非幻想異端的日常
2008年 1月 1日 (火)
 朝7時くらいにソファーで目が覚めた。
 母から「正月は家でカニ鍋をするのでいらっしゃい」と言われていたので、今日は日帰りで実家に帰るつもりだったのだが、朝イチで母から「カニ鍋は昨晩ぜんぶ食べちゃいました。残念!」とメールがあり、帰るのをやめた。
 それで、ずっと動画の編集をやっていた。編集せねばならぬ動画はいくつかあるのだが、めでたくひとつ完成。なかなか楽しい出来で、カニが食えなかった無念も帳消しである。

 少しは正月らしいことを書きましょうか。
 2007年は俺にとってどんな年だったのかと考えてみたら、いろんな人たちにいろんな大事なものをいただいた年だったような気がする。では2008年はどんな年にするべきかと考えてみたら、これはそんな大事なものをくださった人たちにご恩返しをすることによって、それらのいただいたものを形にする年だと、そんな風に思った。
 珍しく言葉になったな。

 ついでに今年の抱負も書いておきましょう。これは一年たってこの日記を読み返して、実現したかどうか答え合わせをするためのゲーム感覚に近い意図である。
 まあ目標があったほうが動きにもメリハリつくしね。

 <抱負その1:長編自主映画を2本完成させる>
 まず前半で【電気苺】を完成させる。そして後半にもう1本。俺は現在、【電気苺】の他に2本の自主映画の企画をかかえている。1本は原作と音楽が決まっており、もう1本はキャストと内容がおぼろげながら決まっている。どちらも【電気苺】と同じくらい画期的な映画になる予定なので、早く実現させたい。

 <抱負その2:恋人をつくる>
 最初ここに長い文章を書いたのだが、やっぱり消した。とにかく俺はひとりはイヤなのだ。孤独じゃなくても、誰かと一緒にいたいのだ。

 <抱負その3:会社の経営を黒字にする>
 我が社が赤字になってもう何年たつんだろうか。去年は目一杯経費を削って事業を縮小し、外に新たな収入源を開拓した。今年やるべきことは、自社媒体をテコ入れし、社内の収入源を充実させることである。人材と時間の使い方を強化せねばならない。あとまだ削れる経費は眠っていそうだ。課題はたくさん残っている。映画制作にかまけてる場合じゃない(と心にもない真理を漏らしたところでまた来年)

2008年 1月 2日 (水)
 明後日いきなり【電気苺】のクランクインが決まったので、必要な小道具をせっせと制作しはじめた。すぐ出来た。夕方レイさんがやってきて、新しく【電気苺】のチラシを作ったのでうちのプリンタでプリントしていった。夜は東急ハンズに行って、足りない小道具を買ってきた。ひとつの不安要素を除いて、だいたい準備は万全である。

2008年 1月 3日 (木)
 母の実家の秦野に行き、親戚集まって料亭で食事。毎年恒例なのだが、今年の正月はカニを食べ損ねたので、この催しは有り難かった。天ぷらはついてなかったが、そのぶん、寿司は人からもらって二人前平らげた。牛乳鍋もうまかった。茶碗蒸しもうまかった。正月から缶詰やコンビニで買うレトルトのチキンハンバーグなどで腹を満たしていたので、今日は今年初のご馳走であった。

 明日の【電気苺】の撮影でかおるんがインドのサリーを着るのだが、アクセサリー関係が少し弱かったので、夜10時すぎ、インド友達のレイコさんに千葉まで借りにいった。レイコさんは夜遅くの急なお願いにも快く協力してくれ、しかもなんと、金がなかったので電車賃まで出してくれて感激。こちらがモノを借りる立場なのに、貸してくれる相手に電車賃まで出してもらうという、とんでもない体たらくもあったもんだ。このお礼は必ずや。

