もはやこれは「成田新幹線」 京成新AE形

 東京と成田空港を結ぶ鉄道は、趣味な方々なら一般常識的に京成電鉄がパイオニアということはご承知のことと思います。成田空港開港後、いろ〜んな事があり、空港の地下に最初から支度してあった駅に、平成の世になってからJR、京成共々1線ずつ使って入れるようになり、東京〜空港が大体1時間程度で結ばれるようになりました。

 線路条件が決して良くなかったけど、割とすっきりいけた京成、線路条件はそんなに悪くないんだけど、コース的に千葉市を通っていく関係上かなり遠回りになってたJR・・・最高速も京成が105キロ? JRは130キロという差があり、AE100形のネタで、割と不利な状況の中、それでもいい感じだと振りましたが、そんな中、京成はこっそりと本気出しておりました。

 きっと、あの子会社が想定以上に大活躍してかなりの収益を出してくれてるからだろうなぁといううがった見方もありますが、住都公団がほぼアウチになっちゃった中、やっぱり子会社である北総鉄道の印旛日本医大(仮称:印旛松虫)から先、空港までまっすぐ結んで走らせれば相当早くなる! というのはかねてから言われてましたが、ついにその工事がカッコウつくこととなり、東京〜空港の最速列車を走られる為の思索をあれこれやることとなりました。

 線路一つ取っても、待避駅になる成田湯川から空港側は単線になるということでその渡りにTGVばりのポイントを置いて160キロのまま通過できちゃうとか、もとより線形のいい北総線内は130キロ、印旛日本医大から空港側は150キロからの速度で運転するという事実もものすげー話でありました。

 その夢(?)を現実のものにしたのがこの新AE形電車になります。

 初代AE形はなかなかオシャレなイメージでしたが、その後色を変えてちょっとヤボったくね? って思える車になり、そして2代目のAE100形はあまりオシャレには見えない電車と心得ております。

 それに対して、今度の新AE形は、山本寛斎デザインドのなかなか渋い車両、テーマは「凜」(りん)なんだそうで、まさしくそれが似合う感じの車と思います。

 カオに関しては賛否がちょっと分かれそうな感じですが、直線的なデザインはそれはそれ、なかなかいい感じです。足回りも京成初の「ボルスタレス台車」・・・ 個人的には全く賛同できない台車スタイルですが、京成としては、京急に乗り入れることが全くないという意味で、今まで使えなかった台車が採用できたという事になります。ミニ新幹線の技術を応用するとなるなら、これがベストですしね♪

 内装も、日暮里〜空港が40分かそこいらということもあり、そんなにコッテコテじゃありませんが、新素材を使ったこの一見薄っぺらい座席も、座ってみるとなかなか快適で、ピッチも大きめということもあり乗ってみたらかなり快適でありました。

 このスカイライナーのために、日暮里駅もビシっと改装して、1線ながら、一般ホームとスカイライナー用ホームを完全に分けるというのも新しいです。

 さすがに日暮里から高砂までは旧線ということもありなりの速度ですが、北総線内はエレェ勢いになってきます。いわゆる元来の北総線は130キロ運転、印旛日本医大を通過した瞬間さらにガツンと加速して一気に150キロへ・・・最高160キロと聞いてましたが、余力を持たせてるのか150キロで運転しておりました。ってもシャレにならぬ速さですが・・・

 空港まで、「もう着いちゃったの」状態で乗せてくれるあの速さは完敗でした♪

 対するJRもE259系を擁して迎え撃っておりますが、スポットとしてのタイムトライアルならこれに勝てるのはないでしょう・・・ ただ、あちこち乗り換えてでもなんてスキモンは少ないので、やっぱり乗り換えずに済むトコが多ければOKで、バスが一番手強い対象らしいとも言われております。

 趣味的には、イッペン話の種に乗ってみるとおもしろい列車が、このスカイライナー・・・ 160キロと言われてるようですが乗ったときは割と抑えめなようでして、150キロペースで印旛沼の脇をかっ飛んで行くあの車窓は個人的にかなり好きでした。