2006.12.29.

愛美の奴隷生活
01
まーくる



■ 第一章 握られた弱み1

「今日は先生が休みなので、私が出席をとりまぁ〜す! 今日来てないのは……」

音川愛美の元気な声が教室に響く。愛美は私立高校2年で、A組の学級委員をしている。

「え〜と、浅井くんは風邪で休みだったよね。あとは……山中さんか。」
「山中はよく遅刻するし、いつも通りだな!」
「はは、まあそうだね。」

クラスの男子と明るくやり取りする愛美。愛美は可愛らしい顔立ちでスポーツ万能・頭脳明晰。それでながら、ハキハキと明るく元気に満ち溢れておりクラスの人気者である。肩の辺りまで伸びた美しくまっすぐのびた黒髪。化粧はあまりせず、元気な普通の高校生といった感じながら、その素朴さがまた魅力的であり、同学年、上級生にも人気が高い。さらにその真面目さと人望から、時期生徒会長候補とも言われていた。

「今日センセー来ねぇの? じゃあ5時限のバスケどうすんの?」
「生活指導の松本先生が見てくれるって。でも松本先生じゃ体育の内容わかんないから、みんなで協力してやるように! って!」
「マジで!? やったぁ~!!」

騒がしくなる教室。自由に体育が出来ることで男子達を中心に盛り上がっている。

「もう1時限の数学始まるよ〜! 静かにして〜!」

そういって席に着く。すると後ろの席の麻衣子が話しかけてきた。

「愛美ちゃん大変だね。」
「ホンット。もううちの男子は騒がしくて。これじゃ疲れが何倍もだわ。」
「ご苦労さまです。学級委員様♪」

笑いながら会話をする二人。クラスは多少静まったものの、皆回りで会話をし、ガヤガヤとしていた。そんな中、数学の教師が教室に入ってきた。

「んじゃ授業はじめるぞ〜。学級委員…」
「起り〜つ……」

そうして今日も学校生活が始まっていった。



3時限の授業終わり、弁当を食べる愛美の姿があった。それをみた麻衣子は思わず尋ねる。

「愛美ちゃん、どうしたの? そんなにお腹すいたの?」

それを聞いて愛美は少し驚き、喉に詰まらせながら答えた。

「ゴ、ゴホッ……、ち、違うよぉ。5時限の体育は松本先生じゃわからないから、4時限終わったら昼休みの間に準備しちゃおうと思って。」
「なんだびっくりした。いつから大食いキャラになったのかと。」
「なってない、なってない。」
「手伝おうか?」
「ううん、一人でできる仕事だからいいよ。それに今からお弁当食べても間に合わないでしょ。」

と、麻衣子の気遣いに感謝しつつも、笑顔で断った。
すると今度は離れた席から男子が話しかけてきた。

「なんだ音川ぁ〜! もう弁当食ってるのかよ! 早くね〜?」
「なら私お昼に食べるから、狩野くんさぁ、昼休みの間に体育の準備してくれる??」

「……で、プレステ3の話なんだけど……」
「ちっ、逃げられた。」
「あははは!」

麻衣子思わず笑い出す。愛美の笑い出し、和気藹々と10分休みを過ごす。
そして4時限が終わり、愛美は5時限の体育の準備へと向かった。
体育館は校舎から少し離れたところにあり、授業・部活がないとき以外は閉まっている。
そのため普段はひと気がなく、幽霊話などがよく話されている。愛美は職員室で体育館の鍵を借り、体育館に到着した。

「あれ、鍵が開いてる……」

普段は閉まっているはずの鍵が開いていて、多少戸惑ったが、誰かのかけ忘れだろうと思い、体育館に入っていった。

中は電気がついておらず、カーテンも閉まっているため昼間なのに薄暗かった。まずは電気のボタンをつけると、体育館特有のゆっくりとした電気がつき始める。完全につき終わるまで2〜3分掛かるので、その間に体育準備室へバスケットボールの道具を取りに行く。
すると、体育準備室には明かりがついていた。さらに、その中からは数人の声がした。
愛美はそっと扉に近づき、聞き耳をたててみた。

「それで、これしか持ってないの!?」
「す、すいません……これで全部です……」
「もういいじゃん! みんなにチクッちゃおうよ!」
「あ〜、それでいいね。」
「そ、それだけは!」
「ならどうすんだよ!!」
「それは……」
「あははは。もういいじゃん! 諦めなよぉ。」

どうやら男1人を女3人話をしているらしい。男の声は弱弱しく、女には余裕があるように聞こえる。そして準備室から通路には、タバコの臭いが漂っていた。

「(何? イジメ? それにタバコ吸ってるの?)」

正義感が強く、悪事が許せない性格の愛美は、顔をしかめながら、そぉ〜っと扉の隙間から中を覗いてみた。
すると、一人の男が正座させられ、女三人がそれを囲んでいた。
上履きの色をみると、どうやら男は3年らしい。そして女の方は……

「(山中さん!? それにあとの二人は……)」

一人は愛美と同じ2年A組の山中桃子であった。黒髪で肩を過ぎたところまで伸びたストレートヘアに長身で程よい小麦色の肌。大柄でグラマラスな体型の持ち主。その桃子が、タバコを咥えながら、男の前に仁王立ちしていた。
あとの二人は1年で、一人は西崎奈緒美という1年生で、明るめの茶髪のショートヘアで赤や青のエクステを数本つけている。程よい茶色い小麦色で、体格は細身。可愛らしくもセクシーな顔をしており、濃い目のアイシャドーがそれを一層際立たせている。体育マットの上に寝そべりながら、男子生徒を嘲笑っていた。
最後の一人は森本エリカといい、肩のまで伸びた金髪の巻き髪。大人びていて艶やかな顔立ち、うっすらした小麦色の肌、身長と絶妙にバランスのとれたスタイル。ブレザー姿のミニスカートからはスラッとした太腿が伸びていた。このエリカがリーダーのようで、一番後ろで座り、それはまるで女王様のようであった。
この三人は、学校でも美人で有名な3人で、学年問わずファンが多い。特にエリカは一年生ながら、その美しい顔立ちに完璧なプロポーション、醸しだすフェロモンにお嬢様な性格が相まって、1年生ながら学校で一・二の人気である。それに対抗するのが、愛美であり、愛美とエリカは人気を二分しているのである。素朴で可愛い愛美派と、派手で綺麗なエリカ派という図式で、ほとんどの男子がどちらかに分かれるといわれている。
学校で女子の人気TOP10を作ったら、間違いなくこの場にいる4人ははいるだろう。

そんな美人の3人が、こんなところで何をしているのであろうか。

「(わざわざこんなとこで何をしてるんだろう……)」

「人の下着盗み見といてたった5千円じゃねぇ。せめてもう5千円じゃない?」
「か、勘弁してください。もうお金が……」
「あははっ。じゃあみんなにバラしちゃうからいいよぉ。みんなに話したらどうなるのっかなぁ?」
「!!? そ、それだけは……」
「じゃあ金払えんのかよ!?」
「え……え〜〜っと……」
「どうするの? はい、10……9……」

エリカは優雅に喋り、奈緒美は嘲笑しながら、桃子が強気に話していた。男はどんどん追い詰められていき、もういっぱいいっぱいの様子だった。

「(立派な恐喝じゃない!! タバコまで吸ってるし! 許せない!)」

そう思うと愛美は、正義感と怒りに任せて部屋に乗り込んでしまった。



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