非幻想異端的日常
2007年 7月 1日 (日)
笛田さおり 渋谷にてミクシィの「音楽で映画をつくる」コミュのミーティング。今回の企画はシンガーソングライターの笛田さおりさんのライブを撮影し、映像作品を作るというものだ。
 本日は笛田さおりさん本人をお呼びして、参加者のヤスダさん、コンノさん、イシイさんで囲んでの初ミーティングである。
 ライブ会場の様子、当日のセットリスト、照明、カメラ位置、カット割り、役割分担、コンセプト、そしてその後の展開などを話し合った。
 映像活動をやっているとミュージシャンの方と知り合う機会は多いが、そのなかでも笛田さおりさんはチュチュチュファミリーと並んで俺の最もお気に入りのアーチストなので、今回の撮影は気合い入れたい。そして願わくば、その後も何かと映像作品でコラボなどやってみたい。今回はライブ映像だが、そのうち映画などもいいね。

 数週間前、友達に一度に8つほどSNSに紹介され、わけのわからない状態になっている。一応、ミクシィがメインなのは変わらず、他のは適当にまあ人間観察と人材発掘を目的にたまにアクセスしているが、これまで特に目立った動きはなかった。
 ところが、今日になっていきなり参加している飲み会コミュニティの主催者から歌舞伎町でオフ会があると知らせがあり、ちょうど就職したてでストレスらしきものもたまってたし、明日も休みなので、飛び入り参加してみた。
 ちょっと顔出してすぐ帰るつもりが、なかなかおもしろい人たちばかりで、2次会のカラオケまで嵌り、結局朝までおつきあいしてしまった。おまけに朝ラーメンまで食って午前様である。まいったが、楽しかった。

2007年 7月 2日 (月)
 友達のフェルト作家の橘さんが、鎌倉文学館で開催されている澁澤龍彦展に行きたいと言うので、つきあいでご一緒した。なんでも友達に澁澤マニアがいて、澁澤を今まで知らなかったので、勉強したいとのことらしい。こちらもサドマニアだけに、まあ興味あるジャンルには違いない。
 由比ケ浜で待ち合わせて鎌倉文学館に突入。わりと狭かったが、澁澤の生原稿やら草稿やらメモ書きやらコレクションやら写真やらいろいろあって、それなりにはおもしろかった。
 せっかく鎌倉に来たので、海を見にいった。俺は海を見るのがとてつもなく好きなのだ。今日の海は心無しか元気がなかったが、潮風にあたってそれなりには気持ちよかった。

カレーうどん 洗濯に行ったついでに先日つぶれたポットカレーの跡地にカレーうどん専門店「千吉」がオープンしていたのを発見し、チェック・イン。
 かなり上品な味わいで若干たよりないが、うまいことはうまい。全品に半ライスがついており、残った汁にご飯を入れてカレー雑炊が食える。俺は残った汁をゴクゴク飲むのが好きなので、だからなんだ、としか言い様がないサービスだが、人によってはよいことかもしれない。

2007年 7月 3日 (火)
 キューブリックの遺作「アイズ・ワイド・シャット」を見た。
★ キューブリックらしからぬ、スケールの小さいナンテことの無いお話し。しかしキューブリックらしく、それを大仰な映像表現でゆったりと描くので、ポルノ映画を見にポルノ映画館に入ったら、スーパーVIPボックスシートに座らせられオペラグラスを覗きながら鑑賞させられたような居心地の悪さを感じた。最初のパーティーのシーンなど、時間かけすぎだ。
 演出が変にリアリティ無かったり、随所がやたらクサかったりするが、これはこれでいいのだろうか。考えてみたらキューブリックはここ数十年、普通の現代社会の人間模様を描いたことがなかった。「フルメタルジャケット」では狂気の戦場、「シャイニング」は山奥の閉鎖された環境に閉じ込められた家族、「バリーリンドン」は中世のヨーロッパ、「時計じかけのオレンジ」は管理社会の極度に進んだ近未来、「2001年宇宙の旅」は宇宙ステーション、「博士の異常な愛情(以下略)」は国家のトップ。
 これまで感じたことの無いこの違和感は、キューブリックの演出力が特殊な環境や世界観の中でこそ発揮されるものだからなのかもしれない。とくにマリファナを吸って喧嘩するシーンはリアリティに欠けてていけない。
 ラストはキューブリックの使う手口にしては普通だと思ったが、よく思い出してみると、「シャイニング」のラストもこのレベルだったっけな。

