千佳
木漏れ日:作

■ 29

何か秘密めいた悪い事をしている…。
そんな気がしていた。
だから余計興奮した。
ワレメの合わせ目の部分に触った。
コリコリして硬い何かがある。
(何、これ?)

明らかにさっきより敏感になっている。
そっと触ってみる。
コリコリを中心に丸を描くようにこねてみる。
「ああっ…。」
思わず声が出た。
慌てて口を押さえる。

鋭い快感だった。
(凄い! でもどうなちゃうの?)
そう思った。
(もうやめなきゃ…。)
しかし好奇心に勝てなかった。
(最後はどうなるんだろう?)

刺激を続ける事にした。
(これは実験なの!)
そう思う事にした。
快感の最後がどうなるのか?
気になって仕方がない。
眠気など忘れていた。

(これ邪魔…。)
そう思い寝巻きを脱いだ。
念の為に扉を開けて廊下を見る。
物音一つしない。
両親はもう寝たようだ。
(これなら平気…。)

扉を閉めて布団に戻る。
電気を消した。
起きているのを知られない為だ。
目を閉じる。
意識を集中した。
指がコリコリに触れた。

コリコリを指の先でつまみ少し動かした。
変な気がした。
イヤではなかった。
少し強くした。
快感が広がった。
こするスピードを速める。

快感が急に強まった。
指にヌルヌルした液が触れた。
構わず刺激を続けた。
「ああ……。」
思わず声が出た。
夢中だった。

刺激を続けた。
お腹の奥が熱い。
何時の間にか腰を浮かせていた。
体験した事のない快感だ。
「はぁはぁはぁ……。」
手が疲れ触るのを止めた。

心地良い疲れが眠気を誘う。
そのまま目を閉じた。
翌朝。
起しに来た母親が、
「いくら何でも裸で寝ちゃ駄目よ…。」
と注意された。

「そんなにひどかった?」
「大股開いてイビキかいてた…。」
「やだ…。」
さすがに恥ずかしかった。
しかしあの快感は忘れる事が出来なかった。
その夜も布団に入るとついアソコに手が伸びた。

今度は寝巻きを脱がなかった。
寝床に起き上がりアソコを触る。
手が充分届くので手の平全体で触る。
すぐに気持ち良くなってきた。
「はぁはぁはぁ…。」
声が押さえられない。

「ああん…気持ちいい…。」
夢中だった。
「泰子どうしたの?」
母親の声がした。
「な、何でもない…。」
戸が開いた。

母親が立っていた。
「どうしたの?」
「何でもないよ…。」
「そう? 寝なさいね…。」
「はーい…。」
母親は戸を閉めて立ち去った。

暫く布団の中で耳を澄ませていた。
物音がしないのを確かめてもう一度アソコに触った。
さっきより強い快感が押し寄せた。
触り続けた。
「ああ……。」
イク事はなかった。

しかし気持ち良かった。
そのまま目を閉じた。
深い眠りに落ちて行った。
朝。
母親に起こされた。
「起きて!」

布団を捲くった。
「いやらしい…。」
「え?」
自分の股を見る。
そこに自分の手が挟まっていた。
何も言えなかった。

慌てて飛び起きトイレに行った。
朝食を食べて家を出る。
何時もと同じようにノーパンだ。
(やらしい子…。)
自分の事をそう思った。
風が心地いい。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