2008年 1月 4日 (金)
 ついに、本日【電気苺】がクランクインした。朝から楽しくてしょうがなかった。俺はこのために生きている、そんなエネルギーが五臓六腑に満ちあふれ、いそいそと、小道具やカメラやその他の機材をカバンにつめた。
仮面の女 本日撮影するシーンはヨーヨーでかおるんが派手な格好をして、○○の○○を渡す場面と、その場から去ってゆく場面のふたつ。ここは俺が脚本を書きながら爆笑したほど可笑しいシーンなのだが、それだけに笑いのツボを外さぬよう、演出に神経を使う。
 おもしろいことに、かおるんはテレビやアニメを見ない人なので、ここのシーンのユーモアのセンスをほとんど理解できないらしい。リハーサルの時はその場でスケバン刑事のDVDやアニメのビデオを見せてなんとか九割くらいまでは完成に近づけたのだが、ポイントになる最後のセリフだけ、ツボが外れたままだった。
 撮影前にかおるんを呼び止め、改めて問題のセリフを説明すると、やはり「ぜんぜんワカリマセン」とのお返事。困っていると、続けてかおるんが「こんな感じですか」とセリフを実演してくれた。それが驚いたことに、問題なく決まっていた。笑いのツボを理解できないまま、的を得た演技をクリアしてしまうなんて、えらく勘の良い人だ。つくづくこれで女優初体験というのがすごい。
 撮影は数時間で終わったが、かなり疲れた。撮影は疲れるのだ。撮影している最中は楽しくて忘れているが、終わって後片付けしてるとドッとくる。でも楽しかった。
 この調子でドンドン撮影したいもんですな。

 帰って撮影したVTRをチェック。やはり照明が素人だが、これはこれでドキュメンタリータッチと思えば味があって気にならない。演技はとにかくよかった。カメラワークも初日にしては上々。こうして思い通りの映像が出来上がるのがおもしろくてしょうがない。しかし、かなり高度な笑いを追求したので、ちょっとツボを外すと使えない映像になる危うさをはらでいることも確かで、今日はたまたま合格点とれたが、これから先、少し兜の尾をしめてかかる必要があるなと改めて思った。

2008年 1月 5日 (土)
★★★ 一昨日、秦野に行ったとき、ケンちゃんにピーター・ジャクソンの「ブレインデッド」のビデオを借りたので、ほぼ15年ぶりに見た。
 これって、こんな映画だったっけ!?
 最後のゾンビの大量ミンチ殺戮シーンだけ強烈に印象に残っていて、それ以外のほぼすべてのシーンを忘れていたのだが、そうか、こんな映画だったんだ。
 いい意味で、ピーター・ジャクソンの限界を知ったひさびさの「ブレインデッド」観賞であった。

2008年 1月 6日 (日)
BAILEYS ベイリーズが無性に飲みたくなって、近くのスーパーで買ってきてロックで飲んだ。俺が家でひとりで酒を飲むなんてえらく珍しいことだが、この甘ったるさが、スパイシーなインド・カレーの食前酒に妙に合ったりする。ちなみにカレーで使ったココナツミルクの余りでちょっと割ってみたら、あまりうまくなかった。割るなら牛乳だな。

2008年 1月 7日 (月)
 今日はせっかくの休日だというのにキャストのスケジュールが誰も揃わず、【電気苺】の撮影ができなかったので、登場人物のひとりであるヤマダの衣装探しに大井競馬場で行なわれているフリマに行った。同行はなんちゃってプロデューサーのレイさんとその飲み友達の紅麻呂さん。
 ヤマダの衣装は特殊なものではなく、私服でじゅうぶんなのだが、少し血糊で汚れるシーンがあるので、そこだけ着る衣装を探しにいったのだ。
 ヤマダはいつも同じような洋服ばかりを着ているので、“ヤマダ的な衣装”といったものが確立している。それだけに標準は定まっているが、種類は限定されているのでなかなか思うような衣装が見つからなかった。それでもあちこち歩き回ってピンポイントでヤマダ的な衣装ばかりが売っている店を見つけ、三着ばかり購入した。他にもたらい、セーラームーンのフィギュア、怪獣のフィギュア、ブタのぬいぐるみなどが見つかったので、購入した。どれも【電気苺】の小道具で使うものばかりである。
 買物を終え、駅前で安い飲み屋を見つけたので、三人で昼間から酒を飲んだ。紅麻呂さんとじっくり語り合うのは初めてだったが、話しのわかるひとで、楽しかった。
 撮影はできなかったが、大いに収穫のある日曜日だった。

2008年 1月 8日 (火)
 今日はバイトが休みになったので、別の出向先である銀座のT社長のところへ手伝いに行った。
 相変わらず仕事はそれほど多くなく、ぽつぽつと仕事をこなしながら、すきまの時間はまったりとT社長とだべりつつ、T社長が昔、木下恵介監督のテレビドラマに出演したときのことなどを根掘り葉掘り聞いたり、事業の戦略などを話し合っていたりした。
 ひとつ、事務所の中をぶらぶらしていたら、隅っこにホコリをかぶった撮影の照明器具を発見し、ぜんぜん使っていないというので、もらってきた。もらったと言ってもタダではないのだが、T社長には百万円近くの借しがあるので、代金はその借金から差し引くことで話しがついた。
 いいものが手に入った。これで撮影がさらにやりやすくなる。

