非幻想異端的日常
2007年 9月 1日 (土)
 動画編集。パソコンの液晶画面で、しかも編集ソフトのプレビュー映像で、機種も設定も異なる複数のカメラで撮影した映像の画質を合わせる作業など、難しいというより不可能に近い。ということがわかった今日この頃。

2007年 9月 2日 (日)
 レイさんがSNSで「朝イチでエヴァンゲリオンの映画を見に行こう!」イベントを立ち上げてたので一も二もなく参加。もともと今日、見に行くつもりだったのだ。招待券もあったし。
 朝イチの予定だったが、俺も含め参加者ほぼ全員寝坊で、結局2時からの回で見た。参加者はレイさんの他に美女がふたり。レイさんと親友づきあいするようになってから、周囲の美女度がぐっと上がった。

★★★★★

 で、見た。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」。今回、庵野さんは脚本と総監督のみで、監督は別の人。それだけにこれまでのエヴァの独特のカット割りや映像センスが押さえられ、ストレートにただひたすらアニメとしてのクオリティの高さで勝負している。
 本当にマジでクオリティが高い。おもしろいわ、わかりやすいわ、うまいわ、盛り上がるわ、こういうド真ん中にいつのまにか空いてた隙間を直撃するような意表の突き方が、まさに天才的。
 これまでエヴァをまったく見たことなかった人も、安心してまっ白な気持ちでこの映画からスタートしてもらって、まったく問題ない。
 個人的には、この映画はエヴァを初めて深く理解できた記念すべき作品となった。考えてみたら俺がエヴァに接したのはこれが十年ぶり。あれから俺も十年歳を食い、十年分の経験を重ねてきた。十年前ではわからなかったこと、いや、わかってないことにさえ気付いてなかったことが、改めてわかったような気がした。それはこの作品の魅力を支える闇の部分に深くかかわることである。物語の闇と、人の心の闇である。
 新劇場版は4部作になるとのことで、この1作目はテレビ版の6話までを焼き直したもの。すると2作目と3作目で7話から最終回までを扱い、最後の4作目で完結編が描かれることになるのだろうか。そう考えると、この新劇場版シリーズは、出来が悪かった(と思う)十年前の劇場版の完結編を違った形で一からやり直そうとする試みなのかもしれない。少なくとも俺にとってはそんな気がしている。
 ネットで庵野監督の素敵なコメントを見つけたので転載したい。

 “「エヴァ」はくり返しの物語です。
 主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話しです。
 わずかでも前に進もうとする、意志の話しです。
 曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話しです。
 同じ物語からまた違うカタチへ変化していく4つの作品を、楽しんでいただければ幸いです。”



 映画鑑賞の後、一番街の「東京スープカレー歌舞伎町店」で食事。
 店名に“スープカレー”と謳っているが、スープカレー専門店というより、普通のインド料理屋である。メニューには普通のインド料理が並び、一応申し訳程度にスープカレーも扱っている。
 つまり、まあどうせインドカレーは水っぽいからスープカレーみたいなもんだし、“インド料理”より“スープカレー”の方が一般ウケするから、スープカレーの店ということにしちゃえと、でも本当のスープカレーも扱わないとわかる人にはツッコミが入ってしまうので、一応生粋のスープカレーも少しはメニューに入れようと、そういうことだと思う。
 スープカレーは好きではないので、インド料理のセットを頼んだ。サラダ、キャバブ、タンドリーチキン、カレー2種(チキンとダール豆)、ナンとライスのオーソドックスなセットで、味も普通だった。

2007年 9月 3日 (月)
 わりと好きな作家である嶽本野ばらさんが大麻で逮捕されたと聞いて、ショックを受けた。こういうニュースを見ると、誰にも迷惑をかけていないのに法で罰せられている人がいることが理不尽で、憤りを感じる。それが好きな作家なら尚更だ。

