青い相姦
横尾茂明:作

■ 戯れ3

二人がこんな関係になったのは梓が中学1年生、直人が中学3年生の時だった。
母が大阪の某会社を買収し、立ち上げ期間の一ヶ月を留守にしたときであった…。

父は梓が幼稚園のとき癌で急逝し…
母はそれまでの公認会計士を辞めて父の後を引き継ぎ、当時急成長であった半導体基板製造会社の代表取締役に就任したのであった。

母は父の会社の会計を引き受け大きくしていった自負も手伝い…
後継後は父の居ない寂しさを紛らすように一心不乱に働き…
子供を顧みることが少なくなっていった…。

そんな母と…まだ幼い梓の隙間を埋めるように
直人は優しく梓に接し、梓も直人に母の代わりを見いだしていく…。

そんなとき…どちらからともなく肌を寄せ合い、満たされない近親の愛を、青い性の歓びで満たしていった…。

直人と梓の関係はもう2年になる…。

そう…あの日は朝から小雨が降る春先の日曜日だった…。
梓が土曜の夜に発熱し…直人はオロオロしながら妹をおんぶして近くの内科に走った。
病状は風邪でたいしたことはなく、薬を貰って帰ってきた。

その夜は妹のベットで添い寝をし、氷嚢を代えたり水を飲ませて介抱に努めた…。
朝方には妹の熱も下がりはじめ直人は安堵し暫し微睡んだ。

「お兄ちゃん有り難う…」
直人は妹の言葉で目覚めた…横に寝る梓は兄の肩に頬を寄せて見つめていた…。

「アズ…熱が下がってよかったな…俺も昨日はオロオロしちゃってみっともなかったね」「ううん…お兄ちゃんカッコよかったよ…アズ…お兄ちゃんのこと…すき…」

「そう…俺もアズのこと…大すきだよ…」
梓の濡れてるような瞳に見つめられ…直人はこの時初めて胸が高鳴った…梓を女として初めて感じたときと言ってよかった。

「お兄ちゃんアズ…すごく汗かいちゃったの…パジャマ着代えたいな…」

「そう…汗が出てきたなら熱が下がった証拠だよ、あぁーよかったー…」
「じゃぁちょっとまってて、お湯を持ってくるから! 体を拭いて下着を替えればもっと気持ちよくなれるからね」

直人は安心感に浮き立ち階段を降りていく、そしてすぐに洗面器のお湯にタオルを浸して返ってきた。

「さー脱いで、このタオルでよく体を拭くんだ、俺は今からおかゆを作るからね」

直人はタオルを絞り、梓の背中に腕を差し入れて抱き起こした。

「さー…一人で拭けるだろ?」
タオルを梓の手に握らせてから、おでこに掌を当て熱をみた…。

梓はフーッと息を吐き…暫し考えるように天井を見つめ…またベットに仰向けに倒れた。
「お兄ちゃん…まだ目眩がするよー…体がだるいの…」

「そうか…あんなに熱が出たもんなー…」

「お…お兄ちゃん…私の体…拭いてくれない…」

「……………………」

「バカ、変なこと言うなよー…昔ならともかく……」

「いいの…お兄ちゃんなら…お兄ちゃんにならアズ…見られてもいいもん…」

タオルをそっと直人に差し出す…。

直人はタオルを受け取ったものの…躊躇して妹の瞳を見つめてしまう。
妹とはいえ中学生…最近は胸も大きく膨らみ腰の張りも女を感じさせ、風呂上がりの大胆な妹の仕草には目のやり場に困るときが暫しだったのだ。

直人はしばし考えた…しかし妹の哀願する眼差しに抗しきれず…。
「本当にいいんだね…じ…じゃぁ…俺…目を瞑って拭くから…それならいいよね」
「さー…脱がすよ…」

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