「……閉じ込められてからどのくらい経った?」 「……一時間と、五分十五秒」 コンクリートの瓦礫に囲まれた四人の少年たち――太陽、エース、誠、大地は顔を見合わせて溜め息をついた。 それは大隊出場しなければならないほどの大災害だった。 ビル街に起きた大地震によって、車の玉突き事故、火災の発生、地面の陥没にビルの崩壊。 何人もの人が瓦礫の中に閉じ込められ、救助も一刻を争う状態にあった。そこにデザスターが出てきたりもしたが、全マシンロボが揃っているということもあってわりとあっさり撃退。全員が力を合わせて全力で救助に当たった。 しかしそこでトラブルが発生した。太陽、エース、誠、大地が協力してビルの中に閉じ込められた人を救出した瞬間、ビルの崩落が起こってしまったのだ。 要救助者は無事に外に運び上げられていたものの、助ける側の四人は全員ビルの中にいた。 そのままなら死ぬこと間違いなしだっただろうが、サバイバルナチュラルの才能をフルに発揮した太陽と空間認識能力を全開にした大地が全員をうまい具合に瓦礫の隙間になる場所に誘導し、埃まみれになったものの、四人はとりあえず生きていた。 しかし瓦礫に閉じ込められ、二次崩落が起きれば今度こそ死亡は確定。K-boyも落としてしまったため外と連絡も取れない。音からして救助作業は続いているようだが、こんないつ崩落するかもしれない場所で無事に人を救助するのには時間がかかる。 つまり、四人はどうにも悲観的な未来しか予測できない状況に陥ってしまっているわけである。 「僕たち……死ぬのかな……」 大地がぼそり、と言うと、誠にきっと睨まれた。 「死が訪れる最後の瞬間まで諦めるな! それがマシンロボレスキューだろう!」 「そ、そうだよね……ごめん」 「だが……死ぬ可能性がかなり高いのは、確かだよな」 「それは……」 誠も悔しそうにうつむき、黙りこんでしまった。言ったエースも溜め息をつき、そっと瓦礫に頭を持たせかける。大地などは泣くのを堪えるように唇を噛んで膝を抱え込んでしまった。 自分たちが何もできずにただ救助を待つしかない――それもかなり勝算の薄い救助を、というのは彼らにとっても初めてで、そしてかなりキツイ体験ではあった。 だが、太陽はそんなプレッシャーなど感じていないかのようにんーっと伸びをしてみせる。 「でもさー。こーいうことになるとさ、死ぬ前にこれやっときゃよかったー、ってこと考えたりしないか?」 この場にそぐわぬ太平楽な声の調子に、エースは呆れたような声を出した。 「お前なぁ。この状況でそういうこと言うか? 洒落になってないだろう、空気を読めよ少しは」 「んなこと言ったってさー。だからって落ち込んでたってしょうがないじゃん。こーいう時しかできない話して盛り上がった方が……なんつったっけ……そう、けんせつてきだろ?」 「太陽……お前な……」 「……ぷっ、あはは、太陽くんらしいね」 誠と大地も半分呆れながらも笑顔になった。空気が少しだけ柔らかくなり、太陽がへへへっと微笑む。 エースが笑いながら、そうだな、と言葉を漏らす。 「僕はエースの名前を世界に轟かせるっていう夢を叶えておきたいな。マシンロボレスキューのエースから、日本全体のレスキューのエース、そして将来は世界中のレスキュー隊員の憧れるエースに!」 「何を言っているんだ。レスキュー隊員の活躍の場は災害時なんだぞ、名前を轟かせてどうする。俺は、やはり安全で平和な世界の実現だな。災害0、犯罪0の正義に満ちた世界をいつの日か実現したい」 「だっからー、そういうんじゃなくってさぁ! 夢の話じゃなくて、やろうと思えばすぐできるんだけどやれなかったりやらなかったりしてたことだよ。あれやっときゃよかったー、って思うようなこと!」 