千佳
木漏れ日:作

■ 10

奈美を見ると目がトロンとしている。
完全にイっちゃってる目だ。
私もイク寸前だった。
奈美は口の端からちょっぴりヨダレが出ている。
「奈美、大丈夫?」
「う…駄目かも…。」

私は念の為奈美のアソコを見た。
尿の匂いが微かにする。
「ちょっと! ヤダ! お漏らし…。」
「へへっ…またやっちゃった…。」
私は紙ナプキンで奈美のあそこを拭いた。
「やん…感じちゃう…。」

私は奈美を立たせた。
お尻のあたりが濡れて服の色が変わっていた。
これでは外を歩けない。
「奈美お尻ぬれちゃってて取り替えないと無理」
「ごめん…。」
「いいけど私Tシャツ買って来るからここに居て」

「うん…。」
私は奈美を残しデパートの服売り場へ行った。
目指したのはバーゲンの安いTシャツだ。
私は売り場に着くと出来るだけ長めの
Tシャツを捜した。
色柄はどうでもいい。

私は山積みの中から一枚引っ張り出した。
色は黄色。
プリントのキャラクターが可愛い。
私は代金を支払うと急いで店を後にする。
しょんぼりと奈美が窓の外を見ていた。
幸い午後のせいか回りに誰も居ない。

「奈美、これに着替えて…ここ出よう…。」
「ここで着替えるの?」
「そうよ! そんな格好じゃ外歩けないよ…。」
「そうだね…。」
奈美はそう言うとワンピースを脱いで素っ裸
になった。


私は急いでTシャツを着せる。
ワンピースではないので長さが足りない。
「奈美、真っ直ぐ立ってみて!」
どうみてもワンピースには見えない。
私は裾をつかんで見た。
股下5〜6cmしかない。

「とにかくここ出ようよ!」
私と奈美は店を出た。
店員の女性が驚いた顔で見送る。
こんな声が聞こえる。
「なにあれ? 露出狂?」
「馬鹿じゃない…。」

この店には二度と来れないと思った。
私達はバスに乗るのを諦めた。
ここから奈美の家まで歩くと40分掛る。
「奈美、家まで歩くよ! いい?」
「うん…あたしのせいだね、ごめん…。」
「気にしなくていいよ…。」

歩いてるうちに汗が噴出してきた。
奈美の背中も汗で服が変色している。
住宅街に入り人通りが少なくなった。
奈美が服を捲くり上げる。
「見えちゃうよ! 下ろして!」
私が言うと、

「平気だよ…誰も居ないし…。」
「でも誰か来たらどうするの!」
「はーい…。」
奈美はしぶしぶ裾を下ろした。
間もなく奈美の家に着いた。
すぐにシャワーを浴びる。

クーラーを点けて奈美の部屋でくつろぐ。
もちろん二人共素っ裸だ。
麦茶を飲みながら奈美が、
「ねぇ、さっきみたいな服あたし気にいっちゃった」
「どうして?」
「だってギリギリなんだもん…。」


「ねぇ、今夜外行っちゃおうか?」
奈美が悪戯っぽく私を見る。
「でもご両親が起きたらどうするの?」
「起きないもん…。」
「どうして?」
「家に居ないから…。」

「どういう事?」
「書き置きがあってね暫く帰れないって」
「ほんと?」
「ほら…。」
奈美は一枚の紙を見せた。
確かに奈美の言った事が書いてある。

「じゃご飯どうするの?」
「いいじゃない食べに行けば?」
「そうだね…。」
その日の深夜。
私と奈美は家を出た。
時刻は午前2時。

念の為服は持って出た。
しかし着なかった。
この辺の道路については奈美の方が詳しい。
私は奈美にまかせる事にした。
「ねぇ千佳喉渇かない?」
「乾いた…。」

「じゃこっちね……。」
奈美は家を出てすぐ角を右に曲がった。
「ちょっと! 大丈夫?」
「まかせて…。」
「ここ歩いた事あるの?」
「あるよ何度も…。」

「裸で?」
「もちろん!」
「誰かに見られなかった?」
「見られた…。」
「え? ほんと?」
「うん…。」

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