百花繚乱
百合ひろし:作

■ 第九章 記念試合に向けて4

肩のストラップに手を掛けて下ろして腕を抜いた。横向きなので逆側はやりづらく、再び仰向けに戻り、片膝を立てて布団を持ち上げ少し光が入る様にした。それからもう片方のストラップも肩から外して腕を抜いた。
「……」
香は何も言わず、背中を気持ち持ち上げて背中に手を回し、ゆっくりとブラジャーのホックを外した。そしてブラジャーを胸の上からどけて、乳房を露にした。そして外したブラジャーを枕の横に置いた。
「ん……」
香は小さく声を出した。ブラジャーを外すというこの瞬間はいつも、特別に"感じる"瞬間だった。但し布団を被っているので見る事が出来るのは自分だけだが―――。
布団を頭から被っているので見えないが、今、掛け布団を取ったらパンティ一枚の香が片方の膝を立てている状態である。香はこの間のタッグマッチで亜湖にさせた格好を今自分がしている―――。もっとも靴下も靴も履いていない為、パンティ以外に身に付けてる物と言えば、普通ならベッドに入る時は外すが、"その姿を見る為に態々外さなかった"メガネだけだった。香はイヤリングもピアスもネックレスもしない為、メガネのみだった。
左手を露になった乳房の上に乗せゆっくりと乳首を愛撫し、右手は股間へとやった。
「……」
触ってみたら湿っていた。やっぱりさっきの夢で感じていたんだと香は思った。
ゆっくりとパンティの上から股間を愛撫した。最初はさわさわと布の音がしていたがそのうちに、クチュ、クチュと音を立てるようになった。
「……ん、……っつ」
香は小さく声を出しながら股間から来る快感を楽しんでいた。―――香は乳房の愛撫はそんなに好きではなかった。感じる事は感じるのだが、乳房は形の良さを見て楽しむものだという価値観があった。その為左手は最初は乳首を愛撫していたが、乳首から腹、腰と移動し、ピンクのパンティをさわさわと触り布の感覚を確かめたり、腰を浮かせて尻を触り、そして人指し指の指先を足の方から入れ、1.5cm位の細めのサイドから股間に沿って移動させ、股間まで着いたら、そこを愛撫する右手に乗せたり、と色々触っていた。
「ん……あ……っ、あっ」
右手の指の動きに合わせて小さく声を出した。片膝を立てていて布団を浮かせている為、緩やかに光が入り、更に布団の中の暗さに目が慣れて来た為、今の自分の状態が良く分かった。うっすらと汗をかき始めた肌、ピンクのパンティの模様ももう分かる位に見えていた。そして左手はパンティのサイドからフロントの部分に触れ、右手は股間の上。香はふぅ、と息を一回大きく吐いた。
「まだまだ……これから……よ……」
香はそう呟いた。誰にでもなく、自分自身に―――。そう、これから。この間の亜湖対さくらの時も試合を眺めながら、つい濡れてしまっていた。つまり、帰ってから今の様にオナニーをしたいと思っていたのだったが、美紗が実際隣で見ていた事もあり、強引にそういう感覚を仕舞い込み、そして帰る頃にはすっかり収まってしまったのだった。つまり溜まっていたのだ―――。だから今こそ自分の気の済むまでやっていよう、とそう思った。


「っ……あっ……あ……」
左手を右手に沿え右手でクチュッ、クチュッと鳴らしながら愛撫を続けた。足や頭、体を動かした時に布団との摩擦で起こる音と、この股間から出て来る液体―――愛液が鳴らす音のミックス、これが香を更なる快楽へと落として行った。
香は首を左右に振った。何かを拒絶するように―――。もう既にパンティのクロッチ部分は愛液でぐっしょりと濡れていてもういつでもイク事が出来る位になっていた。
「イ……嫌……まだ」
香は歯を食いしばり軽く目を閉じて我慢し、仕方なく右手での愛撫を止めた。このまま続ければイってしまう、確かにイっても快感は続くが、どっと疲れが出るのでまだイキたく無かった。只でさえ疲れているのにどっと疲れが出てしまったらまた寝てしまう。その時間が勿体無いと思った。
股間から右手を離し、指を見た。ねっとりと愛液が纏わり付いてて布団の間から入る光が反射してキラキラと輝いていた。
少し手を休めて考えた―――。亜湖とさくらは理由は何であれ下着姿で闘って居る。そう、理由は何であれ―――ではあるのだが、ある程度、そういう自分達の姿を認められないと下着姿で闘う等出来ないだろう。つまり、香が思うに亜湖とさくらは下着姿である自分達が好きである、という事だ。
香自身、私もそうなのかな? と思った。自分がオナニーというものを覚えてから、そういった画像を見た事が何度かある。全部脱いで○○んこを丸出し状態でやってるのを見ても何も感じないのだ。勿論自分が女だから、同性のオナニーを見ても―――というのがあるのだろうが、パンティを濡らしながらのオナニーには来る物があるのだった。それって、パンティ一枚姿プラスオナニーにエロスを感じてるというのである―――。つまり香はそれが好きなのだ。事実愛撫しながらもパンティを触っていたりするから。
香はコクリ、と納得した感じで頷き、再び右手で愛撫を始めた。今日はそれが分かったからやりたいだけやろう、ちょっと無理矢理な結論の付け方だけど―――。一回イッてしまっても、もう一回戦やればいいかな、と思った。