「あれやっときゃよかったって思うようなこと……?」 「なんだよ、太陽。そういうお前はなんかあるのか?」 「うーん、そうだなー……」 太陽はしばし考え込んで、やがてぱぁっと顔を輝かせて言った。 「そうだ、キス! 俺いっぺん誰かとキスってのしてみたい!」 「キ……」 「キス?」 「なっ、なっ、何を言ってるんだお前はっ! そんな、はしたない……不謹慎だと思わないのかっ!」 誠の怒鳴り声に、太陽は肩をすくめた。 「だってさー。大人はみんなやってるんだろ? 俺だって一回くらいしてみたいよ」 「俺たちの年でそんなことに興味を持つのは早すぎるっ!」 「いや、そう決めつけたもんでもないだろ。キスの一つや二つ、早めに経験しとくに越したことはないんじゃないか?」 そうエースに口を挟まれ、誠は顔を真っ赤にする。 「そんなわけがあるかっ! 我々マシンロボレスキューは全身全霊をもって些末事に気を取られることなく任務に精励すべきであり……!」 「誠、あんまりでかい声出すと崩れてきちゃうぞ」 はっ、と慌てて自分の口を押さえる誠。その間に他の三人はその話題で盛り上がっている。 「キスかぁ。ママにほっぺにされたことはあるけど……唇のキスって、どんな味がするんだろ」 「よくレモンの味とか言うよな。それってフカシだぜ絶対」 「そうだなー……あー、いっぺんしてみたいよなー、キス。死ぬ前に一度くらいしてみたいよ。でもこんなとこじゃ相手いないしなー」 「いや、いないってこともないだろ? 一応ここには四人いるわけだし」 「そっか! そうだよな!」 「……え?」 あっけに取られた三人を尻目に、太陽は深くうなずいている。 「おい、太陽。本気に取るなよ。今のはあくまで冗談で……」 「なんでだよ? 実際相手いるじゃん、三人も! このうちの誰かとすればいいんだよな!」 「お前な。わかってんのか、ここにいるのは全員男だぞ、男」 「別にいいじゃん。キスしたからって結婚しなきゃなんないわけでもないし」 「無責任なことを言うな! きっ、キスしておきながら責任を取らないなんて人として最低だぞ!」 「いや、今時それはちょっとどうかな……てゆか、そういう問題じゃないだろ」 「そうだなー。んっとー、そうだ、大地! 俺とキスしてみようぜ!」 「え!?」 突然の指名に硬直する大地を、エースと誠は思わず注視した。どう答えるのか。オッケーしてしまうのか? オッケーしたら太陽は本気でキスしてしまうのか? とか思わず頭の中をぐるぐるさせながら。 大地はしばらくの間硬直していたが、やがてぽっと顔を赤らめて、うなずいた。 「………太陽くんなら、いいよ」 「え″!?」 おいおいおいおい本当にいいのか? 本当にやっちまう気なのか? 大地、それでお前は本当にいいのか? などというエースの内心の思いなど気にも留めず(誠は真っ赤になって硬直している)、太陽はその言葉を聞くとにかっと笑って大地を手招きした。 「よっし、じゃ、やろうぜ! こっち来いよ」 「うん……」 大地はおずおずと太陽に近寄り、目を閉じる。太陽は目を見開いたまま唇をそっと大地の唇へ近づけていき―― ちゅっv 小さく音がすると同時に、大地はさっと体を退いて目を開けた。感触を確かめるようにそっと唇に触れて、また顔を赤らめる。ステロタイプながらも可憐に恥らうその様は、ほとんど少女漫画のノリだ。 だが太陽はひどく不満そうにぷーっと頬を膨らませた。 「なんだよこれー。キスって、こんだけ? ただ唇が触った感じだけじゃん。大人ってみんなこんなこと喜んでやってんの?」 「太陽くん……僕とのキス、嫌だった……?」 「いや、嫌ってんじゃないけどさ。