黒い館
けいもく:作
■ 20.亜紀ちゃんの興味4
それは女体の不思議さかもしれませんでした。医者でもない男が興味を持ったところでわかるわけもありませんでした。
依然、お館様の舌は香子さんの下腹部を這い続けていました。
執拗な舌の動きに香子さんは独力で立っていることができなくなっていました。お館様の頭に手を乗せ、全身を支えながら「もうやめて」と言いました。
けれど、お館様はやめませんでした。股間からあふれ出した愛液を舐めると、廊下の床の上に腕で背中を支えながら香子さんの身体を倒していきました。
香子さんは廊下で押し倒されて、何をされるかわからない不安を感じていたのかもしれません。ただし、それは強い拒絶というほどのものでもありませんでした。
ボタンを外すと、香子さんは肩を浮かせて、ブラウスを抜き取りやすくしました。めくれあがったスカートは、香子さんのおへそだけを隠していました。お館様はむき出しにされた脚の付けねを舐めました。
そのようすを、偶然に廊下を通りかかった愛子さんが見つけました。通り過ぎようとする愛子さんをお館様が、手招きで呼び寄せました。
「少し遊んでいかないか?」
「だめよ、そんなこと」すぐさま、拒否したのは香子さんでした。
お館様は「ハハハ、おまえには聞いていないよ」と言って、指先で乳首を摘み、強めに引っ張ってみました。
「あぁ、痛い」香子さんは、突然乳首を引っ張られて驚いたようでした。
それを見て、愛子さんは「いいかもね」と言い、香子さんの乳房を揉み始めました。
「お願い、やめて、アイちゃん」
すでに、かなり弄ばれてしまっていた香子さんは、声もかすれていました。上体をそらせ、愛子さんの手から逃れようしました。
これにはお館様が、香子さんの腹部にひざを乗せ、手で両手を押さえ込みました。こうして、香子さんの動気を封じてから、愛子さんに「これで何でもできるだろう。まだ、抵抗するようだと乳首を咬めばいい」と言いました。
「ごめんね、香子さん。わたしにもおっぱいを舐めさせてくれない?」
愛子さんは香子さんの唇にキスしてから、口を乳首にあてました。まだ、お館様の付けた唾液が半乾きの状態で残っていましたが、気にしても仕方がないと思いました。
香子さんは「もう、やめてと言ってるのに」と頬をふくらませましたが、すぐにあきらめたようでした。逆らってもどうにもならないからでした。
愛子さんは楽しそうでした。香子さんの乳房を触っては舐めていました。
「ホント、おいしい、お館様がこのおっぱいに夢中になるのがよくわかるわ」
それは、たぶんに社交辞令でした。お館様が香子さんのおっぱいをよく舐めているとしても、それは香子さんの身体全体の抱き心地だとか、抱いたときの反応が気に入っているからで、おっぱいの味がいいからではありませんでした。
お館様はもっぱら下半身を攻撃していました。穴に指を入れ、激しく上下させました。身体を震えさせ、喘ぎ声が大きくなりました。香子さんは、いつしか絶頂に導かれていたのでした。
ふざけた遊び方でした。お館様も愛子さんも上着さえ脱いでいませんでした。ふたりに責められ、一方的に感じさせらせられてしまったことに香子さんは不満でした。
お館様は「今のは予行演習、本番は明日だから」と言って、香子さん頬にに軽いキスをしました。
香子さんは「もう、明日は、やらせたれへんわ」と関西弁で言いました。
言ったものの夜伽を拒否できないことは明らかでした。明日の夜になれば、香子さんの身体が、お館様の性欲にささげていることは確かでした。
香子さんは、のろのろとした動作でブラウスを拾い、腕を通しました。
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