奴隷少女 亜里沙
工藤琥珀:作

■ 1

「やっと、終わったかぁ」

 教師が出て行くのを見届けた少年は大きく背伸びをし、凝り固まった肩を揉んだ。見ると、追試を受けている他の生徒たちも彼と同様にし、その全てが疲れた顔をしていた。

 彼の名前は秋葉幸太と言い、高校一年生で、どこにでもいる普通の少年だ。成績は平均よりも上なのだが、数学だけは大の苦手で、その日もいつものように視聴覚教室で追試を受けていたのだ。体格は男にしては小柄で、少年アイドルには敵わないが、かわいい顔をしていた。

 追試を終えた生徒たちが身支度を整えてぞろぞろとその教室を後にし、遂には幸太一人になってしまった。ただでさえ広い視聴覚教室が更に広く感じられ、シーンと静まり返っているので、恐怖感さえ漂っていた。

 幸太はバッグに筆記用具を放り込み、逃げ出すようにその教室を飛び出していった。校舎内には誰の姿もなく、射し込んでくる夕日が彼の顔を柔らかく照らし出していた。

 階段を駆け下りた幸太は不意に尿意を覚え、ズボンの上から股間を押さえながらトイレへと急いだ。

「あ、くうん……。キャ!」

 一階にある男子トイレの前まで来たそのとき、悲鳴にも似た叫び声が幸太の耳に飛び込んできた。それは、隣にある女子トイレから聞こえてきていたのだ。

「誰かいるの?」

 幸太は声を押し殺してそう言い、恐る恐る女子トイレへと入っていった。もちろん女子トイレに入るのは生まれて初めてで、幸太は背徳感に苛まれたが、それ以上に興奮で胸が高鳴っていたのだった。

「あっ!」

 幸太の息が詰まり、止まってしまうのではないかと思うくらい心臓が大きく飛び跳ねた。

 トイレの床に少女が座っていたのだ。座っているだけならまだしも、なんとその少女は裸で、下着一枚身に着けてはおらず、大事な部分が露になっていた。しかも少女は足を限界いっぱいまで開いた状態のままロープで縛られて固定され、お世辞にも綺麗とは言えないトイレの床に直にお尻をつけていたのだ。更に驚くべきことに、その少女の二つある乳首の両方には洗濯ばさみがはめられ、オ○ンコにはぶっといバイブが食い込んでいたのである。

「滝沢さん」

 幸太は声を搾り出した。彼はその少女を知っていたのだ。

 その少女の名前は滝沢亜里沙と言い、幸太のクラスメートなのだ。亜里沙は頭がよくてスタイルも抜群で、クラスの男子だけではなく、学校中の男子生徒から絶大なる支持を得ていた。ファン倶楽部まで創設されているほどなのだ。幸太も例外ではなく、亜里沙ファン倶楽部の一員で、多くの男子生徒と同じように彼女に好意を寄せていた。自慰に耽らない日はなく、寝ても覚めても亜里沙のことが頭から離れなかったのだ。

「ごめんね、秋葉君。私って、変態マゾなの」

 固定されている腰を目いっぱいくねらせながら亜里沙は告白し、クラスメートに見られた恥ずかしさとその何倍もの割合で彼女を支配している嬉しさでその顔は紅潮していた。

 幸太は目の前の光景が幻としか思えず、口をぽかんと開けたまま、ただひたすら目を擦っていた。

「秋葉君、じゃなかった幸太様、もっとよく見てください。変態マゾの私の本当の姿を、その目に焼き付けてください」

 亜里沙は幸太のことを、嬉しそうに幸太様と呼んだ。バイブによって蹂躙されているオ○ンコからはとめどなくラブジュースが噴き出し、お漏らしをしたかのように彼女の股間と太ももを濡らし、その冷たい床にはたまりが出来ていた。

 幸太は生唾を飲み込み、頬をつねってみた。それはやはり痛く、幸太は夢ではないと実感した。

「幸太様、私を苛めてください。実は、私、貴方に苛められるのがずっと前からの夢でした。私の夢を叶えてください。私、貴方のためなら何でもします。どうか、私を幸太様の性奴隷にしてください。お願いします」

 亜里沙は幸太の目を見つめながら告白し、その澄んだ目からは大粒の涙がこぼれていた。

「亜里沙もそう言ってることだし、彼女の夢を叶えてあげたら。秋葉君、遠慮は無用よ。あなたの好きなようにやっていいのよ」

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