なんつーか、ちょっと物足りないっつーか、違うなーって感じっていうか……」 「そうなんだ……」 大地はその言葉がかなりショックだったようで、泣きそうな顔でうつむいてしまった。太陽は慌てて何とかフォローしようとする。 「あ、あのな? 別に大地だからどうこうっていうんじゃないんだぜ? 大地じゃなくても誰でも物足りなかったって言うか、別に大地が特別どうこうっていうんじゃなくて……うわぁ、泣くなよぉ、大地ぃ……」 困り果てている太陽に、エースは仕方なくアドバイスをしてやることにした。言っていいのか迷う気持ちもあったが、このまま気詰まりな状況におかれるよりはマシだ。 「あのな。キスっていうのは、本当はただ唇を触れさせるだけじゃないんだぜ」 「え?」 「そ、そうなの?」 驚いた顔をする太陽と大地に、少しばかり得意な気持ちになりながらエースは言う。 「ああ。本当はこう……」 れっと舌を出す。 「舌を出して、唇をくっつけながら相手の舌と絡めるんだ。それが本当のキスのやり方なんだぜ」 エースとしても聞いただけの知識だが。 「えー、舌? なんか汚くないか?」 「大人はみんなそういう風にしてやってるぞ」 「ふーん……そうなのか。じゃさ、大地。それやってみよっか?」 「う、うん。僕はいいけど」 「じゃ……」 二人は再び向かい合い、今度は二人とも目を開けたまま唇を近づけ、くっつけた。くっつけながら唇の隙間から舌を突き出し、お互いの舌に触れさせ、絡めあわせる。 ぴちゃ、ぴちゅ、ちゅぷ。 唾液が二人の唇の間で音を立てた。舌から伝わってくる熱と、痺れるような感覚。ほとんど押し付けあうだけのどうしようもなくぎこちないキスだったが、敏感な場所同士が接触しあい、互いの熱は互いに伝わる。幼い体はそれだけで、次第に互いに高まりあってしまう。 二人はいつしか目を閉じ、夢中になって舌を絡めあっていた。 「ふぅっ……俺っ、なんか……なんか、変な感じ……」 「ぼ、僕も……なんだか、どきどき……するっ、んむぅ」 言葉を交わしながらも、二人はどんどん昂ぶる未知の衝動のままひたすらに舌を絡めあい、唇を押し付けあう。エースと誠の見守る前で二人は延々とディープなキスを続けた。 が、やがて。 「太陽くん……僕、唇が痛くなってきちゃった……」 「お、俺もぉ……」 唇も舌も粘膜、敏感な場所だから性感帯になりうるわけだが同時に触れすぎると痛くなる場所でもあるわけである。 だがお互いに今まで感じたことのない衝動はたまらないほど昂ぶっている。この衝動をどうにかしたい。しかしこれ以上キスを続けるには唇が痛すぎる。 「なんだよぉ……なんかうじゃらうじゃらしちゃって、たまんないよ……心臓どきどきして苦しいし、腰の辺りがなんか……なんか、変だよっ……!」 「体が熱いんだけどっ、なんか……なんか、なんだかっ……誰か、どうにかしてよぅっ……!」 悶える二人の様子を内心ドキドキしながら見つめていたエースは(彼もまだ小学生なのだ)、言っちゃまずいかもと思いながらもこの先を見てみたくって、聞きかじった知識をおずおずと披露した。 「あ、あのさ。そういうのって、エッチしたら治るらしいぜ」 「え……?」 「エッチ?」 二人は一瞬きょとんとした顔になって、それからぼっと顔を赤らめ、それでも興味とこの体のもやもやをなんとかしたいという切実な要求の方が勝ったか、じっとエースの顔を見つめて聞いてきた。 「エッチって……どんなことするの?」 「えーとな。ちんちんを、穴に入れるんだよ」 間違ってはいないがあまりに身も蓋もない言い方ではある。太陽と大地も驚いて、エースに詰め寄った。 「穴に入れるって、どこの穴に?」 「もしかして、尻の穴に入れるとか?」 「えーと、うん、そうだ。