非幻想異端的日常
2003年 11月 1日 (土)
 六本木。J嬢とお別れのご挨拶。短い間だったが、これからもがんばってほしい。てゆーか、また彼女とおつきあいする日は来るのだろうか。
 池袋。
 新宿。T企画のSさんとルノアールで打ち合わせ。ざっくばらんに話はまとまった。
 事務所に戻り、制作のケンちゃんと小会議。とにかくシステム的な問題を改変しなければ現状を解決することはできないとう前提のもとに、あれこれ案を出し合った。

2003年 11月 2日 (日)
 デニーズで食事。おすすめだと言うのでデザートに「ラ・フランス」というのを食べてみたら、これがやたらうまかった。また食べたい。

 チャン・イーモウ監督の「上海ルージュ」を見た。いい映画である。見るべし。

2003年 11月 3日 (月)
 つぶらがやって来た。彼女は今月か来月からうちの新入社員として働き、そして俺の使っていない川越の団地を住居として借り受けることになっている。
 まず事務所で仕事の詳細を話し合い、そして悠里とつぶらの彼氏も一緒に四人で、川越の団地へと出奔した。あまりにも腹が減っていたので、電車の中で売店で買った赤飯のおにぎりと、ライ麦パンのサンドイッチを食べ、コーヒー牛乳を飲んだ。
 川越の団地は母が結構片付けてくれていたらしく、思ったよりすっきりしていた。ただ床が埃だらけで、靴下が真っ黒になった。
 団地を見た後、川越駅前の珈琲館でお茶を飲みながら更に会社のことについて話をした。それなりに話は煮詰まった。
 米国在住の妹が旦那と日本に帰って来ていたので、川越駅でつぶらと別れ、俺と悠里は実家に行った。妹も母もみんな揃っていた。みんなで車に乗り込み、ガッテン寿司に食事に行った。海老がでかくてうまかった。

 食事の後、東京・新宿に帰った。かなり疲れていて、電車の中で熟睡した。
 事務所に戻り、つぶらがお土産に持って来てくれたらぽっぽのポテトアップルパイを食べた。真ん中に芋がつまっていて至極うまかった。

2003年 11月 4日 (火)
 なぜだか知らないが、一日中やたら眠かった。

 夜、また「ラ・フランス」が食べたくなり(一昨日の日記参照)、デニーズに行った。ソパデアホ(にんにくスープ)とナスときのこのスパゲティと、そして予定通りラ・フランスを食べた。ソパデアホは名前だけは阿呆みたいだが、にんにくの強烈な旨味が凝縮されたとろとろのスープで、至極うまい。最近のお気に入りで、デニーズに来た時は必ず飲んでいる。スパゲティは味がよく解らなかった。ラ・フランスは美味しかった。あまりにも美味しかったので、もうひとつ頼んでしまおうかと思ったほどだ。

 第七回幻想異端文学大賞の応募作品を発表した。
 今回から審査員は、文字数制限をオーバーした作品は「読まなくてもいい」というルールを追加した。これまでも規定文字数をオーバーした作品は参加作品として認めていた(そこらへん、なあなあになっていたんだな)。今回、今までになく大幅に文字数をオーバーした作品があり(俺だ)、そもそも文字数制限とは何のためにあるのかと原点に戻って考えた。そしてある結論にいたった。
 つまり、文字数制限とは、審査員のためにあるのだ。もし文字数制限がなければ、100枚や1000枚の長編だっていいんだということになり、そのすべてを熟読しなければならない審査員は、大変になってしまう。
 どんな創作物も作者の手を離れ公開された時点で、独立した芸術作品として等価であるという基本理念を持つ幻想異端文学連盟にあって、文字数制限などという意味のないものが存在する理由はこれしか考えられない。
 そこで、文字数をオーバーした作品も、尊い一個の作品として、受け入れよう。しかし、審査員は大変なので、読まなくてもよい。でももし読んだ以上は、他の作品と同じく正当に評価してしかるべきである。と、こういう結論に至った訳だ。もちろん「規定文字数をオーバーしているから減点しよう」というのは許されない。読んだ以上は、等しく評価していただく。
 ちなみに今回文字数をオーバーした俺の作品は、幻想異端文学には程遠いストレートな娯楽小説になってしまって、かなり恥ずかしい。本当は夜長さんの真似がしたかったのだ。夜長さんの「ウエヌスとタンホイザー」を読んで、俺もこんな風にいにしえの物語をリメイクしてみたいなと思い、手ごろなところで西遊記を選んでみた。しかしああいう試みは夜長さんの独特の文章だからこそ出来ることで、俺がやっても同じようにはならんということがよく解った。まあでも、面白いことは面白いと思う。