2008年 1月 9日 (水)
 以前から参加していた印度カラオケの縁で、埼玉のパキスタン&インド料理レストランのホームページ制作の仕事が舞い込んだ。わりとインド関係の仕事がくるのはこれが初めてなのだな。
 レストランは駅から遠く、今までは車で行っていたのだが、一度歩いて行ってみたかったので、歩いて行ってみた。歩くのは好きだし、滅多にない機会である。しかし思ったより遠かった。45分くらいかかってしまった。でもひさびさにたっぷり散歩が出来て、なかなか楽しかった。
 インド(てゆうかパキスタン人だが)方面の人はパソコン関係に長けているイメージがあるが、さすが、店長さんなかなか凝ったことを考えていて、店内にカメラを設置し、店内の様子をネットを通してライブ配信したいらしい。肖像権とか、ツッコミどころはあるが、考えることはさすがネット大国から来た人である。
 そこで無料で手軽にライブ映像が配信できるサイトを教えてもらったので、試しに事務所に戻ってから早速ユーザ登録して仕事中の映像を流していたら、いきなりチャットで店長さんに話しかけられてびっくりした。登録したばかりで俺のユーザ名なんて教えてないのに、どうやって見つけたのだろうか。チャットで「もう登録して実用してるんですか。さすが、早いですね」と言われたが、この人に「さすが」なんて言われてもって感じである。
 打ち合わせの後はウマいインド料理をタダでゴチになり、帰りは車で駅まで送ってもらった。

2008年 1月 10日 (木)
 銀座の出向先が一昨日になったので、今日は終日事務所かと思っていたら、銀座のS社長から「やっぱり今日も来てくれ」と連絡があり、やることいっぱいありすぎたので最初は断ったが、なんとなく気が引けたので芋食ってから出掛けた。
 近くだったので行きに新橋のクライアントのところに寄ってパソコン指導。ついでにそこの社長さんがやっている別事業の仕事の相談をされた。来週打ち合わせに行くことになったが、うまくいったら新しい仕事につながるかもしれない。今日出てきてよかったかな。
 銀座で相変わらずまったりと仕事を終え、集金があったのでT社のSさんと連絡をとり合って鴬谷で合流。T社の事務所に寄って用事を済ませ、そのまま彼の車で池袋まで送ってもらい、ついでにこれから行く彼のクライアントがインターネットについていろいろと検討しているのでよかったら一緒に来てくれと言われたので、飛び入りで突入した。インターネットについていろいろ話しているうちに、そのうち仕事をくれそうな雰囲気になった。やはり今日出てきてよかった。
 ひさしぶりに池袋に来たので、インドのスーパーで買物してから新宿に帰った。
 山手線をぐるりとひとまわりした一日だった。

2008年 1月 11日 (金)
 衣装とか衣装とかスケジュールとかの話しで、ひさびさにゴールデン街のヨーヨーとシネに寄った。ゴールデン街で飲むと一軒で数千円の金が飛んでゆくので、一日数百円の食費で食いつないでいる俺には頻繁にくるのは厳しい。今日のシネは混んでて入口で立ち話で済んだので、少しゆっくり飲みたかったが、とりあえず1週間分の食費は助かった。ふと思ったが、今のゴールデン街は俺にとって映画制作の現場でしかないのだな。俺が気軽に純粋なお客としてゴールデン街で飲みを楽しめるようになるのは、【電気苺】が完成してからなのだろう。これは仕方のないことなのだ。あと、まきんこが誕生日だったので昨日池袋で思いついて買ったものをプレゼントに渡したのだが、恐らく、すべった。

