黒い館
けいもく:作

■ 9.初恋とSM4

 窓の明かりを見て、あの光の中に裕美がいるのかと思った。せめて、ひとめ、シルエットでも見たいと思った。そして、また裕美を想いオナニーをするようになった」

 少年の初恋は、実ったのでしょうか。ただ、それは、ひどくいびつなものであったかもしれません。

 お館様は、自分の身体を洗っている裕美さんをじっと見つめました。少女の頃の面影を残した顔からふくらんだ乳房、くぼんだウエスト、さらに膝の部分に手をそえ、足を大胆に開かせました。

 裕美さんに見えるように、人差し指を一本まっすぐに伸ばしました。お館様の意図を察した裕美さんが頷くと、一直線に黒い茂みの中の穴に差し込み、そこで十回くらい、くりくりと回しました。

「採れるかな?」

「さあ?」
 裕美さんは、自分の股間に差し込まれたお館様の指を見ながら、首を傾げました。

 お館様は、突然、裕美さんの秘部の粘液を舐めたい衝動にかられたようでした。

 そんなことをしてどれだけ裕美さんの秘部の粘液を採取できるのかわかりませんでした。少しくらい石鹸が混ざっていてもいいと思いました。ただ、裕美さんの秘部の香りが指先に、ほんの少しでも残っていればいいと思いました。

 裕美さんの秘部から抜いた指を、大切な宝物でもあるかのように見つめ、匂いをかぎ、少しずつ舐め始めました。

 考えてみれば、隔世の感でした。本来なら手が届かないはずの裕美さんに奉仕させ、気がむけば鞭で打ち、その身体を欲望のままに扱うことが出来るのでした。

 お館様には、『おれは何もしていないのに』という思いがありました。

「裕美の家には小さな庭があって、家の様子をさぐるようになって、一ヶ月くらいたった頃、そこに裕美が立っていた。

でも、おれが何年ぶりかで見た裕美は、以前の裕美ではなくなっていた。いや、顔つきは同じだったが、なぜか抜け殻のような気がした。眼が死んでいると思った。

おれは、あくまで偶然通りかかったふうに装って、『こんにちは』と言った。裕美は無言のまま頭を下げた。でも、いつもおれに見せてくれていた笑顔はなかった。

次の日も同じ時間にいけば、やはり裕美に会えた。おれはとにかく、『一度食事でもしませんか』と誘ってみた。以外にも裕美の返事は、『はい』だった。

 おれは、気の利いた店も知らなかったが、同僚にたずねて、身の丈以上の所に連れて行ったつもりだった。たいして面白くもない仕事の話をせいいっぱい面白そうに話したつもりだった。

 その時のおれには、裕美が病気だとすれば、何とか元気付けてやりたいという気もあった。

 おれが『家まで送ろう』とした時、裕美は『あなた、わたしが欲しいのならいいのよ』と言った。おれは驚いた。でも、おれは断らなかった

 だって、おれはがきの頃からあこがれ続けてきたんだぜ。この身体に」

 お館様は、今度は裕美さんのあごをつかみ、自分の方へ引き寄せ、唇を吸いました。そして、手は乳房から腹、股間にいたるまで無遠慮にベタベタと撫でつけていきました。

 「おれの胸の下には、裕美の乳房があり、おれは、裕美の割れ目に自分のものをゆっくりと挿入して言った。天にも昇る心地だった。涙が出るほどうれしかった」

 わたしも湯船から出て、裕美さんとお館様をはさむように座りました。すこし足を広げました。これでお館様にすれば、手を伸ばすだけで二人の女のほとんどの身体の部分がさわれるようになったはずでした。

 きっと、お館様がさわりたいと思ったときに、さわれるようにしておくのがこの館の女のつとめだと思いました。

「でも、終わってから、おれは裕美に衝撃的な話を聞いた」

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