原作のソードワールドを知らない方で世界設定を知りたい方はこちら、ルールを知って作品末尾のデータについて知りたいという方はこちら、原作を知っていてこの作品独自の設定について知りたいという方はこちらへどうぞ。
ここではお手軽お気楽な解説しかしてません。ちゃんと知りたいという方は『ソードワールド』で検索すれば商業作品なり解説なりがざこざこ出てきますのでそちらをお薦め。

ソードワールドRPGの世界設定
 ソードワールドRPGの基本的な世界、フォーセリア≠フ設定をちょろっと。まぁ、基本的にはわりと普通の中世ヨーロッパファンタジー世界です。
1.世界の成り立ちと歴史
 フォーセリアは始原の巨人≠ニ呼ばれる一体の永遠の時間を生きた巨人の死から始まりました。肉体は大地となり、吐いた息が風となり、全身から流れ出た血が海となり、孤独を悲しみ憤る心は炎となって世界に熱と生命をもたらしたんだそうな。
 そしてその炎の中から神々が生まれ、神々は協力して世界を創ります。世界に溢れる力を分化して精霊界を作ったり、肉体を持つ者たちのため物質界を作ったり、その中間の妖精界を作ったり、いろーんな種族を作って世界に広めたり。
 で、お約束通りに神々は戦いを始めるわけです。光の神と暗黒の神に分かれ、ドラゴンたちやらその他の古代種族やらを従えて神々同士で戦争した結果、光も暗黒も共倒れして長い長い暗黒の時代が始まりました。
 で、その中で台頭してきたのが人間。どんな魔法も使えた人間という種族は、カストゥール王国(古代王国)という強力な魔法による王国を作り、魔法の能力がない存在を奴隷化したり無茶な発想の都市を魔法で造っちゃったりして栄華を極めまくったのですが、魔精霊アトンという世界を終わらせる存在(終末のもの≠ニ呼ばれる世界が安定すると出てくる誕生すると世界を終わらせる存在、終末の巨人≠フ一部らしいんですが)に対抗する大魔術に耐えきれず、無茶な魔力の源となっていた塔を壊してしまったんですな。
 結果、魔法の使えなくなったカストゥール王国の貴族たちは奴隷化していた蛮族たちの反乱にあい、ほぼ皆殺しにされました。そして蛮族とされていた、繁殖力と生命力の旺盛な人間種が世界を新しく支配することになったのでした、あー長かった。
 で、現在は王族・貴族・騎士たちが剣をもって、数が少なくなった上に魔術の業もいくつも失われた魔法使いたちを含む民草たちを治めているという中世ファンタジー的な世界が確立されたわけでした(ソードワールドRPGの基本の舞台となるアレクラスト大陸では)。
2.文化、国家の仕組み、宗教
 文化・技術共に基本的には中世ヨーロッパレベルですが、一部ではそれを超える文化技術が発達しています。上下水道が完備されてる都市があったり。魔法っぽい不思議パワーで生活向上! というのは……魔法のアイテムを作る魔力付与の技術が失われたため、魔法のアイテムはみんなめっちゃ高価なので王族貴族ぐらいしかできません(結果的に国民を潤すことはあるけど)。魔法使い個人で使うには便利な呪文とかはありますが。
 思想は個人によって差が大きいですが、これも基本的に中世ヨーロッパレベル。人種差別性差別当然のようにあります。進歩的な国では異種族や女性でも騎士になれたりしますが、普通の国では不可能です。
 国家の仕組みとしては、基本的には江戸時代の幕藩体制に近い感じ。国王を頂点とし、公候伯子男にランク付けされた貴族たちが領土を治めています。
 アレクラスト大陸では領土を持つ者が貴族(=上級騎士)とされ、それ以外の国王や貴族に仕える者は普通の騎士として仕える者からお給料をもらうのが普通。貴族の一族に生まれた者はその貴族の領土の中でさらに小さい領土をもらって、与えてくれた貴族より低い爵位を与えられて生活したりもします(勢力の分割を防ぐため基本一代限り)。
