「離せよ! 離せってば! お前ら、いい加減にしないとぶん殴るぞ!」 トモルははりつけにされて四方を闇に囲まれながらも、強気に闇の向こうへ向けて怒鳴った。はりつけと言っても背後の木のはりつけ台に手足を鉄枷で固定されているだけなのだが、これでもう手足は動かせない。 だがその言葉に帰ってきたのは、くつくつくつという忍び笑いだった。 「ぶん殴る? ほう、どうやらまだ自分の置かれた状況がわかっていないとみえる」 「馬鹿が……まあ、じきに自分の立場をいやってほど理解することになると思うけどな」 「お前はもう一生俺たちの奴隷として奉仕するしかねぇんだよ」 「誰がドレイだっ!」 あくまで強気に闇を睨むトモル。それに対し闇の中の男たちはまたくつくつと笑うと、すうっと闇の中から手を突き出した。 その手には、銀色に輝くナイフが握られている。 「!」 さすがに硬直するトモルだが、ナイフはトモルの体に突き刺さりはしなかった。その代わりにトモルの肌が傷つかないぎりぎりのラインを辿って、トモルの服をズタズタに切り裂いていく。 「! なっ……」 「動くとナイフが刺さるぞ」 その言葉にぞっとして、動けなくなるトモル。歯を食いしばって耐えるトモルの服の上をナイフは縦横に走り、ほどなくトモルはパンツ一丁にされてしまった。 「〜〜〜っ!」 「ふん、トランクスか。生意気な」 「さて、どうしてやろうか」 「やっぱ生意気なガキには、きちんと躾しないとでしょ」 「なに勝手なこと言ってんだっ……、お前ら、絶対全員ぶん殴ってやるからな!」 ナイフを眼前に突き出されておきながらあくまで強気なトモル。それに対して男たちはむしろ笑った。 「笑わせやがる。まだ自分が解放されると思ってるんだぜ」 「お前は俺たちの奴隷だぜ。俺たちはお前のご主人様だ。口の利き方ってもんがあるんじゃないのか?」 「うるせえ! 偉そうなこと言うんじゃねえ、この変態ヤロー!」 「ふん、よく吠える……吠える犬には躾をしなくてはな」 「誰が犬だっ……わ!」 トモルの背後から、すうっと手が伸びてトランクスにかかる。トモルは必死に身をよじるが、その手はくっくっ笑いながらするするとトランクスを下ろし、トモルの下半身を完全に露出させた。 「なんだ、五年生だってのに毛が少しも生えてねぇじゃねぇか! しょうがねぇガキ犬だな」 「なっ……なにしやがんだ、この変態!」 「変態? ご主人様に向けてなんて口の利き方をするんだ。悪い犬だな、しっかり躾しなおさなくては」 「躾なんてされる覚えねぇって……!」 ピッシィィィー! 「いってぇぇぇ―――っ!」 トモルは絶叫した。暗闇から伸びた手が、トモルの尻に思いきり一条鞭を振り下ろしたのだ。 ただでさえ敏感なところに全力の一条鞭を食らったのだ、半端な痛みではない。尻にくっきりと跡が残るほどの勢いの鞭に、トモルは絶叫せずにはいられなかった。 「な……なに、すんだよぉっ……」 「躾の悪い犬には鞭を。基本だろ?」 「さすがに一発や二発ではこの躾の悪さは直らないか。仕方がない、さらにきちんと躾をしなくてはな」 「な……や、やめ……!」 ピシィ! パシィッ! ビシッ! ビシッ! ビシッ! 上から、右から、左から。鞭が何度も何度もトモルの尻を打ち据える。当然、そのたびにトモルは悲鳴を上げながら体を跳ね回らせた。 「ひんっ! やぁっ! いてっ! やめっ! 痛い、痛い痛い!」 ビシッ! バシッ! ピシッ! ビシビシビシビシッ! 「やっ! ひっ! あっ! つっ! あひっ! うっ、うつあぁーっ!」 ……十分後、トモルははりつけにされたままぐったりとはりつけ台にもたれかかっていた。尻がひりひりとどころかずきんずきんと痛む。