あとがき。

 お久しぶりのキリ番小説です。今回は『三十万ヒット』という当サイトにしては珍しい、本当に数字の揃ったキリ番をゲットされた八朔透樹さまのリクエストで、『DQ3『君の物語を聞かせて』のパーティ四人の心温まる話』ということで、メールをいただいた時から(なんとこの方そのキリ番メールを送るためにメール設定してくださったんだそうですよ! ありがたやありがたや)楽しく妄想していた、のですが。
 キリ番の数字を見た方はもうおわかりでしょう。三十万ヒットなんですよ、もう十ヶ月も前なんですよ。三十万企画の小説書いてからももう数ヶ月なんですよ! うあーすいませんすいません八朔さま!
 最初に余裕をみて、『一年まではお待たせしないにしても、半年くらいは先になってしまうような気が……』とかレスしたりもしたんですが、あと二ヶ月で一年ですよ! うあー本っ気ですいません……!
 で、そんなに遅れまくった一番の理由というのが、『書くならダーマイベントが終わった直後のダーマにしよう』と決めていたから、なのですが。
 というのもですねぇ、このメールをいただいた時はダーマ編始まってすぐぐらいだったんですが、その頃って本編の雰囲気がひっじょ〜に薄暗かった頃でしてねぇ。そこに明るい話持ち込んでも浮くんじゃないかなー、と思っちゃったのですよ。
 で、ダーマイベント後はそれなりに雰囲気も上向きになるからそこにねじ込もうと。年も明けるし。ヒュダ母さんの誕生日もあるからそれに絡めての話題も出せるし。ならそこでなんかの記念日とか出したらいいんじゃない? よし記念日にちなんで君物パーティがプレゼントを贈りあう話にしよう! とあっさり決まって、妄想を練っていたわけなのですが……。
 話自体はすごくあっさり決まったのに、本編がなっかなか進まなくって進まなくって。無事イベントが終わった頃にははや十ヶ月が経過していたのでございます……うわーん。
 一応話自体はそれなりに明るく心温まる感じにできたんじゃないかなー、と自負してはいるんですが……八朔さま、いかがでしょう? 自己評価甘かったらすいません、遅ればせながらこの話贈らせていただきますんで煮るなり焼くなりどうとでもしてやってくださいまし。
 ていうか……実際心温まるというか生暖かい感じの話に仕上がってはいますよねぇ自覚しています自分でも……でもセオがああいう風に『記念日だから仲間への感謝を表しなさい』って言われたら絶対パーティメンバードン引きする方向になると思ったんですよ!(笑)
 君物パーティで名前付けてプレイまでしてくださってるのにすいません八朔さま……あとね、八朔さまはフォルデがお好きということでしたので、フォルデをもちょっと目立たせようかな、と書いてから思ったんですが……すいません自分フォルデは本編でも充分目立ってると思うので、あのくらいが限界でした!
 フォルデの売りというか、キャラクターカラーであるツンデレっぷりを本編よりちょっと極端な形にする、ぐらいにしかできませんでした……すいません。でもフォルデって基本的にいついかなる時も可愛いと思うので(オイオイオイ)。
 いやでも真面目な話、フォルデって反応が読みやすいというか、自分の中で動かしやすいので、本編でもおいしいところ(ある意味では)を持っていかせやすいんですよ。キャラクター的に。なのでこれ以上どう目立たせたらいいのかわからなかったっていうのはあります。
 ロンもおいしいところを持っていかせやすいよなー。っていうかこいつは逆に便利すぎてキャラ的に隙がない感じになっちゃってないかってとこが心配。賢者になったしこれからますます便利キャラ扱いしてしまいそうで……キャラごとの役割の偏りとか避けたいんですけどねぇ。
 一番割りを食わせてるのは間違いなくラグだ。この人には我ながらほんっとーにひどいことをしてると思います。保護者属性として働いてもらうつもりだったのに、ここのところマザコンとしてしか動いてない……しかもそのマザコン道すら貫けるかわからないという不憫すぎる扱い。
 スタンダードなキャラ造形だからやや動かしにくいっていうのと、自分の中で彼のマザコン属性が強烈すぎてそっちをつつかれるとマザコンとしてしか動いてくれないっていうのはあるんですけど。だからこそきちんと魅力的なキャラとして動かしてやりたいのになぁ。まぁどう転んでも基本地味なキャラだってのは変わらないでしょうが……だからこそ!
 セオは主人公なので、どう転んでも話の中心にはなるんですが……この子の卑屈っぷりをどう動かしてやるか、苦心することはしばしばあります……なんていうか、セオの人間的成長と卑屈というキャラカラーをどう両立させつつ魅力的に書くかが一番難しい。一応話としては予定通りに進んでるんですけどねー。
 あ、ちょうどいいから三十万ヒット企画小説のあとがきに隠して書いた、セオの性的な部分についてちょろっと書いておきましょうか。せっかくの機会だから。……っていうかこのあとがきで絶対書く! とチャンスを狙っていたよ! こっから先下品な表現あるんで注意してくださいね!