「うっ……あっ…あっあ……っっ」
左手をパンティから立てた左膝へ移動させ、膝裏に当てがい少し持ち上げた後、少しずつ感触を確かめながら太股の裏、そして尻へ移動させた。
右手はパンティの上から軽く突っ込んだり押したりと愛撫を続ける―――。早さを変えたり強さを変えたり、兎に角一定にならないようにしながら―――。
そう言えば聞いたことがあった―――大洪水という単語。その時はまだ意味が分からなかった、当時のクラスの男子がエロ話をしていたのだが、何故そこに洪水が? と思っていた。今の自分がそうじゃないのか、いじればいじる程快感が押し寄せ、そして際限無く愛液が出てくる。
最初はパンティが湿っていた程度だったので布の擦れる音だったが、濡れてくるとクチュクチュいうようになり、今はグチュッ、グチュッと音を立てている。また、その音が、私は感じまくってるんだ―――、と香をさらなる快感に誘う。
左手で尻をさわりながら、そちらの方向から股間へと移動させた。すると、クロッチ部分は完全に愛液が浮き、そして継ぎ目からバック、後側にも染みていた事が確認出来た。予想以上に濡れている―――。
「あっ……ああっ。イ、イキそう…っっ」
左手を尻側から前に回し、右手に乗せる形にし、両手で股間により刺激を―――。より強い快感がつき抜け、一瞬腰を持ち上げた。香は右足をより開き、立てている左膝を外側に倒し遅れて足先を移動し足を開き、両手でいじり易くした―――イク為に―――。
「……っ、イクっ。あっ、ああっ!」
香は左腰を少し持ち上げ、軽くブリッチした状態になり、そして痙攣が来た。最後は声の抑えが効かなくなり、少し大きくなった。持ち上がった状態から落ちてビクッ……ビクッと痙攣する腰、更に出てくる愛液―――、もうパンティに染み込み切れない程出ていた。
「あ……、ハア、ハア」
少しだけ余韻に浸るように痙攣に合わせて声を出した後は、息を切らせて、声を出さずにただ呼吸を整えていた。
両手は広げた足の間―――股間にあったままだっで、少し動かしただけでクチュッと鳴った。
香は目を開けた。途中までは自分で自分のオナニーを見ていたのだが、いつの間にか目を閉じていた。
「……凄く……良かった……」
香は呟き、そのままの体勢で余韻に浸った。痙攣はおさまったと思ったが、一回ビクッと痙攣し、また少し暖かい感覚がして愛液が出てくるのが分かった。香は足を閉じてごろんと横向きになった。すると愛液が一部、太股を伝って来た。

両手を股間から離した。そして、愛液まみれになった手をギュッと握り締めた。その時もクチュッと粘る音がした。
「……美紗、亜湖―――。叩き潰してあげるわ……」
香はそう呟いた。そして力を込めて握ったその拳を暫く見た後、ベッドから出て立ち上がった。眩しかった。肩や乳房を見るとうっすらと汗が浮いていた。確かにずっと頭まで布団に潜っていたので暑かった―――。
下半身を見ると、パンティはぐっしょりと濡れていて、染み切れなかった分の愛液が立ち上がった事でゆっくりと太股を伝って落ちていくのを感じた。
香はティッシュを取って、両手と太股を伝った愛液を拭き取った。そしてベッドに目を移すと、シーツは背中が当たった部分が汗で湿っていたが、腰が当たった部分は愛液が染み込んでいた。
「……」
香は何も言わずに枕の横に置いたブラジャーを拾い、脱いだ服の上に置いた後、掛け布団を退けてシーツを外した。
その後ガウンを羽尾って脱いだ服とシーツを持って、風呂場に行った。シャワーを浴びて風呂に入り、疲れと―――そして汚れを落とした。そして下着やシーツ等も洗濯した。

「ふー」
髪をまとめてタオルでくるんで風呂桶につかり香は一息ついた。
「まだまだ時間はある―――、出来るだけ詰めておこう」
そう呟いて肩の筋肉をほぐした―――。勿論美紗と亜湖を完璧に叩きのめす事を考えながら。

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