2007年 9月 4日 (火)
 最近ゴールデン街で飲み歩いているうちにトンでもないプロジェクトが回りはじめた。なんとゴールデン街を舞台に、ゴールデン街で働く人たちとゴールデン街で飲み歩いている人たちだけを俳優に使って、コメディ・ホラー・ミュージカル自主映画を制作しようというものだ。立役者はゴールデン街の人間分岐点とも言えるべきレイさん。脚本・監督・撮影・編集はもちろん俺だ。映画の制作会議はすべてゴールデン街での飲みで行なわれる。
 そんなわけで本日、映画制作の本拠地となるシネストークYOYOにてオーナーの田代さんと初対面し、映画制作の許可を頂いた。今日は少し調子が悪くてあまり深くはお話しできなかったが、とりあえず制作のゴーサインが出たので、まずは第一歩である。ちなみに田代さんは嘗て深夜放送などで活躍し、「いってみるく」という流行語まで産み出した元有名女優である。ついでに出演許可も頂いた。スゴい映画になりそうな予感。
 主演はYOYOの従業員であるイノッチさんという現役女子大生美少女。今日、紹介され初めてお会いしたが、話してみるとなんとかの笛田さおりさんと親友だった。実は現在、並行してもうひとつ笛田さおりさんを原作・音楽・主演に自主映画を撮るプロジェクトが別で進行中なのだ。
 同時に進行しているふたつの自主映画の主演女優候補が親友だったとは、なんたる偶然であろうか。これが女優さんなら有り得る話しだが、ひとりはシンガー・ソング・ライター、ひとりは普通の女子大生なのだ。
 2007年後半はかなり忙しくなりそう。長編自主映画の制作が2本と、本業は会社経営とバイトが2カ所。
 てゆーか、可能なのだろうか。

2007年 9月 5日 (水)
★★ 園子温監督の日本映画「奇妙なサーカス」を見た。
 これまで見た園子温さんの映画では一番おもしろいほうだった。やっぱりちょっともたいが。
 エログロ変態サスペンスですな。

2007年 9月 6日 (木)
 出向先から給料が出ないので、出勤日を週6日から週4日に減らした。
 如何ともし難い。

2007年 9月 7日 (金)
黒澤 父と妹と食事。
 場所は永田町の料亭・黒澤。この店はその名の通り、かの黒澤明のご子息がやっているお店で、店内は黒澤明映画の当時のポスターやら黒澤の描いた絵コンテやら撮影で使われた小道具やらがひしめき合うように展示してある。
 料亭といってもほとんど黒澤明博物館と言ってもよいほどの密度の濃さ。割り箸や箸置き(画像左上)などにも黒澤の美術が効いている。
 メニューは黒澤の好きだった肉料理が中心。鹿児島直送黒豚や黒牛のしゃぶしゃぶ(画像右上)などをゴチになった。ちなみにわれわれの席のすぐ側には「影武者」の絵コンテ(画像左下)と武田信玄の鎧兜とポスター(画像右下)があり、実に「影武者」度が高かった。
 黒澤に囲まれ、うまいものをたらふく食えるなんて、たいそう素敵な店もあったもんだ。日頃の食生活を思うと、まるで白昼夢を見ていたかのようなひとときだった。

2007年 9月 8日 (土)
 ゴールデン街にてレイさんと自主映画(9月4日の日記参照)の制作会議。あるいは飲み。
 談SINGシネマにて店長さんに出演交渉。承諾。
 虎の穴に移動し、店長さんに出演交渉。承諾。ちなみに虎の穴で初めて飲んだが、店内に巨大な龍の飾りがあったり、プロレスの映像が流れてたりして、俺好みの店だった。ブルーザー・ブロディをひさしぶりに見たな。
 とりあえずこんな感じでゴールデン街の強者たちを巻き込みながら、飲み歩いている。俺は週に1度かそこらだが、レイさんはほぼ毎日これをやっているらしい。えらい話しだが、お陰でどんどん人材が集まってきた。今回の映画は基本的にレイさんの映画なので、俺は彼女の作った枠組みに素材を美しくあてはめるのみである。魍魎の匣のような作業なのだ。
 最後はYOYO。今日のシフトはくまさん(女性)。彼女も今回の自主映画の主役のひとりである。今回の自主映画はYOYOおよびそのチェーン店のシネストークで働く女性7人が主役になる予定なのだ。
 店が終わって、レイさんとくまさんとあと客がひとりの四人で、カラオケに行った。

2007年 9月 9日 (日)
 園子温監督の邦画「自殺サークル」を見た。最近とくに好きでもないのに頓に見ている園子温だが、今のところこれが一番おもしろかった。彼の映画はいつも胃にもたれるが、これはあまりもたれなかった。なにが違うのかはよくわからないが、キャストは少し関係あるかもしれない。なにせ永瀬正敏も出てるのだ。他にもいい俳優が出ている。驚くほどヘタな俳優もいたけれども。
★★ 冒頭の54人の女子高生大量自殺シーン(画像)は圧巻!と言いたいところだが、部分的に稚拙だったりしてグロさが先に立ち、名シーンとまでは今一歩のところで届いていなかった。方向性は間違っていないと思うのだが、残念。
 こう考えてみると、グロさと稚拙さは比例するものなのだな。「ネクロマンティック」があれだけグロくて尚も観賞に耐えられるのは、ブットゲライトの演出の上手さの賜物だと言える。
 あと置いてけぼりな要素が多すぎる。血だらけで玄関に出てきた刑事の娘はようするにどうやって死んだのだ。途中経過に置いてけぼりが多いから、ラストもなんとなく置いてけぼりなラストに思えた。途中がキッチリしてたらラストの曖昧さは生きてたかもしれない。