2008年 1月 12日 (土)
伊丹十三DVD-BOX こないだ伊丹十三の「大病人」という映画をビデオで見ていたら涙が止まらなくなり、改めて伊丹十三ってスゴいと思って、ヤフオクで伊丹十三のDVD-BOXを衝動買いした(画像参照)。しかし安かったな。かの伊丹十三監督の全作品のDVD-BOXがこんな値段で売りに出されているとは、いかがなものか。
 それと、DVD-BOXとかいっときながら、形が円柱状なのもいかがなものかと。普通、四角くてしかるべきものがまるいと、収納に困るじゃないか。あたかも、他のDVDが置いてあるところとは別の場所に燦然と飾っておけと言わんばかりである。まあ、それでいいか。
 で早速毎晩、伊丹十三の映画を端から見倒している。
 「マルサの女」はもう何回も見て、映画館でも5回は見ているが、これは日本映画の十本の指には入る傑作だと思う。伊丹十三の映画の数少ない欠点として、物語的というよりはどうもマニュアル的・業界説明的といった傾向が鼻につくので、伊丹映画の良し悪しはそういった味気ない側面を如何に中心になるコンセプトやドラマが超越しているかが鍵になるのだが、「マルサの女」は最もバランスの良い形でそれが成功した作品なのだと思う。逆に「お葬式」はマニュアル的な特徴がそのままコンセプトになっているので、他の伊丹映画の欠点がそのまま利点として生きている好例と言える。
 どうしても好きになれないのが「タンポポ」で、食文化に対する伊丹先生と俺との間に大きな解釈の隔たりを感じる。カメラワークから演出から編集から照明から何から何まで完璧なクオリティを求める完全型の監督として、俺は伊丹と並んでキューブリックを第一に上げるものだが、キューブリックは天才、伊丹は鬼才、という気がする。なぜなら、その映画の完璧さから、俺はキューブリックはこだわりよりは天才的な勘の良さみたいなものを感じるのだが、伊丹監督からはそういった右脳的なものよりもむしろ徹底的に細部こだわりぬく執念深さのようなものを感じるのだ。「タンポポ」のことごとくツボを外した演出にそのあたりの違いが表れている。解釈ひとつ違ってしまうだけで、どんなこだわりも中途半端で表面的な抜け殻と化してしまうというわけだ。そのかわり、両者とも死ぬまで映画に対する執念やねばり強さは変わらなかったのにもかかわらず、キューブリックはもうろくしたら少しだけダメになったが、伊丹は最後まで伊丹であった。
 以上まで考察してみてふと、では黒澤明はどうなのかと思い、黒澤の後期の作品を思い起こすと、いろいろおもしろいことが見えてくるのだが、文章書くの疲れたし、ここまで書いた内容の応用で容易に結論は導きだされるので、蛇足になるとみなしこれにて筆を置く次第である。

2008年 1月 13日 (日)
 自主映画「Re」の編集の最終の仕上げにとりかかる前に、一部音楽も完成していないので、とりあえず先に予告編をつくってお披露目しようと思い、あれこれ試行錯誤をくりかえしていて、俺は予告編をつくるのが苦手だと初めて気がついた。
 考えてみたら俺は予告編に何の理想も幻想も抱いていないのだ。一応、良い予告編と悪い予告編の区別はつく。しかし映画を見る前に観客に映画の一部を見せる行為なんて、映画本編を創ったアーチストとしてどんなものを創るべきか、いまいちイメージがわきにくい。
 そんなことを考えていたら、だんだん予告編とは何かさえわからなくなってきた。ひらきなおって、映画本編の映像を使って別の作品を二次創作をする気分で臨むとよいのかな。
 よし、それでいこう。

2008年 1月 14日 (月)
 最近の週末は【電気苺】の撮影が土壇場で決まるかもしれないので、前日か当日の返事で良いもの以外は約束や予定を入れないようにしている。この週末の慢性的撮影待機体勢は【電気苺】の撮影がある程度終わるまで続きそうだ。
 今週末は誰もスケジュールが合わなかったので、【電気苺】の撮影は無くなったのだが、土壇場で空いた休日にもかかわらず、割と予定が入って忙しかった。

 かおるんが引っ越しで電子レンジがいらなくなるというので、空の旅行カバンをかついで午後イチで貰いにいった。現地に到着したら水浮華さん家のめちゃくちゃ近所で驚いた。電子レンジとついでに珈琲メーカーも貰った。