 ちなみに『候子は仲間と、世界に出会う』のアーヴィンドはアールダメン候子であり、子爵の位と領土をもらう……予定でしたが成人の日に冒険者になりたいと爆弾ぶちかまし、呪いをかけられたりもしたのでまだ果たしていません。父親とかも周囲に根回しとかしてたでしょうから、侯爵的には相当な損害だったんですねあれは実は。
 で、税を取られる農民やら職人やら商人やらがいろいろいて(奴隷の類は一部国家でしか認められていません)。国家の資本協力と、貴族から馬鹿高い授業料を取ることで運営されている賢者の学院(魔術師ギルド)があったり(貧乏かつ優秀な人間には特待生枠を設けるとかしてます)。盗賊たちが集まって自然発生的に盗賊ギルドがいろんな街にできてたり。冒険者たちに安い宿と食事の提供、依頼・古代遺跡等の情報の斡旋、宝物の買取なんかをしてくれる冒険者の店があったり。世俗から離れていると建前ではなっているけれどたいていの国で国家権力・金とコネと結びついている各種神殿があったりします。
 この世界での信仰は基本ファリス、マーファ、マイリー、ラーダ、チャ・ザ、ファラリスの六大神のいずれかが普通。
 ファリスは主神。至高神。光の神のトップ。教義は『秩序を守り正義を行えば全部うまくいく』なので支配者層に信者が多い。主神なので民の間でも一番信者が多いのはファリスということになっている。
 ただしそれが行き過ぎて人種差別、性差別、階級差別に繋がったり『邪悪な者は皆殺し!』と殺人鬼まがいのことをしたり教条主義に陥って信仰を体現することを忘れたり(結果、司祭としての魔法が使えなくなる)することもある。
 というかそもそも公式の教義からしてゴブリンやダークエルフのような種族は存在自体が罪であり、ぶっ殺して来世に希望を繋げさせるのが正しいとか言ってるんだから信仰するならちゃんとしないと問題になる。
 マーファは女神で、ファリスに次いで信者が多い。教義は『自然であれ』。人として自然な生き方を奨励しているので、第一次産業従事者はたいていマーファの信者。
 基本的に平和主義というか、無駄な争いを嫌う。自衛以外のための戦いは基本的に禁止。ただし自衛のための戦いならガンガンやってオッケー、罪の意識も感じる必要なし、と教えているのである意味好戦的かも。
 人間として自然な子を生し家族を作ることを素晴らしいことだと教えているので、結婚の守護神でもあったりする基本弱者の味方な優しい女神なのだが、人間として不自然とされる同性愛とか創られた生命とかにはけっこう容赦がない。
 マイリーは戦の神。当然傭兵や騎士階級に信者が多い。
 生きることは戦いで、勇気をもって戦ったなら死後喜びの野(≒天国なんだけどマイリーの元でいついつまでも戦い続けられるという代物だから微妙な人は微妙かも……)に行ける、という単純ながらも戦士の心をつかみやすい信仰。
 正々堂々とした戦いならガンガン戦ってよしと教えるが、戦いを神聖視する傾向があるので闘技場のような戦いを見世物にしたりちゃんとした戦いから逃げることとかは許してくれない(勝てない戦いからは逃げていいらしいが)。
 ラーダは知識の神。学者・魔術師等に信者が多い。
 賢明であれば万事うまくいく、という教え。制限は少ないが野蛮な行為を嫌う傾向にある。
 これ、という特徴的な教えがないため基本穏やかな信仰だが、特殊魔法はなにげに強力だったりする。
 チャ・ザは幸運神、転じて商売の神。当然商売人や街の人間に信者が多い。
 他者に不幸をもたらすこと、閉鎖的な考えを否定し、他者との交流(商売とか)の中で幸せはもたらされると教えるので信者はひきこもりにはなれない。
 それと教義上金やコネと結びつきやすいのでファリス同様組織になると腐敗しやすい信仰でもある。
 ファラリスは暗黒神。にして自由神。悪人、犯罪者に信者が多い……というか信者は基本的に悪人にならざるをえないというか。
 教義は『汝の欲するところを為せ』。つまり法律とか道徳とか気にしないでやりたいことなら犯罪でもなんでもやっていいよという信仰なので信仰を体現すると普通反社会的な人間になる。