多分」 エースの知っているのは男女のそれではあるのだが、子供、特に男の子には膣の概念がないためその様子を見せられるとアナルセックスをしているように見えてしまうのである。エースも例外ではなかった。 「お尻に!? そんな……入るの?」 座薬を入れられた時のことを思い出して不安になる大地。 「入るんじゃないか? 見せてもらったやつでは、入ってるみたいだったし……」 「それでホントにスッキリするのか?」 「僕はそう聞いたぜ」 『………………』 しばし、というよりかなり長い間があってから、太陽と大地はそろそろとお互いの顔を見合わせた。 「やって……みる?」 「うん……」 二人はどちらからともなくうなずきあった。 ちなみにこの頃瓦礫の上では「太陽……生きてなかったら、承知しないんだから……!」とか鈴が不安をごまかすように作業をしつつ拳を握り締めたところだった(五回目)のだが、それはこの話にはあんまり関係がない。 「……服、脱ぐんだよな」 「で、でも……エースくんと誠くんがいる前で服全部脱ぐのって、恥ずかしくない?」 それを言うなら人の見ている前でエッチしようと考える時点で充分に恥ずかしいのだが、羞恥心のストッパーか何かが吹っ飛んだのか、そこらへんはあんまり感じていないようである。 「全部脱がなくても、下をちょっとずり下ろすくらいでいいんじゃないか?」 「そうだな」 それでもなんとなく隠れるようにしてズボンを膝までずり下ろし、二人ははたと気づいた。 『……どっちがどっちに入れる?』 しばし無言で(下だけ半脱ぎの格好で)見つめあってから、二人はさっと手を上げた。 『じゃんけんしましょ、じゃんけんほい! あいこでしょ! あいこでしょ!』 五回のあいこの末、勝ったのは太陽だった。やっぱり入れられるのはなんとなく怖いというので太陽が入れる側に決定。 いざ、と四つんばいになった(だが顔だけは太陽の方を向いてどきどきびくびくしている)大地の後孔に太陽の幼い幹を突き入れようとしたのだが―― 「痛っ! 痛い、痛いよ太陽くんっ!」 「わ、ごめん! ……てゆーかさ、入んないよこれ! エース、ホントにエッチって穴に入れるもんなのか?」 当然のことながらいかに小学生のペニスとはいえ乾いたアヌスに入れようとしても入るものではない。だがそんなことなど知る由もない太陽に自分の知識を疑われ、エースはむっとして声を上げた。 「ホントだって! 見せられたやつでは、入ってる感じだったぞ!」 「じゃあどうして入らないんだよ?」 「そ、れは……」 うーん、と考え込むエース。 「……なんか滑りをよくするものがいるんじゃないかな? 油とか、そういうぬるぬるしたの」 「そんなのどこにあるんだよ?」 「そうだよなぁ……」 「あ、もしかしたら……」 大地が胸ポケットからチューブに入ったジェル状のものを取り出す。手や顔の肌の手入れ用のローションだ。 「これ、使えないかな」 「わ、大地。お前なんでこんなの持ってんの?」 「今日ママが送ってきてくれたんだ。とりあえず胸ポケットに入れといたらそのままになっちゃって」 「うん、これならいけるぞ! 多分!」 「よっしゃ!」 嬉しげに手を打ち合わせる太陽とエース。そんなことしてる時点で悶々とした気分はどこかに吹っ飛んでおり、エッチをする意味はなくなっているのだが、全員そんなことは気づいていない。 太陽はまた四つんばいになった大地にチューブを持って向き直った。ずり下ろしたズボンの下からのぞく真っ白いお尻に近づく。 「まず指にそれつけて入れてみろよ。そうした方が塗り付けやすいだろ」 「そうだな。いっぱいつけて……と。入れるぞー、大地ー」 「う、うん……」 反射的に力が入ってしまう大地。