2007年 9月 10日 (月)
 ゴールデン街。YOYOにて制作会議(飲み)。本日のシフトは主演のイノッチ。客で最近出演が決まったラーイさんがいた。
 映画制作の話しが決まってから、ゴールデン街で飲む頻度がさらに増えた。増えたと言っても月イチが週イチくらいになった程度だが、あまり飲まない俺にとっては大きな変化だ。

2007年 9月 11日 (火)
 バイト。激眠。スケバン刑事。論文。

2007年 9月 12日 (水)
★★★ 香港ホラー映画「ドミノ」を見た。カレン・モク、スー・チー主演。キャスト的にはなかなか美味しい。
 最初から畳み掛けるような安っぽい驚愕描写の連続だが、香港映画らしいと言えば楽しくもある。カラーなど「サスペリア」の猿真似で、恥ずかしげもない。
 ドミノ倒しのように、ひとつの恐怖がまたもうひとつの恐怖へと繋がってゆく形で、3つの短編ホラーをつなげたようなストーリーはそれなりに考えてあってまあなかなか悪くはない。

2007年 9月 13日 (木)
★★☆ こないだTSUTAYAの中古ビデオで250円で買った「OH!ベルーシ絶体絶命」のビデオを見た。今は亡きジョン・ベルーシ主演の80年代前半に制作された恋愛映画である。それにしても、クソ邦題もここまでクソだと逆に気持ちが良いな。
 ジョン・ベルーシ主演なのに真面目な恋愛映画というところがおもしろい。演出がいかにも80年代って感じに古臭くて、見ていてちょっと恥ずかしくもあったりして、そこがまたおもしろい。つまり詰まらないところがおもしろい。ラストはそれなりに普通の恋愛映画と比べて予想のつかない新しい結末が用意されていて、なるほどと思えた。
 ベルーシの演技は様になっているようで、それまでの彼のコミカルな演技を重ねるとやはりなんとなく違和感があって楽しい。
 まあこんな詰まらない映画もたまには良いってことだ。

2007年 9月 14日 (金)
 バイト初日。疲れた。いろいろな意味で。

2007年 9月 15日 (土)
 バイト2日目。少し馴れた。でも疲れた。

2007年 9月 16日 (日)
 ゴールデン街。YOYO。
 自主映画の脚本執筆に必要なイメージを膨らますため、こうしてゴールデン街に訪れ、出演者の顔を見ながら飲み、ついでにネタ拾いも兼ねている。今日はミズホさんとクマさんとヤマダさんがおった。

2007年 9月 17日 (月)
 コンノさんの自宅で音楽で映画をつくるコミュのミーティング。ちなみにコンノさんの家は今にも崩壊しそうな昭和50年代のボロアパートみたいな外観に、中はハイテクでシンプルでこぎれいな部屋が広がっているという、コントラストが素敵な住居だった。
 先日撮影・編集した笛田さおりさんのライブ映像をプロジェクターの大画面でチェック。結局ライブ映像は俺の編集とコンノさんの編集を合体させることになり、その場で編集から完成までこぎつけた。
 とりあえずこれでライブ映像制作が一段落ついた。まだ片付けないといけない編集作業が少なからずあるので、なかなか自主映画に集中できないが、ひとつ減ってかなりホッとした。

2007年 9月 18日 (火)
 ヒノモト監督の自主映画「夏を終わらせる儀式」のクランクアップに撮影として参加。こんなに忙しいのに人の映画制作に参加しているところが、我ながら理解できない。
 今日は前回の撮り残しを片付けるだけという話しだったが、夕方5時くらいからまた夜9時すぎくらいまでかかった。こりゃもう、前回の撮影は明らかに終わるはずなかったな。
 この作品、脚本はあまり好きではないが、俳優さんは良い人がかなり揃っていた。特に主演女優さんは素材としては特に俺の好みではないが、演技の感じが好みで、少し創作意欲をかきたてられた。
 とにかく無事クランクアップしてよかった。