2003年 11月 5日 (水)
 第七回幻想異端文学大賞を発表したら、アクセスが倍になった。とにかく俺の作品は読まなくていいので(長いし、浮いている)、他の人たちの作品はよろしく。作品数が少なかっただけに、審査は盛り上がってほしいものだ。俺はもう全部読んで、審査を出している。
 それにしても今回はなんとなく似たような作品が集まったな。あと不思議と芥川っぽいものがあまりなかった。
 前回の「花と蛇」もそうだったが、何かと今後の課題を残す大賞である。俺の求める幻想異端文学連盟はまだ遠い。一番の問題は俺かもしれないが。

 深夜なにげなくテレビをつけたらポール・ニューマンの映画がやっていたので見た。
 ビデオが壊れていると、背に腹は代えられぬとばかりに、とりあえず映画と名が付けば思わず見てしまう。
 しかし、これが気が狂うほどつまらなかった。感性が腐るような駄作だった。なまじ話があるだけに、最後まで見させられるところが非常にたちが悪い。
 やはりこれからはアメリカ映画を見る時はくれぐれも気をつけよう。

2003年 11月 6日 (木)
 忙しくて、またケンちゃんが俺以上に忙しくて、今日は外出せずに、ケンちゃんのアシスタントも含めて、事務所での仕事に精を出した。
 最近、俺はちょっとあることで悩んでいて、仕事に集中するのが苦痛だった。珍しくストレスもたまっている。ビデオが壊れているのも精神衛生上、非常によくない。

2003年 11月 7日 (金)
 寝坊して予定がひとつ潰れた(仕事ではない)。

2003年 11月 8日 (土)
ミーナ ネット通販で注文したDVD「century Dhamaka」を見た。これはインド映画のミュージカルシーンを100個集めた総集編である。前回購入した「Songs to Remember」ほどは印象に残るシーンはなかったが、それなりに楽しいものはちらほら見つかった。
 DVDを見ていたら頭の中がインドになってしまい、朝まで何となくインターネットでインド女優の画像を集めては、インド女優壁紙などを自作していたりして遊んでいた。
 忙しいのに何やってんだ俺は。

2003年 11月 9日 (日)
 この日記を書きはじめて一年がたったことに今日気が付いた。ネットで書く日記がこれほど長く続いたのは恐らく初めてだ。このまま一生、死ぬまで続けたいと思う。ついでに、これまでちらほら書いていた高校三年生からの日記もすべて整理して、ネット上に俺の日記データベースを構築するかな。