 夜は去年の夏に撮影を手伝ったヒノモト監督の自主映画「夏を終わらせる儀式」の試写会をかねた打ち上げが目白で行なわれたので、出席した。こちらも昨日いきなり出席の返事を出したのだが、急な申し出にもかかわらずヒノモト監督は快く受け付けてくれ、感謝。
 パスタ屋さんみたいなところでスタッフ・キャストでヒノモト監督を囲んでイタめしみたいなのを食いながら酒を飲みつつ、壁に投影された映像で完成した自主映画を皆で観賞した。メイキング映像なども少し上映されたが、リハーサル風景で俺がやたら女優さんの足ばかり撮影しているので、足フェチだった覚えはないのに我がことながら不思議に思った。それにしてもやらしいカメラワークだなあ。
 一次会の後は新宿に移動してカラオケ。アニソンとシャンソンとパンクを歌い、終電前に解散し、帰り、俳優のコヤマさんが近所なので一緒に帰ったら途中で俺の家に寄ることになり、映画の話しからヘンな話しからビジネスの話しまで、3時すぎまで語り合ってすごした。

2008年 1月 15日 (火)
 最近「ヤッターマン」のリメイクがはじまったが、予想通りいまいちだ。内容のつまらなさはもちろん、エンディング・テーマをタイアップの普通の歌謡曲にしたのは許し難い堕落ぶりである。
 悪の三人トリオとドクロベーが25年前と同じ声なのはかなり嬉しかった。彼らの声を聞いているだけで心がなごんだ。
 ただボヤッキーは声は同じだが、あの独特のアドリブっぽいしゃべりかたに明らかにキレがなくなっていた。違うのだ、ボヤッキーはもっとこう、言葉では説明できないのだが、微妙に違うのだ。もっとこう、なんというか、微妙なアクセントや強弱のつけかたの問題なのだが、俺にとっては大きな違いなのだ。やっぱりあの微妙なしゃべりかたは、25年ぶりにやって再現できるものではないのだろうか。そういえば、近年復活した「新ミスター・ブー」を見て、広川太一郎の吹き替えの声にやはり25年前のキレがなくなっていたのを思い出す。
 ふと気になって声優さんたちの年齢を調べてみた。ドロンジョ役の小原乃梨子は73歳。ボヤッキー役の八奈見乗児は77歳。トンズラー役のたてかべ和也は74歳。ドクロベー役の滝口順平は77歳。いやはや、とんでもない高齢で25年前と変わらぬ声質は脱帽というしかない。
 ちなみにドロンジョの名ゼリフ「スカポンタン!」は声優の小原乃梨子さんが発明した言葉とのことである。

2008年 1月 16日 (水)
 朝から小岩で新規の打ち合わせ。ここ最近、制作の仕事がなぜか急激に増えている。現在制作中の案件だけでも障害者関係、インド料理、学習塾と3つもあり、決まりそうなのが乳ガン関係、コンサルタント、健康食品と3つある。これとは別に某プログラム開発と某ポータルサイトの企画を進めていて、なかなか終わらずズルズル引きずっている細々とした仕事がいくつかあって、外の世界ではバイト2件と【電気苺】にあけくれている。異常な忙しさなのだ。

2008年 1月 17日 (木)
 ひさびさに編集長と会って仕事のミーティング。体調が悪くて奥さんも一緒だった。話しを前に進めるミーティングというよりも、いったん立ち止まって曖昧だったものをはっきりさせるミーティングといった感じだった。いろいろな意味で、いろいろとハッキリすることができた。しかし俺のやることは増えた。このままどこまで忙しくなってゆくんだろうか。

2008年 1月 18日 (金)
★ こないだ「赤目四十八瀧心中未遂」という小説を読んだ。知らない作家だし、なんで読もうと思ったのか思い出せない。誰かに薦められたか何かで前に買ってあったので、読んでみたのだ。最後まで読めたから、まぁまぁだったんじゃないかと思う。
 読み終わってから、映画もあることを知って、ちょっとTSUTAYAで借りてきて見てみた。渋いキャストを揃えて名演を披露していたのだが、如何せん、しまりのない安っぽい映像であまりおもしろくなかった。
 興味の無い映画の感想をいちいち書いてもしょうがないので、日記のネタが無いときのストックにでもとっておくことにした。
 つまり今日は特に書くネタのない平凡な一日だったのである。

2008年 1月 19日 (土)
★ 石井聰亙のファンでありながらそういやまだ見てなかったなと思い、「ユメノ銀河」を借りてきて見てみた。セリフのあまりない、美しい映像の白黒映画だった。浅野忠信が出ていた。うむ。

