亜樹と亜美
木暮香瑠:作

■ 亜美・二十歳8

 亜美の正面には、射精感に恍惚の表情を浮かべる矢島がいる。そんな矢島の顔を見ることが出来ず、ぐったりとした身体を捩り顔を横に向けた。瞳に溜まっていた涙が頬を伝いシーツの上に零れた。

「次は俺だからな」
 小宮はそう言うと、涙の乾く間もなく亜美の身体を裏返した。
「一度、亜美ちゃんをバックから突いてみたかったんだ」
 そう言うと股の間に身体を入れた。そして遠慮のない激しさで、腰を亜美の尻肉に撃ちつけた。

 バコンッ、バコンッ、バコンッ……。
 肉のぶつかり合う音が部屋に響き渡る。

「うぐっ、ううっ、ぷはあっ……」
 亜美が小宮の激しい突きに、口に詰められていたパンティを吐き出す。
「大きな声を出すなよ! それとも助けを呼んで、犬のように犯されてる姿をみんなに観てもらう?」
 悲鳴を上げようとする亜美の気勢を殺ぐように小宮は、背中越しに脅しの言葉を吐いた。
「いっ、いやああ……」
 亜美は背後から獣のように腰をぶつけられる衝撃に重たい双乳を揺らしながら、か弱い声を上げ顔を横に振る。脅しが効いたことに、小宮は満足の笑みを浮かべた。そしてサディスティックに言葉攻めを開始する。
「さあ、叫べよ! 叫んで助けを呼んで、みんなにこの雌犬みたいな格好を見てもらおうぜ。それともみんなに犯してもらうか? 亜美の淫らな姿を見たら、みんなチ○ポを勃てて犯したくなるぜ。ほれっ、ほれっ、ほれっ……」
 恫喝口調の言葉で責めながら、小宮は腰を撃ち付け続けた。

「亜美で妄想してするオナニーよりずっと気持ち良いぜ」
 小宮は上向かせた顔で恍惚の表情を浮かべている。
「そら、そらっ、そらっ、感じてんだろ? いいんだろ? 喘ぎ声を上げてみろよ!!」
 小宮はいっそう激しく腰を振った。
「ひくっ、ううっ、うううっ、ひっ、うううっ……」
 亜美は、嗚咽と呻き声を必死で抑えながら涙と汗を飛び散らせた。

 こうして三人は、一回づつ亜美の身体を味わった。

 激しいセックスにぐったりと身体を横たえ、亜美はすすり泣いていた。亜美の身体には、三人の精液が降り注がれ、汗と混じりべとべとになっている。矢島がお腹とバストに、小宮は亜美の背中に、岡村は亜美の顔に白濁液をぶち掛けた。
「顔射された気分はどう? それとも膣出しされた方が好みだったかな?」
「ひくっ、ううっ、ひっ、酷い……、うううっ……」
 亜美は布団の上に突き伏したまま嗚咽を上げる。

「夜はまだまだ長いぜ。楽しもうよ、亜美ちゃん」
「セックス大好きなんだろ? シャワーを浴びて来いよ。身体中舐め回してやるからさっ。亜美ちゃんの好きなプレイ、どんなリクエストにも答えてやるぜ」
 小宮と岡村は、これからが本番だとばかりに亜美に言い放つ。矢島は、二人の言葉に対した亜美の返事を、亜美がどう答えるのかを無言で待っていた。心の片隅に残る疑惑、AVに出演してるのは亜美でないと言う疑問への答を……。

「ど、どうして?」
 亜美には彼らがどうしてこんな事をしたのか、こんな事を言うのか判らなかった。会社ではみんな優しかったのに、この変貌の意味が理解できない。信頼していた矢島までがその一員になっていることが、さらに亜美に動揺を与えていた。
「みんなに言う? レイプされたって」
 矢島は亜美の表情を窺うように顔を覗きこんだ。
「でも誰も信じないと思うよ。それに、言ってまずいことになるのは亜美ちゃんのほうじゃないかな」
 小宮は、自信有り気に言う。
「どう言う事?」
「俺たち、知ってんだぜ。亜美ちゃんがAVに出てたこと」
 小宮はセットしておいたDVDを再生して見せた。

 画面に男女の絡みが映し出される。小宮も岡村も画面に視線を移した。そして亜美も画面に目が釘付けになる。
「これ、亜美ちゃんだろ? AVに出てたこと、会社にばれると拙いんじゃない?」
 画面に映し出された亜美を指差した。さっき犯したとき、亜美は脅しに弱いと確信していた。亜美はきっと何も言えなくなる、俺たちの言うことを素直に聞くようになる……そう思っていた。
「ううっ、違う、それ私じゃない……。亜樹ちゃん……うううっ……」
 亜美から出た言葉に、三人は面食らう。
「アキ? あきって何だよ」
「亜美ちゃんの芸名か?」
 慌てて真意を確認しようと矢継ぎ早に質問する。
「違う、違うの……。ううっ、私の双子の妹なの。2年前に家出したままの……」

 えっ!?

 涙に紛れて語られた真実は意外なものだった。高校卒業と共に家出した双子の妹のこと、それ以来連絡が取れていないこと、直美先輩以外には妹がいることは話していないこと……。

 ボクは大きな間違いを起こしたのかもしれない。亜美ちゃんを信用できずに、DVDを小宮達に見せたことも、小宮と岡村の計画に乗ったことも……。矢島の心の中に、その言葉が渦巻いていた。

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