俺だけの肉奴隷
木暮香瑠:作

■ 決行の日は来た3

 こんなに早くチャンスが来るとは思ってもなかった。それも、3日間もあるのだ。午後10時、耕市は部屋を出て、絵理香の家に行った。案の定、玄関も裏口も鍵は掛かっていた。しかし、耕市は知っている。おばさんがいつも合鍵を裏口の横の植木鉢の下に隠しているのを……。忘れ物をしたおばさんが裏口から入っているのを見たことがあるのだ。耕市の部屋から裏口がちょうど見える。
 音がしないように裏口の鍵をあけ、そっと階段を上がっていった。階段には、シャンプーのあまい香りが残っていた。風呂から上がったばかりなのだろう。絵理香の部屋からは、ドライヤーの音と最新のポップスの曲が小さな音で聞こえてきた。ピアノ練習のための防音の効果なのだろう。他には家には誰もいなくて、静まりかえっているため聞くことができるが、そうでなければ、きっと何も聞こえないだろう。ましては、家の外では…。

 耕市は、絵理香の部屋のドアを開けた。
 パジャマ姿で、髪を乾かしていた絵理香が、驚いた顔で振り返った。
「どうして?」
 耕市がいることを不思議に思ったのだろう。家の鍵はすべてちゃんと掛けたはずだ。絵理香は気を取り戻して、また、入ってきたのが耕市だったのでちょっと安心したようで、
「どうやって入ってきたの。どうしたの、耕市」
 絵理香は、耕市がいることを不思議そうに、また、女性の部屋にノックをせずに入ってきたことを怒ってるようだった。
「絵理香を誰にも渡したくなくって…。俺だけの絵理香にしておきたくって…。」
 そう言いながら、耕市は、持ってきたザックの中から、カメラと手錠を取り出した。
 異常な雰囲気を感じ取ったのだろう。絵理香は、
「大きな声を出すわよ」
 といいながら濡れた髪を乾かしていた手を止め、一歩下がった。
「誰にも聞こえやしないさ。自慢の防音設備だろ?」
 首を小さく横に振りながら絵理香は、窓の鍵を開けようと窓の方に身体を翻した。
 耕市は、とっさに、絵理香のさらさらとした背中まである髪に手を掛け、引き倒した。
「キャー……」
 絵理香は悲鳴を上げながら仰向けに倒れた。倒れた絵理香の頬を、耕市は、思いっきり平手でたたいた。パチーンと音が響き、絵理香の右頬がピンク色に染まった。絵理香は、何が起こったのかというようなきょとんとした顔をした。いままで誰にも殴られたことがなかったのだろう。普段から自慢の大きな瞳がさらに大きく開き、涙で潤んでいた。
 耕市は手錠で、絵理香の手を後ろ手に施錠した。
「やめて、どうしたの、耕市」
 涙目で目を真っ赤にした絵理香が訴えかけるようにいった。
「い、いけないわ、こんなこと。今なら誰にも言わないから……」
「絵理香を俺だけのものにしたいんだ。言っただろう」
 耕市はカメラを構え、まず一枚、パジャマ姿で床に座る絵理香の写真を撮った。それから、おもむろに、絵理香のパジャマの襟に手をかけ、力任せに左右に開いた。パジャマのボタンが飛び散り、ブラジャーに包まれた胸が現れた。

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