母はアイドル
木暮香瑠:作

■ 奪われる初めて1

「ああ、あうっ、あ、あン……」
 新学期も始まった九月、まだ暑い日が続く龍一の部屋に、まさみの喘ぎ声が木霊する。授業をサボった龍一に呼び出されたまさみは、いつものように犯されていた。部屋に籠もった熱気と熱い交わりで、まさみの白い裸体が汗でほんのりと桜色に照かっている。龍一は、まさみの膣のフィット感、締め付けを楽しむようにゆっくりと腰を送っている。反り返りゴツゴツした棹、エラの張ったカリ、それらを襞が一分の隙間もなく締め付けてくる。

 まさみは、じわじわと押し寄せてくる甘美な刺激に耐えていた。
(だめっ、逝っちゃあ……、駄目なんだから……。先生、助けて……)
 まさみは、先生こと浩二の顔を思い浮かべていた。浩二の顔が耕平に移り変わる不安を抱きながら……。
(先生、わたし……、先生で逝きたい……。先生……)
 そのとき突然、龍一は腰を送るのを止めた。
「!?」
 逝く直前で責めを止められ、まさみは戸惑いながら龍一の顔を見る。
「奈緒、どうして俺のところに来るんだ? 芸能界を辞めてあの家を出れば、逃げることも可能だろ」
「先生を愛してるから……、あの家から出て行きたくないから……」
「ふんっ」
 まさみの答えに龍一は、疑いの薄ら笑いを浮かべた。
「ふん、本当にそうか? お前、耕平に惚れたんじゃやないのか」
「そんなこと、あるわけないじゃない。耕平君は先生の子供、わたしの息子なんだから……」
 まさみは、口を尖らせ否定する。耕平の名前が出た途端、先生を思い浮かべて逝けない事……、逝く瞬間、思い浮かべている先生の顔が耕平に代わることが脳裏を過ぎることがまさみを苦悶させる。
(そんな筈ない。耕平君を好きだなんて……。わたしは先生を愛してるんだから……)
 まさみの表情には、明らかに動揺が表れていた。

「おまえ、この前、おまえの部屋で逝く時、誰の名前を呼んだか覚えてるか?」
 股間を貫いたまま、まさみの顔の両脇に手を着き覆い被さった龍一が真剣な視線で問うた。
「えっ!? わたし、名前なんて呼んでない」
「覚えちゃいねえのか。気持ちよさそうに逝く瞬間だったからな」
 ふんっ!! と龍一は鼻を鳴らした。
「耕平の名前を呼んだんだよ。初めての男は忘れられないってか?」
「う、嘘! そんなの嘘よ」
 興奮が肢体に力を入れさせる。龍一のものをギュッと締め付ける。
「嘘とか言いながら、マ○コがヒクヒクして俺のチ○ポを締め付けやがる。思い当たることがあるみたいだな。マ○コは嘘を吐けないって言ってるぜ。正直な身体だな」
「嘘よ、嘘ッ! 絶対呼んでない。放して、帰して!!」
 まさみは、龍一の胸を両手で撥ね退けようとする。しかし、簡単に手首を取られ頭の両脇に押さえ付けられた。
「ううっ、帰して、ううう……」
 まさみは否定しながらも、動揺を隠すことが出来ない。下腹部に力が籠もり、龍一を締め上げる。
「誰がお前を気持ちよくさせてるか、しっかり覚え込ませてやる」
 龍一は、クイッと腰を動かし膣の天井をカリで擦り上げた。
「ひっ!! ううっ……」
 燻っていた淫欲が悲鳴を上げる。
「言え! 誰とやってるんだ?」
 龍一は、犯しながら名前を呼ばせる。
「いやっ! イヤよ」
「じゃあ抜くぜ。いいのか? 逝きたいんだろ」
「こ、これで終りにしてくれるなら……せいせいするわ」
「本当にそうかな?」
 龍一は小刻みに腰を動かし、グリグリとまさみのGスポットを刺激する。
「ううっ! う……」
 仰け反り白い喉を伸ばすまさみ……。
「逝きたいんだろ。さあ、言えよ、誰とやってるか。誰に気持ちよくしてもらってるか、言えッ!!」
 まさみは、首を横に振り否定する。しかし、焦らされ続けた身体は、官能を発散する刺激を求めてブルブルと身震いする。待たされ続けた官能を解放してくれる肉根を、招くように収縮し引き込もうとした。しかしまさみは、嬲られてる龍一に逝かされることはどうしても認めたくなかった。
「いやっ!!」
 まさみは、激しく首を振り叫んだ。
「じゃあ、おあずけだ。このまま入れたままでも、俺はいいんだぜ。そのほうが、おまえのマ○コを長く味わえるからな」
 龍一が腰の動きを止めた。まさみの更なる動揺を誘う。
「でも、そろそろ耕平が家に帰る時間じゃないのかな」

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