人妻の事情
非現実:作

■ 人の妻として16

「変な事は考えないようにね奥さん、前も言ったけど僕達は契約上の関係だ。
僕はS○Xには本当に興味ないからその辺は安心して。」
「……は…… ……ぃ、ぃ」
「うん、じゃあ見せてよ、僕のプレゼントを着込んだそのイヤラしい身体をサ」
「……ぁの」
「まずはブラウスからだ、さぁ」

微妙だが口調が変わった田崎さんに、私は圧倒されてしまっていた。
いづれにしても拒否は許されない。
まるで操り人形の様に、震える両手でブラウスのボタンを上から一段ずつ外す。
肌の露出を避けるが為に、ブラウスを出来るだけ寄せながら、たっぷりと時間が掛かりボタンを全部外せ終えた。
その間ベッドに座る田崎さんは何も言わずに、私の動向を瞬きさえ惜しむような感じで凝視していた。

「お、終わりま……し、た」
「ボタン外して終わり、じゃないよねぇ奥さん?」
「〜〜……」

解っている、解っているのだけれど……。
深呼吸を1つ、「これは契約」という言葉を頭で唱えながらブラウスを肩口からゆっくりと滑り落とした。
フゥ〜〜〜という田崎さんの溜息が聞こえた……。
(ご、ゴメンなさいゴメンなさい…ゴメンなさいぃぃぃっ!!)
着けているブラジャーは田崎さんからの物では無く、いつもの清楚を主張としたシンプルなピンク色のブラジャーである。
ただただ……怖かった。
ありがた迷惑なプレゼントしてくれたブラじゃない事に、田崎さんは何て言うだろうかと。

「う〜〜〜〜〜ん、良いねぇソレもそれで実に良いねぇ。
商売女の顔の中身のブラは可愛らしいピンクのブラねぇ〜〜。」
「ぇ?」
「そのギャップが良いよ理沙ちゃん、まぁ着けてくれなかったのは残念だけど」
(ぇっと、勘違いしてる?)
「でもサ、ぶっちゃけて言うとサ、着け方解らなかったんでしょ、理紗ちゃん?」
「ぇ…… ……」

バレていた。
恐らく私の表情はそのまんまだったのだろう、田崎さんが突然笑い出して、こう切り替えしたのだった。

「貴女みたいな上流家庭育ちの人がね、僕のプレゼントを全部着こなしたら怖いよ。
何せ見たこと無い物ばかりでしょ、いきなり完璧に着込んでたら流石に僕も引くよ。」
「……ぇ…は、ぁ」
「ブラは着けられなかったんだよねぇ〜〜……。
でもね、そういう感じが逆に良いんじゃない、奥様って感じでねぇ。」
「そ、そん…な」
「奥さんって結構完璧主義だよねぇ、1つもミスがあったらイケナイとか。
でもね、僕達からしてみたら何でも一発でやられるのも面白くないんだよねぇ。
何ていうの?、段々出来てゆく過程が楽しいってやつ?。」
「は……ぁ」

何となく理解したものの、安堵感に私は身が崩れそうになるのがやっとだった。

「さすがに何時も着けてるだけあって似合うねぇ〜その可愛らしいブラも。
まさに淑女です、と言わんばかりの清楚さだねぇ。」
「す、ぃません……でした」
「ウフフ、かぁわいぃねぇ〜〜理紗ちゃんはぁ」

誤る必要などないのだが、ついつい口に出てしまう。

「さぁ、じゃあネ、スカートを落としてごらん」
「…… ……は、ぃ」

命じられたトコは女の大切な箇所だった。
この人と決めた以外の人に晒す事など決して許されない、そう言われ育てられた私には決意の行為である。
フレアスカートのホックに手をやるが、その手が中々動かなかった。
網目の大きい真っ赤な網タイツの親指がモジモジと蠢くのみ。
下向きそれを見ていた私は他人事ながら、その親指が別の淫猥な仕草に見えた。

「んふっふっふ、理紗ちゃん〜〜男心を擽るような事してぇ〜〜」
「ぁ、いぇっ、これはソノッ!!」
「そのスラリと伸びた美脚を包み込んだ網タイツねぇ〜。
良いじゃない良いんじゃなぃのぉ、さぁさあスカートを下ろして見せて御覧。」
「〜〜〜…〜〜〜〜〜……」

震える指……愛用しているフレアスカートのホックには掛かっているのだけれど……。
指動揺に、いや更に大きくガクガクと震える真っ赤な網タイツで包んだ両足。
(やるしかないの、理沙っ!)
覚悟を決めて震える指を強引に動かして、ホックを解いた。

パサァ…… ……

床に落ちるフレアスカート。

「ぉおおおっぉ〜〜〜〜っ!!」

田崎さんの感歎の声が室内に響いた。
(やめてぇぇぇ……そんな声…ハズかシィぃぃ……)
内股を擦り合わせるようにして、私は極限まで隠そうとするが……。
包むスカートが無ければ意味も無いのだった。
下半身を包む物は、田崎さんのプレゼント。

「おっほっほっほ〜〜いやぁぁ〜〜〜良いんじゃなぁ〜〜い奥さん!。
色んなトコが丸見えだよぉお、2つの穴が奥さんの大事なトコをパックリだよお。」
「ゃっぁああだっぁ!!?」
「あーあーあーーー隠さない隠さない、隠しちゃ駄目でしょ奥さんっ!!」
「ンでぇもぉっ!」
「ナァニナニ〜恥ずかしいのか、こんなイヤラシイ下着見せちゃって恥ずかしいの、奥さん?」
「ゃ…ぁっぁ……うっぁはぁ……恥ずかしいぃぃっぃ!」
「内股モジモジさせてもぉ〜〜穴開いちゃってるから見えちゃうよぉぉ〜〜奥さぁん!」
「ゃあ、だか…っら、みな……いでぇぇ」
「うわぁぁ清楚な奥さんがこんな下着穿いちゃってるのぉ?、うわぁ〜凄いイヤラシイぃ」
「ゃ…だ、めっぇ…ぇええっぇ!!」

田崎さんの、ギラギラと食い付く視線と追い詰めるような言葉。
(嫌だぁぁぁあ……恥ずかしいぃぃ〜……)
これ以上の羞恥心は初めてだった。
…… ……やだぁ……。

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