2014.07.12.

捨てられた猫
001
一二三



■ 勘当の身1

 柳川春香は今日も夢遊病者の様に精根尽きた格好でハローワークの中に這入って行きます、受付カードに昨日の面接表を挟んで窓口に出し待合の長椅子に掛けて順番を待ちます、30分位経って名前を呼ばれました。
「柳川春香さん、お待たせしました、6番へどうぞ」
 春香は6番窓口に行き椅子に掛けながら、
「お世話になります、如何もダメでした」
「その様ですね、何か原因が有るますか」
「はっきりは云って貰えないのですが、組合の方から圧力が掛っているようですわ」
「何か貴女に思い当たる事が有りますか」
「前の理容店で、お客様に家電品の購入で保証人になって頂いたのが原因かも知れません」
「購入代金払って無いのですか」
「いいえ、毎月きっっちり払っていますわ」
「ジャー其れは問題無いですよね、何故でしょう」
「此の際隠さずに申しますが、私の身体を週に1回抱く事が条件でした、其れが奥様にばれたからだと思います」
「やっぱりね、最低のケースですね、こんなフシダラな事してたら業界から干されても仕方ないですよ、1次的に他の業種を当ってみませんか、人材派遣会社で清掃婦なら在りますよ」
「何でも遣ります、ご紹介願います」
「給料は時間給で1時間750円です、公的保険は全部有ります、夜間や深夜の勤務も有ります、無論手当は付きます、其れでは是を持って南海商事に行って下さい」」
 春香は係官から紹介状を渡されハローワークを出て、其の足で南海商事に行きました。簡単な面接で即刻採用となり、「明日朝7時45分までに会社に出勤して下さい」と言われ、今迄の絶望感が一気に消え去りました。
 春香は最初から失敗したくないので7時40分に出勤し、受付の女性事務員さんに、
「今日からお世話になる柳川春香です、宜しくお願いします」
 と、挨拶すると、
「ハイ、柳川様ですね、少々お待ち下さい」
 と言って社内電話を掛け、
「只今柳川様が見えました、−−−−−−−−−−−−ハイ解りました」
 事務員が電話を切り、
「社長がお会いするそうですから此方へどうぞ」
 と言って案内されたのは豪華な応接室でした、春香は今迄この様な応接セットの深々とした椅子には座った事が有りませんでした。
「お掛けになってお待ち下さい」
 と言って事務員が出て行き、暫くして社長様が現れました。
「イヤー、お待たせしてスマン、貧乏会社は朝から野暮用が多くてね、私が社長の南ですどうぞ宜しく」
 社長様は持って来られた書類ファイルをテーブルの上に置かれ。表紙をめくって書類と春香を見比べながら、
「君、理容師免許を持ってるんだね、掃除婦のオハチャンでは勿体無いよ、第一未だ若いんだから、何で掃除婦に成るの」
「ハイ、前の店で失敗しましたから、食べる為には何でもしなくては成りませんから」
「免許持ってれば幾等でも働く所あるでしょう」
「ハァ、職安でも言われました、でも駄目なんです」
「ホー、何か理由が有るの、善かったら聞かせてよ、悪い様にはしないから」
 春香は昨日のあまり簡単な面接でOKが出た事に不安を感じました、「ああ、又此処もダメか、事情を言っても如何にも成らないだろう」と半ば諦め、臍下3寸の恥ずかしい話をする気にも成れずモジモジしていると、
「そんなに言い難い事なの、若い時の失敗は早く忘れた方が良いよ、引きずっていても何時かはばれるからね、其の為には何もかも隠さず表に出して、御和算にして再出発する事だよ、前の丸森理容室で何かあったのだね、私で出来る事なら力になるよ」
「ハー、一寸」
「何でも言って看なさい、楽に成るよ、人間誰でもあやまちは有るのだから」
 社長様の言葉は柔らかですが眼光は春香の心を見抜いている様でした、もうこうなると蛇に睨まれた蛙です。
「私が浅はかだったのです、早く1人前になりたい1心で先生の言われるが侭に成ったのがいけなかったのです」
「ウーン、多分そんな事だろうと思っていたがやっぱりそうか、修行の身では拒否出来ないものな、辛かっただろうね解るよ、何時頃からなの、詳しく話して御覧」
 此の優しい言葉に春香は一気に恥ずかしい過去を話し始めました。
「中学を卒業すると、両親の勧めで理容師に成る為丸森理容室に住み込みで就職し、1年位経った頃から先生を稽古台に髭剃りを教えて頂き、剃刀の研ぎ方等を教えられ、掃除洗濯使い走りだけだったのが、やっと本業を教えて頂く事に成った頃の事です。毎週月曜日が定休日なのですが、毎月第3日曜日も定休日なのです、此の時は二日続きの連休なので、私は郷里に帰ったり友達と映画を見に行ったりして居ましたが、業界の合同お花見会が有りお昼から飲めや歌えのドンチャン騒ぎで、2時過ぎには私はすっかり酔ってしまって其の場で寝込む有様でした、先生は私を気遣ってタクシーを呼んで下さり先生と一緒に先に帰る事に成りました」