2008年 1月 20日 (日)
 高田馬場ミニシアターBABACHOPの自主映画上映会および新年会に参加。
 去年までずっと土曜日バイトが入ってて、今年に入ってからシフトが変わったのでひさびさにやっと参加できた。ひさびさに来ただけに、ひさびさに会う人がたくさんいた。特に俺が自主映画界で最も尊敬するジュウジュウ監督に会え、ひさびさに語り合えたのが嬉しかった。ジュウジュウさんはきめ細やかな演出と独自の美学にささえられたクオリティの高い映像作品を撮る監督で、その作品の味わいもさることながら、人物もそこはかとないダンディズムをたたえており、最近はポラロイド撮影なんてのにも凝っててこれまた素晴らしい作品を発表している。
 さてBABACHOPだが、さすが新年会だけあって空前の大盛況。立ち見が出たのは初めてらしい。
 上映会では先週試写会が行なわれた俺も撮影で参加したヒノモト監督の「夏を終わらせる儀式」も上映された。俺は到着が遅れて最後のほうしか見れなかった。その他、いくつか自主映画が上映されたが、今日は全体的にクオリティが低かった。★★★★唯一、最後に上映されたBABACHOP主宰のケーボーズさん脚本、その娘チェンさん主演、カズーさん監督の「いろえんぴつ」がおもしろくてツボに入った。ミュージカル好きの俺としては、登場人物がいきなり歌い出す映画というのは評価が極度に甘くなる。そう、チェンさんがいきなり歌い出す映画だったのだ。
 上映会の後、BABACHOPの大画面を使い、wiiでボーリング大会がはじまった。俺はゲームにまったく興味がないので、ジュウジュウさんなんかと語り合っていた。宴もたけなわになり、23時すぎ半分以上の人が帰り、俺はドラゴン監督とシートンさんと三人だけで和民に飲みにいった。それからぶらぶらと深夜まで映画や自主映画について語り合い、明け方カラオケして、帰った。

2008年 1月 21日 (月)
電気苺 【電気苺】の撮影2日目。今日はまきんことじろうさん。先々週かおるんを撮影したのと同じシーンで、先週と今週のぶんを編集でつなぎあわせるとひとつのシーンが完成になる。
 比較的スムーズに進んで満足のいく画が撮れた先々週にくらべて、今日は途中、ひっかかる所があった。演技がうまくはまらなくてテイクを重ねるのは映画の撮影では当たり前にあることだが、それが必要以上にひっかかって進行が滞るのは物事のタイミングの悪さもあるし、俺の未熟さもある。結局時間が足りなくなり、6カット撮り残しが出た。
 帰って早速撮影した映像をiBookに取り込み、6カット足りないが、とりあえず編集してみる。
 うーむ、なんか、編集してみるとそれなりに想像通りの画になってるな。撮影はぐだぐだだったが、出来た画は悪くないかもしれない。脚本で想像した通りの画を100点満点とすると、70点か80点の画にはなっただろうか。しかし、この段階での印象は実際の完成画とは20点くらい差し引いて考えるべきだろう。それに正当なクオリティを求めるなら70点や80点は最低ライン、90点から100点で当たり前、そこに映像の神様が降りてきて120点から200点になるシーンがふたつみっつあって、初めてまぁまぁの映画になれるのだと思う。
 やっぱり、ちゃんとした明暗が創れる照明のプロがほしいな。

2008年 1月 22日 (火)
 六本木。

2008年 1月 23日 (水)
 中目黒で新しいシノギ(最近なんだか「仕事」よりこちらの言い方のほうがしっくりくる)の打ち合わせをしてその帰り、紹介者のHさんと駅前の喫茶店でお茶していたら、真後ろの席に先月結婚したばかりの妹の旦那が座っていた。すごい偶然だが、俺にとってはそれほど珍しいことでもない。調子の良いときは毎日のようにこれがある。最大で1分おきにあったこともある。集中する時期は何か気の流れが盛んなときのような気がする。確かにこの頃やたら周囲で動きが激しい。勢いがあるときはその勢いにうまくのるのが大切なんだろうな。

2008年 1月 24日 (木)
 銀座。

2008年 1月 25日 (金)
★★ 映画「セメント・ガーデン」を見た。シャルロット・ゲンスブール主演。DVDでのタイトルは「ルナティック・ラブ 禁断の姉弟」。
 シャルロット主演だからフランスの映画かと思ったら、全編英語で、イギリスが舞台の映画だった。シャルロットのイギリス英語がやたらヘタで初々しく、よかった。
 ところどころ妙にエロく、物語は退廃的だが、なぜか雰囲気は幾何学的に上品で、フランスが舞台だったらド真ん中にきたところだったんじゃないかと惜しい気もするが、まあそう悪い映画でもない。

