2004.10.22.

魔を討つ者
01
kyousuke



■ 第1話 悪夢の始まり 1

「朱夏(しゅか)? 何処なの返事しなさい!」
 巫女装束に着替えた○学生の少女が暗闇の校舎を駆け足しながら叫んでいた。白鳳院 雫は現在12歳ながらも双子の妹で白鳳院 朱夏と共に人外の者と対決していた。昼間と言うのに校舎が暗くなったのは恐らく魔族の仕業だ、ただ校舎丸ごと覆っているとなるとかなりの上級族だ。これが授業中にやられていたらとんでもない事になっていた。しかし放課後にどれくらいの児童が残っているか…それだけが不安だった。

 雫は巫女で札とアーチェリーで戦うが、朱夏の場合はくの一で主に刀や術で仕留めるのが得意だ。学校は特に人の怨念が多く、怪現象の噂が多い。実際に起きた事例もあるが大抵は魔族のイタズラ程度といったもんだ。ところが度が過ぎると人の不安や恐怖で魔族が寄ってきて人に危害を加える訳だ。当然普通の事件ではないので警察も動かないが警視庁はそれを取り締まるセクションが密かに設立した。二人は貴重な戦力で主に教育機関での怪現象を究明する役目を持つ。
 雫は朱夏とはぐれてしまった事を悔やんでいた。いくら通いなれた校舎とはいえこの状況は危険だった。
「困ったな〜〜〜」
 彼女はアーチェリーの弦を弾いた。古来日本では魔除けに和弓の弦を弾く習慣があった。それをアーチェリーでするとは如何なる物かと思うがこのアーチェリーは低級魔族を驚かす程強力な霊力を持ち、ルーフトラップの繋ぎ目を見つける事ができた。
「やはりね…さてこれで場所が分かるはず」
 彼女は眼を凝らして見ると其処は自分のクラスだった。雫は思い出した、放課後に集まりがあるのでその前に彼女と朱夏はトイレに行って出た所で闇に包まれた。
「しまった! みんな無事だと良いんだけど…」
 しかしそれはかなう事も無く最悪の事態を眼に焼き付けることになった。教室のドアを懐刀で切り裂き飛び込んでみると、教壇に禍々しい鎧を着込んだ騎士が座っていた。
「ほうあのコマンドの姉か…残念だったな妹は敗れているぞ」
 西洋の魔族は忍者をコマンド(特殊兵)と呼ぶ事が多い。
「貴方ね! この学校を覆った結界を張った者は! 覚悟しなさい!」
 アーチェリーを構える雫!
「クラスメートがどうなっているか分かるかな……」
「えっ?」
「最近はめっきり処女や童貞の低年齢化が進んでね、上級使魔(つかいま)確保も骨が折れる。そこで学校を襲おうとしたが邪魔されたからね……どうせなら多少苦労して良い上級使魔をと言うわけだ」
 普通、使魔(つかいま)は動物に魔力のオーラを与える事で生まれる。無論これは低級であるが人間となると上級使魔が容易に出来る。処女や童貞なら最高級品だ。騎士は指を鳴らすと霧が晴れた!
「あああっ…貴様!」
 雫の眼に飛び込んできた物は使魔となった少女らだった。牙が出て、眼の辺りに隈取が現れ、股間にはク○が発達したペ○ス状がいきり立っていた。そして天使のような翼は黒く染まっていた。
「どうだ、いずれも可愛いだろう。さて倒せるかな?」
 彼女の霊力なら簡単に倒せるがそれは彼女らの魂すら砕く事になる。雫にとっては最悪のケースでもし普通のフィールドなら魔を追い出す事は簡単だった。そして背後から何かが雫の体を捕獲していた。
「怪蟲(カイムシ)化も出来るのか!」
 体は人間と同じだったが太腿の先は6本の足に分かれ、胴体には蟲らしき足が3本ずつ左右対象にあった。キーと言う声が雫を恐怖の淵に叩き込む。股間には赤ちゃんの手足と見間違うような一物があった。
「彼は最初に怪蟲となった。アレを見たまえ、化が始まるぞ」
 ずっとうつ伏せで寝ていた少女が苦しみだしていた。そして背中がピシと割れ初めて体液に塗れて出てきた。怪蟲の特徴は脱皮する事が確認されている。
「キッーー!」
 羽は蝶のように大きく、体も雫を捕まえている怪蟲と同じだった。
「番(ツガイ)が出来たか、どうするかね? 君は級友を討てるかね?」
「元に戻せ!」
「それは出来ない、最近魔界ではちと不安定だ。ゲートが開くまで時間がたっぷりある。君も美しく迎えてやろう」
「うぉおおお!」
 雫は霊力を爆発させ乱れた衣装を気にする事も無くお札を取って呪文を詠唱し始めたが彼女の体が動けなくなった。
「胸が、アソコが熱い!…あぁああ!」
「君には完全に魔族に転生させようと思ってね、聖魔反転の術をかけてもらった。あのループトラップはあえて解除させた」
 彼女の胸がうずきだし、肉壷まで愛液が滴り落ちてきた。
「肉壷にある札をとりな、そうしないとバラバラになるぞ」
 聖の力の塊である札は両親から淫魔対策で施された。雫は装束を脱ぎ捨て直ぐに秘所に指を突っ込んで札を取った。
「くっ聖魔融合魔族かぁ!」
「ご名答だ」
 雫は万事休すだった。聖魔融合の魔族となると二人でも太刀打ちできない!
「序に言うが他の児童は外で寝ている。もっとも人間にとっては見つけられないぞ」
 さっきの怪蟲が雫を捕まえるとサキュパスとなった少女ら騎士の周りに付き、そしてビキニのような胸当てに腰の周りと肘と膝宛の様なパーツが装着されショートブーツ状の靴。いずれもカラフルな色使いの鎧はRPGに出てくる様な物だった。
「ダークワルキューレか…」
 使魔の中でも最も強いのがこの種族で、その強さはオーガでも倒す程だ。
「さて転生の間へ行こう」
 騎士は静かに言った。



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