アリアハン編あとがき。

 どうも、八識一です。実は今まで申し上げていませんでしたが、この『君の物語を聞かせて』は一編ごとにあとがきを書いたりします。そこで軽くその章のネタバレトークやら裏話やらを書いて行こうと思いますので、よろしく。
 さて、それはさておきDQVです。とうとう始まってしまいました……って、もう話をのっけてから一ヶ月以上経っていますがな。
 自分はこれまでにサイトにDQ二次創作をいくつか乗っけてきましたが、その妄想の根本といいますか端緒となったのはこのDQVなんです。なので、Vにはかなり思い入れがあります――昔ハマりまくったゲームということをぬきにしても。
 V創作として当然、というわけではありませんがオリジナル設定はそれなりにありますが、それはあんまり話とは関係しないと思われます。少なくともしばらくは。自分の考えたオリジナル設定って職業とか勇者とかそーいう世界観にかかわるものばっかですからねー。自分なりにVの納得いかないとことかをぐりごりと描き出したかったわけなので。
 ちなみにキャラにオリジナル設定だとかはないです。微塵もないです。ここではっきり宣言しておきます。少なくともこの話はね。
 自分はVは作ろうと思えばいくらでも作れるそのへんうろうろしてるよーな冒険者たちが、特別な存在である勇者に率いられて世界でただひとつの勇者たちのパーティになっていくというのが好きなので。仲間たちはただの冒険者じゃないといやなのですよ。そっちの方がサクセスストーリーというか、自分の好きな普通のどこにでもいる人間が英雄になっていくという話っぽいじゃないですか。
 なのでこの話の仲間たちには裏設定とか微塵もありませんので。レベルはそれぞれですが全員普通の冒険者でセオと本当にただ偶然行き会って仲間になっただけですので。そこのところよろしくお願いします。
 レベルといえば。この話の職業と勇者の設定、お読みいただけましたでしょうか。
 この作品世界ではレベルの概念があります。教会や国王に教えてもらえます。そしてそれは職業を選んだからこそ生まれるものなのです。
 職業に課される制約と誓約。修練によって少しずつ上がるレベル。これが20にならなければ転職はできない。敵を倒すことによってレベルをどんどんと上げられる勇者の力。
 これは自分のVの根幹を成す設定です。これを書きたくてVを書いてると言ったらいいすぎですが、それでもそのくらいの勢いでこの設定に力を入れてます。
 まぁここがVの納得のいかないところに対する捏造のしどころというわけで。勇者がそういう特別な存在だからこそ、人を超えられる素質を持つ存在だからこそ、方々に特別扱いされ魔王を倒す可能性があると世界の人々に認められているのです。
 そんな特別な勇者でありながらみそっかす扱いを受けているセオ。この話は基本的に彼が主役ですが、パーティメンバーとの関わりの中でその成長を描き出していきたいと思いますのでパーティメンバーたちはただの脇役だとは考えていません。
 まー主役のセオは卑屈で弱気でうじうじしててすぐ泣く実際そばにいたらたいていの人は鬱陶しいと思うだろう奴です。気に障った方すいません、でももうしばらくはこのままな予定です。可愛いと言ってくださった方ありがとうございます、彼をどうぞ見守ってやってください。
 でも、この話はセオの成長がメインテーマのひとつなので、セオもいつまでもただ鬱陶しいだけの奴では終わらないと思います。たぶん(笑)。気を長くして彼の成長を待ってやってくださると嬉しいです。
 ……ただ、セオを偽善者だと思っている方にひとつ。セオは自分でもいやになっているほど殺せない子です。人を傷つけることも、人を押しのけて自己を主張することも、襲われた時に命を奪うこともやりたくない子です。
 これは弱いと言い切ってしまうことは簡単ですし、それはそれで正しいことだと思います。弱肉強食は世の習いですし、殺さなくては手に入る肉もありませんしね。
 ただ、殺さなければ手に入らないからという理由で。あなたは生き物を殺せますか?
 目の前にある、間違いなく生きていて自分が手を下さなければこれからも生き続けるだろう命を、自分の都合で、冷静に、作業のように、首を落とし心臓を貫いて命を奪えますか? しかも飢えたわけでもなんでもなく、ただ経験値を得るためという理由で。
 できるならできるでけっこうなんですけど。そういう方ならセオを責めても自分を棚に上げてという非難は出ないと思いますけど。
 他の存在の命を奪うことをいやだと思い、命を奪われる側のことをどうしても想像してしまうような子に、生きてはいけないというような社会だったら、なんのために文化ってものがあるのかわからないよなーとか思ってしまうんですけどね、自分としては。
 まーだからってセオが弱い子なのにはなんの変わりもありませんが(笑)。このまま魔物を殺せないままじゃ冒険できないのも確かなんで、いろいろ考えてはいますけどね。
 あ、ちなみにオリジナル設定の中のひとつなんですが、魔王が現れたのは三年前、オルテガが旅立ったのも三年前という設定になってます。これはなぜかっつーと、ゲームの勇者が赤ん坊の時に旅立ったっていう設定だと十六年間もかけてゾーマを倒せなかったオルテガがあまりに間抜けなので(笑)。魔王も結局本格的な侵略行動には出てませんしね。自分なりのリアリティを追求した結果です、ご容赦ください。
 それとセオの設定上、セオがある程度育つまでオルテガがいてくれないと困るっていうのもあります。オルテガはアリアハンの勇者としてセオが生まれる前から世界中を飛び回ってアリアハンにはたまにルーラで帰ってくるという生活を送ってたので、セオとオルテガは船乗りの父と子ぐらいにはお互いのことを知っているということでひとつ。
 あ、ついでに。ルイーダババアにしちゃってすいません(笑)。でも冒険者ギルドのギルドマスターってことならこのくらいの年でも別におかしくないかなって。こーいう因業ババアがルイーダってちょっと面白くないですか?(自分で言うな)
 ちなみに、もーしわけないんですがこの話ではこれから出てくる女キャラはみんな……とは言いませんがほとんどルイーダみたいな女ばっかだと思います(笑)。男を顎でこき使う、気が強くて仕事一筋のそんじょそこらの男じゃ太刀打ちできないような。
 自分がそーいう女性好きなのでね(笑)。ひたすら色気なしを追求してみました。これはそーいう話だということで。も一個のパーティがカプ話なので別にいいかと思うんですが。ダメ?

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