2010.08.22.

M奴隷マミ
01
一二三



■ 土曜日の下見

 週末の土曜日、N医師から須藤に電話があり、
「今日当番医が来るから、例の所、見に行くかい」
と、以前から計画を練って居たプレイルーム予定場所の下見の誘いがありました。
「今日午後は外来休診だから昼飯一緒に喰うかい、1時半に○×寿司で待ってるよ」
「了解、婦長も一緒かい、宜しければ専務夫婦を連れて行くよ」
「好いよ、じゃー6席取って置く」
「5人だよ、マミは部活で来られないのだ」
「ああ、そうか解った」ガチャン。
 小、中、高、と同窓生だった須藤と長掘りは、ひょんな事から性的嗜好が同じ事が解り、一般社会には認知されて居ないSMサークルを作ったのはつい2ケ月前です。
高校卒業以来、片や船員、片や産婦人科医師と、職業が違う事も有り、其の後27年、お互いが好い社会人に成った処で再会したのが縁で、少しばかりの遊ぶ金が使えるのを好い事に、生まれつきの性癖、サディストを楽しむ為意気投合したのです。
此の社会から白い目で見られるSMのマイルームを持つ事は至難の業です、ホテルでは満足な器具が揃わないし、自宅では近所が気に成るしで、中々思う様なプレイが出来ず、中途半端なプレイで我慢して居た処にN医師から、「俺の父の名義の商業ビルの地下が空いているが使えないか」と提案が有り、其れを観に行かないかと誘われたのです。
須藤達3人が○×寿司に着いた時N院長は未だ来て居なかった。
「いらっしゃいませ、先生は未だですけど承っております、どうぞ此方へ」
と一番奥の小部屋に案内され。
「もう追っ付け来られると思います少しお待ちになりますか、それとも先に何か飲まれますか」
とお絞りを置きながら云う、
「先生達が来てから一緒で良いですよ」
「それじゃ暫くお待ち下さいませ」
 5分も経たない内にN医師が婦長を伴って現れた。
「遅くなって済まない、待たせたね」
と言いながら席に着く。
「どうもどうも其の節はお世話になりました。此れが僕の勤めてる会社の雁野専務、此方がマミの母親、佳美さんです、宜しく」
と紹介して、専務が名刺交換です。
其処へ女将が来て、
「ビールにしますか其れともお酒でしょうか」
「専務さんビールで良いですか」
「結構です有難う御座います」
ビールと肴が出て先ずは乾杯。
食事しながらN医師が須藤に聞いてきた。
「この前聞く暇なかったけど、須藤とは高校卒業してから会うのは初めてだよね。あれからずっと船に乗ってたのか、何で船下りたんだ、船は良いだろう、給料は多いし、港港に女はいるし、不足は無かろうに」
「乗せてくれる船が在ればの話だよ、今、日本船籍の船でも大半が乗組員は外人だよ、然も後進国の人ばかりだ、僕が降りるまで乗っていた船も乗組員45名の内日本人は、船長、機関長の僕、事務長の3人だよ。其の会社も倒産すれば如何にも成らないよ、昭和30年代の「海運王国日本が懐かしいよ」
「へぇー、そんなに厳しいのか、海運不況は聞いていたけどねぇ」
其れから約1時間、食べながら須藤が船で廻った港の話しに皆が聞き入っています。
シンガポール、バンコック、ボンベイ、ドバイ、オスロー、ハンブルグ等、上陸すれば真っ先に駆け込むのが女の居る所。此れが歳を取るに攣れノーマルでは面白くなくなり、遂にオスロー、ハンブルグでSMの世界に入ってしまった。当時ハンブルグのSM劇場では其の頃の僕達では想像を絶するショーを行っていました。3P、4Pは当たり前で、1人の女に3人の男、1人が女の口にお化けの様なペニスを咥えさせ、1人が拳を膣に入れ、1人が筋肉隆々の刺青を入れた腕をアナルに肩まで入れて失神するまで責めます。針、釘、鋏、鞭、切裂き、縫合、異物挿入等による拷問ショウ。犬、豚、馬、蛇等獣姦ショウ。当時としては驚くばかりでした。其れを実践して診ると、こんな素晴らしい物は無いと確信しました。此れが僕のSM人生の始まりです。
と、長々話している内に食事も終わり専務が会計を済ませ、此処からそう遠くないテナントビルに行きました。
 市内繁華街にあるこのビルは地上7階、地下1階で1階〜5階は飲食系テナント。6,7階がサウナでした。N医師が持って来た鍵で地下に通ずる階段口の扉を開け地下室に下りると突き当たりと左側に扉が一つずつ、突き当たりの向こうは機械室でボイラー、空調機、ポンプ等が並び一番奥が電気室になっています。