2003年 11月 10日 (月)
キルビル 悠里と「キルビル」を見にいった。あまりの残酷さに、悠里は5秒で映画館を出ていった。俺は最後まで見た。
 というわけで、ついに見た、タランティーノの新作「キルビル」。これが実に愛すべき馬鹿映画だった。
 この映画、かなり賛否両論で、各方面の映画関係掲示板などでは奥歯にものの挟まったような感想の嵐が吹き荒れているが、見てみて納得。すべての要素が絶妙でありながら、すべての要素が少しづつすべっている。例えばキャスティング。栗山千明も素敵だったが、ルーシー・リュウは素晴らしかった。反面、企画段階から携わっている主演のユマ・サーマンは、振り返りみると、はるかにましな女優が考えられたような気がしてならない。
 血飛沫ドバドバのZ級センスもこれはこれでオツなもの。「レザボアドッグス」「パルプフィクション」から受け継がれたタランティーノの絶妙な脚本センスは120%健在。ところがこれが合わさると、如何せん、心地よくZ級の世界に溺れたかと思えば、センスの良いストーリー運びや台詞の数々に、A級の大地に引き上げられる。パート1、2に分けたことに関しては、Z級映画にはちょうど良い長さになり、タランティーノ映画としては、ストーリーと編集の妙を味わうには物足りない。たどたどしい外人がしゃべる日本語は面白くもあり、ところどころ大事なものをぶち壊している。アクションは実に良くできていたり、ところどころぎこちなかったり。唯一、完全に完璧だったのは音楽か。
 話をまとめよう。
 キャスティングはまあこれでいい。栗山千明が鉄球をチェーンで振り回すシーンは泣いたし、ルーシー・リュウが最後の戦いの前、雪の中に佇むシーンは鳥肌が立った。ユマ・サーマンの貧乏臭い顔も、差し引いて余りある。これだけ適役がカッコ良ければ、必ずしもヒロインはゾー・タマリスである必要はない。
 タランティーノ節とZ級センスの不調和だが、これはパート2を公開した後、2編をつなげて編集しなおした完全版を見せてくれれば納得できると思う。恐らく劇場でやるだろう。少なくとも、DVDでは出るに違いない。アクションはZ級よりの要素だから、この問題は一緒に片付く。
 こうしてみると、一番の問題は日本語なのかもしれない。かつて「ナチュラルボーンキラーズ」で、オリバー・ストーンのスラップスティックな演出が、タランティーノの脚本をめちゃめちゃに破壊していた現象が思い出される。「あなたは自由よ」「今日はもう殺すのはやめよう」珠玉の名台詞の数々が、演出ひとつでここまで陳腐になるものかと呆れ果てた。「キルビル」はどうか。「落ちた手足は置いていきな」「刀は疲れ知らず。あなたはどうかしら?」英語でしゃべってたら決まっていただろう名台詞の数々が惜しまれる。やはりこれだけは修復不可能だ。大した問題ではないかもしれないが、タランティーノと「言葉」を切り離して考えられない俺にとって、やはり重要な問題なのだった。
 最後に特筆すべき点を上げるなら、やはり「音楽」と「編集」。最後に流れる演歌は最高だった。字幕の最後まで聴き惚れた。あとパート2へのつなぎは絶妙。編集は脚本・演出と並んで映画の重要な要素なのだ。終わり良ければすべて良し。もう一回見たら、俺はもっとこの映画を好きになるだろう。
 なんだかんだ言って、愛すべき馬鹿映画なのだった。

2003年 11月 11日 (火)
 廃品回収業者に電話して、この数カ月間、狭い事務所を占領していた古いパソコンを二台、持ってってもらった。ついでに壊れた掃除機や、手垢にまみれ使いにくくなったマウスやキーボードも持ってってもらった。すっかり事務所が広々と………しなかった。
 狭い癖に物が多すぎるのだ、うちの事務所は。
 こんなこと書くと「本とビデオを何とかしろ」と言われそうだ。

2003年 11月 12日 (水)
 引っ越しの手伝いで、川越へ。幻想異端文学連盟でもお馴染みのあの人物が、この度俺が元住んでいた団地にやってくることになったのだ。中には、まだ俺の所有物が沢山残っている。
 やばいものが沢山あったので、すべて隠滅した。引っ越しの手伝いと言うより、実はこちらの方が目的だった。
 ついでに俺が初めて買ったMac「Performa6310」のハードディスクを整理した。懐かしいファイルがいろいろとあった。
 使っていないビデオがあったので、新宿に持ち帰った。これで明日からまたビデオが見れる。

2003年 11月 13日 (木)
 外出から帰ると、いきなり天野がいた。
 喫茶店でお茶を飲みながら話をした。
 なんの話しをしたのかは、忘れた。

2003年 11月 14日 (金)
 今日は外出がなかったので、たまったデスクワークを片付けようと、朝からせっせと仕事をした。昼食はインド料理を食べた。夕方、不思議なことに具合が悪くなり、寝込んでしまった。肉体的にというより、精神的なものに近かった。でも確かに体調も少しはおかしかった。とにかく変に無気力な午後だった。

2003年 11月 15日 (土)
 深夜なにげなくテレビをつけたら「ショムニ」の映画版がやっていたので見た。テレビドラマと違って幾らかは原作に忠実で、やはりこの漫画の主人公は塚原じゃなくちゃと実感。千夏はあくまでも一番目立つ脇役、ドカベンで言う岩鬼のような存在でなくては。しかしそれにしても、なんでこんな話にしちゃったんだろうな。出来は悪くないが、話の下らなさでテレビに劣る(てゆうか基本的にほとんど見たことないのだが)。

