ボヘミアの深い森
横尾茂明:作

■ ミュンヘン10

愛する男が膣口からクリトリスにかけて丹念に舐めてくれる、それは過去の瑕疵を消し去り、新たにこの男の所有物になる…そんな儀式のように少女には感じられた。

龍太は再び性器から腹部…乳房を愛撫しながら遡上し、少女の顔をさも大事そうに包んで目を合わせ微笑んだ。
それは「もう綺麗に洗い落としたよ」と言ってるよう。

少女は半べそで抱きしめてきた、そして拙劣な口づけをくりかえす。
「お兄ちゃんのこと…好き…」
泣き声に交じって少女の甘い囁きが耳を擽る。

少女の華奢な指がペニスに触れてきた、その辿々しい指の戯れは却って男に欲情をもたらしていく。
少女の指は次第に前後に動き始めた…。

ペニスは次第に硬化し…亀頭が腹に当たるほど反り上がる。
その裏筋を華奢な指が這う、カリの窪みを…亀頭の裏側をフルフルと軽やかに指先が踊る…それはあたかも大事な所有物を吟味するかのよう…。

少女の繊細な指先は裏筋を伝いながら睾丸に降り…掌で優しく握られた。
その愛しげな愛撫の仕方は龍太の躰をどんどん溶かしていく。

腰奥で淡い射精感が沸き上がってきた…
少女はそれを察知したのか一旦手を離し、涙を手の甲で拭きながら起きあがって龍太の腰に移動する。

少女は暫く男性器を見つめ、「あぁぁ」と吐息を漏らし…両手でペニスを握り頬ずりを始めた。
その愛しげな少女の仕草は龍太の心をさらに溶かしていく。

暫くして亀頭に柔らかな粘膜を感じた…舌の感触とわかる。
舌先が柔らかな弧を描き亀頭を刺激する…時折唇をすぼめ亀頭を呑み込むのか…とろけそうな感覚に腰が浮いてしまう。

亀頭が狭い喉奥を通過する感覚…これも初めての経験だった。
(こんなに深く呑み込めるなんて…)

(どんな男達だったのか…こんな天使に淫らな手管を教え込んだのは)
龍太の胸にまたもや針をねじ込まれるような痛みが走った。

しかしその痛みも少女の舌先と間断な喉奥の刺激にかき消されていく…
そのフェラチオの巧みさに龍太は次第に呑み込まれ…前立腺辺りがわななき始めだす。

「あぁー…この感覚…こんな気持ちのよさは初めて…」
龍太は強烈なる射精への誘いに身をよじり始めた。

「あっ…イク…君離れて…」

龍太は少女の頭を持って引き離そうとしたが…痺れるような性感に腰が萎え…手から力が抜けていく…。

「あぁぁ…うっ…う…くぅぅぅぅ………………」
超性感に腰が無様に震える…そして気が遠くなるほどの射精快感を腹筋で耐えた。

「あぁぁぁ…うっ…うっ…くぅぅぅーこんなに気持ちいいなんて…」

少女の舌先はなおも亀頭を刺激する…その芯を抉る刺激は性感の開放を促すように龍太の源泉を開いていく。

長い射精と龍太は思う、この経験が更なる少女への愛しさに擦り込まれていく事が朧の中で感じ取っていた。

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