 ほとんどの国で信仰は弾圧されているのだが、それでも信仰に目覚める人間はあとを絶たない。また、信者の中には『ファラリスはあくまでなにを為すのも我々人の遺志に任せていらっしゃるのだ』と自由神としてのファラリスの信仰を伝えたり、そうしたいと思ったから、という理由で善行を行ったりする人間もいる。


ソードワールドRPGのルール
 ソードワールドのルールについて軽く。これがわかれば作品を理解するのに支障はない、くらいにしか説明してませんので詳しく知りたい方はリプレイなりルールブックなり買ってみてください。
 個人的にはリプレイ――ゲームの様子を面白く記録した読み物を読んでみて、面白い、もっとルールについて知りたいと思ったらルールブックを買ってみるのがお薦め。別にルールブックを買わなくても作品(うちのでもよそのサイトさまのでも原作のリプレイなり小説なりでも)を読む分には支障ありませんが、ルールをある程度知っておいた方が面白いのは確か。
 なのでお金を払うのは(リプレイ・小説なら文庫本レベルですがルールブックはコンシューマゲーム一作くらいの値段はする)抵抗あるけど作品読むのに支障ないくらいの知識は持っていたい、という方にちょろっとだけ。
 ソードワールドRPGはTRPGなので(TRPGってなに、という方はググれば普通に出てきます)、ルール自体は単純かつ計算しやすくできてます。
1.キャラクター
 種族によって能力値(及び技能・持ち金・経験点)の決め方が違うので、最初に種族を決めてから能力なり技能なりを決めるのが普通。最初にどういう役割やるかを決めて種族能力値技能をそれにふさわしく決めるやり方もあります。
1-1.能力値
 こっちから説明した方がわかりやすいと思うので。
 能力値は六つ。器用度、敏捷度、知力、筋力、生命力、精神力。
 どういう能力かは読んで字のごとく。それぞれ手先の器用さ、すばしっこさ、頭のよさ、パワー、タフネス、精神の強さを表しています。
 ソードワールドRPGでは能力値は基本的に成長しないので(上げることはできるけど上げやすい人間でも基本冒険三回で一点、ぐらい効率が悪い)、最初の能力値かなり重要。
 また、基本的に判定で使うのは能力値を6で割って端数を切り捨てた能力値ボーナスなので、少なくとも器用度は6で割り切れない余りはあんまり意味がない(他の能力値は場合によっては一点刻みで使う)。
 どの能力値が重要かは、役割によって違うので一概には言えませんが、とりあえず生命力は=HPなので低いと死ぬ。それと筋力に応じた武器防具を装備すれば一点刻みで効力が違うので、前線要員には筋力それなりに大事(ソードワールドではシーフも前線要員なことが多いので、あくまでそれなりですが)。
 あとソードワールドの特質としては、能力値の決め方がサイコロを振って決める副能力値の足し合わせという形を取るので、能力値の高さが影響しあうというのがあるかも。具体的に言うと、器用度を決めるのは副能力値A+B、敏捷度を決めるのは副能力値B+C、だから器用度が高いキャラはたいてい敏捷度もそこそこになる、みたいな。
 この関係性は器用-敏捷、敏捷-知力、筋力-生命、生命-精神で相互に関連。まぁ敏捷-知力とか『えぇ?』って感じですが、パワーのある奴はある程度タフになる、とか考えるとわりと好きなシステムだったり。
 ちなみにここでは主要キャラの能力値は基本ちゃんとサイコロ振って決めてます。ただし、副能力値組み換え+振りなおしありで、振りなおし十回までオッケーだったり妖精もダイス数さえ同じだったら組み換え可だったりとご都合にもほどがあるルール使ってますのであしからず。
1-2.技能
 これもこっちから説明した方がわかりやすいと思うので。
 ソードワールドでの技能はすべて職業の名前と能力を持ちます。ファイターとかシーフとかいう技能があって、その技能を経験点を払って上げれば職業式RPGにおけるその職業の能力も上がるわけ。
