嗚呼 栄光の寝台電車のトラディッショナル♪ JR東日本583系

 この電車を語るには、出て来た背景も必要になりますよね♪

 時は戦後の高度成長期・・・特急用では151系がハバを効かせていて、そろそろ481系が出て来て・・・なんて頃でした。

 夜行は夜行で客車の20系なんかが走るホテルなんてもてはやされてた頃だと思います。

 さらには通勤ラッシュもどんどんシャレにならない状況になっていってて車庫が足りなくなってきつつありました。

 そうした時、夜行の車両は昼間はおねんね、昼行特急は夜おねんね・・・もし、これを、夜行昼行兼用仕様の車を作って運用したら・・・ほとんど車庫いらずにならん?・・・という壮大なプロジェクトが動いていたのでありました。

 東海道エリアはそろそろ新幹線開業で、東京〜大阪に関してはずいぶん状況が変わっちゃうんですね・・・そう言った背景も含めて、新幹線連絡の九州夜行を運転できれば・・・夜行で追い出して昼行で帰ってくる・・・そう言う運用をソツなくこなせれば、車庫の容量はすごく楽になるわけですね(笑)

 で、今までの寝台車のレイアウトってのは、やっぱり空間が狭めなわけですよ・・・寝台幅52cmだったりしたし、そーじゃなくても昼間っから、本来明るいはずの各シートのトコに壁がそびえてるわけで少し暗いですから・・・

 で、レイアウトを根本的に見直して・・・出て来たスタイルってのが、昼行ではものすご広いクロスシート・・・夜はちょっとした解放A寝台なみの3段B寝台・・・というカッコウでどや?・・・となりました。

 実際、ベットハバは、下段だけ1m近くとれると思います。上中は70cmハバ・・・それでも結構快適な寝台が確保できたようですね♪

 最初の頃にデビューしたのが、名古屋〜九州への寝台特急、月光号・・・月光というネーミングにものすご似合うブルーとクリームのカラーリングに、3段寝台を狭くしないようにした、車両限界目一杯の車体、そして、電車のメリットをフルに活用した最高速120キロ♪

 そうしてさっそうとデビューしたのが、世界初の寝台電車、581系だったのでありました。

 万国博覧会なんかもあって車両運用とかもかなりキツキツでやってたようですが、今度は東北地区も同じ様な状況になっていったようで、東北仕様にも対応できる、485系ばりの3電源仕様の仕様で、車掌室とかのレイアウトは少しいぢったらしいですが、そんなに変わらずの中間車に対して、寝台数の慢性的な不足を少しでもなんとかするのに先頭車のレイアウトをいぢりました。

 元々運転台の後ろにMGとコンプレッサーがあったんですが、MGは床下に置ける程度のサイズになり、パワーもアップ、コンプレッサーは運転台の真下あたりに置けるようになったもんで寝台数が6ほど増えまして・・・Tcは結構変わっております・・・

 イメージとして、581系は関西系、583系は関東系って感じでイメージしておりましたが、中間のMに関しては見た感じそんな大幅には変わってませんからねぇ・・・先頭Tcのイメージでもっていくはちょっと乱暴なんですけどね(笑)

 さて、昼でも夜でもOK車、それはよかったんですが、夜行も2段寝台がポピュラーになって、昼行で走らすにはリクライニングのない向かい合わせシート・・・それが広々していてもそこに4人キッチリ入っちゃおうモンならやっぱり広くはないだろうし、逆に広すぎて閑散としてる時って、足伸ばしてアイカタの方まで届いたのかなぁ?

 そう言う問題もあったんだとおもいます・・・決して評判のいい車じゃなくなっちゃったんですねぇ・・・

 で、新幹線が昭和50年に博多まで延伸できちゃったあと、結構あまりが出るようになっちゃいました。年式的にはそんなにイっちゃいなかったんですが・・・

 で、余った581系のMMと先頭車とT車を組み合わせて4両編成の近郊形を作っちゃった・・・ってのが715系だったりします。 ギヤリングも近郊仕様の4.82に落として、最低限の改造で、「多分、ココは洗面の跡だね」とか、「トイレ、埋めちゃったワケね」的なトコが結構あったようです。

 片側2カ所のドアにしたにはしたんですが、ドア幅が狭かったりしまして、やっぱり使い勝手がよかったのかは疑問で・・・715系シリーズはあえなく終了・・・北陸地区で交直機器をフルに活かした419系ってのはまだ生きてるそうです。

 で、583系で生き残った方も・・・JR東日本サイドでは確実に用なしになってきてまして・・・晩年大分数を減らしました。

 現在は秋田に9両、仙台に6両・・・2本生きてるだけでして、仙台の6両ってのが写真の車ですが、イッペン郡山でフルレストアを敢行してくれまして、すっげ〜きれいに直っておりますが、先頭の貫通路はふさがっちゃってるそうです。そう言う風にあまり見えないように加工してくれてますけどd(^-^)ねっ!

 多分、この2本は保存的に活かしてる車両だと思いますから・・・当面生き延びるんだろうなぁ(笑) 特に写真の仙台車・・・あの迫力あるガタイの車両は、運転士の見習い時代、冬の22時頃横浜を通りかかると大体シュプール号で居たりしまして、お師匠と「あれは運転してみたい」って意見の一致を見たんだっけかなぁ・・・

 実際、乗ってみたいなぁ♪・・・無理だけど(;^_^A アセアセ・・・

(H16.11.12)