非幻想異端的日常
2004年 11月 1日 (月)
修羅雪姫 釈由美子主演の「修羅雪姫」を見た。最初の方などアクションとか映像とかよく出来ているのだが、なぜかぜんぜんノレない。その理由は釈由美子のフニャフニャ動く首とか微妙に力の抜けた表情とかVシネみたいな世界観とかいろいろである。とにかくなんかノレないなあと思いながら見てゆくと、だんだん出来そのものもあまり良くないことに気が付いてきて、最後まで見たらかなりダメな映画だった。まあ、ダメなものはダメということで、これ以上の言葉は不毛であろう。

2004年 11月 2日 (火)
 会社が忙しくて、社員の仕事を手伝っていた。
 久しぶりに夜遅くまで制作業務にあけくれた。
 こうなるともう、社長業も所詮は雑用である。

2004年 11月 3日 (水)
 大塚・池袋・新宿とまわった。
 くるくる回ったわけではない。

2004年 11月 4日 (木)
 休日だというのに急ぎの仕事でC社のH社長が来た。休日に仕事をするのは状況的に都合が悪いので、お座なりな対応しかできず、かなり悪いことをしてしまった。最初から断ればよかった。反省点。

2004年 11月 5日 (金)
 韓国人に仕事をすっぽかされた。こういうの本当に多い。世間では韓国ブームとか言ってるが、ビジネスでつきあう俺としてはブームというよりブーブー文句言いたい気持ちである。

2004年 11月 6日 (土)
With Love KARISMA 久しぶりに通販でインドのDVDとCDを買った。買ったのは愛しのカリシュマ・カプールの映画の曲を集めたコレクションCD「With Love KARISMA」。映画「Dil Se...」のサントラ。かのタミル映画の大スター、ラジーニ・カントのミュージカル・シーンを集めたアンソロジー「Golden Hits of RAJINI KANTH」。他カリシュマ・カプールの主演映画一本である。
 「With Love KARISMA」はずっと欲しかった曲が入ってたりして期待してたのだが、なんと全曲映画とは違うレコーディングで、しかも半分くらい歌っている歌手も違う。さらに歌があまり上手くないときている。なんてことだ。さすがインド。
 「Dil Se...」はまだ映画を見ていないが、ミュージカルシーンだけは何度もDVDで繰り返し見ていた。とくにシャールク・カーンが走る列車の上で踊るシーンはあまりにも有名で、バックに流れる「チャイヤ・チャイヤ」という曲もなかなかいい曲である。
 その「チャイヤ・チャイヤ」をこないだ買ったばかりのCDコンポにつっこんで聴きながら悦に入っていたそのときである。いきなり悠里が音楽に合わせて踊り出したではないか。しかも最初から最後まで完璧に。
 お、お前、ふりつけ全部覚えとるのか!
 驚いてずっと眺めていた。俺が小学生の頃、マイケル・ジャクソンのスリラーのふりを全部覚えたのと同じようなもんだろうか。さすが子供の記憶力はあなどれない。しかもなかなかうまい。
 というわけで、悠里にはちかぢか無理矢理インド舞踊を習わせることに決定しました。

2004年 11月 7日 (日)
 風邪ひいた。メロンパンを食い、風邪薬を飲んで、オールナイトで映画を見にいった。
チャン・ツィイー 見たのはウォン・カーウェイ監督の話題作「2046」である。トニー・レオン、木村拓哉、コン・リー、フェイ・ウォン、チャン・ツィイー、マギー・チャン主演。超に超がつく豪華キャストだが、映画はよく解らなかった。雰囲気はあった。チャン・ツィイーとか女優陣はよかった。
 映画が終わって家に帰ると、ポケットに鍵が入ってなかった。映画館でなくしたらしい。あわててまた映画館までタクシーで戻り、鍵をみつけだし、また戻った。風邪薬もすっかり切れていて、体力は限界にきていた。家に入るなり、絶命するように眠った。

2004年 11月 8日 (月)
 風邪はまだ治らない。栄養をつけるために、スパイスヘブンでインド料理を食った。

2004年 11月 9日 (火)
 風邪はまだ治らない。栄養をつけるために、池袋でインド料理を食った。

2004年 11月 10日 (水)
 千葉に行って広告に使用する写真を大量に撮ってきた。撮影するのも疲れたが、事務所に戻って選ぶのも疲れた。撮影というと昔はよく喜んでやったものだが、最近は飽きてきて面倒くさいだけである。