 経験点は基本、シナリオ達成時に支払われるもの、すなわち有限なので、普通はそれぞれ得意分野をひとつ決めてそれをメインに上げます(あと、サブの技能をひとつふたつぐらい)。
 あと、ソードワールドでは経験点を払って上げる冒険者としての技能(冒険者技能とまんまな名前がついてます。それ以外の技能は一般技能と呼ばれ、シナリオ中や日頃の訓練で上げます)のうち一番高い技能のレベルを『冒険者レベル』と呼び、多くの判定に使います。
 具体的に言うと毒や呪文の抵抗、ダメージの減少など。それもあってある程度一芸に秀でていた方が使い勝手がいいわけ。
 ちなみに技能は普通1〜10レベル。1が初心者、3が一般、5がプロ、7が軽く英雄、10が世界でも有数の英雄。11レベル以上は人間を超えた超英雄、という扱いです。
1-2-1.ファイター
 いわゆる戦士。レベルが高いほど攻撃、回避、ダメージにボーナスがつきます。
 というか、それ以外の能力はいっさいなし。無印のソードワールドでは必殺技とか特殊技とか基本ないので。
 さみしいといえばさみしいですが、筋力ぎりぎりまで強力な武器や防具を装備できるというのは地味に強力。戦闘ではファイター技能所有者がいないとかなり苦しいです(いなければ全力で戦闘を避けるのが基本になるかと……)。
 重要な能力値はなにはなくとも筋力&生命力。器用度&敏捷度もあるにこしたことは。精神力も精神力に攻撃してくる敵もいるし魔法の抵抗もあるしないよりはあった方がいい。知力はいりません(マジ)。
1-2-2.シーフ
 いわゆる盗賊。鍵開け罠感知&解除尾行忍び足、隠密&探索行動を一手に引き受けます。あと盗賊ギルドに所属しているのが普通なので情報収集にも役立ったり。
 あと、ソードワールドのシーフは『筋力の半分(端数繰り上げ)の武器防具を装備している時のみ武器戦闘可』という能力があるのでたいてい前線要員でもあります。基本ダメージは低いですが、クリティカルがファイターよりちょっと出やすいのでたまに強烈なダメージが出たり。
 重要な能力値は敏捷度>器用度=知力。下三つはあるなら当然あった方がいいですが、なくてもシーフ的にはなんとかなります。
1-2-3.プリースト
 いわゆる司祭。パーティの回復役。神に祈ることで神聖語魔法(ホーリー・プレイ)という魔法を使えます。魔法使いの中では一番レベル上げに必要な経験点が少ない分使える呪文も少ないので、たいていファイターとかサブで上げる技能を作ります。
 他のゲームと同じように、傷を治したり毒を消したり病気を癒したり呪いを解いたり対アンデッド用呪文が充実してたり。レベルが上がれば蘇生も大量緊急脱出もできますし、自分の体に神様を降ろしてほぼなんでも願いを叶えたりすることまでできます。それやったら魂消滅しますが。
 宗派によって特殊な呪文があるので、役割も微妙に違うかも。回復役なのは変わりませんが。
 あと神の声を聞いた存在として信仰を体現することが求められるので、行動を制限されることも。
 重要な能力値は精神力>知力。回復はレジストされないので数掛けられるほうが重要です(知力高い方が威力高くはなる)。それとトランスファー・メンタルパワー≠ニいう精神力を他の人に渡せる呪文があるので、気絶した人の気つけに他の魔法使いの精神力補充にと精神力が高い方が嬉しい。
 ちなみに魔法使い技能はみんなそうなんですが、魔法を使う時使う精神力は呪文ごとに定められた基本消費精神力を技能レベルで割って決めるため、成長すればどんどん消費精神力を減らせます。最低でも一点は消費するので精神力が低いとキツいのには変わりありませんが。
1-2-4.ソーサラー
 いわゆる魔法使い……というか、魔術師のイメージに近いのはこの技能でしょう。古代語魔法(ハイ・エンシェント)という魔法を使います。学問的に魔法を研究することで力を得る、古代王国で使われていた魔法ですね。
