あとがき。

 ホモの二次創作をやっている人は大抵、ことに女性に多く……というかホモの二次創作をやっている人はほとんどが女性なのですが、それはともかく……後ろめたい気持ちを持っているようです。
 これは、本来ホモじゃないキャラをホモとして扱うことによる後ろめたさと(中には原作からしてホモというキャラもいますがまあそれはさておくとして)、ホモという世間では後ろ指をさされがちな性的嗜好を好むということによる後ろめたさの二つがあると思います。
 ですが、自分は後ろめたさを抱いている方々にお聞きしたいのですが……そういう後ろめたさ背負ってるの、馬鹿馬鹿しくなることってありませんか?
 自分もセクシャル・マイノリティの端くれなのではっきり言うのですが、嗜好そのものに善い悪いなんて価値判断を持ちこむことはできないはず。嗜好はそれ自体ではただそういう性質がある、ということを示すに過ぎないんですからね。
 ホモだろうが、ホモが好きだろうが、それはそれでごく当たり前のこととして受け入れられていいはず。ヘテロ(異性愛、異性愛者のことね)が別に偉い訳でも蔑まれる訳でもないのと同じようにね。
 ホモじゃないキャラをホモにしてる、ということを言われるとちょっと苦しいものはありますが、でも二次創作と言うのは大なり小なり自分なりの設定というのが盛りこまれているもの。そうでなきゃ原作に忠実な二次創作しか認めないってことになっちゃいますからね。自分はこのキャラクターをこういうキャラクターとして捉えているのだ、という自分設定の一環。そういうことで受け入れられていいはず。
 皆そういうことはわかってるはずなのに、どうしてホモ好きな人の多くは萎縮してしまうのか?
 ……それはたぶん、ホモスキーであるが故の後ろめたさ″というのを楽しんでいるからじゃないかと思います。
 というか、ホモスキーであることの楽しみとして、『こんな見方をしちゃいけないいけない、と思いつつも見てしまう』という喜びがあるのです。禁忌を犯す楽しみ。背徳者の快感。見つかったらやばいやばいと思いながらもやめられない、あたかも子供のころのつまみぐいのように。
 ですからどうしてもホモスキーの集まりは閉鎖的になりがちなんですが……それを言ったらオタク全体がそういうところありますよね。自分もそうだもん……『華は秘してこそ華!』とかしょっちゅう言ってるしな。
 まあそういううしろめたい気持ちを楽しむのはいいんですが、本気で気にしたりしないようにしましょうね。ホモスキーも嗜好の一つ、ごく普通におおらかに楽しんでいいことなんですから。
 あ、でも慎みを無くしちゃ駄目ですけどね。ホモが嫌い! という人もいることは確かなんですから、そのことをきちんと念頭において嗜好を押しつけたり浮かれて爆発しすぎたりしないようにしましょう。
 この手の話をもっと詳しく聞きたいという方は、リンクしてます『PUERISSIMO』さまに行ってみましょう。自分などよりはるかに的確に、わかりやすく解説してくださってますよ。ショタコン論議から入ってるんで、その趣味がない方は困るかもしれませんが、一読の価値ありです。
 ――さて! それはさておき、今回の作品の話です。
 eX-D、菅野走一君の話です。
 eX-Dって何? っていう人います? TVCMとかでもやってるから、結構有名じゃないかと思うんですけど。
 その名の通り、車アニメなんですけど。未来、車をコンピュータで自動制御するようになった時代、コンピュータの故障で暴走した車を止めるために自分でガソリン車を運転できる者たちによって結成されたエクスドライバー″という組織の、おもにドライバーたち3人のすったもんだを描いた作品なんですが。
 その中で異彩を放つわずか十二歳にしてエクスドライバーとなった菅野走一君! 彼に自分は真っ向から惚れこんでしまったのですよ!
 もとはさっきの『PUERISSIMO』さまから教わったんですけどね。今となっては菅野走一君向上委員会会員ですよ! ショタコンを自認する人なら一度は見てみましょう。末端肥大のちまっこい手足、純情さとマセたところが微妙に入り混じった性格、そして車を運転する時のかっこよさ! はっきり言ってめっちゃ可愛いです!
 あ、もう大抵の方はお分かりとは思いますが、自分ははっきりきっぱりショタコンですんで。どんな作品でもまず少年キャラに目が行きます。街を歩いてても男の子を見ると反射的に好みかどうかチェックしてしまうくらい(手は出しませんよ、三次元には)。
 ともかくそういうわけで走一君可愛い! となったわけですが……困ったことに、この作品まともな攻がいないのです! 男キャラがいないわけではないのですが、どれもこれも走一君を攻めるにはイマイチ役者が足りてないというか。
 自分がカップリングする時は、その二人の組み合わせの妙がたまらん! という時と受の子を可愛がりたーい! という時があるのですが、走一君は典型的な後者。ついモブにマワさせることを考えたりしてしまう方です。走一君は可愛いし、攻はいないし、で……こういう時自分は、ついオリキャラに手を出してしまいます。安易だとはわかってはいるんですが、楽しいもんでつい……。
 そんなわけで、eX-D最終巻も出たことですし、菅野走一向上委員会会員の端くれとしていっちょ書いてみっかと思ったわけですが……理想は遠いな……。
 まだまったく進展していないのですが、おまけに攻キャラ情けないですが、最終的には走一君を思いっきりコマすところまで考えてますんで、よろしければお付き合いください。更新遅いけど……。
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