 えーとですねー、まずですねー、セオは性的には非常にニュートラルです。ノンセクシュアルって言ってもいいかもしれない。なんていうか、性が区分される前の子供とかそんな感じ。以前読者の方に『セクシュアリティが破壊された子供』って言われたことがあるんですけど、今の自分的には破壊というにはセオに被害者意識がなさすぎるかも。
 まぁ早い話がセオは思春期真っ盛りの十六歳なのに、恋はおろか性を意識したことすらないってことですよ! ばばーん。
 まぁその理由には育ち方とか性格とかいろいろあるんですけど、端的に言えばセオにそんなこと考えてる余裕がなかったってことっスね。人生すべて、それこそ魂まで完全に勇者としての修行と物語に捧げてきた子なので。人格的に成長してないんですよ、性の区分以前の子供から。で、仲間も全員男だったので、成長しても性差とかそういうことを考える必要がなかった、のでまだそっちに関しては幼児以前、と。
 ですがそんなセオでも体は十六歳です。溜まるもんは溜まる。溜まったもんは抜かなきゃなりません。
 ですがセオはそーいうフラストレーションを向ける先がないんですよ。そもそも性を意識してないんだから。つまり、ムラムラはするけど誰かとヤりたいとか思えないの。
 普通なら木の股を見ても勃てる状態に陥った中必死に性の知識を蓄え活発に活動し経験するなり知識だけは得るなりするもんですが、セオはその自分の欲望を意識したことがないのでそっちの活動をしたことがありません。下半身からの欲望でどんだけムラムライライラしても、それをすべて自分の精神的未熟さからくる感情と認識し、自責の念へと変換してしまうんです。
 まーそーいうなんでもかんでも自責の念≒向上心へと変換できる人格だったから十六でレベル15とかいうことにもなれたわけですが。とにかく、セオは性への意識というものがほぼ皆無です。欲望を解消させる方法も知りません。
 つまり早い話が。セオは夢精派なのです!(どどーん)
 もちろん自慰というものの存在は知ってます。が、自らの性への欲望を意識したことがないのでする必要がある、と強く思えなかったのと……あとですね、やり方がわかんないんですよ。友達いないから。保険の教科書には自慰の存在は知っていてもやり方まで詳しく載っていたりはしませんので。
 ムラムラきてブツを布団に擦りつけちゃったりくらいはするでしょうが、幸か不幸かそれで達することにはならず、ずーっと下半身の欲望を抱えながら眠っていたわけです。で、セオは自分の身体的感覚を堪えて制御する能力がおっそろしく高いので(痛みに耐えたり眠気に耐えたり。素質もあるが環境もあるでしょーなー)、それでちゃんと眠りにつけちゃってたんですよ。
 で、一定期間ごとに朝起きたら下帯を白いものが汚している、と。
 なんですが、セオとしてはそれに罪悪感とかは微塵も感じてません。身体の反射なんだから恥じる必要性がない、というか恥ずかしいという意識自体わからない(エロい夢とかもはっきりした形にならないんですよ、性差意識してないから)。
 なので堂々と白いものがついた下帯を普通に洗います。不衛生だという意識はあるので(医学的知識から)そろそろかな、と思ったら専用のものに変えるようにはしてますが(脱ぎやすいやつね。カピカピしたのを着けてると不衛生なので出したら予備と換えるから)。
 ちなみに、ラグはその気配になんとなく気づいており、もしかしたらセオは自慰のやり方を知らないのかも、と何度か思ったりはしてるんですが、そのたびにまさかなー、と即座に打ち消しております。環境のせいでそういう発想がないというのもありますが、無意識のうちにセオが性欲の解消法を知らない→自分が面倒見てあげなきゃ(方法教えるとか専門店連れてくとか)→恥ずかしい! という連想が思考に働いているのかも。
 ロンは一応遠まわしに探ってみてこのことを知っています。が、性教育を行うとなるとうっかり自分が盛り上がって食ってしまいかねないと危惧したため、対処しあぐねています。ロンって仲間とは清い関係でいたいというか、みんなに清らかなままでいてほしいとかちょっと思ってるのでね実は。まぁときおりは教えた方がいいかなという気持ちが強くなったりもするんですが、教えちゃったらもう戻れないのでついつい気が進まず実行はされてません。ダーマ時点では。
 フォルデは全然気づいてません。というかそもそもそういうことがありうるということすら考えたことがない。まぁ気づいた時はうろたえまくり恥じらいまくるでしょうが(笑)。
 ともかくそういうわけなのでした。ついでに仲間の経験を言うと、ラグはなにせ娼婦の息子だったので、物心つく前から周囲にいろいろやられており経験もいろいろありましたので自然に。ロンは師匠である叔父に教えられ、ついでにそこそこいろいろされました。ちなみに当時九歳。フォルデは盗賊ギルドに育てられていたので、兄貴分たちに当然のようにいろいろ教えられました。ギルド内暗黙のルール上、十歳になった時に。

 ともあれ長くなりましたが……八朔さま、こんなものでよろしければお受け取りくださいませ!

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