体中の力を使い果たしてしまったようで、まともに立っていられなかった。 周囲からくつくつと笑い声が起きる。 「どうだ、鞭の味は? 気持ちよかったか?」 「気持ち……っ、いいわけ……っ、ないだろ……っ!」 「おいこいつ泣いてるぜ! 男のくせにこの程度で泣くとは、本気でどうしようもないクズ犬だな」 「泣いて……ないっ……」 「涙こぼれてるだろうが。情けない奴だな」 実際、トモルは目にいっぱいに涙を溜めて、必死に堪えようと体に力を入れながらも瞬きするたびに涙を落としていた。いかに負けん気が強いとはいえ、小学五年生が大の男でも悲鳴を上げる一条鞭の連打にそう耐えられるわけがない。 だが男たちは笑いながら、ひどく楽しそうにトモルを嘲った。 「ちっこい尻真っ赤に腫れあがらしちまってよ。ほとんど猿の尻だな」 「なんだ犬じゃなくて猿だったのか。赤毛猿だな。ウッキッキって言ってみろ」 「誰が言うかっ、ばかやろう!」 「ふん、まだ懲りていないのか」 「え……」 ぎくりとするトモルに、男たちは笑う。 「今度はどこに鞭がほしい? 言ってみろ」 「やだ……やめろよ……もう、鞭はいやだ……」 「まだそんなことを言っているということは、一番きついところにおしおきの鞭がほしいんだな? よしよし、たっぷりくれてやる。優しいご主人様に感謝しろよ」 「………!?」 言うや、トモルの背後から何本も手が伸びてトモルの足を大きく開かせたまま固定した。そして鞭を持った手がゆっくりとトモルの前に回る。その意図を悟り、トモルは顔面蒼白になった。 「な、なあ……嘘だろ? 冗談だよな? いくらなんでもっ、そんなことしないよなっ!?」 「動くなよ。動くと鞭が増えるぞ」 楽しげに言うと、その手は鞭を大きく振り上げて、トモルの幼い性器めがけ振り下ろした。 「ぎゃああぁぁぁーっ!」 絶叫するトモル。体中の力を振り絞って必死に暴れる。だが手枷足枷はしっかりとトモルの手足を封じ、何本もの手がしっかりとトモルの足を固定して動かさせない。 男は笑いながら、同じところに何度も勢いよく鞭を振り下ろす。そのたびに響くトモルの絶叫を心地よさそうに聞きながら。 ビシィッ! バシッ! ビシ、ピシャッ、ビチンッ! 「ひぎぃっ! ぎひゃっ! ぐひぃっ! ぎゃひぁっ! や、やぎゃあぁぁーっ!」 さすがに今度の鞭は数分で終わった。だがトモルは今度こそ恥も外聞もなく涙をこぼし、えっくえっくと肩を揺らしながら震えている。鞭の恐怖にか生理的反応かはともかく、その姿はひどく惨めで、見る者の哀れを誘った。 だが男たちはまたも楽しげに笑い、トモルの顔をぐいと持ち上げる。 「さっきまでの元気はどうした? 俺たちをぶん殴るんじゃなかったのか?」 「うっ……ひっ……」 もはや相手を睨みつける気力もなく、泣きながらされるがままになるトモル。 「しょうがねぇな。よっぽどチンコへの鞭が効いたみたいだぜ」 「まったく、情けない犬だな。仕方ない、薬を塗ってやるとするか」 「ああ、あれっスか」 「こいつガキだからよく効くでしょうね」 「もっといたぶってやりたかったんだが。しょうがないガキ犬だ」 「薬を塗ってからのいたぶりの方がきついと思うけどな〜」 「くくっ、それは当然だ」 自分の周りで交わされる会話を、トモルはひどく不安そうに聞いた。またなにかひどいことをされるんじゃないかと思うと、怖くて怖くて気が気じゃない。 情けないと言われるかもしれないが、それでもトモルはあの鞭はもう二度と食らいたくなかった。 「よしよし、赤毛犬。今腫れあがったチンコに薬を塗ってやるからな。嬉しいか?」 「……………」 「なんとか言ったらどうだ、え?」 軽くピシッと内腿を鞭が叩くと、トモルはびくりとした。 