淫辱通学
木暮香瑠:作

■ 新たな淫辱の予感8

「終わったぜ」
 その声に有紗は、雄一の胸から顔を離した。気が付くと有紗の身を隠していたはずの康次は、有紗の後ろに廻っていた。雄一のぬねに顔を埋める有紗が、乗客の視線に晒されていた。2メートル近い大男の胸に顔を埋める制服姿の少女を、サラリーマンが怪訝な顔で見詰めている。幸い、捲られていたスカートは下ろされ、剥き出しの相尻と太股に絡みついたパンツを辛うじて隠している。
(見られてたの? みんなに……、見られてたの?)
 有紗の表情に、不安の色が浮かぶ。

 有紗の後ろでは、康次が美由紀の唇を奪っていた。康次は、いったん唇を離し、美由紀に命令をする。
「美由紀、リモコンのスイッチを入れな!」
 美由紀は、紙袋にプラグと一緒に入っていたリモコンを取り出し、スイッチを押した。

「きゃあーー、ああっ、あああ……」
 有紗の肛門に衝撃が走る。発した悲鳴は、ちょうど鉄橋に差し掛かりガタゴトと騒音に掻き消される。有紗の菊座を押し広げているプラグが、小刻みに震えだしたのだ。有紗は、お尻を押されたかのように雄一の胸に崩れ込んだ。

 お尻を突き上げられるような感触に、爪先立ちになり雄一の胸に顔を埋める。
「ううっ、うっ……、ううっ……」
 Tシャツを握り締め、洩れる喘ぎ声を必死で堪えた。直腸を揺すぶる振動が、お腹の中全体に広がっていく。膣を巻き込んで股間を擽る。有紗は、他人に見られていることも忘れていた。ただ声が漏れることを恐れて、顔を強く雄一の胸板に押し付けた。

「有紗、恥かしいじゃねえか。こんなところで抱きつきなんて……」
 雄一は、乗客に聞こえるように大きな声を出す。
「ううっ、ち、違うの……」
 支えるものが無ければ、床に崩れ落ちそうだった。有紗は、喘ぎ声が洩れないようにさらに強く顔を押し付ける。
(ああっ、だめっ! ここで負けちゃ……。感じちゃあだめ……、お尻なんかで……)
 負けちゃいけないと思うほど、お尻に力を入れてしまう。括約筋に締め付けられたアヌスプラグは、ダイレクトに振動を伝えた。腰がピクピクと震えている。その様は、恋人同士が別れを惜しんで涙を堪えているようでもある。
「夕方にはまた逢えるじゃないか。少しの辛抱だよ」
 雄一は恋人に語るように優しい声で、有紗に声を掛ける。

「何してんだ? 朝から……。最近の高校生は……」
「朝っぱらから見せ付けてくれるなぁ……。羞恥心はないのかね」
 サラリーマン達が、男に抱きつく有紗を見て嘲る声が聞こえてくる。有紗の後ろでは、再び康次が美由紀の唇を塞いでいた。
「あの制服、聖愛学園のじゃないか? お嬢様学校って言われた聖愛も落ちたもんだね。」
「ああ、朝っぱらから男に抱きつくわ、キスをするわ。聖愛に、あんなふしだらな生徒がいるなんて……」
 サラリーマン達の嘲笑するヒソヒソ話が聞こえてくる。
「ううっ、ううう……、うっ、うう……」
(ち、違う……。違うのに……。くっ、悔しい……)
 有紗は、涙を流しながら雄一の胸にしがみついて、洩れそうになる喘ぎ声を殺した。

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