あとがき。

 たった二話だというのにずいぶん時間をかけてしまった気がします。海〜ルザミ編、やっとのことで終了です。
 今回は基本的に前回やったことのフォローというか、セオの元気というか生命力というかを取り戻すための話なわけですが、同時にセオをちょっとまっとうに成長させるための話でもありました。これまではこれまでなりにセオが成長するっぽい話はあったわけですが、それは全部……というわけじゃないにしろほとんどは、なんかいびつだったり歪んでたりしてました。んで、それをいい加減どうにかしたい、というか……こう、仲間とまっとうに仲良くできるキャラにしたいな、と思いまして。
 なんていうかねぇ、セオがこう、書いててどんどんその心の歪みをあらわにしまくっちゃってくれてねぇ。このままじゃもう、可愛げのなさが許される限度を越えちゃうんじゃないかって心配になりまして。
 それにもういい加減なんにも考えずにセオと仲間たちの仲良しなところとか書きたかったしね。まぁ話の展開上、セオが完全に吹っ切れるのはまだまだ先なわけですが、それでもその準備というか、これまでとは違う考え方をセオの中にぶち込みたいなと思ったのですよ。
 で、こんな風に料理してみたんですがいかがなもんでしょうか。自分にその価値があるかどうかなんてこととは関係なしに、自分を心配してくれる人がいるんだと、自分が傷ついたら一緒に傷つく人がいるんだという認識は、セオに新たな世界を開……いてくれたらいいなぁと期待してるんですけど、まぁセオのことなのでどう転ぶかはわかりません。
 ちなみにルザミの設定なんですけど、前に某サイトで見た『ルザミの名前は流罪からきている』という説からもやもやと妄想を膨らませていって(あと今回のネタに利用できるところはできる限り利用して)こんな感じになりました。なんていうかルザミってもともとほとんどイベントが起こらない場所なわけで、どうとでも妄想できそうな気がしたんでいろいろと捏造してしまいましたが。
 あと、『地面が丸くて回っている』と主張する人ね。たいていのDQ3小説ではそっちの説が正しいっていう展開だったんで、逆をいく……というか、『論理的に世界は平面だと証明されている』っていうパターンだったらどうなるかなって思ったんですよ。その場合考えを進めていくと『狂った自説を信じ込んでいて、その通りに世界を改変する能力を持っている狂人』って感じになったんで、そっちからもルザミの設定の内容を妄想していきました。セオ以外の人とも会わせたい気もしたんですけど、話の展開上果たせず……ちょっと悔しいですね。
 あとエリサリ再登場したんですけど、今回もあんまり目立ってない感じで申し訳ありません。いやまぁエリサリの再登場が嬉しいっていう人自体少数派な気がしますが、一応ヒロインその1なんで。彼女なりに今回はいろいろ考えるところはあったみたいなんですけどねぇ。次回の登場はどうなることやら。
 さて、次回はスー編。話的な切れ間というか、あんまり内容がない話になる予定なんで、さくっと済ませちゃいたいところですが、予定は未定なんでどうなることやらですねぇ。場合によってはエジンベアも出てくる可能性ありますし。それにレウの設定にも関わってくる可能性も……いや、予定は未定なんですけど。
 ともあれ、できるだけさらっと明るい話にする予定なんで、そういうのがお好きな人が楽しめるよう頑張りたいです。

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