2007年 7月 4日 (水)
 今度初めて音楽のライブ撮影をするので、仕事の合間とかにあちこちネットを見て勉強している。気合いだけは入っているのだが、いまいちちゃんと撮れるか自信ない。
 現在、借金のカタに友人から預かってるカメラと自分の合わせて2台所持しているので、2カメで撮影できるのだが、1台は押さえの固定で、もう1台をメインにあれこれアングル変えたりして撮影するのはまず基本てことで、あとは曲の内容やライブハウスの照明に合わせてどれだけ綿密に計画を立て、尚かつ当日アドリブでより効果的なカメラワークを追求できるかという話しになると思われる。
 こんなことより早く新しい映画を撮りたいのだが、ライブ撮影もやったらやったで楽しいからきっとまたやりたくなるんだろうな。

2007年 7月 5日 (木)
 編集長に外で働いてると言ったら「らしくない」と言われた。そうかもしれないが、ある意味、らしくないことを甘んじて受け入れ、普通にこなす様が逆にらしいと言えないこともないかもしれない。

2007年 7月 6日 (金)
 出向先では30坪ほどもある事務所にひとりで仕事している。気楽なシチュエーションだが、仕事は死ぬほどあるのでサボる気にもならない。
 しかしこの決まった時間から決まった時間まで出勤するというのがどうにもしっくりこない。俺はこれまで、仕事を始めたら軌道に乗れば十時間でもぶっ続けで仕事したし、気分が乗らなければすぐ止めて寝たりめしを食ったりしていた。
 その時間は必ず仕事をせねばならず、更に一日に必ず二回、移動で作業が中断され流れがリセットされるなんて、俺のペースでは有り得なかった自体だ。
 だからと言って仕事がはかどらないかと言えば、そうでもなかったりする。時間の神秘である。

2007年 7月 7日 (土)
 霊感占い師のあたる大先生と6時間にも及ぶ長電話。
 仕事のことで占ってもらったが、経済的にすっかり限界を超えているように見えて、ちっとも深刻な事態ではないと彼女はおっしゃる。俺もそう思うので、当たっていると思った。
 恋人はいつになったら出来るかと聞いたら、あと1〜2年は無理だそうだ。これは外れると思う。外れるに違いない。
 電話の最中、15年前に亡くなった祖父が出てきてくれたらしく、間接的にだが15年ぶりにコミュニケーションがとれて、非常に感激した。祖父はたまに事務所の右後ろあたりから俺が仕事をしているのを眺めるのが好きなのだそうだ。あと洋画が好きだった祖父らしく、洋画の話しをしていた。
 なるほどと思ったのは、俺は前世のひとつで道教を信奉していたのだが、当時の道教が古今東西の様々な宗教や思想を取り入れ、実体がわからなくなっており、その中で自分を見失い、真理を求めるためにインドへと旅だったことがあるそうだ。結局インドには辿り着いたのだが、思考は真理に至る前に、死んでしまったらしい。俺が老子や荘子の思想に一番しっくりくるものを感じるのも、インドへ限りない憧れを感じるのも、そのせいかもしれない。

2007年 7月 8日 (日)
 朝まで楽しい編集作業。以上。

2007年 7月 9日 (月)
 一日中楽しい編集作業。以上。

2007年 7月 10日 (火)
 勤めの帰り、こないだSNSで知り合った呑み仲間が新宿で呑んでるとの情報をキャッチし、合流した。
 下関マグロさんの共通の友達がいて、意気投合していきなりマグロさんを電話で呼びつけ、皆でわいわい呑んだ。ちょっと小一時間くらい呑むつもりが楽しくて、深夜1時くらいまで呑んでしまった。
 こうして毎日7年ぶりのサラリーマン生活を送っていると、会社と自宅をいったりきたりの生活に、憤りを感じてくる。こないだまでは、好きな時に仕事し、好きな時にめしを食い、好きな時に寝、な生活を送っていた。
 まあ、あまり深刻なストレスは感じてないのだが、なんだか今までの人生で例のないほど、人と呑んで語ることに楽しみを感じはじめている。通勤生活の賜物以外の何者でもない。
 なるほど、飲んだくれのサラリーマンとはこうして生成され、育成され、形成されてゆくのだな。
 どうせ一時的なことだと思うし、これもまた人生の学びである。