2007年 9月 19日 (水)
★★☆ こないだ中古ビデオで買ったコメディ映画「トップ・シークレット」を見た。「フライング・ハイ」で一世を風靡した三人トリオが放った第二弾。
 前作と比べてクオリティはかなり落ちるが、クライマックスの牛のギャグは大笑い。だったはずだが、17年ぶりに見てみたらそれほどでもなかった。

2007年 9月 20日 (木)
 いきなり呼ばれて飛び出て午後イチから新橋でパソコン関係のヘルプと今後の打ち合わせ。午後は出向。夜は渋谷で最近独立したS社のTさんとお茶しながら新しい仕事の打ち合わせ。今後の展開次第ではささやかながら毎月の固定収入になるかもしれない。
 連日あちらこちらで働いててタダでさえ疲労がたまってたところに、今日は一日三カ所動き回って限界ギリギリだった。こんな一分一秒刻みでやることやってる日々ってのも凄まじい忙しさだが、とにかく早く解放されたい。余裕がほしい。

2007年 9月 21日 (金)
 こないだ中古ビデオで買った映画版「呪怨」を見た。
 見終わって、ビデオをデッキからとりだし、ゴミ箱に捨てた。

2007年 9月 22日 (土)
 こないだ中古ビデオで買った映画版「呪怨2」を見た。
 見終わって、ビデオをデッキからとりだし、ゴミ箱に捨てた。

2007年 9月 23日 (日)
 バイト後、東新宿の猫膳でレイさんその他と合流し、コロッケをつまみにビールを飲んだ。そしてゴールデン街へ。この度の自主映画の出演者であるミズホさんとエリさんがいた。ふたりとも最近、俺が途中まで書いた脚本を読んでくれたそうで、これからが楽しみですとお世辞かもしれないが嬉しい言葉をいただいた。
 これまで自主映画のネタ拾いにこうしてせっせと俺にしては珍しくゴールデン街に通っていたのだが、今日からついでにiBookも持参して飲みながらたまに人としゃべったりしつつ、その場で脚本も執筆することにした。うるさくてたまに思考が途切れるのが少し問題だが、それなりにははかどる。

2007年 9月 24日 (月)
 ゴールデン街二日目。
 YOYOで飲みながら脚本を書いてたら、この度の自主映画の主演女優イノッチさんが客でやってきた。その場で途中までの脚本を読んでもらった。

2007年 9月 25日 (火)
 ゴールデン街三日目。
 シネストーク、YOYO、クナイブラザースと回る。

 三連休だったので三日連続でゴールデン街に入り浸っていた。
 この三日間で脚本を八割以上終わらせようと気合い入れていたのだが、無理だった。まだまだ変更しなきゃいけないトコいっぱいあるし、考えなきゃいけないコトもいくつかある。

2007年 9月 26日 (水)
★★ こないだ中古ビデオで買った「メル・ブルックスの大脱走」を見た。メル・ブルックスのファンである俺が何故か今まで見たことなかったこの名作。
 第二次大戦中ナチ占領下のポーランドの劇団が、演技力を駆使してナチを混乱に陥れ、大脱出を成功させるお話しで、クラシック映画のリメイクらしい。
 途中の邪魔なウケないギャグや古臭い部分を除けば、まあ良い映画だった。しかし俺はメル・ブルックスなら通常のバカバカしいパロディ映画の方が好きだ。

2007年 9月 27日 (木)
 洗濯と脚本執筆とバナー制作とクンツァイトのネックレスと支払いな一日。

2007年 9月 28日 (金)
 ゴールデン街。ちょろっとだけ飲むつもりが、三件ハシゴ。一件目はヨーヨー。自主映画のキャストが3人ばかりいて、映画の話しやら雑談。そのあいだ店の隅ではレイさんが客の女子を緊縛していた。二件目はひさびさにお気に入りの虎の穴。お通しにうまいサンマが出て、むさぼるように食った。三件目はシネストーク。またレイさんがお店の女子を緊縛しだし、一杯だけのつもりが長引く。

2007年 9月 29日 (土)
 ひさびさに出向も外出もバイトもなく、事務所でまったりデスクワークの日だったが、朝から電話がかかりまくり、バタバタと仕事させられ気がついたら夜。暗くなってからやっと歯を磨いて風呂に入って朝食をとった。んで、結局、もともとやろうと思ってた仕事はあまり進まず。

2007年 9月 30日 (日)
 そういえばこの週末はナマステ・インディアだな。
 行きたい。クルタ着てえ。でも仕事が。


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