 突き当りの扉を開けると、機械室特有の熱気と機械の回転音と油脂の臭いにホコリとカビの匂いが混じり異様な雰囲気がお出迎えです、N医師や女には恐怖感を覚える異様な環境です。
左の扉を開けると、其処は元雀荘だった所で、今はテーブル、看板、什器等ガラクタの山でした。ガラクタを掻き分け内部の寸法を測り、写真を撮り、一旦外に出て喫茶店に入りました。コーヒーを飲みながら先ほど測った部屋の改造プランです。
部屋は矩形で5.5m×11m天井高さ4m。SMルームとしては勿体無いスペースです。早速室内のレイアウトに就いて皆の意見を出す事にしました。
先ずN医師から、
「風呂場はなるべく広く取りたいのだが、あの中に風呂場出来ますか」
「ボイラー室の下が汚水槽に成っていますから大丈夫です」
「ああ良かった、なるべく広く取ってよ、ゆっくり遊べる様にね、トイレは雀荘の時に在った筈だから問題ないね、それとシャワーは水圧を強く出来ますか」
「地下室だから水圧は一番強いですよ、痛い位出ますよ」
「専務何かありますか」
「吊りフックが欲しいなぁ、固定の他に移動出来るレールホイストが2本欲しいなぁ、両手を広げたより少し広い間隔でね」
「人の身体幾等オデブでも150s無いでしょう、ホールインアンカー1本で3トン持ちますから大丈夫ですよ、うちの工場で作らせますか、事務処理は専務が上手く決裁してくれますよね」
「部長と俺がハンコ押せば如何にでもなるさ。処で先生、六本木のアルファーイン行かれましたか、あそこは良く揃っていますなぁ、あそこの【拷問地獄】や【スワップ地獄】は参考になりますね。そうだ、何だったら今夜、高台に最近オープンしたラブホ【R】に行ってみませんか、スワップルームが在るそうですよ、私、未だ行った事は無いのですが参考に成るかも知れませんが如何ですか」
「好いですね、此処らでウロウロしないで其方でゆっくりプランを練りましょうや、もう夕食時だし、マミチャンが帰ってるのじゃないの、須藤君電話しなさいよ、【Z】ホテルで食事して行こう、【Z】の【U】に居るから来なさいと言ったら」
 須藤からマミに電話を掛けました、
「マミこれから直ぐに【Z】ホテル11階の【U】に来なさい皆で待っているから早くね」
「ハイ、ワカリマチタ、チュグイキマチュ」
とマミは幼児言葉で甘えました。
【Z】ホテル【U】で食事が終わり2台のタクシーに分乗してホテルRに行き。受付窓でSWの部屋を申し出ると、無表情の女性が、
「一応2万円お預かりします、6階の一番奥の部屋です」
と601の鍵を渡されました。
エレベーターで6階に上がり左手一番奥突き当たりに601号室が在りました。中廊下で両側に部屋が在る構造だからこの部屋は他の部屋の2倍以上有るのでしょう、可也広い感じです。部屋に入るとすぐに須藤は、内部の計測です。 部屋はW=3.5m、L=11m、H=2.5m、入り口はLの中央部にあり入って左奥に特大ベッドが置かれ、入り口正面に風呂場とトイレが並んで在り3方総ガラス張り。浴槽は1.5m×0.7mの横臥浴槽、洗い場は1.5m×2m、湯水栓2個、シャワー2本、シャワーホース長さ3m、水圧は弱い。トイレは1.5m×2mの室内に洋式と和式大便器が其々1個ずつ、洗面台が1個。其の右側3.5m×3.5mがプレイルーム、天井にはフックが4ケ所。壁にX型磔台。床上には三角木馬、内診台、バイブ付きマイクスタンド2本、100円で3分動く大型バイブ2本、簡単な応接セットが1セット、月並みに冷蔵庫、テレビ、ビデオ、湯飲みセット等。反対側壁にロープ、滑車、鞭等プレイ小物類。床仕上げは、浴室トイレはタイル張り、プレイルームはPタイル張り、その他は絨毯。壁、天井は防音材張り、扉はコルク防音扉。テレビの音量を上げて廊下に出てみたが流石音は出ていない、
「此れなら力任せに叩ける」
と専務が御満悦。
初対面のM女を調べる様にカーテンを捲り、窓を開けて外を眺めました。此のホテルは当市有数の海水浴場の上の丘に在り、夏休みともなれば海水浴客でごった返す場所に突き出した高台に在ります。 眼下の狭い海峡を行き交う船や、隔てた向かいの島々の灯りがこの部屋を見詰ている様です。
壁を押したり叩いたり、照明器具や鏡などに盗撮、盗聴機器が取り付けてないかを調べ、冷蔵庫に内容物を確認して、やっと皆がソファーに座り一服しながら再度の詳しい自己紹介と成りました。



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