 魔法使いの技能としてはほぼ最強といっていいでしょう。支援魔法範囲攻撃魔法便利系魔法とどれも他の追随を許しません。
 そして必要な経験点の多さでも他の追随を許しません。ファイター・シーフ・プリーストの二倍近く、次に重いシャーマン技能と比べても同じレベルになるのにひとつ上のレベルと同じ経験点が必要ということで、ソーサラーは他のキャラよりレベルがひとつ下回るのが普通です。
 その上魔法を使うのに複雑な身振りが必要ということで鎧が薄く、魔法を使う時には杖やら指輪やら棒杖やら、発動体を両手に持っていなければなりません。結果、戦闘系技能との相性は最悪です。弓矢で後列にいるところを狙われたりしたら一番ヤバいのはソーサラーでしょう。
 しかし使う魔法は冒険に欠かせないと言っていいくらい強力なのでパーティに一人はいてほしいところです。古代語の知識を持っているのがデフォルトなので、古代遺跡を調べる時にも便利。
 あと、ちょっと嬉しいのがソーサラー技能とセージ技能は相性がよく、どっちかが高いと低い方のレベルを上げる時経験点にボーナスがあること。具体的に言うとセージ技能は必要経験点が半分くらいになります。ソーサラーを1レベル持ってたら自動的にセージ1レベルも手に入るし。
 重要な能力値は知力>精神力。でも冒険初期は支援魔法をかけることが多いので知力=精神力ぐらいかも。
1-2-5.シャーマン
 魔法使いなんだけどちょっと特殊かも、精霊語魔法(サイレント・スピリット)という精霊と会話して力を得る魔法です。ソーサラーより感覚的に使う魔法。
 ソーサラーと比べると対個人用魔法、特に精神を操作する魔法が多く、支援系魔法がほとんどありません。便利系魔法もソーサラーと比べると『うーん』という感じ。
 でも精霊の関わる仕事をするには必須だし、夜目が利いたり、精霊力を感知したり、シャーマンの使う魔法があればぐっと便利になるのもまた確か。三種の魔法使い技能の中では一番芸のある魔法かも。
 魔法を使う時には片手を空けていないと駄目なので盾が持てないことと(両手用武器は使える)、精霊が金属を嫌うからという理由で金属鎧が着れないこと(五倍の金を出して銀の鎧を作るなら着れる)からどちらかといえばファイターよりシーフの方が相性がいいかも。でも作り方次第。
 あと個々の魔法に対応する精霊がいる場所じゃないと魔法が使えないという弱点も。火が燃えてないととか自然の風が吹いてないととかむき出しの土がないととか。一種類だけなら下位精霊を支配して持ち歩けますが、上位の精霊魔法を使う時この制約は地味にのしかかってきます。
 あと男女で使える魔法が違うのも特徴。女性は比較的低レベルで生命点を全回復させるヒーリング=A毒や病気を一気に治すレストア・ヘルス≠ェ使えますが、男性は回避を下げて命中を上げるファナティシズム=A一発の攻撃力は単体最強のバルキリー・ジャベリン=Aダメージを累積50点まで完全に防ぐバルキリー・ブレッシング≠ェ使えます。高レベルになると男の方がお得かも。
 重要な能力値は知力>精神力。
1-2-6.レンジャー
 野外活動全般を一手に引き受ける職業。地図作成とか足跡追跡とか。他にも応急手当や不意打ちするかされるか、危険をぎりぎりで察知できるか否かにもこの技能を使うので、地味に欠かせない技能だったりします。一番必要経験点が安い部類の技能なので、サブである程度取っておくことをお勧め。
 野外活動以外では、飛び道具の判定に使えます。飛び道具に関してはファイターとまったく変わらずに使える、のはいいんですが回避にはまったく使えませんし乱戦に飛び道具は使えないので通常ルールだとこの技能をメインにするのは厳しいかも。でもある程度は取っておかないと困る。
 それと実は防具が筋力の半分(端数切り上げ)の非金属鎧でないと使えない能力がけっこうあったりするので、レンジャーとしての能力を十全に発揮するならシーフとかシャーマンとかとの掛け合わせがお得。十全じゃなくても最低限必要なことはできる技能だけど。