「う……うれ、し……」 「口の利き方をまだ覚えてないのか? また鞭がほしいらしいな」 ピシッ、と今度は強く腿を鞭が叩くと、トモルは泣きそうな顔になりながら叫んだ。 「うっ、れしい、です!」 「よし、まあいいだろう。それじゃあ今、薬を塗ってやるからな」 すうっと闇の中から手が伸びた。その指に塗られたたっぷりの薬を、手は余すことなくトモルの腫れた性器に塗りこめる。 「……っひっ……、や……」 「気持ちいいだろう?」 「……っ、は、い」 確かにその薬は最初はひんやりしていて気持ちよかった。最初は――だが、その薬の触れた場所は、しばらく経つと猛烈に熱くなってきた。 「……っあぁ!?」 自分の性器が猛烈に熱い。というか、そこから体中に熱が広がってきた。 心臓がどくんどくん高鳴って体中が熱に浮かされたようだ。性器がかってに勃起し、あっという間に最大限になる。 そして、生まれて初めて、性器に猛烈に触りたい、触ってほしい、という欲望が頭をもたげ――今更という気もするが、それでもやはりトモルは羞恥に顔を染めた。 「おいおい、恥ずかしい奴だな。薬塗られただけなのにそんなにチンコでかくしやがって」 「つーか、でかくなってこれかよ? 勃ってもムケねえし。皮ん中にチンカスたまりまくってんじゃねぇのかぁ? 触られただけですぐ勃てる淫乱のくせにしょうがねぇクズガキ犬だな」 「うぅ…………」 言いたい放題に言われて、ますます顔を赤らめるトモル。あの薬の中になにか入っていたのだろうと予想はつくものの、それでも自分が恥ずかしい存在のように思えて、いたたまれない。 「次はケツにも薬を塗ってやらんとな」 「えっ……」 「嬉しいだろう、ん?」 またピシリと鳴る鞭に、トモルは半泣きになりながら言う。 「うれ、しい、です……」 「泣くほど嬉しいらしいぜ。しょうがねぇからケツ中にしっかり薬塗ってやんないとなぁ」 「本当にはしたないガキ犬だな」 言いながら手は後ろに回り、トモルの尻に薬を塗りまわす。すぐに熱くなることを覚悟していたが、案に相違してトモルの尻は冷たい薬を塗られむしろひんやりし始めた。 あれ、と驚くトモルをよそに、男たちの手はがっしりとトモルの腰を固定すると、トモルの肛門に指を伸ばしてきた。 「ひ……!」 反射的に身をすくませるトモルを、男たちは笑った。 「おいおい、なに動いてんだ? ケツ中隅々まで薬塗ってやるって言っただろ?」 「そ、んな、とこっ……」 「ご主人様が塗ってやると言っているのに逆らうのか? またおしおきが必要のようだな」 「や……」 力なくいやいやをするトモルにかまわず、指はトモルの肛門にたっぷりと薬を塗りつけ、中に侵入してきた。 「ふはっ……!」 トモルはたまらず、息を吐き出した。自分の尻の穴の中に指が入って、中を好き放題に掻き回している。中の筋肉一筋一筋にまでしっかり薬を塗りこめていく――。それはなぜか、ひどく背筋をぞくぞくさせて、なにか気持ちいいような悪いような、奇妙な感覚を覚えさせる行為だった。 と、ふいに肛門の中がひどく熱くなった。熱いだけでなく――痒い。たまらない疼痛感が肛門の中を満たしている。 痒い痒い痒い痒い。その感覚があまりに強烈すぎて他のことが考えられなくなった。 「な……に塗って………!?」 「薬だよ。皮膚についてもなんともないが、粘膜に塗ったら猛烈な痒みを与える代物さ」 「………!」 「今はまだそんなでもないだろうがな、じきにもっともっと痒くなって、体が熱くなってくる。ケツを掘ってほしくてしょうがなくなってくるぞ」 「………ひ………!」 言っている間も指は薬を塗りこめ続け、肛門の中は痒くて痒くて破裂しそうになっている。痒い痒い痒い痒い。