2008年 1月 26日 (土)
 いま埼玉のパキスタン&インド料理レストランのホームページを制作中なのだが、今日はメニューに使う料理の撮影に行ってきた。
 新越谷の駅で無料のバスが出ていると聞いていたので待っていたのだが、なかなか来ず、仕方ないので松屋でカレーライスを食ってたら、半分くらい食ったところで来たので、あわててカレーをガツ喰いして、バスに乗った。
 レストランに着くと、店長が「お昼ゴハン食べました?」と聞くので「松屋でカレーを食べました」と答えると、「お昼ご馳走しようと思ってたのに」と言うので、インド料理ならいくらでも入る俺としては「大丈夫です、いただきます」と胸をはって答えるばかりだった。
マトン・パラオ ご馳走になったのはマトン・パラオというマトンのピラフみたいなのにヨーグルトのソースみたいなのをかけて食べる料理。インディカ米のご飯にマトンの出汁がしみていて、それがまた酸っぱいヨーグルトによく合って、あまりにもうまくてアッという間に平らげた。うまいインド料理を腹いっぱい食うとなんでこんなに幸せな気分になるのか不思議だ。幸福がお腹に詰まっているかのようである。
 気分が最高潮のところで早速、撮影。次から次へとウマそうなインド料理が出てきて、それを片っ端から撮りまくった。気がつくと夜の九時すぎ。夕食もカレーをご馳走になり、店長に車で綾瀬駅まで送ってもらって帰った。
 うまいものが食える仕事っていいものだな。今後の我が社の事業展開のキーワードはこのあたりに標準を定めてみるのもよいかもしれない。自己満足。

2008年 1月 27日 (日)
 俺がミクシィで同志を集めて2年かけて制作してきた自主映画「Re」の予告編がやっと完成した。以下がそれである。まずはご覧いただこう。



 ↓QuickTimeが入っているかたはこちらからダウンロードしたほうが画質は良い。
http://www.ehs.jp/re/re_trailer.mp4

 ちなみに本編は音楽が九割がた完成したところで、あとひと息といったところである。
 一応この春の公開を予定している。詳しいことが決まり次第こちらでもお知らせするので、ぜひ暇でしょうがないかたは見にきていただけたら幸いである。

2008年 1月 28日 (月)
 今日は【電気苺】の撮影は無し。そのかわり来週ちょっと面倒なシーンの撮影があるので、それに必要な材料を探してヨドバシカメラをうろうろしていた。
 ヨドバシカメラをうろうろした後、月末恒例のイベント・大縁会に参加。
 今日も楽しくみんなとお話しして、いつもは終電前におひらきとなるのだが、今日は珍しく店を移動して深夜まで飲んだ。
 今宵はいつもと同じようで、いつになく楽しい大縁会だったような気もする。

2008年 1月 29日 (火)
 TSUTAYAをうろうろしていたら、自主映画のコーナーがあることを発見。
 いくつか好きな監督や知り合いの監督の作品があったので、2枚ばかし借りてみた。
 帰ってさっそくひとつ見てみた。数年前にネットで見つけて気に入っていたバカ映画だった。メイキングがついていて、バカ映画なのに、わりとちゃんとした現場なんだなと感心した。
 自主映画って作品からは撮影の規模が想像つかない作品が多いものだな。

2008年 1月 30日 (水)
 渋谷で打ち合わせ。商談の相手に生年月日を聞かれた。占いでもするんですかと聞いたら、そうですと答えがかえってきた。最近、事業がうまくいっておらず、これ以上もう失敗は出来ないので、慎重になっているのだとのこと。
 慎重になるのはよいことだが、それで頭を悩ませすぎるとかえって判断力を誤る場合があるので、占いで運命にゆだねる余白をもうけるのはある意味、筋道としては間違っていないと思われる。応援したい。

2008年 1月 31日 (木)
 銀座。牛丼。SEO対策。コーンスープ。山手線。紅い高粱。仕事。電話。動画。中国の女の子。ベイリーズ。タマゴご飯。チキンラーメン。居眠り。ハッピーマニア。杉崎美香。風呂。不眠症。葉巻。テレビ。


戻る
wwwnikki ver 0.641(20020410) (c)AuSYSTEM 2002