2007年 7月 11日 (水)
★★★★★ 最近スタンリー・キューブリックのDVDをまとめ買いして、毎晩貪るように観賞している。とりあえず「時計じかけのオレンジ」と「シャイニング」と「フルメタル・ジャケット」を見た。
 自主映画の編集作業をやってて、どうもカット割りにメリハリが無いと思い、これは編集の勉強しなければならんなと。編集の勉強だったらキューブリックあたりが良いかと思い、にわかにキューブリックにハマっているわけだが、特に15年ぶりに見た「時計じかけのオレンジ」に新たな感銘を受けた。
 「時計じかけのオレンジ」を初めて見たのは高校の頃、名画座だったが、あの頃の俺は映画通ぶって、映画は必ず一番後ろの席で見るなどという意味の無い習慣があり、しかもその時の上映では字幕がやたら見辛く、ほとんどセリフがわからなかった。その後アメリカでビデオを購入したが、その時ももちろん字幕なし。考えてみれば、字幕をちゃんと読んでセリフを把握したのは実に今回の観賞が生まれて初めてだったと言える。改めてじっくり見直してみても、つくづく画期的な映画だ。

2007年 7月 12日 (木)
 また仕事帰りにゴールデン街で呑んだ。最近すっかりゴールデン街づいている。最大の縁はレイさんというフリーのカメラマンで、彼女と話していると、これまでの人生で歩んできた経験や趣味がかぶっている。だいたい学生の頃から白夜書房に憧れていた女性って実在したのか。共通の知り合いがたくさんいて、歳も同い年、住居も歩いて15分、育ちは埼玉、これまで俺が参加したイベントでも何気にすれ違っていたらしい。出会うのが遅すぎたのか、それとも別々に縁を熟成させてから満を持して巡り会ったのか。ただ似ているのは表層だけで、根本的な人間性はかなり違うし、住んでる時空も微妙にズレている。バランスよいな。

2007年 7月 13日 (金)
★★★★ 一昨日に引き続き、キューブリックの「フルメタル・ジャケット」を見た。公開当時は「ブラトゥーン」や「ハンバーガーヒル」やついでに「ランボー」なんかに押されて「う〜ん…」な評判だったが、結局歴史に残ったのはこの作品だった。さすがキューブリック。映画も至極わかりやすくておもしろい。クライマックスの戦闘シーンはひとつひとつのカットが背景の隅々にまで丁寧に計算されていて、巨匠のこだわりを感じる。

2007年 7月 14日 (土)
 笛田さおりプロジェクト第1弾。皆で機材を持ち寄り、シンガーソングライターの笛田さおりさんのライブを撮影して音楽映像作品を作ってしまおうという企画である。
 出向先を早引けして、新宿のアコースティック系のライブハウス・アートプレイス新宿に到着した。喫茶店でミーティング的雑談をし、笛田さおりさんに挨拶し、ライブハウスに突入。笛田さおりさんのリハを見ながら三脚を立てて位置を確認し、カメラをチェックした。その後、近くのジョナサンでめしを食い、ドリンクバーで自作カクテルを飲みながら(コーラ+メロンソーダ、コーラ+メロンソーダ+ジンジャエール、ジンジャエール+爽健美茶、等)雑談的雑談をくりひろげた。
 さて本番。俺は2台のDVX100Bで撮影したのだが、思ったよりライブハウスにスペースがなかったので、当初の予定を変更し、1台のカメラのみ三脚に固定で、もう1台は手持ちで撮影した。この日のためにエキストラの三脚をレンタルしてきたのにもったいない。しかも照明が悪く、グランドピアノの位置からはアーチストの顔が影で隠れてしまうのだ。
 狭くて動けないので大したカメラワークも出来ず、照明は当てるべきところに当たらず、満足な画がぜんぜん撮れなかった。一応、俺の2台とメンバーのカメラ合わせて4つのアングルから撮影したので、編集の勝負ということになろう。
 イベント後、またジョナサンで撮影したテープを断片的にチェックしながら、雑談的ミーティング。ホットケーキを食ったら、食い方のプロセス的な部分で、前回ジョナサンでホットケーキを食ったときと同じ過ちを犯した。(だからなんだ)
 それにしても本日の笛田さおりさんは気合いが入ってて、ライブそのものはよかったな。

