■ 盗聴2
次の日・・征次が起きたときには隣りの女はいなかった。
(朝から何処に行きやがった・・)
下駄を履いて階下の新聞受けに行く・・。征次は新聞は取ってないから他人の新聞を抜き、テレビ欄だけ見て戻す。
(あーテレビもつまんねーな)
2階に戻り・・女のドアのノブに手を触れてみる・・回してみて・・。
(やっぱり鍵が閉まってるかー)
征次はポケットの中に自室の鍵が入っているのを思い出した・・。古くてぼろぼろの鍵・・。
(開くわきゃねーが・・物は試しだ・・)
(えっ・・えぇっ・・・おぉぉ開いたぜ!)
征次は幸運に驚喜する・・冗談のつもりが本当に開いた・・。
征次はきょろきょろと辺りをうかがい・・音を殺してドア開け、体を滑り込ませる・・。
心臓が飛び出そうなくらい興奮する・・。
(あぁーええ匂いがしやがる・・)
キッチンから奥に進み辺りを物色する・・。女性らしいたたずまいの部屋・・征次の部屋とは比べものにはならないほど整頓が行き届いている。
征次はタンスの下の引き出しを引いてみる・・。色とりどりの下着が丁寧にたたんで並んでいる・・。
その一つのショーツを取り・・開いてみる・・。
(ここがあのオンナのオマ○コのあたるとこ・・)
わくわくする思いで匂いを嗅ぐが・・いい香りの石鹸臭しかしない・・。
征次はショーツを元通りしまうと風呂に向かう・・洗濯機のふたを開ける・・。
(おぉぉー有った有った)
征次は洗濯槽からショーツを取り出す・・そして裏返してオマ○コの当たる位置が僅かに湿っているのを見つけ、ほくそ笑んで匂いを嗅ぐ・・。
(あぁぁーなんて匂いだ・・はぁぁええ匂い・・これがあのオンナの匂い・・フーッたまらんなー)
このままズリセンに耽りたいが・・昨夜の4回のオナニーは効いた・・。征次は仕方なくショーツを洗濯槽に戻し再び部屋を物色する。
鏡台の引き出しを開けると金が有った・・。各種の紙幣を数えるとざっと25万円ほど有る・・。征次は誘惑に駆られるが・・自分が最も疑われるのは分かっているから諦めた・・。仕方なく小銭に混じって5百円硬貨が十数枚あったから4枚だけ失敬して引き出しを閉める。
鏡台の横の屑籠にティッシュが丸められ、そこから男の精液の匂いが漂っている・・。
(ちくしょーこんなにしやがって・・)
ティッシュの量を見て征次は舌打ちする。
征次はベッドに脱ぎ捨てられているオンナのパジャマの匂いを嗅いでうっとりしながら・・さも惜しそうにパジャマを元に戻し・・入り口のドアを少し開け・・廊下に人気の無いことを確認してから外に出る・・。そっと鍵をかけ自分の部屋に戻った。
(しかし・・鍵が合うとはなー・・)
征次は古ぼけてギザギザがすり減った鍵に感謝した・・。
(これさえ有れば自由にオンナの部屋に出入り出来る・・くぅぅー俺はまだまだついてるぜ!)
征次は己の幸運を歓び・・これからの行動を思案し始めた。
その夜隣りのオンナは帰ってこなかった・・。
次の日も帰ってきた気配はない・・。征次はその日、ハローワークの紹介で渋谷にある無国籍料理屋の面接に行き・・店主から試しに1日働いてくれんかと言われて・・朝から晩までただひたすらエビの殻剥きとジャガイモの皮むきをやらされた・・。家に着いたときは夜の11時を回っていた・・。
(ふー疲れた・・あぁーあほらし・・あんなことやてられるか! とはいうものの食わなきゃならんしな・・)
(時給千円で・・きょうのとこは1万2千円・・昼飯と晩飯のまかないがつくし・・悪くはないかー)
征次は手の中の1万2千円を握りしめた・・。
(まっ・・やれるとこまでやってみるか)
(しかしとなりは今日も帰って来ないのかな・・)
(12時まで待って・・帰って来なかったら・・またお邪魔するかな・・ククク)
征次は階下に降り、道路を横切りコンビニに入った。雑誌のコーナーでいつものようにグラビアを捲り、ヘアーヌードを一通り見てからビールとツマミとフィルムを買って部屋に戻った。
胡座をかいてテレビを見ながら思案する・・。
(あのオンナを脅すネタが有ればなー・・)
(美奈って言ってたなー・・あのオンナ・・爺の愛人だったとわな・・綺麗な顔して爺に弄られ喜ぶとは・・)
(チクショーやりてーな・・綺麗なオマ○コかー・・見てみてなー)
(そうだ・・旦那の身元が分かれば脅すネタにはなるかー)
(確か旦那の奥方が嗅ぎ回っていたと言ってたな・・よしゃ!これは使える・・)
征次は時計を見た・・1時近い・・。
(もー今日は帰ってこんだろー)
征次は立ち上がり静かにドアを開け廊下に立った。辺りをうかがい廊下を静かに進む・・。
オンナの部屋の前で左右に人影が無いことを確認し鍵穴にそっと鍵を入れて回す・・ガチャと音がして開く・・。
征次は素早くドアを開け身を滑り込ませる・・。
(フー・・しかし興奮するぜーククク)
持ってきた懐中電灯を下に向けて点し・・奥に進む、まずはベット横の本棚の引き出しを引いてみる・・日記が有る・・征次は内容を読んでみる・・日記は3年前から始まり・・旦那との蜜月の記録が克明に記してあった・・。
ポケットからカメラを取り出し、日記を持ってベット下に潜り主要なページを10枚ほど写した。
日記を元に戻し、隣の引き出しを引く・・通帳やらコンドームの箱が並んで置かれ・・母子手帳の下にオンナの社員証が有った。
(東和樹脂・・秘書課・・おいおい・・あのでかい会社かー・・ということは・・あの爺は東和樹脂の社長?)
(ちょっと・・やばくないかな・・相手が大物過ぎるぜー)
(しかしまーなんだな・・危なくなりゃ逃げればいいか・・借金三昧の俺にゃー守るもん何もないしな・・)
征次は箪笥を物色し、気に入ったショーツ2枚をポケットに入れオンナの部屋を出た。
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