「――だからてめえは生意気だってんだよ」 こづかれて、その少年は困ったような顔をした。 「そんなこと、言われても……」 「ダメっスよ、コイツ分かってませんよボス」 「てめえがどれだけおれたちのナイーブなハートを傷つけたかわかってんのかあァん? 慰謝料払えや!」 これはどういう状況かというと――要するにインネンをつけられているのである。 少し前、彼ら――インネンをつけている三人組の住む街は空賊の侵略を受けた。街の警察はあっけなく空賊の兵の前に倒れ、もはや占領されるのを手をつかねて待つ他に道はないかと思われた。 しかし、そこにさっそうと現れたのが因縁をつけられている少年――ロック・ヴォルナットと名乗るディグアウターである。 彼は左腕につけられたバスター一つを武器に瞬く間に空賊を撃退し、街を見事空賊の魔の手から守ったのだ。 のみならず彼は街の方々の問題にも首を突っ込んだ。困っている人たちのところを訪れて、その人々を助けて回ったのである。 当然の帰結として、ロックは街の人々から歓呼と共に迎えられた。 それが面白くないのが彼らである。街の不良グループである彼らは、今街で評判のヒーローをへこませてやろうとロックを街の外れに呼び出したのだ。 「いい気になってんじゃねえぞ、コラ! テメ何様のつもりだァ?」 「ちっと活躍したくれーで偉そうにしやがってよ。ガキのくせに、調子コいてんじゃねェ!」 「別に、調子に乗ってなんか……」 「ほー。僕は空賊やっつけてもちっとも調子に乗らないいい子ですぅーってか? 嫌味なんだよてめえは!」 バン! と掌をロックの背後にある壁に叩きつけ、上からロックを抑えこむように睨みを効かせる。ロックはびくりとして少し身を縮めた。 「僕は、そんなつもりじゃ……」 「てめえのそういう態度が嫌味だっつってんだよ。――こういう生意気なガキにゃあ、おしおきが必要だよなァ?」 イヤらしい笑みを浮かべて配下の二人を見渡す。 配下たちもニヤニヤ笑いながらそろそろとロックを取り囲んだ。 ロックは不穏な空気を感じ、反射的にあとずさろうとするがすぐ背中が壁にぶつかってしまう。 「……それっ!」 「うわっ!」 ボスの合図と同時に配下たちが一斉にロックに飛びかかった。ロックはとっさの事で反応できず、その場に押し倒される。 「な……にっ、するんだっ!」 「なァに、ちょっとばかしてめえのはずかしー写真を撮らしてもらうだけさ。ばら撒いたりはしねえから安心しな」 まあ仲間内には見せびらかして笑わせてもらうがな、とボスは口の中だけで呟く。 「く……っ!」 配下の二人を跳ね飛ばそうと四肢に力を入れかけたところにボスがタイミングよく声をかける。 「おーっと、暴れんなよ。もし暴れたらつけられた傷見せてあの青い人に怪我させられた、って振れ回ってやるからな」 「街の英雄市民に暴行を加える! ってか? 新聞の一面飾っちまうかもな!」 「……!」 ロックの表情が硬直する。――そして数瞬ののち、ロックは体の力を抜いた。 俎上の鯉のごとく、相手に身を任せるポーズを取る。 ボスはフン、と忌々しげに鼻を鳴らした。 そんなに評判が気になるのか。こういう自分をいい子に見せようと腐心してるやつが一番腹が立つ。 苛立ちを感じながら、配下に顎をしゃくってみせた。 「おい、さっさとムイちまえ」 「すんません、コイツのアーマー複雑でどっから取ればいいのか……お、取れた!」 がちゃりと音がしてロックの腰回りのアーマーが外れた。不良たちはニヤニヤ笑いながらロックの肌をあらわにする。 「はーい、ご開帳〜♪」 「英雄さまのちんちんはどうなってるのかな〜? お兄さんたちに見せてみよう〜♪」 恥ずかしい言葉を投げかけられ、ロックは頬を染めてうつむいた。 ロックの腰は普段陽が当たらないせいか顔や手の肌と比べるとずいぶん白い。その白い肌の真ん中に、ペニスというには似つかわしくないほど可愛らしいペニスがあった。 