2007年 7月 15日 (日)
★★★☆ 園子温監督の映画「うつしみ」を見た。初めて園子温さんの映画を見た。
 初っぱなからかなり変化球を見てしまったという感じだが、その破天荒な実力はひしひしと伝わってきた。しかしまだまだこんなもんじゃなかろう。
 部分的に軽く近親憎悪を感じたりする。

 恐らく、来週も、俺は園子温さんの映画を見る。

2007年 7月 16日 (月)
★★★ 「ひなぎく」という1966年のチェコスロバキア映画を見た。監督はヴェラ・ヒティロヴァーという女性監督。
 映像センスがすごい。60年代にこんな映画がまだ眠っていたとは知らなかった。
 こういう、感覚的な表現が主体の、人間がデザインの一部みたいな扱いの映画は好きではないのだが、たまには刺激になってよい。

2007年 7月 17日 (火)
 久々の2連休。
 動画の取り込みしたり、編集したりしてすごした。
 休みの日にも仕事をしているようだが、編集は楽しいので、俺にとっては遊びと同じなのだ。

2007年 7月 18日 (水)
 仕事が多すぎて追いつかない。
 金がない。
 仕事が忙しすぎて金を儲ける暇がない。
 この先いったいどうなるのか検討がつかない。
 とりあえずの答えは給料日だけが知っている。

2007年 7月 19日 (木)
★★★★★ 久しぶりにまとまった金が入ったので、コンビニの弁当が食えた。それまで、この1週間くらいの食費は五百円ほどだった。いったい何を食って生きてたのかというと、キャベツ、米、お中元で頂いた佃煮、レトルトのチキン・ハンバーグ、ブルボンのガトーレーズンなどである(最初のふたつでほぼ九割を占める)。
 ちなみにブルボンのガトーレーズンは最近一番気に入っているコンビにのお菓子である。

 夜、寝床で創作意欲がいきなり湧いてきて、仕方なく携帯で脚本を書きはじめた。こんな時、携帯って便利だ。
 ちなみに、どうも俺は手書きの文章をタイプで打つと気が萎えてきてしまうので、手書きで文章を綴るということがなくなった。

2007年 7月 20日 (金)
 夕食はレイさんに借りた超残酷SMのDVDを観賞しながら、そうめんを食った。かなりスプラッターな映像が満載で、ゲロゲロだったが、そうめんはうまかった。焼肉弁当とかだったらとても食えなかったに違いない。

2007年 7月 21日 (土)
 園子温監督の初期作品「自転車吐息」を見た。
★★ 80年代の映画で、リアルタイムで見ていたらそれなりに感銘を受けたかもしれないが、いま初めて見てしまうと全編を漂う80年代臭さが鼻について、インパクトを覆い隠している。
 これはあれだ、演歌が好きなオジサンから見ると、現代のニューミュージックはどれも同じような曲に聴こえるし、現代の若者から見ると、演歌はどれも同じような曲に聴こえる現象に似ている。オジサンにとっては演歌は一曲一曲違うし、若者にとってのニューミュージックも同様だ。つまりは、芸術作品と鑑賞者の間に意識的なり時代性なりの距離があると、個々の個性より全体の特徴の方が印象の面で勝ってしまうのだ。
 園子温がそこいらの平凡な才能の監督だったらまだ80年代の雰囲気を素直に楽しめもしただろうが、その鋭い感性が80年代という名の糞にぬりたくられ異臭を放っているとくれば、おもしろくないのも道理と言える。
 特にこれは70年代のATG映画あたりの雰囲気に似ているので余計、風化ぶりが激しい。しかしラストなどはとてもよかった。

