淫辱通学
木暮香瑠:作

■ 新たな淫辱の予感4

 トイレは、朝の静寂がその空間を支配していた。掃除仕立ての湿気と消毒液の匂いが鼻をくすぐる。二人が個室に入ると、美由紀は有紗に自分の唇を重ねた。
「権堂様の命令に逆らえば、二人とももっと酷い目に遭わされるわ。有紗ちゃんに辛い目に遭って欲しくないの……」
 美由紀の真剣な眼差しに、有紗はコクリと肯いた。
(私が逆らえば、美由紀さんにもお仕置きが待ってるんだわ……。そして、私の家族にも……)
 美由紀が権堂兄弟の責めを受けるのは、有紗にとっても辛いことだった。何より家族の幸せを失うことが、有紗の足枷となって重く圧し掛かる。権堂兄弟に撮られた写真やビデオを、父親の会社や町中にばら撒かれたら、いままで通りの生活はできなくなる。たとえ有紗が被害者であっても、世間は有紗たちを好奇の目で見るだろう。ビデオを見た他人に有紗の両親は、レイプされても感じてしまう淫乱娘の父親、レズって喘ぐ好色女子高生の母親、そんなレッテルが貼られてしまうだろう。そのことを思うと、美由紀がすることを受け入れないわけにはいかない、雄一の命令に逆らうことはできないと自分に言い聞かせた。

「有紗ちゃん、壁に手をついてこちらにお尻を向けて……」
 有紗は、美由紀の言うとおりお尻を突き出す。何が行われるのか不安で、顔は振り返り美由紀を見詰めていた。
「何をするの? 私……、どうなるの?」
 美由紀は、何も言わず有紗のスカートを捲る。純白の薄い布地に包まれた相尻が現れる。美由紀は、有紗のパンツの淵に指をかけ太股まで引き下ろした。外気に晒された柔肌が、ピクリと震える。
「大丈夫よ。少し痛いだけ……」
 美由紀は、雄一から渡されていた紙袋から棒状の器具を取り出した。先端が丸く加工され、全体がゴムのようなものでできている。美由紀はそれに、チューブから絞り出したゼリーを満遍なく塗っていく。
「いやっ! それをどうするの?」
「心配しないで……。これをしておかないと、いきなり雄一様のものは入れられないわ……」
 有紗の、予感は的中していた。
(あれをお尻に入れられるんだ……、お尻の穴に……。その次は、美由紀さんのように……)
「だめえ! そ……、そんなもの、入れないで……」
 これを入れてしまえは、次に入れられるの雄一の狂棒だということは明らかだ。そして、有紗の脳裏に、美由紀のようにアヌスを嬲られ喘ぐ自分の姿が思い浮かぶ。
(わたしも美由紀さんのようにお尻で感じてしまうの? 喘ぎ声を上げてしまうの?)
それを思うと、有紗の恐怖心が増していく。
「分かって、有紗ちゃん……。私も辛いのよ」
 美由紀は有紗の腰を支え、お尻を突き出させた。

 有紗は瞳を堅く閉じ、次に訪れる羞恥に耐えていた。白くツルツルの肌のお尻を突き出している。それだけでも恥かしいのに、お尻の穴に異物を入れなくてはならない。踏ん張った両肢が、恐怖から細かく震えてた。柔肌を深く割っている谷間の中に潜んだ皺を刻んだ小さな膨らみが、ヒクヒクと恥辱に慄いていた。

 美由紀の手によって、アヌス拡張プラグが有紗の菊座に宛がわれる。丸く加工されゼリーを塗られた先端が、肌に刻まれた皺をぬるっとを擽る。得体の知れない感触が、アヌスからお腹の中に広がっていく。
(いやっ!! そんなのいやっ! お尻なんかで感じたくない……、お尻なんかで……)
 有紗は、お尻を横に振ってプラグから逃れようとする。
「そんなの嫌! お尻に入れるなんて……。許して、入れないで……」
「でも、有紗ちゃん……。慣れておかないと……、広げておかないと、お尻が裂けちゃうわ。雄一様のものをいきなり入れられたら……」
 美由紀は、困惑の表情を浮かべる。ただ単に権堂の命令に逆らうことが怖いだけではない。有紗の苦痛を恐れているのだ。拡張プラグで広げていないアヌスに、いきなり怒張を突き刺されたら……。雄一が有紗のアヌスを犯すことは明白だ。そのために、プラグを渡したのだ。それも、美由紀に挿入させることで有紗の羞恥を煽ろうとしているのだ。
「それも嫌! お尻にあんなもの入れるなんて……」
「雄一様から逃れることは出来ないわ。だから、苦痛を少しでも小さくしないと……」
 振り返り美由紀を見詰める瞳に、涙が浮かんでいる。早朝の駅のトイレで、それも女性である美由紀にお尻を嬲られようとしているのだ。美由紀にも有紗の恐怖と恥かしさは、痛いほど分かった。しかしこれをしていないと、のちほど訪れる陵辱に有紗が絶えられないであろう心配が脳裏をかすめる。

「有紗ちゃん、我慢して……。痛くしないから……。これをしていないと、辛くなるのは有紗ちゃんなの……」
 美由紀も、真剣な目で有紗を説得しようとする。有紗は、狭いトイレの中で美由紀と向き合った。両手でお尻を隠し、首を弱々しく横に振る。パンツが太股まで下ろされた股間の翳りは見えたままだ。人に見られることが恥ずかしいところを隠すことも忘れ、恥毛を美由紀の目に晒している。瞳には、いまにも零れそうなほどの涙を浮かべて美由紀を見詰めていた。

(有紗ちゃん、そんなに嫌なの? やっぱり嫌よね、お尻にこんなもの入れるなんて……)
 美由紀は、瞼を閉じ俯いた。
「分かったわ、有紗ちゃん。でも、これをしていないと、雄一様にお仕置きを受けてしまうわ。だから、放課後までに覚悟を決めて……。帰りに入れましょう」
 私が雄一様の命令に逆らえば……、雄一様の責めにも耐え嘘を吐き通せばいいんだ。美由紀はそう思い、有紗の覚悟が決まるまで待つことにした。
「雄一様は、どんなことがあっても有紗ちゃんのお尻を犯すわ。その時までに少しでも慣れておかないと……」
 美由紀は、目を見開いて有紗を見詰め、さらに説得を続けた。
「雄一様の太いので嬲られたら、有紗ちゃんのお尻、裂けちゃう。そんなの嫌! だから……、我慢して……。放課後までに覚悟を決めて……」
 真剣な美由紀の表情に、心配してくれていることが有紗にもひしひしと伝わる。有紗は、コクリと頷いた。

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