晴美携帯電話調教
はなまる:作
■ 1
シャワーから流れるお湯が白い肌をほんのりと桜色に染める。
お湯は首筋から豊満な胸を滑り落ち、腹部から太股に流れ落ちる。
皆川晴美(みながわ はるみ)はどこにでもいる高校生だった。
成績は中の上。得意な科目は社会。部活は水泳部。
Hなことには興味はあるが、セックスの経験はない。男と付きあいたいとは思うけど、自分から声をかけることができない。そんな少し奥手な少女だった。
時刻は夕方。部活が終わり、塩素臭い水を十分に洗い流したあとで制服に着替える。
家への帰路の途中、彼女は耳慣れない音を聞いた。携帯電話の呼び出し音。
晴美の持っている携帯の着信音ではない。だけど音は彼女のカバンの中から聞こえてきた。
カバンを覗くと、自分の携帯とは別に見慣れない携帯電話があった。メールの着信があったのか、ピカピカとランプが光ってる。
怪訝に思いながらその電話をとる。
「え……?」
液晶に移る画面を見たとき、晴美はそんな顔をして顔を青ざめた。
そこには、一糸まとわぬ自分の姿が写っていたのだ。
家で風呂に入っているときの姿がはっきりと写っていた。顔、胸、腹部、臀部、そして陰毛……。
なにこれ……? 晴美が混乱していると、もう一度携帯電話が鳴り始める。
『ご主人様』という名前でかかって来た電話。最初その携帯を投げ捨てようかと思ったが、それに出ることにした。
『はじめまして。その待ち受け画面、気に入ってもらえたかな?』
「……貴方、誰です?」
『さぁ? とりあえずその待ち受け画面を撮った人なのは間違いないよ』
「撮ったって……!」
『綺麗でしょう? いっぱい撮ったけどそれが一番いいアングルだったよ」
「いっぱい撮った……? 私の裸を?」
『うん。お姉さん、いいカラダしてるね。学校の人とかに高く売れそうだよ』
「売る……? やめて……そんな……」
『売ってほしくない?』
「あ、当たり前です!」
『じゃあ、ボクのいうこと聞いてくれるかな? さっき送ったメールを見てね。それじゃ』
電話は突然に消える。
晴美は震える手で携帯を操作し、メールを見た。
今まで普通の生活をしていた皆川晴美は、その携帯電話より普通から外れるのだった……。
<ご主人様より。
ボクの撮った写真、喜んでもらえたかな(^o^)
晴美の写真を6枚持ってるんだ。一つ言うことを聞いてくれるたびに、ひとつ破棄してあげるね。ボクって優しいね(^^)y
連絡はこの携帯からするから楽しみに待っててね。5回コールしてでなかったら学校のみんなに画像をばら撒くよ。そんなのイヤでしょう?
最初のお願いは『部屋でオナニーをする』だよ。
8時に電話するから、それじゃまた(^_^)ノシ >
メールの内容を確認し、晴美は呼吸が荒くなるのを自覚した。
写真は六枚。一回につき一つ破棄する、ということは六回相手の言うことを聞かないといけないのだ。
その日、家に帰ってからの記憶は曖昧だった。
気がつけば、八時前。制服のまま机に座って、『ご主人様』の携帯電話を手に震えていた。
ピピピピ……。
携帯電話が呼び出し音を発する。一回、二回、三回、四回……。
五回目のコールがなる前に携帯を手にとる。
『やぁ、八時だよ。準備はできているかい?』
『ご主人様』の声が晴美の耳に響く。外出に迎えに来たような軽い声。
「……貴方、誰です……?」
『あれ、もう一回説明が必要? キミの写真を撮った人だけど』
「そういう意味じゃありません! 恥ずかしい写真を撮ってオナ……恥ずかしいことさせるなんて! 犯罪ですよ!」
『犯罪だね。でもそれがどうしたの?』
あまりにあっさりと答えられ、晴美は絶句した。
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