■ 03
萌絵が監督のそばに歩み寄る。
「わ…わたし水着着るんですか…?」
萌絵がおそるおそる聞く。
「そりゃそうだよ、最初のうちは水着姿でも見せていかなきゃ売れないよ」
監督がニヤニヤと答える。
「でも…恥ずかしい…です…」
うつむきながら萌絵が言う。
「おいおい萌絵ちゃん、売れたいならそのくらいガマンしなきゃ」
監督が言う。
「でも…」
14歳の美少女の顔が曇る。
「仕方ないな…じゃあちょっと案内したいとこあるからついてきて」
少し考え、監督が言う。
「あっはい! お願いします…!」
萌絵の表情が少し明るくなる。
「萌絵ちゃんいいもん持ってんだから水着いいと思うんだけどね…まぁいいや、ついてきて」
監督が言い、歩き出す。
「いいもん…?」
監督について歩きながら萌絵は考える。
「あっ…」
いいもん、が何か気づき萌絵は胸を手で庇った。
「ここだよ、萌絵ちゃん」
萌絵は監督に連れられスタジオ横の小さな部屋に入った。
中には制服や水着などの衣装が数多くかけられている。
「ここは…?」
萌絵が監督にたずねる。
「試着室だよ、いろんな衣装があるだろ? ポーズの自習なんかにも使うんだ」
監督が言う。
「へぇ〜、可愛い服がいっぱい…」
萌絵が呟く。
「特に水着はいっぱいそろえてるよ」
監督が言い、萌絵にかかっている水着を見せる。
「わぁ…すごい…」
萌絵が水着を手にとって眺める。
(スクール水着もある…このビキニなんて見えちゃいそう…)
萌絵が思う。
「え〜と、萌絵ちゃんバストいくつだっけ?」
監督が水着をあさりながら萌絵に尋ねる。
「え…は…86cmです…」
萌絵が答える。
「カップは?」
さらに監督が尋ねる。
「Eカップです…」
萌絵が答える。
(何回も言ったんだから覚えてるくせに…)
萌絵は不信感を持つがこらえる。
(胸のサイズなんか何回も言いたくないよ…!)
「うん…だったらここら辺かな」
監督が言い、数着の水着を萌絵に見せる。
「萌絵ちゃんならこのピンクのとか黄色のが似合うと思うけどな…」
監督が言う。
「あ…あの…ビキニは…恥ずかしいんですけど……」
萌絵が躊躇いながら言う。14歳の少女にはビキニは恥ずかしい。
「何言ってるの萌絵ちゃん、売れたいんならしっかりそのおっぱいを強調していかなきゃ!」
監督が言う。
「お…おっぱいって…?」
萌絵が思わず胸を隠す。
「そう、萌絵ちゃんの一番の魅力なんだから…!」
「むね…が一番の魅力…ですか…?」
萌絵が恥ずかしげに言う。
「コンセプトはロリータ巨乳中学生アイドルなんだから!」
監督が言う。
「きょ…巨乳…?」
萌絵が思わず復唱する。
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