青い相姦
横尾茂明:作

■ 戯れ10

「ただいま!」玄関の鍵を開け、中に声をかけた…。

「お帰りー」梓が笑顔で飛び出してきた…。
「お兄ちゃん遅かったのね…私ご飯作って待ってたんだから…」

「お前…もういいのか寝てなくて!」

「もう、ほらこんなに元気になっちゃったんだから」
妹はダンスを踊り始める…。

「バカ…もうわかったから…ったく」
「だけど…アズに料理なんか出来たっけ?」

「もうお兄ちゃんたら失礼な…私だって女の子だよ…料理くらい出来るわよ!」

「ハイハイ…期待してないから…お兄ちゃん食べられさえしたらいいからね」

「もう……おにいちゃんたら…」


思った通り梓の料理はまずかった…梓自信も顔をしかめて食べていた…。

「お兄ちゃん…今度アズにも料理教えてね…」


夕食が終わり二人仲良く食器を洗い、お互いの部屋に散る…。
暫くしてアズが部屋にモジモジしながら入ってくる…。

アズは考え詰めたような顔で…「お兄ちゃん…一緒にお風呂にはいろうよ」と言う…。

「おいおい…まだ甘えてんの? もう風邪は治ったんだから一人で入れるだろう」

「ぅぅん…そーだけど…」
「昨日…アズ…お兄ちゃんに言ったでしょ…」
「アズ…お兄ちゃんの前ではいつも裸でいるって」

「でも…裸でいたらちょっと寒いし…お風呂なら…」

「バーカ…そんなこと考えてたのか…あれはもういいの」

「でもー…お兄ちゃんがよくても私がそうしたいの…ねーお風呂に入ろうよー」

妹の真剣な眼差しに圧倒されそうになりながらも「何言ってんの」と返す…。

妹の大きな目から涙が零れた…。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