 重要な能力値は知力>敏捷度>器用度。
1-2-7.セージ
 賢者、学者、知識人の技能。基本なにかを知っているかという判定にはすべてこれを使います。
 魔法のアイテムの力や宝物の価値を鑑定したり、モンスターの名前や能力を知っているかどうかもこの技能で。あとこの技能1レベルにつきいろんな言語が一個喋れるか読めるかします(読めて喋れる言語は書ける)。
 他にも占星術とか薬の開発とかありますが、基本的に戦う前の準備段階にしか役立たない技能なので、必要ではあるんだけどメインに持つ技能じゃないかも。ソーサラーがソーサラー技能と同じくらいの高さで持つのはよくあるけど(ある程度高いレベルでなければ一回の冒険で1〜2レベル上がる)。
 重要な能力値は知力、それのみ。というか、それ以外の能力値を使用することがなかったり。
1-2-8.バード
 いわゆる吟遊詩人。歌ったり楽器の演奏をしたりで金が稼げます。あと伝承の知識を持っていたり1レベルにつき1個言語が喋れたり(読めはしない)。
 最大の能力は呪歌。愛用の楽器と共に古代語の歌を奏でることで魔法的な能力を発揮します。
 でもその能力は微妙に使えないものがほとんど。回復は一時間に一点だし、状態を変化させる歌も支援用の歌も、魔法よりはだいぶ効果が低くなる上敵も味方も(耳栓してたり音を操る魔法使ってたりするのでなければ)無差別に効くので使う時は遠く離れている必要があったりする。
 個人的にはこの技能は余技とゆー奴なんではと思ったりしてます。必要経験点も一番安い部類だし。実際この技能所有者がいないパーティもいっぱいいる。
 でもいたらいたで面白い使い方が考えられたり、レベルを上げれば相当な額の小金が稼げたりとかするので芸のあるキャラを目指す人には面白いかも。
 重要な能力値はなにはなくとも精神力。呪歌の判定にも弾き語りにもこれを使う。あとはめったに使わないけど知力>器用度。
1-3.種族
 当然ながらフォーセリアには大量の種族がありますが、基本的に使えるのは人間、エルフ、ドワーフ、ハーフエルフ、グラスランナーの五種。
1-3-1.人間
 いわゆる人間。能力値の決め方が全種六面体サイコロ二個(以下2D)+2Dなので能力は平均的というか、バラエティに富んでます。筋力生命力ともに24のマッシブファイターもいれば、生命力6精神力5のひ弱シーフもいるわけ。
 技能も取得できないものはなし。生まれによって初期取得技能・経験点・持ち金も本当にさまざま。サイコロの目さえよければオールマイティーキャラも作れるので(普通はそこまでいい目を出すのは無理ですが)、種族的なポテンシャルは一番高いかも。
1-3-2.エルフ
 いわゆるエルフ。耳が尖っていて華奢で寿命が長くて魔力に溢れてて美形で閉鎖的な森に住んでいる妖精。
 ただ、ソードワールドのエルフは全種族中bPの勢いでひ弱いので、指輪物語系の活躍を期待するのはちょっと無理があるかも。筋力が人間の半分以下なので鎧も薄く武器戦闘でのダメージも低く、生命力も半分強。範囲攻撃魔法に巻き込まれたらかなりな勢いで死にます。
 ただし器用度も敏捷度も知力も普通の目を振れば人間なら秀才(能力値ボーナス+3)、ボーナス+4の天才も人間の三十六倍の確率で作れるので魔法使いとしてはぶっちぎりに優秀。しかし、エルフとして生まれた以上否が応でもシャーマン技能を取らなくてはならない上(魔法使いの技能はそれぞれ別個に伸ばさなくてはならないので、精神力が一定な以上魔法使い技能は掛け持ちしてもあんまり意味がない。経験点的にきつくなるし)、神を信仰する習慣がなくプリースト技能は習得できないのでほとんどがシャーマンメインのキャラになりがち。
 高レベルになると敵の広範囲魔法対策は必須になるが、基本判定能力は優秀な種族。あと成人までは人間と同じように年を取りますが、それから先老化せず、しかも千年の寿命があります。
1-3-3.ドワーフ