だが太陽はそれにかまわず尻たぶの間に触れ、後孔に何度もローションを塗りつける。 「う……なんか、さっきとは違う風に変な感じ……」 「どんなふう?」 「ん……なんて言うか、背中がぞくぞくして……んっ!」 つぷっ、と大地の中に太陽の指が入り、大地は悲鳴に近い声を上げた。 「あ、入った。どんな感じ?」 「なんだか……気持ち悪いよ……お腹の中がぐるぐるする感じ……」 「うわ。大丈夫か?」 と言いつつも手は休めずに大地の後孔にローションを塗りつけている太陽。後孔が緩んできたのを見計らって、指を一本増やす。 「んふぅっ……!」 大地が苦しげに呻く。太陽は指を出しては入れ出しては入れを繰り返し、大地の後孔にローションを塗りつける。当然だんだんと大地の後孔は潤み、次第次第に抜き差しも激しくなって…… 「んぁっ!」 太陽の指が大地の中のある一点を擦った瞬間、これまでとは明らかに違う声が大地の口から漏れた。 「大地? どしたんだ、大丈夫か?」 「う、うん……大丈夫だけど、なんかさっきのところ擦られたらぞくぞくぅ、って体中にきて……なんか、気持ち悪くはないけど、すごく変な感じが……」 「ここ?」 「んひっ!」 太陽の指が再びそこに触れ、大地がまた声を上げる。太陽は面白くなったのか、にやっと笑って何度も指を抜き差しし同じところを擦った。 「んっ! あひっ! んっ、ひゃっ、あんっ!」 ぬちゃぬちにちゃくちゅ、ずりゅぬりゅにちくち。 太陽が指を抜き差しするごとに大地が喘ぎ、体を震わせる。ローションで潤された後孔と指が淫靡(という言葉は彼らのボギャブラリーの中にはなかったが)な音を立てる。 自らの手で喘ぐ大地を見ているうちに、太陽もだんだんと息が荒くなってきた。何度もごくりと唾を飲み込み、大地の未知の感覚に泣きそうに歪んだ顔とたっぷりと潤んだ後孔を何度も見比べる。 一度は萎えた太陽の幼いペニスも完全に勃起し、先端からわずかに蜜を溢れさせている。太陽は自分の体も興奮で震えさせながら、震える大地の体をがしっと掴んだ。 「だ、大地っ……入れるぞ!」 「ひっ、あっ、ああっ!」 ぐいっ、と大地の後孔にペニスを突き入れる太陽。ローションのおかげかまぐれ当たりか、うまい具合に一突きで奥まで入った。 「うわ……!」 太陽は今まで感じたことのない強烈な快感に惑乱した。大地の中はひどく熱く、微妙な凹凸が痛いくらいに自分を締め付けてきて、たまらないほどに気持ちいい。 理性というよりは雄の本能か、太陽はたまらずに腰を激しく動かしていた。幼いなりに思い切り自己主張しているペニスを、抜けるぎりぎりまで引いてから全力で奥まで突き入れる。 くちゅぐちゅ、と二人の触れ合わせている粘膜が音を立てた。 「んひっ、んはぁっ、ふっあ、あ! ひうぐ、ふぐぅっ! は、ぁん!」 大地はその激しい突き入れに激しく喘いでいた。たっぷり後孔を潤されたせいか太陽のペニスが大きさもちゃんと小学生しているせいか、痛みはほとんどなく、それよりもたまらなく熱い太陽の体温と後孔から与えられる強烈な、けれどもどかしい刺激に頭が変になりそうだった。 太陽のペニスの大きさでは最奥を刺激するまではいかず、だが体内の前立腺のそこかしこは確実にえぐり、そこから生まれる快感は大地のペニスをしっかり勃起させている。だがどうしても達しきるほどまではいかず、ペニスを中心にして体中に広がっているもやもやはもはや耐え切れないほどになって、大地はたまらず涙がこぼれそうな顔で太陽の方を向いてねだった。 「太陽くん……っ、お願いっ、ぼくのおちんちん……触ってっ……!」 「大地……!」 太陽はほとんど大地にのしかかるようにしてひたすら腰を動かし、同時に大地のペニスを掌で包んで擦った。蜜をたっぷりとたたえたペニスが、被った皮の先から先走りの液をこぼす。 