「お!? なんだよ、こいつまだ毛も生えてねえじゃねえか!」 「皮も半分しかムケてねえ。仮性ってヤツか? 根元にチンカスたまってんじゃねえか、あァ?」 言葉でなぶられながらも、ロックはペニスを隠しもせず顔を真っ赤にして唇を噛み締めるだけだった。反抗も侮蔑も口にせず、ただ羞恥に耐えている。 もっと恥ずかしがらせてやりたい――そんな気にさせられる、なかなかソソる表情だ。 ボスは内心ロックをさらにいたぶる方法を思いついたが、それを敢えて口に出すことなく配下たちに合図をした。 「始めろ」 「へい」 パシャッ。 パシャッ。 シャッター音が断続的に辺りに響く。 アングルを変え、スポットを変え、様々な方向からロックの恥ずかしがる表情と縮こまったペニスを撮ってゆく。 短い撮影会は5分あまりで終了した。 配下がボスにもう終わり″というジェスチャーをしてみせる。それを見て、ロックは深く息をついた。 「もう……いいだろ……?」 のろのろと立ちあがってアーマーを着けようとするロック。その伸ばした手の前に、ボスはぬっと足を置いた。 「ボス?」 訝しげに問う配下たちに、ボスはにやりと笑って見せた。 「これだけじゃ面白くねえと思わねえか?」 「え?」 「コイツマワしちまおうぜ。そんでそれを写真に撮る。ただモロ出し撮るよりよっぽど話題になるぜ?」 「……!」 ロックは身を硬くした。 配下たちは一瞬虚をつかれたような表情になるが、すぐにニヤッと笑う。 「そっスねえ。コイツけっこう顔可愛いし……」 「面白えじゃないっスか?」 硬直して自分たちを見ているロックが何か言う前にボスが言う。 「もし逃げたり暴れたりしたらさっきの写真ばらまくぜ。写真をぶん取ろうとしても無駄だ、写真のデータは無線で自宅に送っちまったからな」 にやっと笑って言う。 「もう、てめえに選択肢はねえんだよ」 ロックは顔を真っ赤に染めて、唇を噛んだ。 「ん、んふ、んむ、んんん……」 「ん……コイツ、結構舌遣いうめえじゃねえか」 ロックは両手両足のアーマーも外され、ほとんど素っ裸になっていた。胸の辺りだけアーマーが残っているのが妙に卑猥だ。 ロックはそんな格好で、ボスに口で奉仕を、右手で配下のペニスを扱き、もう一人の配下にアナルを愛撫されていた。 「チッ……なかなか入んねえ……」 「バカ。ケツの穴ってのはそう簡単に出し入れできるもんじゃねえんだよ。これ使え」 ぽい、とボスは潤滑剤の入ったチューブを配下に投げた。 受け取った配下は急いで中身を掌に出し、性急に指を一気に三本突っ込む。 「ひぐっ!」 「うお、すげえ! 一度入ったらすげえ柔かいですよ、コイツん中!」 「おお、一気に三本かよ? ……てめえ、初めてじゃねえだろ? 実は相当なヤリマンだな? 日に何度も尻に突っ込まれてるんじゃねえか?」 「ん、うう……」 ロックはボスのペニスを口にくわえこんだままうつむいた。顔も体も真っ赤になっている。その態度が何よりも雄弁にボスの言葉を肯定していた。 ボスは小さくせせら笑う。 「フン、まあいいさ。やられ慣れてんならこっちも面倒が少なくていい……おい、どうだケツの具合は?」 「なんか、すげえ……柔かくって、なんかぬるぬるしてます。なんかこのままどんどん入っちまいそうで……あ、四本目入った!」 「四本目かよ。こりゃフィストでもいけるんじゃねえか?」 「やるんすか?」 驚いたように聞く配下たちに、ボスは笑ってかぶりを振った。 「いや。穴が緩くなって使いもんにならなくなっちまったらつまんねえだろ?」 「そっスね」 「さて、そんじゃそろそろ挿れてやるとすっか。…オラ、口離しな」 言われて素直にロックは口を離す。その顔は必死に何かに耐えているように引き結ばれていた。 「早くして下さいよー、後がつかえてるんスから」 「うっせえ、急かすんじゃねえや。