 いわゆるドワーフ。背が低くてがっしりしてて酒が大好きで穴倉で暮らしてる手先が器用な大地の妖精。
 パワーがあってタフで精神力が高いのでファイターないしプリーストが天職。ただしトロくて頭がいまいちなのでシーフ・レンジャーはちょい不向き。シャーマンとソーサラー技能は種族的な特性で習得できません。
 経験点的には実はちょっと損なんだけど、ドワーフキャラは全員なにかの職人の技がプロ級だったりするし、暗闇を見通す力がある上能力値的にわりと安定しているので、安定感なら随一の種族。寿命は二百年ぐらい。
1-3-4.ハーフエルフ
 いわゆるハーフエルフ。エルフと人間の間の種族。異種族間で子供が残せるのはこの二種の間だけ。ハーフエルフが子供を残しても人間かエルフかハーフエルフかのいずれかになります(クォーターとかはない)。お約束通り寿命がどちらの種族とも違うこともあり(二百年前後)、どちらの種族からも疎外されがちな存在です。
 エルフの機敏さ頭のよさ、人間の力とタフネスを兼ね備えた、と言えば聞こえはいいですがぶっちゃけ基本どちらも中途半端です。得意分野の上三つの能力も平均はギリでボーナス+2ですし、筋力は逆にギリでボーナス+1。おまけにどちらも人間の天才レベルには達せないと、どーにも不遇な種族だったりします。
 でも逆に言えば上三つも生命力もたいていそこそこはいくので、盗賊やら魔法使いやらの役割をこなしつつ安定感もエルフより上、とそれなりに使える種族です。あと、技能が生まれ次第なのでソーサラーをやるならハーフエルフがわりと安定感高め。
1-3-5.グラスランナー
 これだけはちょい珍しい種族ですね。まぁ指輪物語のホビットなんですが、小柄で陽気という属性に基本なんにも考えてない&放浪の種族&天性の盗賊という属性がつく草原の妖精。
 筋力が全種族中最低で(人間の三〜四分の一ぐらい)、器用度&敏捷度が全種族中トップ、かつ普通の魔法は使えないと盗賊になるより道はないという種族です。ですが当たれば痛いものの生命力がそこそこあり逃げ足が早く精神力も超高いので(平均が人間の最大値)、攻撃を避けて魔法にも抵抗できるという高機動要塞としての活躍も可能だったり。ダメージは出ませんが。
 あと精神力の高さを活かし、バードの呪歌を歌ってみたり敏捷度の高さも活用してラウンドの最初に支援用共通語魔法(古代語魔法を基本精神力そのままの消費で誰にでも使えるようにしたもの。基本1レベルのみ)全員掛けしてみたり、使い道は限定されますがその分野でのスペックは高いという種族です。寿命はドワーフ、ハーフエルフ同様二百年。
2.判定ルール
『対応する技能+能力値ボーナス+2Dが目標とする値より高かったら成功、低かったら失敗』。基本これのみ。目標値が相手の技能+能力値ボーナス+2Dになったり難易度+2Dになったりしますが。
 1ゾロを振ると自動的失敗、6ゾロを振ると自動的成功。
 冒険者レベル(『1-2.技能』参照)+対応能力値+2Dは毒や魔法の抵抗、気配の察知、なにかに気付くかどうか、どれだけ力をこめられるか身をこなせられるか、といろいろ使います。
3.戦闘ルール
『攻撃用技能+器用度ボーナス+2D』と『回避用技能+敏捷度ボーナス+2D』で当たったかどうか決めて、『攻撃用技能+筋力ボーナス+武器の威力』−『鎧の効力+冒険者レベル(モンスターにはモンスターレベルというのがある)』で生命点に加わるダメージを決めるのが基本。
 武器や鎧の効力は装備するのに基本必要な筋力と同値の(品質や武器防具のタイプによってある程度上下)数値でレーティング表という表から2Dでダメージを算出。モンスターはダメージも防御力も固定。魔法でのダメージも基本は同じ、器用度や筋力が知力になって、武器の威力が呪文の威力になって、鎧でダメージを減らせなくなるだけ。これを打撃ロールとか防御ロールとか言います。