ずっ、ずぷっ、ぱちゅ、ぱちゅっ、ぐちっ、ぐぷっ、ぬりっ! 「あっ、はぁっ、大地、大地、はぁんっ、俺っ、俺ぇっ、大地、大地ぃっ!」 「太陽っ、くんっ、太陽くんっ、あっ、あぁんっ、僕、だめ、ひぁっ、もう、だめぇっ!」 ぴゅっ、ぴゅるるっ、ぴゅくぴゅく、どくっ。 互いの言葉と立てる音に興奮を高めあい、お互いを必死に求めあって、二人は幼い性を解放した。 ちなみにこの頃瓦礫の上では「四人とも、無事っスかねぇ」「まさか、もう……」などと心中の不安を口にするショウケンコンビを小百合が「信じましょう……あの方たちの生きる力を」とか言って励ましていたのだが、それはこの話とはあんまり関係がない。 はあはあと荒い息をつきつつ寄り添ってぐったりとする太陽と大地に、顔を赤くしたエースがおずおずと声をかける。 「あ、あのさ」 「え?」 すっかりこの場に他の人間がいることを忘れていた二人は一瞬きょとんとした顔になったが、意識すると猛烈に恥ずかしくなって慌てて体を離し答えた。 「な、なんだよエース?」 「……二人のエッチしてるとこ見てたら、その……僕ももやもやしてきたっていうか……やってみたくなったっていうか……あのな、つまり」 一瞬息を吸い込んで、開き直ったかびっと親指を立てて爽やかに笑って言う。 「僕にもエッチさせてくれ!」 『…………』 無意味な笑顔付きの台詞に二人は一瞬あっけに取られて顔を見合わせたが、どちらからともなく照れながらもうなずいた。 「俺は、いいけど」 「僕もいいよ……でも、誰が誰に入れるの?」 『…………』 『じゃんけんほい! あいこでしょ! あいこでしょ!』 じゃんけんの結果、一番負けた太陽が一番勝ったエースに入れられる、ということで話が決まった。大地は見学だ。 どきどきしながら四つんばいになってエースの方を見る太陽に、エースは爽やかな笑みを浮かべた。 「心配するなって。お前にできたんだから僕にだってできるさ。エースに任せなっ!」 「本当に大丈夫なんだろうなー? 痛くすんなよ、丁寧にやれよ!」 「任せろって言ってるだろ。ほら、力抜けよ」 ローションを手にたっぷりつけて太陽の後孔に触れる。優しく何度か孔の上をなぞると、おもむろに中に指を入れてきた。 「んうっ……!」 太陽が呻く。やはり太陽も体内に侵入される際の感覚には苦しまされているようだ。 だが、さすがトータルナチュラルというべきか、エースは飲み込みが早かった。たっぷりローションをつけてじわじわ体内に指を進めつつ、前立腺を強弱をつけて擦り上げる。 「ん……! な、ひんっ、なんだ、はぁっ、これっ!?」 「大地が言ってた変な感じ≠チてやつだろ?」 「こ、これが……? やひっんっ!」 大地が唾を飲み込みつつ見守る中、エースは太陽の後孔を存分に慣らすと自分のズボンをずり下ろした。外国の血が入っているせいだろう、太陽や大地のものより幾分大きいペニスが顔を出す。 「うわ……エースくんの、おっきぃ……」 「なにっ、そんなでかいの!?」 「太陽、お前はいいから前向いてろっ! 痛くしないから」 「ホントかよ……?」 「よし、入れるぞ」 ぬぷっ。 エースのペニスがずぶずぶ、じわじわと太陽の後孔に飲み込まれていく。エースは汗を流しながらも、我慢強くゆっくりゆっくり腰を進めた。彼なりに太陽を気遣ってのことだろう。 「ん……はぁっ」 「は……入った……ぞ」 とうとうエースがペニスを全部挿入した。だがエースは腰を止めず、そのままゆっくりとではあるが抜き差しを始める。 「ごめっ……太陽、お前の中っ、気持ちよすぎて……はぁっ、腰がっ、止まんない……」 「ふぅっ、はぁっ、んっ、ひぅっ」 太陽の凹凸と締め付けに酔ったエースは、止めようとしても止まらない腰の動きから生まれる快感に翻弄されている。