黒い館
けいもく:作
■ 16.楽しい混浴2
裕美さんは、売春婦をさせられていたときに、すでに男性に尽くす技術を知っていたのですが、香子さんはこの館に来たとき、複数の男性と性体験があったというだけで、知識も技巧もほとんど持ち合わせていませんでした。
だから香子さんは、「ヘタだ」と言って、何度も泣かされました。それは香子さんに技術を習得させるためというより、お館様のサディズムの犠牲になっていただけという感じでした。
お館様のものをほおばる口の締め付け方が緩いというだけで、身体を縄で縛り、熱して溶けたロウを香子さんの乳房に落とす必要はありませんでした。でも、いつの間にか、お館様は教えることより罰することの夢中になっていました。
香子さんの苦しむ姿、何とか熱さから逃れようともだえる姿と「もう、かんにんしてください」と哀願する声を聞いて、性的に興奮していました。我を忘れて乳房にロウをたれさせているうちに、お館様のものは、香子さんの口と乳房で刺激させているとき以上に猛っていました。
だけど、香子さんもそんなお館様の密かな楽しみを、知ってか知らずか、自分の身体の各部を使い、お館様を喜ばせる技巧も文句の付けようのないくらい上達してしまっていました。
でも、お館様は真菜ちゃんには、そこまで厳しくするつもりはありませんでした。
一回り以上に歳もはなれていたし、何よりもいずれ館を巣立たせようと思っていたからでした。
もちろん、館は非行少女を更生させるための施設ではありませんでしたが、お館様も裕美さんも香子さんも愛子さんも漠然とですが、そういうことも可能になればいいなとは考えていました。
それでも、以前、お館様は自分のものを裕美さんにほおばらせながら言ったことがありました。
「真菜にも、もう少しテクニックを教えてやってくれないか?」
返事をするために、お館様につかまれていた髪を離された裕美さんは、「真菜ちゃんは今のままでいいと思うわ。あなただって、荒削りなほうが楽しめるのじゃないかしら」
確かにそうかもしれませんでした。
目を閉じて、技巧だけに身をゆだねるというのであれば、裕美さんや香子さんにさせるほうがいいに決まっていました。
でも、真菜ちゃんには若さの特権がありました。張りのある肌を見て腰をつかみ、力まかせに股間を口の真上に引き寄せ、舌を伸ばして舐めてみるだけで、真菜ちゃんの愛液のにおいとその甘さにお館様は興奮しました。
突然乳房による奉仕を中止させられ、お館様のいやらしい舌で秘部を舐められてしまった真菜ちゃんは、抗議するようにお尻を四・五回左右に振りました。
そして、「もう、ヘンタイなんだから」
あるいは真菜ちゃんは男女間では、そうした行為も普通のこととして許されるというのを知らないのかもしれません。
これには、お館様も苦笑するしかなく、真菜ちゃんの大きくて丸い、いかにも健康的なお尻をポンと叩きました。
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