2004年 11月 11日 (木)
玉子入りムルギーカレー 渋谷で打ち合わせ。その後、ムルギーで玉子入りムルギー・カレーを食った。渋谷に来ると必ず寄るほど好きな店だが、今日は風邪で残念ながら味がまったくわからなかった。ここのカレーはうまいのだが。

2004年 11月 12日 (金)
 久しぶりに歌舞伎に行った。俺は歌舞伎が好きなのだ。ちなみに歌舞伎町ではない。東銀座の歌舞伎座で歌舞伎を見たのだ。いやもちろん、歌舞伎町も好きであるが。
 混んでいて、無礼なおじさんおばさんが多くて困った。近頃の若いもんはと言われるが、人混みでの周囲の人間への心配りに関して言えば、おじさんおばさんの方がよほど配慮に欠ける。中には両手で荷物をどかすように人を押しのけ歩いているおじさんなどもいて、呆気にとられた。
 歌舞伎は美しく味わい深く、それなりに楽しかった。途中でちょっと眠くなり、後半はかなり居眠りをした。俺は映画を見ていてもそうだが、実によく途中で居眠りをする。まあどういう楽しみ方をしようと俺の勝手である。

2004年 11月 13日 (土)
 歯医者に行った。治療中ずっと居眠りをしていたので、幸い今日はあまり痛い思いをしなくて済んだ。先生にとってはたいそうやりにくかったに違いない。「はい、ちゃんと口を開いてください」という言葉を夢うつつの中、何度も聞いた。

2004年 11月 14日 (日)
 やっと第八回幻想異端文学大賞第三部門【自由形式】の参加作品を掲載した。締め切りが過ぎてから掲載まで、これほどまでに遅くなってしまった理由は他でもない。実は今回、プリントアウトした原稿がひとつ、郵送で届いてしまい、それのタイプ打ちにかなりの日数がかかってしまったのだ。
 何をバカなことをやっているのだザッピー浅野は、と誰もが思うであろう。それは俺も同じ思いである。
 確かに募集要項には「プリントアウトしたものを郵送」と書いてある。しかしこれは前世紀の幻想異端文学連盟開設当時からずっと募集要項に載りっぱなしだった一行で、当時の自分が何を考えてこのような応募形態を認可していたのか今となっては自分でさえもさっぱり理解不能なのである。
 最終的にはネット上で発表するのだから、もちろんそんなものを送られてきた日にはすべて自分の手でタイプ打ちしなければならないのは当たり前である。恐らくパソコンで小説を書いていない方なども参加できるように、なるべく門を広くしようと言うことだったのだと思うが、まあ次回の募集からあの一行は削除されることは間違いない。
 それにしても疲れた。

2004年 11月 15日 (月)
 事務所のドアの前に立つと、いつものポケットに鍵が入っていなかった。他のポケットを探したらあった。昨日も同じように鍵がいつものポケットにみつからず、他のポケットに入っているという現象があった。
 何気ないことだが、かなり驚いた。この十数年間、俺は鍵は同じポケットにしか入れたことがない。他のポケットに間違えて入っていたということはただの一度もなかった。ほとんど条件反射的に同じポケットに入れているのだ。それが二日連続で違うポケットに入っていることなど、どう考えてもあり得ない。
 ボケが始まっているのであろうか。それとも誰かのいたずらであろうか。謎である。

 ジム・キャリー主演の「ブルース・オールマイティ」を見た。
ブルース・オールマイティ 大ファンのジムの新作だというのに劇場公開で見逃し、レンタルも借りそびれていたものだったが、やっと借りてくることができた。
 映画としてはかなりつまらなかったが、それでも心の底から借りてきてよかったと思えるほど、ジムの芸に笑わせられた。牛乳のこぼし方やお尻の振り方ひとつとってもそこに芸人魂がこもっている。これこそが本当の芸人というものだ。
 昔に比べてちょっとだけ芸の冴えに陰りがみえてきたが、それでもこのレベルなのだ。恋人との夜を演出するシーンとニュースの本番中にライバルを失脚させるシーンは死ぬほど笑った。ニュースのシーンの方はライバルの役をやっている俳優もなかなかうまく、一瞬ジムが変装して二役をやっているのではないかと思った。特典映像のロウソクを消すシーンの別パターンも面白い。
 後半はぜんぜん笑えなくなり、説教臭いメッセージと脚本の教科書通りの退屈な展開になり、最後はオチにもならないオチで終わる。
 久しぶりに頭がジム・キャリー・モードになり、「ブルース・オールマイティ」を見た後、久しぶりに「ライヤー・ライヤー」を見直した。やはりこちらの方が百倍面白い。