痒くて痒くてたまらない。なんとか掻こうと身をよじるが、手枷足枷をはめられた状態では必死に尻を動かして肛門を開け閉めするくらいしかできない。そのくらいの刺激では、中途半端なせいでかえって痒みが増してきてしまうのだ。 「か、掻いて! 掻いてくれよぉっ!」 「掻く? どこを掻けっていうんだ?」 「お、俺の、俺の……!」 「俺の?」 「俺の、ケツの穴の中を掻いてくださいっ!」 ぎゃっはっはっは。男たちが耳障りな笑い声を上げた。 「ばぁかかお前。恥ずかしいこと大声で言ってんじゃねーよ」 「このエロガキが。そんなにケツ穴の中掻いてほしいのか? じゃあこれから俺が言う通りにお願いしてみろ」 「はっ、ひっ、はっ、痒いよぉぉ………!」 「『俺はケツ穴を掘ってもらいたくてうずうずしてる淫乱変態マゾ奴隷小学生です』」 「俺はっ、けっ、ケツ穴を、掘ってもらいたくてうずうずしてる……い、淫乱、変態マゾ奴隷小学生ですっ!」 「『みなさんのチンポで俺のケツ穴を思う存分掘って、精液を中に出してください。この淫乱変態マゾ奴隷小学生のケツ穴に種付けしてください』、おら、ケツ振りながら言えっ!」 「みなさんの、ち、チン…ポで、俺の、ケツ穴を、思う存分掘って……っ、せ、せい、精液を中に出してくださいっ! この淫乱変態マゾ奴隷小学生のケツ穴に種付けしてくださいっ!」 正確にはどういう意味かわからないものの、真っ赤になって恥ずかしさのあまり涙を流しながら、トモルは言われた通り尻を振りながら絶叫した。恥ずかしい、とかいうレベルじゃなく、自分の尊厳を粉々に砕かれたという気がした。だがそれよりも痒い。肛門を掻いてさえくれれば、自分はもっと恥知らずなことでもなんでも言っただろう。 男たちはまたぎゃっはっは、と笑いながら、ゆっくりと首を振った。 「そ……ん、なっ………!」 「感情が篭ってねぇんだよ。そんなんじゃ掻いてやるわけにはいかねぇなぁ」 「このまま一時間放置だな」 「な……ひで……そんな……!」 「掻いてほしけりゃせいぜいケツ振って俺らを喜ばせてみろよ。よく尻が振れたら掻いてやってもいいぜ」 言われてトモルは必死に尻を振った。上下、左右、斜め、馬鹿みたいに思えるほど懸命に。 だが、男たちはそれぞれ笑いながらこっちを見ているだけで、手を伸ばしもしない。 トモルは絶望を感じながら、それでも必死に尻を振った。 ……一時間後。トモルは痒みのあまり泡を吹き、ほとんど気が狂いそうになりながらそれでも腰を振っていた。 「ケツ穴を掻いてほしいか?」 半狂乱になりながらうなずくトモル。 「そのためならなんでもするか?」 必死にうなずく。 男たちはくくくっと笑った。 「ようし、それなら俺たちのチンポをしゃぶってみせろ」 「え……」 「全員イかせられたらケツ穴掻いてやる」 「ち、ちんちん……しゃぶったら、尻の穴掻いて……?」 「イかせられたらな。おら、口の中に含んでぺろぺろ舐めてみろ」 はりつけ台が傾いて、口のすぐ前に太いペニスが一本突き出された。トモルは尻の痒みに後押しされ、思いきってペニスを口に含む。 「おら、吸いながら先っぽから根元まで舐めるんだよ。そんなんじゃいつまで経ってもイかねえぞ」 イく≠ニいう意味はよくわからないが、とにかくトモルは懸命にペニスを舐めた。汗と小便、それに腐った牛乳のような味がして吐き気を催したが、必死に頬をへこませて吸い、舌を動かして舐める。 ふいに男がペニスを勢いよく前後に動かした。喉の奥を突かれてえずいてしまい、げほっとペニスを吐き出してしまう。とたん、鞭がビシッとトモルの顔を叩いた。 「下手くそが。この程度で吐き出していいと誰が言った?」 