千佳
木漏れ日:作

■ 24

刺激が続いた。
私の腰が私の意志と無関係に動き出した。
それは絶頂が近い事を示すものだった。
「ヤメテ…。」
自分の声が遠く聞こえた。
私は無意識で〇ンコを伊藤さんの口に擦りつけた。

頭の中で何かが弾けた。
「あああーっ……イクゥ……。」
私は快感に流されそう叫んだ。
やがて…。
嵐が去って私は呟いた。
「意地悪……。」

伊藤さんが答える。
「でも気持ち良かった?」
「……。」
恥ずかしかった。
伊藤さんにイカされた事が…。
私は口をようやく開いた。

「はい…でもこんなの卑怯だわ!」
「どうして?」
「動けないようにするなんて…。」
「でも今までより良かったでしょ?」
「まあ、そうですけど…。」
「千佳ちゃん…。」

「はい?」
「あなた自分で気がつかない?」
「なにを、ですか?」
「Mって事…。」」
「えむってなんですか?」
私にも何となく分かっていた。

しかしわざと聞いたのだ。
「分かってるくせに…。」
「……。」
「もうすぐここの住人が帰って来るから…。」
「じゃあ私帰ります…。」
「もう少し待って…。」

その時チャイムが鳴った。
ドアを開けて女性が入ってきた。
その女性は私の知ってる人だった。
その人は言った。
「お久し振り! 元気?」
「あなたあの時の…。」

「ふふっ覚えてたみたいね…。」
「綾さん…。」
「もう一つ驚く事があるわ……。」
「なんですか?」
「もう少し待ってね…。」
私は不安に襲われた。

「怖い事はないから安心して…。」
「伊藤先輩千佳ちゃんとシャワー浴びたら?」
「そうね…。」
私は伊藤さんとシャワーを浴びに風呂場に行った。
伊藤さんは私の体を丁寧に洗ってくれた。
伊藤さんは優しかった。

風呂を出て暫くするとまたチャイムが鳴った。
若い男の人が部屋に入ってきた。
「紹介するわ弟の達哉…。」
伊藤さんがそう言う。
「初めまして……。」
達哉さんは私に笑顔を見せた。

「達哉は主人の後輩なの…。」
「お医者さん?」
「まだ卵だけどね…。」
「私になんで紹介してくれたんですか?」
「千佳ちゃんの事話したら是非逢わせろって…。」
「そうですか…。」

「迷惑よね?」
「いえ、でも私、子供ですよ…。」
「僕は一目で気に入ったけど…。」
「じゃお友達からでどう?」
綾さんが取り成すように言った。
「はい…。」

「宜しく!」
達哉さんが握手してきた。
大きな暖かい手だ。
私と達哉さんはメルアドと電話番号を交換した。
「何時でもかけて良いから…。」
「はい…。」

これが私と達哉との出会いだった。
この時達哉は医大の4年生。22歳。
私は中1の13歳。
私は何だかうきうきしていた。
それから私と達哉は連絡を取り合った。
メールや電話で。

3週間が過ぎた。
私の運命を大きく変える出来事が起きた。
祖母が死んだ。
原因は不明。

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