母はアイドル
木暮香瑠:作

■ 奪われる初めて4

「出すぞ! 出すぞ!! おまえの口の中に全部、出してやる!!」
 まさみの喉の奥で肉棒が脈打ちながら膨れ上がる。
(うっ?! 太すぎる!! 顎が、顎が外れちゃう……、いやあああぁぁぁ……)
 膣で感じるのとは違う威圧感にまさみは驚愕する。
「飲め! 全部飲み込むんだ!!」
 龍一は、怒張をまさみの喉奥深くに突き刺した。

 喉の奥で肉根がビクビクと振るえ、力強く反り上がる。そして喉の奥を突き上げる。
「ううん、ううっ、ウウウ……」
 射精が迫っていることを察したまさみが、肉根に押し殺された悲鳴を上げる。
「うおおおぉぉぉ……」
 龍一は、雄叫びを上げると共に精液を放った。
「うぐっ、うぐううう……」
 放たれた青臭い性が喉に張り付く。まさみは絡んだ精液を吐き出そうとするが、それも出来ない。龍一の肉根が喉に栓をしたままだ。

 まさみの頭を両手で押さえ股間に強く押し当てたまま、最後の一滴まで注ぎ込むように腰を揺する。そして背中を仰け反らせ腰を前方に突き出した。太い怒張がまさみの喉奥に押し込まれ、気道いっぱいに密着しまるで逆流を拒むように栓をする。
「一滴も零すんじゃねえぞ。そらそらそら、飲め、飲むんだ!!」
 まさみは、苦しさに耐え切れなくなりゴクッと喉を鳴らした。

「ゴホッ、ゴホッゴホッゴホッ……」
 唇を解放されたまさみが咳き込む。喉の奥に張り付いた粘液に、まさみは咽返った。僅かに残っていたザーメンが吐き出され、まさみの掌に貼りつく。
「勿体無いことするんじゃねえ! 吐き出すなんて」
 龍一はまさみの手を取り、顔に押し付けた。そして、零れた白濁液をまさみの顔に塗りたくる。
「うっ、うう……。酷い……」
「どうだ、悔しいか。おまえの口マ○コ、初めてを俺に奪われて! これで俺も忘れられない人になったな、おまえにとって……。ハハハ……」



 龍一から解放されたまさみは家に着いた。耕平はまだ帰っていないようだ。まさみは、ほっと胸を撫で下ろす。
(夕食の準備、しなくちゃ……)
 そろそろ耕平が帰ってくる時間だ。まさみは、慌ててキッチンに立った。

 鍋にバターを溶かし、小麦粉を加えて炒める。牛乳を加えトロトロになるまで煮詰める。愛する家族の為に料理を作る。まさみにとって、全てを忘れられる掛け替えのない瞬間だ。母が幼かった頃の自分にしてくれたように、まさみも家族の為に料理を作ることは大切な時間だった。
「これでいいかな?」
 まさみはホワイトソースを鍋から一掬いし、ぺろりと舐め出来を確かめた。

「ただいまぁ」
 耕平の声が玄関から聞こえる。
「お帰り、耕平君」
 まさみは、今日の悲しい出来事を忘れたかのように笑顔を作った。

 耕平はまさみの顔を見た。先日の龍一のことがある。今日も何かあったのではないかと危惧していた。
(何も無かったみたいだな)
 耕平は、まさみの笑顔を見て安心した。その時、唇に白いヌメリを見つけた。
「あっ、唇に……」
 耕平は、何が付いているんだろうと、まさみの唇のヌメリを見詰める。
「えっ!?」
 まさみの鼓動が、動揺に早鐘のように打ち鳴る。
(精液、ザーメンが残っていた!? 龍一さんの……)
 まさみには、耕平の視線が昼間の出来事を見抜いているように思えた。

 耕平の視線がまさみを離れ、コンロの上に移る。そして、フライパンの中にホワイトクリームが出来上がっているの見つけた。
(なんだあ。ホワイトクリームだ)
「クリームが付いてるよ」
 耕平は、明るくまさみに言った。
「あっ、ありがとう」
 顔を伏せ、慌てて唇を拭うまさみ。耕平は、その仕草にドキッとした。ピンクの唇に触れる白くて細い指、思わず女性を意識してしまう。龍一に渡されたDVDの中で見せ付けられたまさみに淫裂、それを割る龍一の怒張。そしてまさみの憂いを含んだ表情を思い出してしまう。
(あの表情……、俺の顔が思い浮かんでたんだ……)
 耕平は、恥ずかしさを隠すように視線を鍋に移した。
「今日はクリームシチューか……」
 まさみの横で鍋を覗き込む耕平。
「オヤジも好きだったな、クリームシチュー……」
「うん。耕平君も好きでしょ?」
「ああ」
 先生と耕平、二人の好物を意識して作っていたまさみは、それに耕平が気付いてくれたことが嬉しかった。
「もうすぐ出来るから、着替えて待ってて」
 まさみは、耕平に声を掛けると、いそいそとシチュー作りに励んだ。

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