「ご、ごめん……なさ……」 「おしおきをしなくてはならんな」 「お、おしおき……?」 思わず硬直するトモルに、男は闇の中から手を突き出す。 「お前のチンコにさっきの薬を塗ってやる」 「や……!」 トモルは絶句し、必死に暴れた。 「やめてくれよ! 頼むから! ちんちんにまで薬塗られたら……俺、本当に変になっちゃうよ……!」 「やめてくれ?」 「や……やめてください、お願いです! なんでもしますから……許して、くださいっ……薬だけは……!」 トモルの涙ながらの懇願に、男たちは笑った。 「駄目だね」 「やだ、やだ、やあぁぁ―――っ!」 トモルの幼いペニスに、薬が塗られた。 当然のこと、塗られてから少し経つとトモルのペニスは猛烈に痒くなってくる。幼い子供の微妙な粘膜の全てが痒みに支配され、猛烈に掻き毟りたくてたまらなくなって―― 「掻いて、掻いて、掻いてくれよぉ――っ! 痒い、痒い痒い、痒いよぉっ! 助けて、誰か、掻いて、掻いてくれぇ――っ!」 「ふむ、だいぶ我を失ってるな」 「ま、ガキだからこんなもんじゃないですか?」 「もう少し焦らしたかったが……まあいい。ケツを掘ってやるとするか」 そんな男たちの会話などほとんど聞こえてもいない。 「おら、赤毛犬。ケツ穴を掘ってほしいか?」 「掘って、掘ってくれよぉっ……」 「チンポで掘ってほしいのか?」 「掘って! チンポで掘って! 早くっ……!」 「ぎゃははは! こいつは本当にどうしようもないマゾガキだな?」 「しょうがねぇなぁ、お望みどおり掘ってやるとするか」 ―――次の瞬間、トモルの目の前が真っ赤になった。 「ぎひゃ、ああぁぁぁぁぁっ!」 「おうおう、思いきり悲鳴上げやがる」 「やっぱガキをヤる時はこうでないとなー」 男たちのそんな声も耳に入らない。ただとにかく、痛い。体中がズタズタに裂けるような痛みが、全神経を走り回っている。 おまけにペニスの痒みはいっこうに取れていない。痒い、痛い、痒い、痛い。トモルの頭の中はその二つがエンドレスだった。 「ひっ、いっ、ぎっ、ぐっ、ぎゃっ、痛い! 痛え、痛えよ!」 「当たり前だろうが、ろくに馴らしもしねえでケツに突っ込んだんだからな。裂けて当たり前だ」 「でもま、血が流れたせいで少しは滑りもよくなっただろ」 「痛いっ、痛えよっ、抜いてっ、掻いてっ、抜いてっ……」 「おいおい、どっちだよ」 「チンコ、チンコ掻いてぇっ! チンコ掻いてくれよっ!」 「ったく、そんなにイきてえのか? ったくどうしようもねえ変態ガキだな」 「駄目だね。イきたいんだったらケツでイけ。トコロテン以外は許してやらん」 「ふぅ、なかなかこいつのケツの締まり、いいぞ。さすがは処女ガキだな、ふぅ、ん、くう、イくっ!」 ズキズキと痛む尻の穴にどくんとなにかが注ぎこまれ―― 「……頭隠して尻隠さずぅ、むにゃむにゃ……」 その寝ぼけ声でトモルはがばっと飛び起きた。バッバッ、と周囲を見回していつものダイと一緒のユリーカ世界の部屋だと気づき、自分の姿を見、しばらく呆然としてやっと理解する。 「………夢、か………」 トモルははーっと溜め息をついた。ひどい夢だった。なんかすごくリアルで現実と区別がつかないくらいで、自分はあの時本気で――― トモルはかーっと自分の顔が赤くなるのを感じた。なに夢なのに赤くなってんだよ、と思うものの、あれは半端な夢じゃなかった。なんていうか、すごく変で、すごくいやらしくて、すごく―― その時ふと、トモルは自分のパジャマの前が盛り上がってるのに気づいた。自分のペニスは幼いなりにひどく熱くなり、どくんどくん脈打っている。なにやってんだよっ、静かになれ、静かになれ、と必死に念じるものの意識するとかえってペニスは固くなってきてしまう。 