青い目覚め
横尾茂明:作
■ 甘い疼き4
「火は全部消して戸締まりはしたから…後は玄関の鍵を閉めるだけ、だから安心して」
「あっ、そうそう…はい10万円…由美ちゃんこのお金は返さなくてもいいよ!」
「いえ! 必ず返します…おじさん………有り難う…」
「由美ちゃん…もっとおじさんに甘えて…その方がおじさん嬉しいんだ」
「それから何時でもいいから…遠慮しないで遊びに来て」
「おじさんが居なかったら…鍵開けて待ってて」
「それから由美ちゃんと連絡取りたいから、きょう携帯買っておくネ」
「じゃぁ…由美ちゃん行って来るね」
幸夫は鞄を手に持ち由美の所に行き、髪に口づけをして……出ていった。
由美は冷えてしまったミルクを飲みながら、これからのことを考えた。
(おじさんのこと…好きになってしまった…もう離れられないほど好きに…)
(お父さんぐらいのおじさんに気持いいことされて…好きになる…)
(由美って淫乱? …ああーおじさんに愛されたい…イッパイ愛されたい)
(昨日は凄かった…この世にこんな気持いい行為があるなんて…由美…)
由美は考えながら…下半身が濡れてきたのを感じ…手が自然と性器に向けられた。
(ダメダメ…これはおじさんのものなんだから…もうオナニーはしないの!)
由美は自分に戒めをかけた…。
それは…おじさん以外には…この体、絶対誰にも触れさせないと。
終業のベルが鳴った。…由紀は今日も登校しなかった。
先生は由紀さんは風邪ではなく、肝炎の疑いが有るから昨日入院したと言った。
由美はお見舞いに行きたかったが、先生がB型肝炎は隔離病棟だからお見舞いは出来ないのと止めた。
由美は学校では由紀しか親しい友はいない。母親の事を相談したかったが諦めた。
昨夜も母は帰らなかった…。三日前から母の電話は途絶えている…。
明日は母の勤めている旅館に行こうと思う由美で有ったが…しかし心の隅ではおぼろげながら(捨てられた)と思う心が渦巻いている。
母の最後の電話に由美は泣いた…洞察というか…直感めいた悲しさを感じ取った。
……あの旅館にはもう母は居ないと由美は感じていた。
由美は家に帰り、夜10時まで母の電話を待ったが…予想通りベルは鳴らなかった。
急に居たたまれない寂しさに由美は家を出て…二日ぶりに幸夫の家を尋ねた。
幸夫は満面の笑みをたたえ由美を迎えた、由美は幸夫の胸に飛び込んで幼女の様に泣きじゃくった…。
「由美ちゃんどうしたの?」
「お母さんまだ帰らないんだね」
「ああー可哀想に……さー中に入って、なにか食べた?お腹空いてない?」
幸夫はオロオロしながら由美を抱きしめ、家の中に入れた。
「由美…由美…もーおじさんしか居ないの…」
「由美を捨てないで…捨てないでネ」
由美は幸夫の唇を吸った…。
涙にグチャグチャになりながら懸命に幸夫の顔中を吸った。
幸夫は由美の寂しさの慟哭を聞いた…幸夫はこの時…この子はもう誰にも渡しはしないと心に誓った。
「さー由美ちゃん、もう泣かないで」
「おじさん…由美ちゃんの隣にずーといるよ…誓ってもいいよ」
「明日おじさんも会社休みだから…お母さんのところに一緒にいこよ」
「だから、きょうはここでゆっくり休んで…明朝隣町の旅館に行ってみようよ」
「分かった…おじさん!もう由美泣かない…」
「明日…連れていってくれるのね…おじさん…おじさんありがとう」
由美は涙を拭いながら服の釦を外し始めた。
「由美ちゃん…何してるの?」
「おじさんに…由美の裸…また見て貰いたいの」
「おじさん…この間…由美の裸いつまでも見ていたいと言ってくれたよね」
「だから…このお家に居るときだけは由美の裸…いつも見られるように服は着ないの」
「……由美ちゃんきょうはもう遅いから…脱いだついでにパジャマに着替えなさい」
「由美ちゃんのパジャマ…おじさん買っておいたから」
「やだやだ…由美裸がいい…いいもん」
由美はあっという間に服を脱いでしまった。
(アーッ…この裸…たまらない)
どうして由美の体はこんなにも官能的なんだと幸夫は思う。
この繊細さ、この弱々しさ…白く透き通った肌にうっすらと血管が浮き出たさまはその華奢な感じをいっそう助長し、朝露に濡れた百合のたおやかさを感じさせる。
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