元祖コーナリングマシン! JR東海381系

 国鉄では、151系こだま号の成功からだと思いますが、全国に特急列車を走らせるようにいろいろ事業展開をしていきました。

 ところが、日本という国は山国でありますことは今更ココで言うこともないわけなんですが、そのおかげで、曲線が非常に多く、最高速をいくら120キロに設定出来ても、曲線では必然的に減速させられちゃって、結果として大して早くねぇでやんの・・・という事が結構ありました。

 そこで、カーブでもガンガン突っ込んでいけるような車両を作れないだろうか?・・・とあれこれ模索してました。

 当時の技術力を注ぎ込んで出来上がったのが、「振り子制御」という車体制御を駆使したプロトタイプモデル、591系という電車がありました。思いっきり重心を下げて、振り子装置付きの台車をおごって曲線通過の試験をしたりしまして、そのデータを元にして出来上がったって電車が、381系になります。

 実際、振り子制御の車両、カーブを曲がれるようになった理由がそうであるように思われますが、実際はかえってコーナリングには不向きになるらしいんですよね・・・381系では、思いっきり軽量化するために、車体もアルミになってますし、コーナリングを速くするためには自動車なんかもそのようですが、重心は低ければ低いほどいいんだ・・・(C)某マンガ というくらい低い方がいいそうで、冷房関連なんかも床下に放り込み、屋根上には最大限なにもないようにして、車体そのものだって、他の車両と並べるとわかると思いますが、少し低めに作ってあったりします。

 そうした徹底的な軽量化と低重心化で、振り子のハンデをもさらに上回るコーナーの有利さをゲットして出来上がってるそうです。

 基本的に、「振り子車体」ってのは、ハードコーナリングでも楽に乗ってられるようにしたものなんだそうですね・・・

 かくして、実用車381系は完成しました。そして、丁度電化になりました「中央西線」(名古屋〜塩尻)・篠ノ井線経由松本・長野までの特急、しなの号に入ることになりました。

 コーナリングのために車体を傾ける関係上、普通の電化ではマズイので、架線関係もそれに対応できるような造りになってるそうで、遠慮なく、本来の速度+25キロくらいで果敢にコーナーにツッコんで行けるようになっております。

 しかし・・・この電車には致命的な問題もあったのでした・・・

 カーブには滅法強いこの電車の振り子制御の方法は・・・「自然振り子」と言いまして、ある部分、遠心力に任せて車体を振る方式だったんですが、その副作用として、直線になると、コーナーの立ち上がりからだと、左右にゴロゴロ動くわ、直線でも結局横からの力がないのでふわふわしちゃって・・・乗客は、かなり酔っぱらっちゃった例があったはずです。

 それなりには対策もしたと思うんですが、私が初めて乗ったのが平成10年以降・・・スーパーやくも号でしたが、地獄みましたねぇ・・・これでも一応乗り物には強いはずだったんですが、キマっちゃいそうな予感しましたもん・・・キマりませんでしたけど・・・

 で、時は流れて昭和50年代中頃・・・今度は和歌山から先、紀勢本線が紀伊田辺、串本経由、新宮まで電化されることになり、そこに電車を入れると言うことで、くろしお号用に381系を入れました。

 それの先頭車は100番台と言いまして、最初、アタマに貫通路がついてたんですが、それを廃しまして、写真の様なスタイルになっております。

 さらにはやくも号用にも入りまして・・・今、この系列があるのがその3系統になります。

 JR東海のそれは、ほとんどお星様になっちゃってまして、すでに次代の383系という「制御振り子」の新型車に替わっております。今は、急行ちくまとか、臨時しなの号とか、その程度の活躍にとどまっております。

西日本のそれは・・・こっちでは割愛っ(o_ _)oぱたっ

(H16.4.25)