2003年 11月 16日 (日)
 今日から日記へのリンクが変わったが、皆、ちゃんと見つかっただろうか。

 明日から新入社員が入るので、新しいMacを買いに行った。
 安かったので、ひとつ前のiMacにした。宇宙ステーションのような首のついた、あれである。形はMacともあろうものが落ちぶれたという感じだが、スペースを取らなくて扱い易いところはなかなか良い。

 幻想異端文学堂というコーナーをスタートした。これはオンライン書店BK1のブリーダーズプログラムというものを利用したもので、BK1を通して幻想異端文学連盟で本が買えてしまうという企画である。
 ブリーダーズプログラムというのは何かと言うと、このプログラムを通して皆さんが本を購入すると、幻想異端文学連盟にポイントが貯まり、盟主がBK1で安く本を購入できるようになるというものだ。
 俺はネット通販で新書を購入するときは必ずBK1を使うので、ぜひ皆さんもこちらでひとつ、本を購入していただけると有り難い。ちなみになぜBK1なのかと言うと、以前ちょっとばかしここと仕事で関わったことがあって、それ以来贔屓にさせていただいているのである。
 ここでは幻想異端文学連盟に掲載されている作品の関連書籍をメインに紹介している。元ネタ、参考文献、パクリなど、様々な関連書籍があるので、投稿された作品と元の書物を比べてみるのも一興かもしれない。今までで幻想異端文学連盟に作品を投稿したことがある方で、参考にしたりパクったり影響を受けたりした本がある方は、ぜひお知らせ願いたい。また、このコーナーには検索機能もあるので、幻想異端文学連盟に関係のない本も探すことが出来る。
 このコーナーは先行き、BK1との仲介のみで終わるものではない。幻想異端文学連盟は将来オンライン出版社として稼働する計画があるので、幻想異端文学連盟で本を買うという土壌を築く上でもこの企画は潜在的な役割を果たしてくれることだろう。
 あともう少ししたらショッピングカートのcgiも設置して、いらなくなった俺の古本なんぞもついでに売ろうかと思っている。

2003年 11月 17日 (月)
 深夜テレビでプライドGP2003を見た。ミルコとノゲイラの試合はよかった。格闘技の試合見て久しぶりに泣いた。

2003年 11月 18日 (火)
 今日からなんとあの、つぶらがうちの会社に新入社員として入社した。
 つぶらというのは、あのつぶらである。きみよし藪太とともに第五回幻想異端文学大賞で初登場し、以来安定した作風で賞の上位に食い込んでいる実力派のオンライン作家のひとりだ。
 このような人材を当社に迎え入れることが出来て、実に喜ばしいことである。
 早速、初日からこき使ってやった。

2003年 11月 19日 (水)
 最近、暴食が過ぎて、胃が痛い。

2003年 11月 20日 (木)
 銀行に行った。税金を二十万円以上も払った。

2003年 11月 21日 (金)
 誕生日。と同時に、うちの会社の設立一周年記念である。

2003年 11月 22日 (土)
 俺が仕事で作ったホームページが僅か2カ月の間で2回もパクられた。もう見ていて恥ずかしいくらい同じなのだ。パクられたのは同じホームページだ。パクったのは全く別の業種だ。しかもこんな短期間でだ。こおゆうこともあるんだな。特別ブリリアントなデザインだとは思えないのだが。

2003年 11月 23日 (日)
 墨森先生がやってきた。仕事の関係でパソコンを貸して、語り合って、エクセシオール・カフェでお茶をした。食事はできなかった。お土産のケーキがとても美味しかった。

2003年 11月 24日 (月)
 チャン・イーモウの「紅夢」という映画を見た。なかなか面白かった。静かな狂気ってやつだな。

2003年 11月 25日 (火)
 久しぶりに焼肉を食った。

2003年 11月 26日 (水)
 池袋で広告の集金。ついでに物品販売。

2003年 11月 27日 (木)
 楽しみにしていた予定が崩壊した。

2003年 11月 28日 (金)
 東京大学。三四郎。ルノアール。

2003年 11月 29日 (土)
 宇月原晴明と言う人の書いた「信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」という本を読んだ。ちょっと俺の口にはかなり合わなくて、途中で投げた。信長と秀吉のホモ小説なんていったい誰が読みたいというのだ。

2003年 11月 30日 (日)
 珍しく料理をしてみたら、見事に失敗した。


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