2004年 11月 16日 (火)
 ヤボ用で川越に行った。またレッドロブスターでロブスターを食った。
 ここは料理する前の生きたロブスターを客に見せてくれるサービスがあることは前にも書いた(10月 29日の日記参照)。前回はこのサービスのことを知らなくて驚いたが、今回は指でさわったり、ふざけてロブちゃんと「よろしく」と言いながら握手するくらいの余裕はあった(人間は残酷だ)。
 ふと、このギャグを一日に何人の客がするのかと思ったら自分が情けなくなった。

 夜、税理士さんに言われた天然石のたな卸しをやり忘れていたことに気がつき、遅くまでしこしこと蔵に眠っている無数の石たちの数を数え、過去の伝票をめくりながら在庫金額を割り出した。小売業というのは決算になるとこんな面倒くさいことをするのだな。

2004年 11月 17日 (水)
 金が無い。久しぶりに貧乏街道まっしぐらである(なんて月並みな表現だ)。というわけで、現在ザッピー浅野に三百万ほど融資してくれる方を募集中です。

2004年 11月 18日 (木)
スケバン刑事II 「スケバン刑事II/少女鉄仮面伝説 vol.2」のDVDがなかなか届かないので、通販サイトにオンラインで問い合わせたら、すでに発送済みのマークがついていた。驚いて佐川急便に問い合わせたら、DVDは代引で10月21日にすでにこちらに届いているはずだという。そんなバカなと思って探してみたら、事務所のすみっこに封を切られることなく置いてあるDVDが見つかった。
 届いてからひと月近く気が付かないまま放置してあったとは。不覚であった。
 ちなみにジャケットはなかなかかっこいい雪乃の画像である。

2004年 11月 19日 (金)
 また痔が悪化。きりがない。

 横浜のホテルのカフェで新しい企画の打ち合わせ。ちなみにこの人たちと打ち合わせをするときは、なぜかいつもホテルである。好きなのだろうか。
 最近胃腸が悪いので飲み物はココアを頼もうとしたら、ココアはないと言われ、コーヒーや紅茶は胃が絶対痛くなるので、仕方なくカフェオレを注文し、打ち合わせの途中、胃に差し障りがないようにチビチビと飲んでいた。数滴すすって胃の中で薄めるために水を飲み、また数滴すするという形式で、1時間以上の打ち合わせの間に十分の一くらいを飲んだ。幸い打ち合わせの間は胃が痛くならなかったが、後で痛み出す可能性もあるので、気をつけたい。

 ひとつの真実のなかに、別の真実が隠されているということがある。

2004年 11月 20日 (土)
 以前ほとんど話したこともないうちのビルの管理人さんから電話があり、いきなり3万5千円貸してくれと言われ、開いた口が塞がらなかったという事件があった(5月15日の日記参照)。
 その続報である。今度は悠里である。
 今日、悠里がエレベーターで管理人さんと一緒になり、いきなり話しかけられたと言う。
 「こんにちは」
 「あ、ご苦労様です」
 「あの、ちょっと事務所に行こうと思ってたんですけどね」
 「はい?」
 「奥さん、ちょっと3万円貸してくれないかなあ?」
 「はあ?」
 「旦那さんとはあまり親しくないし……それに彼、頭カタイから」
 「……………」
 「支払いが遅れちゃって」
 「す、すいません。協力できません」
 当然のごとく、逃げ去ってきたという。管理人の暴走はとどまるところを知らない。本当に大丈夫だろうか、このビルは。
 ちなみに俺は頭がカタイそうである。