2007年 7月 22日 (日)
 高田馬場ミニシアター「ババチョップ」にて自主映画上映会。
 いつも夕方5時半から短編をいくつか上映し、9時から自主映画のワークショップ、その後、飲み会という段取りだが、俺は8時まで働いてるので、今日は9時からの参加だった。
 今日はワークショップは休みで、シアターの主催者の宮田さんが監督した自主映画「劇団デボ」が上映された。
 俺は仮編集の段階で一度見た(6月10日の日記参照)が、完成品はそれほど変わった印象はなかった。
 上映会の後、場所は移動せず、そのままシアターで飲み会。へそまがりな小原さんも来ていて、久しぶりに話しができてよかった。
 終電間際に帰った。

2007年 7月 23日 (月)
★★★ 土曜に録画した「エンタの神様」を見ていたら、カイハラさんという女性お笑い芸人が出演してて、驚いた。
 彼女は去年、ぶらっきぃ!さんがスタッフをやっていたお笑いライブで見たことがある。ネタもまったく同じだ。
 あの時はそれなりにおもしろいと思った覚えがあるが、まさかいきなりエンタでメジャー・デビューするとは思わなかった。

2007年 7月 24日 (火)
 映画「ドッグヴィル」を見た。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督。
 坂口安吾のエッセイに、田舎の人々は純粋で素朴だとか言われるがそれは間違いで、田舎の人々ほどズルくて陰険で始末に負えないものはない、みたいな内容のものがあったが、この映画に最も似ている他の芸術作品をあげるとしたらそれだろう。
 主演がニコール・キッドマンてところが意表をついてて良い。トリアーの人間演出は好みだ。
★★★ すべてスタジオで撮影され、閉鎖された田舎を表現するコンセプトは最初はインパクトがあるが、だんだん見慣れてくると、フェリーニの「カサノバ」があったじゃないか、なんてヤボなことを思い出してきてしまう。スタジオのセット撮影だけでヴェネチアを表現する方がよほどインパクトがあったもんだ。
 ラストは普通で、衝撃にまでは至らない。ここらへんはどうしても「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と比べてしまう。それほどあの映画は画期的で衝撃的だった。
 次はこの映画のメイキング「ドッグビルの告白」が見てみたい。そっちの方がおもしろそうだ。

2007年 7月 25日 (水)
 フランス映画「汚れた血」を見た。
 映像が美しい。特にライティングが良い。
★★★ 最初の方は犯罪ドラマかと思ったが、途中はダラダラとした人間模様が続く。クライマックスでいよいよ犯罪シーンとなるが、それまで長時間ひっぱってきた割には、あっけなく、ラストはやはり人間模様で終わり。
 ところどころおもしろく、主人公がデビッド・ボウイの曲にのって走るところなど、印象に残るシーンは多い。
 「キリング・ゾーイ」に出ていた女優さん(画像)が助演で、若くて美しかった。

2007年 7月 26日 (木)
 給料日。
 毎月この日は、朝から気分が重い。身体も重い。目が覚めてもベッドからなかなか起き上がれず、歯を磨いても歯ブラシが重く、歩いても足が自分のものでないように重く、鞄もいつもよりひときわ重く、外に出てゆくドアノブも重い。本当にすべてが嘘のように重い。
 重い身体を引きずるようにして、銀行に向かう。歩きながら、生きるってこんなに重いことなのかと、しみじみ思う。金を卸し、なけなしの札束を封筒に入れ、銀行の自動ドアをくぐりながら預金通帳を覗き込むとき、一気に全身の力が抜け、それまでの重さが嘘のように軽くなる。脱力感てやつである。
 社員に給料を払ったり、暫く歩いていると、既に映画制作やその他の創作活動のことを考えはじめている。数時間後からはもう普通の日々に戻る。
 まあなんとなかるさ、それより次回作、どうしよう。
 仕事ももちろん、がんばろう。

2007年 7月 27日 (金)
 夏バテでもないのに二日連続で鰻丼。

2007年 7月 28日 (土)
 最近親しくしている写真家のレイさんが、緊縛写真を撮影するため、立花マリさんに師事して緊縛を習っているのだが、なかなか練習する機会がないというので、今日、練習台に志願して縛られてみた。麻縄緊縛初体験である。もちろん服の上からだ。
 縛られながら、これはあれだ、黒澤明の「羅生門」で三船敏郎が縛られていた形と同じだと気がついた。これが緊縛の最も基本的な形らしい。
 江戸時代(?)から脈々と受け継がれてきた日本の文化を感じたな。