太陽はエースのペニスの大きさに苦しさと同時にもどかしい快感を与えられ、呻いた。 「んっ、はぁっ、くうっ……うぅっ……」 「えっ、エースぅっ……俺っ、変……変だよぉっ……さっきのと違って、すごくうじゃうじゃするぅっ……変になっちゃうよぉっ」 「…………ね、ねぇ……」 下だけ半脱ぎでじっとエースと太陽のエッチを見守っていた大地が、おずおずと口を開いた。 「あの……二人がしてるの見てたら、僕、また変な感じになってきちゃったんだけど……」 大地のまだ精液が乾いていないペニスはまた勃起してきていた。二人の扇情的な姿を間近で見せられれば当然とも言えるが、視覚からの刺激で幼いなりに欲情してしまったらしい。頬を赤く染め、どきどきする心臓を鎮めるように胸に手を当てている。 盛り上がっていたところに声をかけられて、太陽とエースは(下半身で繋がりながら)戸惑った顔を見合わせた。 「つったってなぁ……太陽の穴には僕がもう入れちゃってるわけだし……」 「はぁっ……そうだ、俺のちんちんをまた大地の穴に入れればいいじゃん」 「えー? 僕太陽くんにじゃんけんで勝ったのにまた入れられるの?」 「うーん……そうだ、太陽の口にちんちん入れてみたらどうだ?」 『え!?』 太陽と大地は揃って絶句した。それは尻の穴にちんちんを入れるという話以上に、彼らにとっては衝撃的な発想だった。 「く、く、口にって、おちんちんを口に入れるの?」 「マジ? ションベン出すとこを口に入れるわけ? 汚くねえ?」 「なんかエッチの時にそういうことするって話聞いたことあるんだよ。フェラチオとか言ったかな。ちんちんを口の中に入れて舐めたりしゃぶったりするんだって」 「………ホントにそんなことするの?」 「ホントだって。少なくとも僕はそう聞いたぞ」 『…………』 太陽と大地は(太陽がかなり不自然な体勢ではあったが)顔を見合わせた。 「太陽くん……どうする?」 「うーん……」 太陽はちょっと考え込んだが、すぐにうなずいた。 「いいよ。やってみようぜ。そのかわり大地もあとで俺のやってくれよ」 「う、うん……わかった」 そういうことで話がまとまり、四つんばいになった太陽をエースが後ろから攻め、大地が口のところにペニスをもってくるという体勢になった。 「た、太陽くん……いい?」 「ん、うっん、じゃっ、やる、ぜっ……んむっ」 後孔を刺激され喘ぎながらも、太陽は大地のペニスを一息に口に含んだ。年齢に比してもやや小ぶりな大地のペニスは、睾丸まで全部口の中に入ってしまう。 「はぁっ……!」 「んむ、ふはぁっ、むぅっ、んくっ」 後孔からの刺激に時折口を離してしまいながらも、太陽は懸命に大地のペニスをしゃぶる。大地はほとんど硬直して、されるがままになっていた。 「ふぅっ、な、大地っ。どんな感じ、だっ?」 「なんかっ……すごい、おちんちんが……溶けちゃいそうっ……」 「ふむ、はんむっ、はふっ、はぁっ」 上下両方の口でペニスを銜え込みながら喘ぐ太陽。時折太陽のペニスを刺激しながら腰を動かすエース。切ない吐息を漏らしながらフェラチオされる大地。 三人の息はどんどん荒くなり、体も心も昂ぶり興奮し、より高く高くへと上りつめる。 「んっ、くぅっ!」 「は、んは、あ、あはぁっ!」 エースと太陽がほぼ同時に射精した。 「あ、ん、ひ、あっ……!」 それからしばし遅れて大地も射精し、幾分薄くなった精液が太陽の口内と顔を汚す。 『はぁ〜〜〜っ……』 揃ってその場にへたり込んでしまう三人。太陽と大地は二連戦だったので、さすがに少し疲れたというのもあるのだろう。 