よいしょっと……」 ロックの体を逆向きにし、膝立ちにさせる。 そしてアナルに自分のペニスを思いきり突っ込んだ。 「はうっ……」 「う……!」 ボスはペニスを根元まで突っ込むと、静止した。配下がおずおずと声をかける。 「ボス…どうしたんスか?」 「……コイツん中……すげえ、いいぜ」 「へえ!?」 配下の二人は好色そうな笑みを浮かべ、ロックににじり寄った。ズボンを下ろし、ペニスをむき出しにする。 「そんじゃあ俺は上の口で楽しませてもらおうか。おらよ!」 「ふぐ……っ!」 配下の一人が無造作にペニスをロックの小さな口に突っ込む。咽喉の奥まで突っ込まれ、ロックは息苦しさに喘いだ。 「じゃあ俺は手か? しゃあねえ、順番がくるまでせいぜい頑張ってしごけよ」 もう一人の配下が自分の赤黒いペニスを握らせる。体を揺らされるのにともないぎこちなくしか擦られないが、配下はけっこう気持ち良さそうだった。 「んじゃ、動くぜ……オラ!」 「はぐぅ!」 言葉と同時にボスはロックの最奥をついた。ロックの口から苦しげな声が漏れるが、ペニスに塞がれてほとんど音にならない。 口を塞いでいる配下のペニスもゆっくりピストン運動を開始する。ロックの柔かい舌の上を滑り咽喉の奥の粘膜めがけディープ・スロートを繰り返した。 チャッ、チャッ、チャッ…… 結合部から液体が交じり合う淫靡な音が響く。 「くっ、うっ、はあっ……」 「んぐ、ふぐ、ひぐぅん……」 男たちの絶え間ない荒々しい息遣いがその場を支配した。ロックのか細いうめきは、あっさりそれに打ち消されてしまう。 「お、コイツ自分から腰振ってやがるぜ!」 「うわ、よく恥ずかしくねえな。街の連中に英雄扱いされてるくせに、実はコイツ淫乱変態小僧だったんだな」 「くくくっ、ちょうどいいじゃねえか。このエロガキの身体思う存分使わせてもらおうぜ!」 ゆらゆらと動いていたロックの腰の動きが止まり、身体中がかーっと赤く染まった。ほとんど反射的に動いてしまっていたらしい。 「くくっ……しかしよお、お前相当頭悪いよなあ? 最初にきっぱり断っときゃあここまではされずにすんだのによお」 「よっぽどいいコぶんのが好きなんじゃないっスかー?」 「つーかこうされんの期待してたとか?」 「違えねえ! ハハハハハッ!」 三人がひどく楽しげに嘲笑う。 ――ロックの瞳から、涙が落ちた。 三人の男たちはたじろいだ。むろん被害者が泣いたくらいで暴虐をやめるような奴らではない。 だが、ロックの涙は彼らの心のどこかに触れた。 何かに耐えるように目を閉じて、泣いちゃいけない泣いちゃいけないと歯を食いしばりながらもこらえきれずに大粒の涙をこぼすその姿は、妙に健気で、こんなチンピラたちにすら保護欲をそそられるものがあった。 「……何泣いてんだ、コラ」 「泣いて許されるとか思ってんじゃねえだろうな、あァん?」 配下たちはそう言うが、意気が上がらないことおびただしい。 ロックの口がかすかに動いた。 「……おい、口外せ。こいつしゃべりたがってるみてえだ、ちょっとばかししゃべらせてみようじゃねえか」 「へい……」 配下がロックの口からペニスを抜く。ロックの頭は支えを失い力が抜けたようにうつむいた。 しばし無言だったが、やがてのろのろと口を開く。 「だって……しょうがないじゃないか」 ぽろぽろと零れ落ちる涙を止めようと唇を噛む。 「だって、僕は……街の人に嫌われたらいけないんだから」 「……んだよ、そりゃ」 「街の人たちに嫌われたら、ロールちゃんやバレル博士に迷惑がかかる……一緒にいられなくなっちゃうんだから」 「……あん?」 涙をこらえしきりに瞬きをするが涙はあとからあとから零れ落ちる。 「僕はただでさえ、血が繋がった家族じゃないんだから……育ててもらったのに、これ以上迷惑かけられない……僕は男の子だから、みんなを守らなくちゃいけないのに……」 「んな……」 「だから……街の人にえっちなことされても……お金がなくて、身体売らなくちゃならなくても……我慢しなくちゃ、いけないんだ……」 「………」 不良たちは口をつぐんだ。 