 打撃ロールは魔法も武器も基本2Dの目が10以上でクリティカル(武器や相手の装備によって上下したりクリティカルしなくなったりする。あとシーフ技能で戦闘すると基本9に)、さらに振ってダメージの追加ができます。そこでもクリティカルしたらまた振り足しなので、理論的にはダメージはいくらでも大きくなりえます(クリティカルするなら)。
 生命点がゼロになったら生きてるかどうか判定をして、成功なら気絶、失敗なら死亡。
 ソードワールドRPGでは基本生命点(=HP、耐久力)が成長せず、代わりに冒険者レベルの成長でダメージを減らすことで生き延びるので冒険者レベルかなり大事。
 でもだからクリティカルしまくって40点とか50点とか出たら世界一の英雄でもまず死亡。
 あと打撃・防御ロールで一ゾロ振ったらダメージや防御力は技能等も足せない完全なゼロになるため、あと残り生命点一点の敵も倒せないし雑魚敵に倒されたりすることもある。
4.経験点
 シナリオクリア=使命達成時に基本1000点。使命失敗したら500点。追加でモンスターを倒した分、倒した敵のモンスター(or冒険者)レベルの合計×10÷人数。モンスターのレベルは1〜20なので、無駄に狩ってもたいした経験点は入らない。
 うちのサイトではルールでより高い経験点を与えたい時の選択ルールとされている、『もっとも重い障害となるもののレベル×500点=使命達成時の経験点』に特殊設定つけてやってます。特殊な呪いやら祝福やら、本人の特別な能力やらがある時のみ障害レベル×500点の経験点を得られる。それ以外は基本の1000点、と。
 あと、一ゾロを振った回数×10点の経験点もボーナスとして入ります。


この作品独自の設定
1.時代設定
『候子は仲間と、世界に出会う』は普通ソードワールドの舞台となる新王国暦520年代から約80年後、新王国暦602年を舞台としています。なのでリプレイキャラ、小説キャラの類は主席導師となったバレンぐらいしか出てきません(最高導師マナ・ライは生きてますが特殊な状態なので話には出てきません)。
 なぜかというと……そっちの方が好き勝手できるから、です(苦笑)。アトンも無事倒され、ロドーリルの起こした戦乱も今は昔、リプレイや小説のなんだかんだもすべてカタがついてからはるか未来の平和でまだ冒険者が元気な時代、ということで。
2.文化設定
 基本ソードワールドの通常設定に従いますが、いくつか進歩している部分があります。
 特に印刷技術。ケイオス・ランドから伝わった植物を紙とする方法が普及し、活版印刷も開発され、本は一気に安価に、新聞のようなものも作られ始めています。
 魔法技術も進んでいます。マジックアイテムを作り出すところまではいっていませんが、遺失呪文、アレクラストでは遺失となっている呪文は今や普通に呪文書に載っていますし、唯一のマジックアイテム製造呪文として魔晶石を作り出す呪文が開発されました。ただし、現在の技術では魔晶石に高い精神力をこめようとすればするほど必要な技術水準&材料費が跳ね上がるので、値段は基本ルールと変わっていません。
 ケイオスランドに続いている移送の扉≠熕Vたに発見され、ロードスからも変わらず交易の船が来るため(生存率はだいぶ上がりました)、文化交流もわりと活発です。
 他にも湯屋ができたり、上下水道がたいていの都市で使用されるようになったり、生産力が地味に向上していたりと、まぁ江戸時代の日本、場合によってはそれよりちょっと先、ぐらいには生活は便利になっています。
3.冒険者設定
堕ちた都市≠はじめとする古代遺跡はまだ完全には探索されつくしておらず、治安もたいていの国でよくなってきてはいますが完全ではないため、やはりまだまだ冒険者の活躍の場は残されています。
 ただ、最近めっきりアレクラスト大陸は平和なため、バードたちの英雄譚に上るような存在はリプレイ、小説時代の人間くらいしかいません。

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