2006.02.28.

援助交際
01
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■ 初めてのデート

愛という少女がこの話の主人公です。愛は中学3年生の時に父親が亡くなり母と二人で過ごしていました。愛の母は生活費を養うために昼はレストランで働き夜は高級クラブで働いていました。そんな愛の生活を変える出来事がおこりました。



愛が高校2年生になった頃、生活はさらに苦しくなり愛の母は2日に一度は泊り込みで働くようになりました。この頃に愛にも紘輝という彼氏もでき青春をエンジョイしていたのだがそんな愛に悲劇が襲い掛かるのだった。



夏休みになりもう一週間がたつであろう愛はこの日を楽しみにしていた。大好きな紘輝とデートの約束をしていたのだ。二人が付き合いだすきっかけになったのはある些細な出来事だった。高校2年生になったばかりで人見知りの激しい愛は誰とも話せずにいたのだ。愛が通う葵高校は2年生になったら文系と理系に分かれなければいけないのだ。せっかく仲良くなった友達は大体が理系に行ってしまった女子は大抵は文系というイメージが強いがこの葵高校では理系の方が多いのだ。と、こんな理由で同じクラスに知り合いのいなかった愛にこころよく話しかけたのが付き合うことになった紘輝だった。

「知り合いいないんでしょ? 僕もいないんだ!」

と紘輝が愛に言った。愛はコクリと肯き紘輝のほうを見た。

(かっこいい! それに優しくていい人みたい。)

というのが初めて紘輝を見た時の感想だった。紘輝はサッカー部で時期スタメン候補だった。顔も文系のクラスで一番くらいだろう。一方、愛も顔が良く美人系と可愛い系でいうと明らかに美人系だ。スタイルもよく前のクラスでは結構話しかけてくる男子も多かった。

「やっぱりそうか! じゃあ僕が君のこのクラス第一号の友達だ! いいかな?」

とても明るく愛に話す。愛の緊張も消え声を出して紘輝にこういった。

「いいですよ(笑)。私、喜多川愛っていいます。」

「ありがとう(笑)。僕は黒山紘輝っていいます。よろしくね。」

二人は自己紹介をした後に握手をした。愛と紘輝は授業中も楽しく話していた。4時間目の授業中も話していた。そんな二人に気づいた先生はキッと睨んでから紘輝と愛に嫌味っぽくこういった。

「あら! 二人で楽しそうね。ちょっと廊下で二人っきりで話してきたら?」

この声にクラスの皆は笑いの渦を作っていた。しょうがなく二人は立ち上がり先生の言うとおり教室を後にした。

「ごめんね! 俺のせいで!」

紘輝のこの言葉に愛は首を横に振って答えた。

「私も悪いよ! 黒山君と話すのが面白くてつい……」

しばらく沈黙したあと二人は何かを思い出したように笑った。

キンコーン カンコーン

授業の終わりを告げる鐘の音が学校中に鳴り響いた。

そして昼食の時間

「喜多川さん! お昼、屋上でいっしょに食べない?」

紘輝の呼びかけに愛はこういった。

「いいよ! 黒山君……その……あ、愛でいいよ。愛って呼んで!」

「そう? じゃあ……あ、愛!……なんか照れくさいな。愛も紘輝って呼んででいいよ!」

という呼び方を決めた後で屋上に向かった。屋上には誰もいなかった。屋上には特に何もなくてポツンとベンチがあるだけだ。二人はベンチに腰を落とし座り込み弁当箱を開けた。紘輝の弁当は母親の手作りといった雰囲気だ。愛はというと紘輝とは逆で急いで作り上げた感じだった。高校1年生の時は愛の母もきちんと可愛く作ってくれていた。2年生になっていくにつれてだんだん今この場にある愛の弁当の形になったのであった。愛の瞳には涙が今にもこぼれるといった様子だった。その様子に気づいた紘輝は愛にどうしたのかと聞いたその質問に愛が答える。

「最近お母さん忙しいみたいでお弁当ちょっと手抜きなんだ。別にそれが悲しいってわけじゃないんだけどお母さん頑張ってくれてるんだなって思っちゃって。」

紘輝は黙って愛の涙を持っていたハンカチで拭いた。そしてゆっくりと抱き寄せて耳元で囁いた。

「愛も頑張ってるんだな。寂しいときはいつでも俺に言えよ。」

そして二人は唇を合わせた。これは愛にとっては初めてのキスとなった。愛は嫌な気持ちではなかった。しばらく二人は唇を合わせていた。

「愛。俺と付き合ってくれないか?」

唇を離して紘輝が愛に言った。愛はその言葉に呆然としていたがしばらくたち口を開けた。

「私ね今のが初めてのキスだったんだ。でも相手が紘輝君でよかった。こんなだらしない女ですがよろしくお願いします。」

そういって愛は笑って見せた。

ってな感じで二人は付き合う事となった。

それからしばらくたち夏休み前の授業後

「俺、今から部活あるから終わったら電話するね!」

愛は紘輝の言葉に肯き誰もいないアパートに帰った。

(今日もお母さんいないんだ。)

悲しげにしているとテーブルの上に手紙があるのに気づいた。手紙の内容はこういったものだった。『愛ごめんね。お母さん1週間は帰れないから。本当にごめんなさい。こんな私を許してください。』と書いてあった。



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