-----このページを、故・夢野久作氏に捧ぐ-----
第1回
幻想異端文学大賞

今回の「テーマ」:
“ドグラマグラ”


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受賞作品発表
※「皆様の批評」は読みたい方だけ反転してお読み下さい。


最優秀作品賞

既視夢
作者:週刊文学文芸編集長 30歳 男性 LEVEL42戦士
作者のコメント:ドグラマグラに対するオマージュ的短編です。
余計な部分と書き足りない部分のバランスがまだ未調整ですが、とりあえず「落ち」の部分は自分でも気にいっています。
皆様の批評:よくぞここまで夢野久作の作風を再現した!/「ドグラマグラ」がロマノフ王家の遺産を隠した文書であり、正木博士の正体が実は怪僧ラスプーチンで、財宝を発掘するために、呉家の異常心理遺伝を利用した実験をしていたのだという、荒唐無稽な設定には、非常に高い評価が与えられる/ここまでドグラマグラされると文句の付けようがない/大胆な発想!/ミリタリーマニアですか?/字数制限がなければもっと良くなっていた


佳作

malformation
作者:羽根蟲(はねむし) 29歳 Male 販売員
作者のコメント:「創造性皆無! あなたは、この物語のどこを読んでも、必ず前にどこかで聞いた覚えがある!」と、思う。
皆様の批評:ドグラマグラの永劫回帰をサイケデリックに残酷に料理した秀作/見事な構成/さいこう!! すごすぎ!! なんじゃこりゃ!!/欠点が多い作品なんだけど、偏執的な表現を評価する/作中に時折現れるアフォリズムはイイが、それを裏付けるに足るストーリーが描き足りない/ストーリー展開の流れ方が発展途上/ひとつひとつのシーンはいいが、それが上手く繋がっていかないような印象を受ける。パーツ毎の関連が稀薄で、一つの作品に昇華しきれていないような感じ。小説というより詩に近い/前半の雰囲気が、後半のドタバタに変わってしまったのが残念


淫仙
作者:TOMO 27歳 女性 電脳夢遊病者
作者のコメント:ドグラマグラという迷宮はこの3人から始まっている。
しかし、正木博士の説明した話は本当なのか。実は違うのではないか。
「薮の中」って感じですか?
皆様の批評:「ドグラマグラ」のエピソードを使用し、見事に独自の世界を描ききった芸術性の非常に高い傑作/文章力は応募作品の中で一番であると思う/文章の面でつまづくところがある/テーマに最もストレートな作品。それだけに、意外性が足りず、死美人画を描く動機づけもアリガチ/あくまでも「ドグラマグラ」のエピソードの焼き直しでしかなく、ストーリーに物足りなさを感じた/幻想異端文学にしては平凡で、鬼畜さが足りない/題名がそそったが、題名ほど「淫」がにおいませんでした/途中で、つっかかってしまうとこがあった


参加賞

蜘蛛とわたし
作者:夜長 年齢不詳 女性 バイセクシュアルの塾講師
作者のコメント:ドグラマグラは出てきませんが、これはほとんどノンフィクションの話しなので、人生、ドグラマグラということで……。
皆様の批評:応募作品の中で最も「ドグラマグラ」的な恐怖を持っている。主人公の心理が、演出されたものなのか作者自身が異常なのかわからないが、何とも言えず恐ろしい/夜長様らしい作品/雰囲気はいいが、テーマとの関連性は……?/自分の世界に入り過ぎ/解らない/難しい/観念的すぎるて、なにか表現したいことがあるようで、それがハッキリ読みとれない/明るいラストのようで、空しいラスト。そこがこの作品の魅力/単語の力に頼らず、文章で表現しようとする姿勢は好感がもてる


シルクの抱擁
作者:Qビック 350歳 オス 殺生森の古狐
作者のコメント: ドグラマグラが出てきませんが、このネタ、ドグラマグラをパラパラめくってたとき、思いつきました。
 拙者は、文学をするって柄じゃないですが、たまには、いいかなぁと思って描いて見ました。
 第1回の幻想文学大賞の末席にでもくわえていただければ、本望です。
皆様の批評:Qビックさんが普段の残虐性をグッと堪えて文学してしまい、見事に成功している斬新な作品/グロテクスなものとシルクという美しいものの対比がこの作品に甘美なコントラストをもたらしている/応募作品で一番まとまった作品/まとまっているだけに、先が見えてしまう/プロ並。エンターテイナーですな/水野窓香の美しさについての描写がもっとあれば、最後が更に印象的なものになっていただろう/「ドグラマグラ」ではないような…/どこかから回りしている


黒夢精神病院 PDF
作者:ザッピー浅野 30歳 男性 幻想異端文学連盟盟主
作者のコメント:ちょっと長くなってしまいましたが、我慢して読んで下さい。実は枚数オーバーです。そのぶん減点して下さい。
皆様の批評:キチガイが奇声を上げながら襲ってくるところなど、「ゾンビ」みたいでいい/武器がメスぐらいだった事が物足りない。ショットガンとか使って欲しかった/柱となるべき作者の思想体系が安定している/ストーリー、構成、テーマの使い方は流石だが……枚数オーバーで減点/後半は会話と説明文ばかり/はっきしいって、長編ネタ/すばらしい展開、思わず読まされました。でも、それまでのすばらしさに比べると、落ちが…


初めて御訪問の方は、
「第1回幻想異端文学大賞」募集要項
を御参照ください。


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