「其れで真直ぐ家に帰ったの?」
「タクシーから引き出され担ぎ込まれたのはラブホテルでした、夢現の中でベッドに転がされ服を脱がされている時気が付きました。「イヤー、先生、何するんですか、嫌です許してー」と叫び抵抗しましたが身体が動きませんでした、全裸にされ手を浴衣の紐で後ろ手に縛られ、キスをされながらお乳を揉まれ、性器に指を入れられました。先生の口が離れた時先生が耳元に熱い息を吹きかけながら、「お春、俺はお前が好きだ、お前も早く免許取りたいだろう、俺に任せておけ、秋の試験には合格させて遣るから」と言われ、私は抵抗するのを止めました。先生も裸に成られ大きな硬い物が私に中に這入って来ました、私は思わず、イタイー、と叫びました、先生は私の腹の上に被さり腰を上下されます、暫くして先生が「オウー、イクゾー、オウーー、フーー・・・、ハーー、ハーー、ハーー」。私の中に生暖かい物を噴射されました。私は此の時初めて大人が言っていた「オマ〇コをする」と云う行為が判りました」
「で、如何だった、気持ち善かったか?」
「痛いだけで少しも好くありませんでしたわ、其の時先生が言われたのが「お春、処女だったんだな、俺は嬉しいよ、お前のオマ〇コは最高だ、俺はお前を離さないからな、早く免許を取れよ」と言われました」
「で、其の後は何も無かったのかね」
「其れからは毎週月曜日には先生に抱かれましたわ、先生は朝から麻雀だと言って家を出られ、私は友達と会うと言って昼前に家を出て、初めて先生に抱かれたラブホテルに直行しました。先生は先にホテルに着いて居られ昼食を揃えて待って居られました、其れから夜8時頃まで3回は私を抱かれましたわ、其の度に、お前のオマ〇コは最高だ、と言われました、私も回を重ねる内に段々SEXの快感が判る様になり月曜日が待ち遠しくなりましたわ」
「よくご家族にばれなかったね」
「夏に成り免許試験の学科試験が終わり合格の通知が来たのが8月末でした、10月の実技試験にはモデルとして出て頂く人を探さなくてはなりません、其の時先生から紹介されたのが何時もお店に来て頂いている先生のお友達で、設備会社の社長様である須藤様でした。快く引き受けて下さり、試験日の前1週間須藤様を稽古台に毎日、髪の切り方、髭の剃り方の特訓でした、無事実技試験も合格となり、お祝いだと言って先生と須藤様がお食事を御馳走して頂く事に成り、市内で最高の料亭に招かれ食べた事の無い豪華なお料理を御馳走に成りました、2次会だと言ってクラブに行き強いお酒を飲まされ、須藤様から腹ごなしだと言ってダンスに引き出され、席に戻ると先生が居なくなって居ました、ホステスさんに「先生は」と聞くと【お先に失礼するから後は頼む】と言って帰られましたとの事でした。「私も帰ります」と云うと須郷様が「ヨシ、酔ってるから俺が送ろう」と言ってタクシーを呼ばれました。タクシーで連込まれたのはラブホテルでした、「先生に叱られますからいけません」と言って拒否したのですが、「丸森君は承知の上だよ、モデルの約束をした時からね」とアッサリ言われました。「だって、私そんな女じゃありません」と云うと、「丸森との事知ってるんだよ、毎週やってる事をね」「だって私困ります」「心配しなさんな、悪い様にはしないから」働き盛りの男の腕に組み伏せられ唇を奪われ、パンツの中に手を入れられ遂に従ってしまいました」
「其れから先生とは切れたのかね」
「イィエ、免許を取ったのを機に須藤様がアパートを世話して頂き私はそこから通いの身に成りましたわ、先生とは毎週月曜日に、須藤様とは毎週金曜日の夜逢って居ます、其の時買い揃えた電化製品のローン保証人が須藤様の奥様にバレて、先生の奥様にもバレて此の結果に成りました」
「ウーン、大体判りました、ジャー今いる家も出る事になるのだね」
「ハイ、多分そうなると思います」
 社長様は暫く無言で考えて居られましたが、
「如何かね、君は散髪屋は嫌いかね、一生鋏や剃刀を持ちたくないと云うのなら別だがね、もう一度理容師遣ってみないかね」
「エッ、こんな私を雇って下さる人居ますかぁ、組合から回状が回っている私ですよ、北海道か沖縄にでも行かない限り駄目でしょうね、職安でも言われました「学歴が無くて此処まで嫌われてはね、掃除婦位しか有りませんね」と言われました」
「ホー、職安さんも其処まで言いますか、公務員の云う言葉じゃないですね、マァ、其れは別として貴女が望むなら有りますよ、多分知って居られると思いますが、会員制VIP理容室東亜です、此の会社と関連が有りましてね、宜しければお世話しますよ」
 私は驚きました、あそこは身元がしっかりして腕が良くないと採用されない店だと聞いていました。
