を治させてあげるのね」と思ったの、でも違ったわ、二人きりになれるタイミングを見計らってエレベーターに乗るなり有希子さんを抱き寄せ荒々しくキスしたの、そしてほとんど裸の有希子さんのジャケットとブラウスをはぎ取りブラジャーもはがしたの、有希子さん上半身素裸にされてかなり強く抵抗したわ、でもご主人様かまわず乳房を鷲掴みにしギュウッと絞り、はち切れんばかりになった乳房の先の、刺激を与えられてビクッと固く突き出た乳首を口に含みチューチュー音を立てて吸ったの、
「いやあああ、お願い止めて下さい」
有希子さんにしてはかなり大きな声を上げてエレベータのの中で響いたわ、だけどご主人様には効果無く、有希子さんの乳首を口に含んだままスカートをたくし上げ、パンティとパンティストッキングを膝上まで下ろし露わになった二つのお尻を叩いたり撫でたりして楽しんでるの、でも私思ったの有希子さんてある程度覚悟を決めてご主人様に会ったのねって、だってかなり高級なパンティ履いてたんだものシルクの、あれって勝負パンツって言うの?、まあそれはいいとして、一階まで約一分、私今にもドアが開くんじゃないかと冷や冷やしたわ、でも、ご主人様そのあたりのことはわかっていて一階に着く前に有希子さんにジャケットだけを羽織らせて何食わぬ顔で有希子さんを抱き寄せエレベーターを降りたの、一階で待ってた人はエレベータの中でそんなことが行われていたとは思わないでしょうね。でも有希子さんの紅潮した頬と表情で気づいた人もいるかもね。
ずり下ろされたパンティでスカートのお尻のところがもっこりと膨らみ、さらにジャケットの中は何も着けていない状態では有希子さんも何をどうすることも出来ずご主人様の成すがままでしかないのよね。
外へ出ると陽は西に傾いてはいるものの人通りも多くそれだけに有希子さんの置かれた状態が猥褻に感じたわ、ご主人様は特に予定を組んでいたわけではないらしく有希子さんに「これからどうします?」って聞いたの、有希子さんをこんなにしておいて「これからどうします」もないものよね、
「あの…、服を返して下さい」って有希子さんがつぶやくように言ったんだけど、あ、そうそう、エレベーターの中で脱がせた有希子さんのブラウスとブラジャー、私と一緒にバッグに入ってるの、高い香水を使っているのね良い香りだわ。それはともかく服を返して下さいと言った有希子さんにご主人様ったら「君の身体が見たい」だって、会話になって無いじゃない。
「そんなこと困ります」って有希子さん
「でももうオッパイは見たし、かわいいお尻もさわらせて貰った。」
「お願いそんなこと言わないで下さい」
ご主人様相手が困るとますます困らせてやろうとするホント悪い性格なのよ。
結局しばらく歩いて小さな公園に着いたの、パンティを膝上までずり下ろされている有希子さんはとても歩きにくそうで気の毒だったわ。
オフィスビルが並ぶこの辺りは人通りも少なくて薄暗く街灯も点き始めていたわ。
ご主人様はメイン通路から隠れたところにあるベンチに並んで座り有希子さんの身体を抱き寄せて肩に回してた手を有希子さんの顎の先に沿わせ顔がこちらに向くようにしてキスをしたの、そのキスはエレベーターの中でのキスと違って優しキスよ。有希子さんも抵抗せずそのキスを受け入れたわ。
次にご主人様の空いている左手を有希子さんのジャケットに滑り込ませ乳房から乳首への愛撫を始めたの、なにしろジャケットの下は素肌なものだからなんの手間もかからなかったわ、有希子さんったら、その時もしだいに頬を赤らめ少し息を乱してたわ、きっと乳首は有希子さんの性感帯の一つなのね、ご主人様はひとしきりその愛撫を楽しんだあとスカートの裾から手を入れ半分下ろされているパンティとパンティストッキングをゆっくり脱がせ始めたの、有希子さん一瞬からだを堅くしたけど大きな抵抗もせず、と言うよりむしろご主人様が脱がせやすいように腰を浮かせ気味にしたわ。
とうとう有希子さんが身につけているのはジャケットとスカートだけになってしまい益々ご主人様の思い通りになっていったの。
暗闇が支配した中で有希子さんへ愛撫を続けるうちご主人様も興奮を抑えられなくなってきたのかしら有希子さんのスカートまでも脱がしにかかったの、さすがにこれには有希子さんも抵抗したわ。
「お願いこれ以上は…もし人が来たら、恥ずかしい…お願いです、止めて…」
あまりに激しい抵抗にご主人様一旦スカートはあきらめたの、でも、それが有希子さんにとって良かったのかどうか、ご主人様ったら有希子さんのジャケットを両肩から二の腕まで下ろし後ろ手に縛った状態にして腕の動きを封じちゃったの、当然乳房はさらけ出され街灯の明かりに照らされて丸見えになってしまったわ、つまり上半身素裸にされたのと同じになっちゃったのね、
「いやあああ」
あ、そんな大きな声だしたら人が来ちゃうと思ったのは有希子さんも同じらしく、次に出した声はかなり抑えられて「お願い、止めて」と、ご主人様だけにしか聞こえないように言ったの、もちろんご主人様が止めるはずもなくてさっき中断したスカートを脱がしにかかったの、ウェストのホックを外し、横のファスナーを下ろすといとも簡単にご主人様の目的が果たせたの、
「あああ、お願い…許して…」
公園に有希子さんの切なげな声が響いたわ
有希子さんの茂みはあまり濃くはなく菱形に生えそろっていたわ、きっと普段から手入れしてるのね。
ベンチの上で素裸に近い状態で有希子さんは腕を後ろにしたまま膝を胸に当たるまで折りまげ、かがむようにして少しでも街灯に照らされ無いようにしてたわ。
「お願い服を着せて下さい。誰か来たら、恥ずかしい、お願いです」
目に涙をためすがるように言う有希子さん、とてもいじらしくて…。
こんなに有希子さんが頼んでいるのにご主人様ったら無視して横に座り少しでも隠そうとする有希子さんの肩を抱き起こしてキスしたの、有希子さんご主人様にされるがままになりながらも服を着せてくれるよう頼んだわ、でも、オッパイをさわられているうち息も荒れて来て…



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