なんだかすごく変な感じだ。水は飲んでいないのに、小便が漏れそうだ。体の芯が熱い。なにかを――出したい。 トモルは震える手で、布団をかぶったままパジャマのズボンとパンツを下ろしペニスを露出させた。そしてそれをぎゅっと握り、引っ張ったり撫でたりしてみる。 「んっ、くっ」 むずむずする感覚は強まったものの、溜まっているなにかを出せるような感覚はまったくやってこない。悔しげに唇を噛む。 ――トモルは、ふと夢を思い出した。夢の中で、自分は、尻の穴に薬を塗られて、ひどく痒かった。あんな目にはもう二度と遭いたくないと思うのに、思い出すと、背筋がぞくりと震える。なんていうか、体中が変になって、どうにかなっちゃうみたいな、あんな感覚一度も感じたことない―― 『――俺、なにやってるんだろう。なにをしようとしてるんだろう』 トモルはズボンとパンツを完全に脱ぎ、布団の下で大股を開いて震える指を自分の肛門に伸ばした。 なんだかすごくいけないことをしてるような気もするけど――体が自然に動いてしまう。 指を肛門に当てて、ちょっと侵入させた。痛くはなかった。少し苦しいけど、一本くらいなら入る。 その指を少しずつ前後左右に動かす。奇妙な感じだった。異物感が強いんだけどそれがなんだか痛気持ちいいというか、いや痛くはないんだが、すごく変な感じ―― 「ンっ!」 肛門の中をいじっていると、奥の方に体の奥にずんと響くような感覚を覚える点があった。それは気持ちいいと純粋に言えるようなものじゃないけれど、なんだかひどく、『欲しい』と思ってしまうような感覚で―― トモルは一心不乱にそのあたりをいじり始めた。もう片方の手でペニスを握り、不器用に上下に動かす。 「ハァ……は、ハァ……ん、くぅ……」 『このエロガキが。そんなにケツの中掻いてほしいのか?』 トモルはびくん、と体を震わせた。あの夢の中の、男たちの台詞が蘇る。 『俺はケツ穴を掘ってもらいたくてうずうずしてる淫乱変態マゾ奴隷小学生です』 「や……違う、なんだよ、それ……」 『みなさんのチンポで俺のケツ穴を思う存分掘って、精液を中に出してください。この淫乱変態マゾ奴隷小学生のケツ穴に種付けしてください』 「なんだよ、変なこと思い出させるなよぉ……」 いかに押しとどめようとしてもトモルの頭の中には夢の中男たちにいたぶられたことがどんどん湧き出てきてしまう。そして、トモルはその思い出すことに興奮していた。 心臓はばくばく鳴り、顔は興奮で真っ赤、息も荒い。そんな中男たちにやられたことを思い出しながらペニスを上下に動かし、大股を開いて肛門をいじった。 「や、あ、ん、ふぅん、くぅ、あ、んん」 『掘って! チンポで掘って! 早くっ……!』 「あ、ああ、ダメ、俺、変だよ、あ、あ、ん、あ、ひぃん」 『そんなにイきてえのか? ったくどうしようもねえ変態ガキだな』 「や、違、あ、ダメ、あ、や、変、俺変、死ぬ、死んじゃう、あ、あ、あああああ―――――ッ!」 夢を思い出しながらペニスと肛門をいじって、『変態ガキ』のところを思い出しているときに、トモルは人生初めての射精を迎えた。 「……うん、いい絵が撮れた。途中でトモルが目覚めちゃった時は失敗かと焦ったけど、トモルのオナニーシーンが見れるなんて予想外の収穫だな」 ガリレオ博士は研究室で一人そんなことを呟いていた。 「やっぱり大人にも楽しめるゲームなんだからこういうサービスがないとね。夢操作装置を作っておいてよかった。十八歳未満チャレンジ禁止のミッションをクリアした者だけにパスワードを……」 まだゲームが完成してもいないのに、取らぬ狸のなんとやらを始めているどーしよーもないガリレオ博士であった。 |