2007年 7月 29日 (日)
 徹夜で編集。

2007年 7月 30日 (月)
 レイさんに誘われて、某SNSのSM愛好会みたいなコミュニティの「秋葉原で着衣緊縛イベント」というのに撮影隊として参加。秋葉原の歩行者天国で、服を着たまま緊縛して遊ぼうという、「みんなで○○れば恐くない」の類いの企画である。なんだか最近、SMづいてるな。
 主催者のミウカさんは赤いハイヒールが印象的な美しいM女性。1歳半の女の子がいて、ベビーカーを押しながら登場。お子さんは未来の女王様として英才教育をしているらしく、子供のくせにあまり笑わないキッとした目つきなどは既にその兆しが垣間見える。ついでに数日前に妊娠が発覚し、もちろんお腹の子も平凡な人生じゃ済まされぬであろうだけに、まだ二十代にして未来のSM界の人材育成に貢献している感じである。
 まずはデニーズでお食事。参加者は他に和服の似合うSMマニアの鬼畜さん、美しくグラマラスな猫顔の女性、そしてその他数名の男性陣であった。
白昼夢 とりあえず秋葉原の歩行者天国にくりだした。適当な場所を決め、おもむろに縄を取り出し、鬼畜さんがミウカさんを縛りはじめた。俺はカメラを回した。みるみる人が集まってきて、辺りはそれなりの人だかり。縛り自体はソフトなものだが、秋葉原の街中には白昼夢のような光景に見える。人だかりから「見てみて、イリュージョンやってる」と声が聞こえたが、残念ながら、縄抜けは、しない。縛るだけである。
 縛りが終わってすぐ、警察が飛んできて、怒られた。別に脱いでるわけではないし、街中で人が人を縄で縛ってようがそれは個人の自由には違いないが、一応ホコテンでのイベント・大道芸の類いは禁止になっているので、交通の邪魔になるという名目で、警察はやってくる。警察も警察で緊縛が終わるまで遠くで見ていて待ってくれてたりするので、そこは一応、警察は警察の仕事をしなければならないだけのことで、お約束というやつだ。とりあえず理解ある警察官でよかった。
 ずっとカメラを回していたが、実に良い画が撮れた。
 イベント後、皆でカラオケ。椎名林檎を歌うミウカさんの声がセクシーでびっくり。未来の女王様はだんだん馴れてきたようで、最後は結構笑っていた。
 午後4時半すぎ、レイさんと秋葉原を後にした。

 午後5時すぎ、自主映画監督のヒノモトさんと合流し、アルタ地下のミスドでミーティング。
 彼は2年ぶりに新作にとりかかることになり、出来る範囲で協力することになったのだ。

 午後6時すぎ、月一回の表現者同士の飲み会「大縁会」にレイさんとヒノモトさんをひき連れ参加。
 今日の参加者は主催者で俳優の愉快さん、最近Vシネで商業デビューが決まった阿部監督、歌手の女性、仮面ライダーマニアの声優・サバキさん、そしてわれわれの7人である。
 カツカレーの話しがちょっと長過ぎたが、いつもながらこじんまりとした良い宴会であった。

 夜11時頃帰宅。
 秋葉原着衣緊縛撮影会を少し編集したが、これはドキュメンタリー作品としてなかなかよいかもしれない。

2007年 7月 31日 (火)
 仕事でやってるサイトをあちこちリンク貼りまくったら、目当てのキーワード検索でGoogle第三位にまであがった。喜んでいたのもつかの間、クライアントの要望でページに含まれるキーワードをちょっと増やしたら、1日にして検索結果から完全に消滅した。
 今は具体的なサイト名を入れてさえ、いっさい検索にひっかからない。
 あれだけのことでスパムと見なされるなんて、ちょっと厳しすぎやしないだろうか、Google。てゆうか、本当にあれが原因だったのだろうか。
 最近、インターネットというやつに、裏切られ続けている。
 先日もYouTubeに動画をアップしたら、すぐに削除された。どこが規制にひっかかったのかさっぱりわからない。
 インターネットの日向は冷たい風が吹いている。


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