2004年 11月 21日 (日)
 先行オールナイト上映で、フルCG映画「ポーラー・エクスプレス」を見にいった。
ポーラー・エクスプレス 最初はあまりのリアルなCG映像になんでわざわざこんなものをCGで作るんだ、実写でやればいいじゃんかと思ってそれが気になってしょうがなかったが、だんだんCGならではのビックリ箱的な映像が押し寄せてきて、なかなか楽しい映画であった。さすがロバート・ゼメキスといった感じは十分に楽しめる。特に列車の中で子供たちがココアを飲むミュージカルシーンや、飛んでいってしまった切符が外の世界をひとまわりしてまた列車に戻ってくるシーンや、吹雪のなか走っている列車の上を冒険するシーンや、氷結した湖の上を列車がすべるシーン(画像)などが面白かった。つまり前半に面白いシーンが集中している。
 基本的には子供向けの映画で、われわれのようなサンタクロースなど鼻っから信じていないような汚い大人は特に見ても見なくてもいいと思われる。ただ見たら見たで楽しめる映画である。
 ちなみに映画を見ている最中、精神状態はクリスマス気分に染まっていた。今日は俺の誕生日なので、誕生日とクリスマスが一緒に来たような気がして妙な気分だった。

2004年 11月 22日 (月)
 なぜか今日は一日中眠かった。外を歩いていても、頭がクラクラするくらい、眠かった。ひたすら眠気と戦うばかりの一日だった。

2004年 11月 23日 (火)
 クライアントに渡したいものがあって千葉に行った。ついでに撮影を頼まれた。無事撮影を終わらせ、事務所に戻った。気が付いたら肝心のものを渡すのを忘れていた。

2004年 11月 24日 (水)
 ちょっとショックなことがあって泣いた。

2004年 11月 25日 (木)
 最近、寝不足の時などに突然おかしなことを口走るという奇癖がある。つまり眠くて頭がぼーっとしていると、たまに数秒だけコックリと眠ってしまったりする。その数秒の間に見た夢が、現実の境目に交差し支離滅裂なことをしゃべりはじめるのだ。しゃべっている途中で意味不明なことを口走っていることに気が付くのだが、それを取り繕うと思っても、現実と夢との境目が定まっていない精神状態のままなので、不本意にもシュールな言葉は止まることなく垂れ流され続けることになる。録音してみたらさぞや面白いだろう。

2004年 11月 26日 (金)
 一日中外出の予定だった。最初の外出が免除され、ふたつめの外出がつぶれ、結局外出はひとつだけになってしまった。おかげで社内での仕事がだいぶ片付いた。外出はひとつだけながらやたら疲れた。でも心地よい疲労感でもあった。

2004年 11月 27日 (土)
 DVDで素晴らしい映画を見ていたら、いいところで途中で映像が止まった。しばらく我慢してたら動き出した。そういったことが二度ほどあった。ふとDVDというメディアに疑問を感じた。なんでDVDはたまに止まるのだろう。
 DVDはビデオと比べてかさばらず、見たい場面がすぐ見れたまに特典映像などもあり、字幕と吹き替えも選べて至極便利なのだが、頻繁に止まったり見れなくなったりするのは如何ともし難い。
 こんな不安定なメディアがそうそう何十年も定着し続けるなどとうてい思えないような気がするのだが、いかがなものだろう。
 集めたおびただしい量のDVDを眺めながら、ふと不安になった。

2004年 11月 28日 (日)
たそがれ清兵衛 「たそがれ清兵衛」を見た。山田洋次監督の初時代劇とのことだが、さすが素晴らしい映画だ。二回ほどボロボロ泣いてしまった。俺はいまだかつて、黒澤明以外でこれほどまでに完成度の高い時代劇映画を見たことがあっただろうか。ない。
 特に宮沢りえの表情がいい。「幸せの黄色いハンカチ」の倍賞千恵子と同じ表情だ。すべてのシーン、カット、セリフに巨匠の神通力が宿っている。山田洋次だから時代劇もうまくとるだろうと思ってたが、想像を絶する完成度だ。
 「隠し剣 鬼の爪」も公開中に断然見たくなってきた。来週あたり、行くか。

2004年 11月 29日 (月)
 第八回幻想異端文学大賞第一部門【ロリータ】の作品を発表した。まあ数だけは今までで一番集まった。自分の作品はぬかして、個人的に好きな作品はふたつほどある。
 でその俺の作品だが、今回もまた性懲りもなく大幅文字数制限オーバーで、内容もロリータを見事に外しており、直前までまったく提出するつもりはなかった。フミエダさんが降板したり、PDF入稿について考えていたりして、出してみる気になった。
 とりあえずここ数カ月の“戦う美少女”研究の成果である。学んだことをすべて詰め込もうとしたらこんな長くなってしまった。まあ美少女活劇といったジャンルに興味のある方はぜひ読んでほしかったりする。

2004年 11月 30日 (火)
 一日中事務所にいた割にはバタバタとして何も片付かない一日だった。


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