「お、お、お、お、お、お、お…………お前たちは何をやっているんだ――――っ!!!」 とたん、大きな声で怒鳴られて三人はびくりとした。 三人で盛り上がっていたのですっかりその存在を忘れ去っていた誠が、顔を思い切り真っ赤にして怒鳴ったのだ。 誠は太陽と大地がキスしようとしたときからずーっと真っ赤になって硬直し、目の前の場景をただ見つめるしかできていなかったのだが、ようやく硬直が解けたらしい。 「な、な、な、な、何を考えているんだお前たちはっ! 今のこの状況がわかっているのか! 不謹慎すぎるぞ!」 「う……」 「ま、まあそうなんだけどさ……」 確かに何もできることがないとはいえ悠長にエッチしている場合ではないことは確かなのだが、話の流れでなってしまったものはしかたないではないか。 内心でそんなことを思いながらもしゅんとする三人に、誠はさらに怒鳴り散らす。 「それにっ、第一、俺たちの年でそんなことをするなんて……不潔だっ! いやらしいっ! 汚らわしいぞっ! この変態っ!」 『………………』 三人はぴくり、と眉をうごめかせた。 今の言い草は、かなりかちーんとくるものがあったのだ。 「へー……誠、そういうこと言うか?」 太陽がゆっくりと誠に近づきつつ言う。 「そーんなこと偉そうに言ってるお前だって……ほれっ!」 「うわっ! な、何をする!」 三人がかりで取り押さえられ、誠はズボンを下ろされてしまった。 「ほれ見ろー、お前だってちんちんでかくさせてんじゃないかよー」 「なっ、なっ、な―――っ!!!」 「お前だって変態じゃん。やーい、へんたーい」 「う、う、うぅぅ〜〜〜」 誠は不覚にも泣きそうになってしまった。謹厳実直、法律遵守の誠にしてみれば、自分がそういういやらしいことに反応してしまったということがショックでたまらないのである。 「同じ変態なのに、誠だけしてないっていうのも不公平だよなー」 「………え?」 「そうだよなー、誠も仲間に入れてやろうぜ」 「え、え、え?」 「僕、まだ一回もお尻に入れてないんだよね……」 「お、おい、な、何する気だ?」 震える誠に、三人はにやりと笑って襲いかかった。 「気持ちいいことしてやるよっ!」 「うわ――――っ!!! やめろ――――っ!!!」 ちなみにこの頃瓦礫の上ではアリスが作業を見守りながら「誠……太陽、エース、大地……!」と涙を必死にこらえて四人の無事を祈っていたのだが、それはこの話とはあんまり関係がない。 「あっ……やめ、やめろ、こんなこと、しちゃ駄目なんだっ……あ、あはぁ、ん、あ、ひぅんっ……」 「すごい……誠くんの中、ぎゅうぎゅう締め付けてくるよ」 「んむっ、う。誠、気持ちいいか?」 「ば、かっ……あっ、やっ、はぁぁんっ……! やっ、そこ、だめっ、ひぐ、うぐ、ひぎぃっ……!」 「ほら、誠。俺のちんちん咥えてくれよ」 「な、何、をっ……は、ぁあ、んむ……んふぅ……」 「誠くん……入れるよ……」 「や、やめ、ひっ! ひぎっ、ふぐっ、あひっ、あ、ああ、やぁ、だ、だめっ、そこ、だめだ、出る、出る、なにか、出ちゃ……っ、はぁぁーっ!」 びくびくっ、どくんっ、ぴゅくびゅく、どくっ。 そんなこんなで連戦を繰り返した四人は下半身半脱ぎのままぐったりと倒れていたのだが、太陽が救助が近づいていることを察して慌てて服を着たためここで起きたことは誰にもばれずに済んだ。四人が無事だったことを喜んで抱きついたりした隊員や教官たちに、「何か変な匂いがする」と言われた時も四人は精液が独特の匂いを発することを知らなかったため慌てることも、当然怪しまれることもなかったのだ。 だが、太陽、エース、大地はその後しばらく内緒話をすることが多くなり、誠は地の底まで落ち込んでなかなか浮上してこなかったという。 |