狂牙
MIN:作

■ 第1章 籠絡3

 ローションを塗った手が、わたくしの乳房をヤワヤワと揉み、掴んで快感を産み出します。
 丁寧に丁寧に、時間を掛けて揉みほぐされた私の乳房は、もう蕩けそうな程、感じ始めました。
 そして、乳房が柔らかくなると、そのお方はおもむろに右乳首の玩具を動かしました。
「あふぉぅ、ひんっ、ひゃ〜〜〜っ」
 わたくしは突然の刺激に驚いて、おかしな声を上げてしまいました。

 そしてその声がまるで合図だったかのように、わたくしの身体に付けられた玩具が、一斉に動き出し始めました。
「ふおぉうお〜〜〜、はう、はぁ〜〜〜ん、あふ、あ〜〜」
 わたくしは初めて感じる刺激に、あられもない声を上げてしまうと
「どうです? 奥様…素敵でしょ?」
 そのお方は悪戯っぽく笑い、わたくしのオ○ンコの中に、ピンク色の玩具を入れて、オ○ンコをかき混ぜ始めます。
「あきゅん、あん、ひ〜〜〜っ、ブルブルする…、わたくしの敏感な所…ブルブルします〜〜〜っ」
 わたくしの言葉に、そのお方は微笑まれますと、オ○ンコの中の玩具を指先で摘み、膣壁前方上部の恥骨の直下に宛がいました。

 その快感には、驚きました。
 お尻の穴がムズムズしたかと思うと、背筋をゾクゾクと快感が走り抜けます。
 子宮がビクビクと震えだし、オ○ンコから信じられない程の愛液が、溢れ出しました。
 そのお方が仰るにはそこは[Gスポット]と呼ばれる場所で、スキーン腺(小前庭腺)という分泌腺があり、女性の前立腺という俗称で呼ばれる場所だそうで御座います。
 わたくしはその部分を刺激され、初めて[潮吹き]と言うのを経験致しました。
 それは、快感が突き抜けると言う表現が、ピタリと当てはまる物で、本当に気持ちの良い物でした。

 わたくしが絶頂の余韻に浸っていると、そのお方はわたくしの顔を覗き込み
「如何です奥様? お気に召されましたか…」
 わたくしに問い掛けられました。
 息も絶え絶えで、[はい]と返事を返すと、そのお方はあの妖しい微笑みを浮かべ
「でわ、心ゆくまでお楽しみ下さい」
 そう仰って、何度も何度もわたくしに[潮吹き]を感じさせて下さいました。

 わたくしの意識は、5回目の潮吹きで完全に頭から無く成り、身体だけが何度も反応しました。
 朦朧とする意識の中で、そのお方が囁く言葉を心に刻み込みます。
「何も考えず感じ、何も考えず身を委ね、私に従いなさい。そうすれば、もっと気持ち良くなれます…」
 そのお方の言葉は、とても甘美で、わたくしの心に染みこんで行きます。
 わたくしは、心の奥底に染みこんで行く、そのお方の言葉に従う事を決めました。
 もう、わたくしはこの快感を手放す事など、出来無く成ってしまったのです。

 何度か潮吹きを体験して、快感を覚えたわたくしに、そのお方は新しい快感を教えて下さいました。
 それは、お尻の穴です。
 初めはいつもの通りわたくしは抵抗しましたが、そのお方が仰られて、わたくしが虜に成らなかった物など一つも無いと言う事実を突きつけられ、わたくしは従いました。
 その時も、実はそのお方のお言葉[何も考えず感じ、何も考えず身を委ね、私に従いなさい。そうすれば、もっと気持ち良くなれます]が心の中で響いていたのですが、わたくしは今までの常識から、抵抗したので御座います。
 結果はいつもの通りで御座いました。

 わたくしはお尻の穴を嬲られ、何度も何度も絶頂を極めました。
 その絶頂はオ○ンコで感じるような絶頂では無く、いつまでも、いつまでも終わり無く続くような絶頂で御座います。
 獣のような声を上げ、お尻の穴の絶頂を貪りました。
 そして、そのお方は今まで覚えた4つの絶頂を組み合わせて、わたくしを快楽の奥底に引き込まれます。
 わたくしは快楽の海に溺れ、それこそ息も出来ない程、絶頂を感じました。
 マッサージの絶頂、オ○ンコの絶頂、Gスポットの絶頂、そしてお尻の穴の絶頂。
 息も絶え絶えで、そのお方のベッドに突っ伏します。

 何も考えられないわたくしの頭の中で、そのお方の言葉だけが、呪文のように響いていました。
(そう、何も考えなくて良い…、わたくしの考えなど、一つも正解なんか無かったんだから…。わたくしは従うだけで良いのよ…)
 頭に甘美な考え方が芽生え、わたくしはその考えを育てて行きました。
 その考えを育てて行くと、人の目や考えなど些末な事と思えるように成りました。
 すると、心がフッと軽くなり、全てが明るく見えるように成りました。
 [わたくしには、のめり込む世界が有る]その思いの、何と素晴らしい事でしょう。
 わたくしの中では、そのお方の与えて下さる快楽が、全てと成りました。

 わたくしがそう思うようになった事も、そのお方には十分理解出来たようで、そのお方はわたくしの本質を教えて下さいました。
 わたくしは父親が旧家の出で、それなりの資産を持った家庭の、一人娘として育ちました。
 父親が厳格だったため、中学校時代から女子短大の付属校に通いました。
 短大を出て直ぐに夫を紹介され有無を言わさず、結婚したため性的知識のないまま過ごして参りました。
 勿論、子を産むためのSEX等は、知っておりましたが、快楽のための知識は、ほぼ皆無で御座いました。
 異性に身体を任せたのも、夫が初めてで御座います。
 それ故、わたくし自身がどう言う事が好きなのか、今まで一度も考えた事は有りませんでした。
 そのお方は、それをわたくしに教えて下さいました。

 あれはそのお方がお越しに成って、一ヶ月と少し過ぎた当たりで御座います。
 そのお方の部屋に、いつものように参りますと、ベッドの脇に大きな姿見が置かれておりました。
 いつもは部屋の隅に置かれている筈の物が、何故ベッドの横に有るのか不思議でしたが、その理由は直ぐに分かりました。
「今日は奥様の性癖を教えてご覧に入れます。ご自身の性癖を知るのと知ら無いのでは、感じ方がまるで違いますから」
 そのお方が妖しい笑いを浮かべ、説明して下さったからです。
 この頃には、わたくしもだいぶ理解しており、そのお方がこの笑いをお浮かべに成る時は、必ずわたくしは狂う程の快感に浸されるのです。

 その日はわたくしが全裸に成りますと、そのお方がわたくしを後ろから抱きすくめ、鏡にわたくしの身体を映します。
 わたくしの身体は、この頃から不思議な事に、30代前半いえ20代と言っても良い程の、艶と張りを湛えておりました。
 その上連日の激しい絶頂で、わたくしの脂肪は燃焼してしまったのか、緩んでいたお腹や下腹部、お尻や太股の辺りの贅肉もスッキリと落ちておりました。
 お風呂に入って自分の身体を見て、自己陶酔に浸れる程、わたくしの身体は変わっていたのです。

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