母はアイドル
木暮香瑠:作

■ 試される愛5

「やっぱり来たか」
 龍一の家に着いたまさみは、龍一の部屋に通された。
「早かったな。でも、今日のうちに来るとはな……、ふふふ……」
 龍一はまさみの顔を見て、何か言いたげに語尾を濁し笑った。
「カ、カメラを返しに来ただけ……」
 まさみは、棘のある返事を返した。先生に逝かせてもらえなかったことへの苛立ちなのか、感じたいのに感じられなかった自分への苛立ちなのか、それとも官能が登りつめられなかったことへの不満を内側からまさみに向けていたのかもしれない。自覚はなかったが、まさみは確かに苛立っていた。

 龍一はまさみを背後から抱きしめ、そして耳元で呟いた。
「愛してるぜ、奈緒」
「証拠のビデオ……、見なくて良いの?」
 倦怠期の彼女のような冷たい口調でまさみは言う。
「見る必用なんてねえよ。お前の顔の書いてるぜ、感じなかったって」
 龍一は、まさみの顔に手を沿え振り向かせた。
「セックスに餓えた牝ブタみたいな顔だな。龍一様のチ○ポが欲しいって、顔に書いてるぜ」
 そういうと龍一は、背後からまさみの唇にキスしようとする。
「やめて、恋人気取りは!」
 まるで熱愛中の恋人のような行為に、まさみは眉を折り顔を背けた。

「そんなこと言って良いのか? どうせ、俺のチ○ポ入れられたら、ヒィヒィよがるくせによ」
 胸に廻した手で、膨らみをギュッと握り潰す。
「うっ!」
 まさみは、悔しさに声を詰まらせた。龍一の人差し指は、服の上から乳首の先端を的確に捉え押し込んでいた。また感じさせられてしまう、どんどん龍一の色に染められてしまう、そのことが悔しかった。
「どうせ、お前の先生じゃ感じられなかったんだろ? 愛がないから感じないんだぜ」
 まさみを背後から抱きしめたまま、耳元で囁くような龍一の言葉。まるで恋人同士のような仕草だが、まさみの気掛かりを突いた言葉は動揺を誘う。
「違う!! 先生はわたしを愛してくれてる。わたしも……、先生を……愛……してる……」
 まさみは俯き、顔を左右に振った。しかし、語尾は力なく消え入りそうだった。
「お前の言う愛なんて、嘘っぱちなんだよ。俺の愛は本物だぜ」
「嘘!! あなたに愛なんてない!!」
 力強く否定するが、泳ぐ瞳が心の揺れを表す。
「お前から誘ってきたじゃねえか。お前を感じさせられるのは俺だってこと、お前が認めたんじゃねえのか? だから来たんだろ」
 龍一は念を押すように畳み掛けた。

「耕平のオヤジなんか忘れて、俺の女になれよ。その方が幸せになれるぜ」
 そう言って龍一は、スカートの中に手を忍ばした。
「犯りたいでしょ? 犯せばいいじゃない、早くぅ!!」
 まさみの語気は強いが、じれったそうに鼻に掛かっている。
「抱かれたいんだろ? 俺に……。素直にそう言えばいいじゃないか。ここはもう、ビショビショだぜ」
 まさみは、来る前から濡れていたパンティを指摘され頬を紅くした。嬲られることを覚悟して、いや、期待して愛蜜を滴らせていた。

 背後から抱かれ、服の上から胸を弄られパンティーの上から恥丘を嬲られる。背後から腰を廻され宛がわれた指は、見えるはずのないクリ○リスを迷いもなく捕らえ転がしていく。まさみを内側から焦らしていた炎がパッと燃え上がった。
「うっ!!」
 まさみは、背骨を駆け上がる電流に肢体を震わせた。細波が水際を侵食していくようにまさみに迫ってくる。
(ああ……、龍一さん、わたしの身体を全て知っている。わたしの弱い所……、わたしの感じる所……)
「さあ、言えよ。犯して欲しいんだろ?」
 龍一はまさみのパンティを膝まで下ろし、直接、指で媚肉を弄った。

 グチュグチュと蜜壷に侵入した指が愛蜜を掻き混ぜる。
「あんっ……」
 まさみは白い首を伸ばし、仰け反った。
(あん、そ、そこ……。そうよ、そこが感じるの……)
 中で折り曲げられた指がGスポットを捉える。クリ○リスを転がす指とに挟まれ、ビリビリと下半身が麻痺していく。
「だ、だめえ……、そこは、あんっ……、ああん」
 力が抜け崩れ落ちそうになるまさみの身体。胸を掴んだ手と股間を弄る手が、やっと支えている。
「ほら、お前が言えば気持ちよくなれるんだぜ。お前の先生では行かせてもらえなかった世界へ……」
 龍一の言葉が、悪魔の囁きのようにまさみの意識を蕩かせる。
「ううっ、あんっ……、はあっ、あっ……」
 まさみは、下半身から広がる痺れに湿った呻き声を上げた。細波のような痺れは、いつしか津波のような大きな波動となって押し寄せていた。
(もうだめっ……、いいっ……。せ、先生……、許して……)
 もう限界だった。刺激を求める肢体は、早く解放されたくてまさみの抵抗を閉じ込めた。
「だ、抱いて……」
 指で掻き混ぜられる下半身を拗らせながら、小さく開いた口から弱々しい声を吐いた。
「抱いて? もう抱いてるじゃねえか。本当はどうして欲しいんだ?」
「龍一さんの……おチ○チンを……入れてください」
「他に言い方があるだろ。もっと俺が犯りたくなるよう、卑猥に誘えよ」
 龍一は、まさみの感応性を高めようと被虐性を掻き立てる。
「龍一さんのチ○ポで、逝かせて! 龍一さんのチ○ポで、私のオマ○コを……スケベな、濡れ濡れの奈緒のオマ○コを……グチャグチャにして! ズンズンと突いて! めちゃくちゃに……犯して!!」
 まさみの口から哀願の台詞が、堰を切ったように吐き出された。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