育ててもらったのに、これ以上迷惑かけられない―― こいつ孤児だったのか、とかお人よしすぎだぜコイツ、とか思ったりしたが――何も言えなかった。 自分たちもはみ出し者だ。他の奴らが当然に受け取っているものの多くを得ることなく生きている。 だが彼はその欠落を奪うことではなく、尽くすことで埋めようとしているのだ。 媚びやがって、と怒りを掻き立てることも出来たはずだが――何故だか、その気になれなかった。 「………馬鹿が、くだらねえこと言ってんじゃねえぜ」 ボスが無表情な声で言う。だがその裏に強烈な怒りを配下は感じた。 「んなくだらねえこと気にしてどーすんだよ。貰えるもんは貰えるだけもらっときゃいいんだよ。んなくだんねえこと気にしてっうちはダメなんだよ!」 「ボス……」 配下がおずおずと声をかけたが、ボスはフンと鼻を鳴らした。 「そんなくだんね―こと、忘れさせてやるよ。頭ん中からぶっ飛ばしてやる」 「あっ!」 ロックが声を上げた。ボスがロックの小ぶりなペニスを後ろからつかんだのだ。 吐息にまぎれそうなほど小さく、ボスが囁いた。 「……気持ちよく、してやるよ」 ぐいっ! とボスがペニスをロックのさらに奥へねじ込んだ。 「んっ!」 ロックは思わず身を震わせた。ロックの意思に関わらず、ロックのアナルはすでに完全に開発されている。 ぐちゅ、くちゃ、くちゅ、ぐちゃ…… 「はっ、んっ、ひっ、ああんっ」 ボスが腰をひねるようにして様々な角度からロックの最奥を突く。同時にロックのペニスをやわやわと扱き、包皮をかぶせたりムイたりを繰り返しながら先端の割れ目をいじる。 「オラどうした? こっちの方ももうぐちゅぐちゅだな?」 言いながらロックのペニスを擦る。言葉の通り、ロックのペニスからは既に先走りがしとど漏れていた。 「やっ、あっ、そこ、だめ……っ」 「嘘こきやがれ。こんなにビンビンにしやがって」 ピン、と小さくペニスを弾く。 そう言っている間もボスのペニスはロックの前立腺をたっぷりと擦り上げていた。 ちゃっ、ちゅっ、くちゃ、ぐちゃ…… 「あっ、いっ、ひっ、いひぃ」 「はっ、くっ、このっ、イイか? 気持ちイイのか、ええ?」 激しく抽送を繰り返しながら激しくペニスを扱く。ロックも腰をボスの腰にほとんど擦りつけるようにした。 「言えよ、ああ? 言ってみろよ、気持ちイイって!」 「あっ、ひっ、うっ、いっ、気持ち、あっ、気持ちいっ……気持ちイイよォ……」 その言葉に笑みを浮かべ、ボスはラストスパートをかけた。ロックの上体を起こし、上から一発ディープキスをかます。そして下から突き上げるようにしてロックにペニスを打ちこむ。 「いっ、やっ、ひいっ、あっ、ひっ、イク、だめだ、いっちゃう、よぉっ……」 「くっ、くっ、イけ! イッちまえ! 俺もっ、出すぞっ! うおっ……」 「あ――っ!」 体内に精液をたっぷりと注ぎ込まれ、ロックもたちまち射精した。 ロックは顔をまだ赤く染めたままでうつぶせになっていた。あれから結局全員で二回ずつロックを犯しロック自身も五回は射精したのだ。 体中精液まみれのロックに、ボスが懐から取り出したタオルをロックの方に投げ、立ち上がる。 「……じゃあな」 配下もそそくさと立ちあがって、ボスの後に続いた。 ボスは足早にその場を立ち去っていく。ムスッとした、だがすっきりとしたような顔をしている。 ロックが見えなくなったところで、ボスは足を止めた。 「ボス……?」 「デジカメ、貸せや」 配下からデジカメを受け取るとボスは素早くデータを消去した。 「……いいんスか?」 「……まあ、ずいぶん楽しませてもらったしな」 フン、と鼻を鳴らすと、ボスはまた歩き出した。 |