「エエ、あそこですか、私の様な未熟者は無理でしょう、.履歴書見た途端にお払い箱でしょうね、、身元保証人が要ると聞いていますが」
「貴女も知ってる通り身元保証人が必要だよ、お客様は政財界のオエラ方だからね、君が本当に理容師が好きなら是から僕が連れて行っても好いよ」
 春香には咽喉から手が出る話でした。然し、初対面の私に何で此処まで親切にして頂くのだろう、何もかも隠さず打ち明けたのが良かったのかしら、と勝手な解釈をして、
「御迷惑で無ければ是非お願いします」
 社長様は電話を掛けられ、
「南だがね、店長居るかい、―――――――――――――――、アア、南だ、今スタッフは如何なの、―――――――――――――――――――――――――――、ヨシ分かった、此れから一人連れて行くから宜しくね」
「丁度良かった、今スタッフが足りなくて募集する処だったそうだ、直ぐ出かけよう」
 私は社長のベンツで東亜ハイツに向かいました。社長の運転するベンツは繁華街に在る13階建ての東亜ハイツの地下駐車場に這入りました、エレベーターで2階の理容室東亜に行きカウンターに社長が顔を出すと、
「ア、 いらっしゃいませ、どうぞ此方へ」
 奥の応接室に通されました、直ぐに店長が飛んで来て、
「スミマセン、社長、お待たせしました、此の方ですか」
「ウン、書類は是だ、一応あらましは俺が聴いている、此処のシステム等教えて遣ってくれ、一応現場も見せてね」
「ハイ、畏まりました、早速ご説明致します、此処は普通の理容店とは違い全会員制でフリーのお客様は一切有りません、言うなれば贅沢な理容室です。会員様に提供するサービスは、S、SP,SV,SM,の4コースで、先ずSコースから説明します、散髪、顔剃り、洗髪、整髪等はもとより、手足の爪切り爪磨き、簡単なマッサージが付いて1セットとなります。次にSPコースは、Sコースの他に全身マッサージが付きます。次にSVコース、是は特別室を使います。最後にSMコース、是も特別室を使います。次に時間と会員様が支払う料金です、Sコースは1時間30分で料金は8,000円、貴女の取り分は5,000円です。SPコースは、2時間30分で30,000円、取り分は20,000円です。SVとSMは特別料金で、5万円から100万円まで会員様の要望によって決めます。理容師として貴女が使うバリカン、鋏、剃刀、櫛は自分持ちですが、其の他の備品、消耗品は全部会社が無償提供します。どのコースの作業をするかは貴女が決めて下さい、其の為適性検査を受けて頂き適正であれば其のコースを受け持って頂きます、其れでは各コースの部屋を御案内致します」
 先ずSコースの部屋に案内されました、扉の無い入口のカーテンを引いて中に這入ると、中は2m×3m位の部屋で真中に理容椅子が在り、椅子の前側壁に洗面台が在り一見普通の床屋と変わりありませんでした。
「此処ではSとSPコースを行います、Sは先程言った通り普通の散髪顔剃りの後椅子の背凭れを水平に倒して両手両足の爪切り爪磨きを行い、バイブレーション按摩器で全身をマッサージし、其のままで背凭れの枕を取り外し、洗面器を引出して洗髪し背凭れを起して洗顔し、整髪して終わりです」
 店長は引き出した洗面器を元に戻しながら、
「次にSPを説明します、Sコースと違う処は爪磨き作業の後からです、仰向けに成られている御主人様(此のコースからお客様では無く御主人様と呼びます)のズボンのベルトを緩めジッパーを下げてズボンと下着を膝まで下して御主人様の一番大切な分身を丁寧に押戴き、優しく擦ったり口に含んだりして御主人様を好い気持にして差上げるのです、其の時御主人様が出された精液はなるべく飲み込むようにしましょう、尚、SPの時は御主人様が何時でも自由に触れるように下着は脱いでおきましょう」
 云いながら店長が奥の隅の壁を押すと60cmの扉が開きました、扉を通ると其の先は廊下でした、廊下を右に進むと突当りに階段が在り3階に上がりました、1.5m巾の中廊下に成って居て其の両側に4〜6m毎に扉が並んでいます、店長が取っ掛りの部屋の扉にカードを差し込むと扉が開きました。
「此の階は全部SV,SM,を担当する理容師の住居です、部屋代から電気水道ガス全部無料です、此処に這入って居る理容師は皆財産残していますよ」
と言いながら時計を見て、
「昼に成りましたから此の先は昼食後にしましょう、社長、13階の雲海で良いですか」
「アア好いよ、春香君は何か好きな物有るかね」
「ハハイ、何でも戴きます」
 又、元来た階段を降り2階からエレベーターで13顔に上がりました、3階ではエレベーターは利用出来ないそうです、豪華な中華料理を戴き、勧められた老酒でほろ酔いになった処で再び3階の部屋に這入りました。



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